Tさん(男性/60代前半)
もう一度「お客様」に向き合い、手触り感のある仕事がしたい
数万人規模の大手企業において、本社取締役とグループ企業の代表を務めていました。そのままグループ企業内でキャリアを終える道もありましたが、社内事情に対して息苦しさも感じており、外に出てみようと考えたのです。
大企業での経営ポジションでは「方向性を決めるだけ」の立場になっていました。しかし、ビジネス人生も残りわずか、もう一度お客様に向き合い、お客様に貢献できる仕事を「手触り感」を持ってやりたいという気持ちがありました。そこでかねてからお付き合いがあったJAC Recruitment(以下、JAC)のコンサルタントに相談したのです。
「経営幹部として裁量権を持つ」という希望条件以外は、業種・規模・年収にこだわらず、さまざまな求人案件を紹介していただきました。
高齢の社長の後継者として、課題解決にこれまでの経験を生かす
何社かでカジュアル面談を受けてみて、最終的に入社を決意したのが、中小規模の消費財メーカー・A社です。
A社の創業オーナーは高齢となり、事業承継時期を迎えていました。しかしご子息・ご息女は異分野の専門職就いていて「経営」の経験がなく、外部から「後継社長」を採用することになったのです。 A社は従業員数十名規模と、前職企業とはかなりサイズ感にギャップがあります。ですが、私は子会社の社長としてこのサイズ感の組織のマネジメント経験も持っていたので、対応できると判断しました。何より、ライフスタイル領域の事業も手がけてきたため、消費財メーカーであるA社の「ブランド再構築」「新たなチャネル開拓(Eコマースなど)」といった課題に対し、自身の経験を生かせると思ったのです。
コンサルタントの目線:「ギャップへの覚悟」「商品・サービスへの思い入れ」が重要
大手企業から中小企業の転職となり、年収はダウンとなりましたが、「自身の経験・スキルを生かして貢献できる」という点に価値を感じ、決断されました。
入社を検討される際、JACからはこのようなアドバイスをさせていただきました。「子会社の社長として、この組織サイズの経営も経験されてきましたが、『大手企業の子会社』のようにコンプライアンスやガバナンスなどの面では整備されておらず、ギャップを感じると思います」――Tさんは、それも覚悟のうえで決断されました。
オーナー社長の後を継いで中小企業の経営を担うにあたっては、困難や障害にもぶつかります。それを乗り越えていくためには、「商材・サービスに思い入れを持てるかどうか」「創業理念に共感できるか」「自身の価値を最大限に発揮できるかどうか」が重要。そうした観点で検討することをお勧めしますし、コンサルタントからは「見極めるための判断材料」をご提供します。
なお、Tさんは社長就任後、ブランド再構築、チャネルの新規開拓、顧客との関係再構築などを見事に果たされました。
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