転職で年収金額を間違えて伝えたら?年収は盛ると知られる?適切な対処法

  1. 転職年収

公開日:2024/12/02 / 最終更新日: 2024/12/10

「転職の希望年収を間違えて伝えてしまった」「転職で現在の年収を盛って言ってしまった」場合などは、採用に影響がないか、また、その後の対応にも迷いやすいです。
転職の年収に関する情報は、企業にとっても自身にとっても重要な情報であるため、間違いや不適切な対応は、せっかくのチャンスを台無しにしかねません。

ここでは、転職時に年収を間違えて伝えた場合の対処法、正確な年収の把握方法、年収を少なく言ったり盛ったりした場合の影響について、ハイクラス転職のJAC Recruitment (以下、JAC)が解説します。

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転職の年収を間違えたとき(盛る・少ない)の対処ポイント5つ


【転職の年収を間違えたときの対処ポイント5つ】
1. 年収の間違いに気付いたら早めに連絡して修正する
2. 修正を伝える際は間違えた理由を添え丁寧に謝罪する
3. 修正の際は希望年収・現在の年収を正しく伝える
4. 修正を伝える際に転職先への意気込みも一緒に伝える
5. 転職の年収で嘘を重ねると信頼をなくすので避ける

転職活動において、希望年収・現在の年収を間違えて伝えてしまうことは、採用プロセスにおいて大きな影響を及ぼす可能性があります。
しかし、転職活動に慣れていなかったり、焦りを感じていたりする中で、年収を誤って伝えてしまう場合もあるでしょう。特に早期に転職を決めたいという思いから、希望年収を低く伝えてしまう場合があります。また、現在の年収では、過去の源泉徴収票を確認せずに、曖昧な記憶で金額を伝えてしまい、意図せず高めに伝えてしまうケースもあります。

こちらでは、このように転職で年収の伝え方を間違えたときの適切な対処法を5つのポイントでご紹介します。

転職の面接など転職活動において、年収を間違えて伝えてしまったことに気付いたら、できるだけ早く申し出て、正しい情報に修正することが重要です。

希望年収を修正することで選考に影響があるのでは?と修正をためらってしまうこともあるかもしれません。
しかし、企業は転職者本人から聞いた情報をもとに採用プロセスを進めているため、誤りが後から判明すると企業への印象も悪くなる可能性があります。

そのため、早期に対応することで、採用担当者の不信感を最小限に抑えられるでしょう。 たとえ小さな誤りであったとしても、誠実に正直に伝え、速やかに修正することがその後の選考プロセスをスムーズに進めるために大切です。また、詳細な金額については口頭だけではなくメールなどでお伝えすることで、認識齟齬によるトラブルを避けることができます。

年収の修正を伝える際は、誤りが生じた具体的な理由を明確に説明し、丁寧に謝罪することが大切です。

例えば、採用に不利にならないよう希望年収や現在の年収を低めに伝えてしまった場合や、源泉徴収票を確認せずに曖昧な記憶で現在の年収を高く伝えてしまった場合など、その経緯を正直に説明しましょう。
具体的な理由を述べることで、相手の理解を得やすくなります。そして、誠意ある謝罪の言葉を添えることで、より適切な対応を示せるでしょう。

年収の修正を行う際には、希望年収と現在の年収の双方を正しく伝えましょう。これは、採用担当者が正確な情報に基づいて判断できるようにするためです。その際、年収の内訳(基本給・残業代・賞与など)も把握できていると安心です。

例えば、次のように伝えると正確でしょう。

「申し訳ございません。前回お伝えした現在の年収に誤りがありました。正確な年収額は●●円になります。以前高くお伝えしていたのは、自身で賞与も含めた年収を正確に把握していなかったためです。希望年収につきましては、前回お伝えした〇〇万円に変更はございません。ご迷惑をお掛けして申し訳ありませんが、何卒ご容赦いただけますと幸いです。」

このように、修正したい年収を正確に伝え、現在の年収と希望年収の双方を再度伝えることで、採用担当者にも新しい情報として整理して捉えてもらいやすくなります。

希望年収を修正する際には、誠意ある対応が非常に大切です。
正確な情報を伝えるだけでなく、転職先での意欲や貢献したい気持ちも同時に伝えることで、真摯な姿勢と転職への熱意が伝わり、年収修正によるマイナスの印象をカバーできます。

例えば、次のように伝えると効果的です。

「この度は誠に申し訳ございませんでした。今回の修正にあたり、あらためて申し上げたいのは、貴社で自身のスキルを最大限に生かし、組織に貢献したいという強い思いです。修正に関しての反省の気持ちは深く、これからも誠実に取り組む所存です。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。」

このように、丁寧な言葉遣いで謝罪し、正確な情報を提供したうえで、意欲や熱意を伝えることが出来れば、誠実さと前向きな姿勢が伝わるでしょう。こうした対応が、好意的な評価にもつながりやすくなります。

年収に関する誤りを修正する際は、嘘を重ねることは絶対に避けるべきです。誠実に対応し、事実を正確に伝えることが極めて重要になります。これは単に道徳的な問題だけでなく、自身の信頼性と将来の関係性に大きな影響を与える可能性があるためです。

嘘をつくことで一時的に状況を取り繕えたとしても、それは長期的には大きなリスクをともないます。最悪の場合、内定取り消しという深刻な事態に発展する可能性もあります。また、たとえ発覚しなくても、嘘をついたという事実があなたの心理的負担となり、新しい職場でのパフォーマンスにも影響を与えかねません。

修正を早めに申し出ることには精神的負担があるかもしれませんが、信頼感を保つためにも誠実に対応することが大切です。

転職の際「年収を伝え間違えた」を避けるための方法


転職で年収を間違えて伝えるミスを避けるためには、自身の正確な年収を把握しておくことが大切です。こちらでは、正確な年収を把握する方法をご紹介します。

転職活動で年収を尋ねられた際には、前年の総支給額を答えるのが一般的です。

総支給額とは、給与所得の源泉徴収票に記載されている「支払金額」を指します。この金額には、税金や社会保険料が引かれる前の給与・残業代・各種手当・賞与が含まれています。転職活動での年収は「手取り金額ではなく、会社から支払われた総額をもとに答える」と、覚えておきましょう。

年収を確認する際は、毎年会社から配布される源泉徴収票を参考にすると良いでしょう。

転職活動中に現在の年収を聞かれた場合、前年の総支給額を答えるのが基本です。また、総支給額が同じでも企業によってその内訳が異なるため、基本給・残業代・賞与などの内訳も確認できていると安心です。

もし退職している場合は、前職での、最後の1年間の総支給額を「現在の年収」として回答するのが一般的になります。
ただし、退職後に時間が経過している場合や、フリーランスとして活動していた期間がある場合は、その旨を明確に説明し、最新の収入状況も併せて提示することが望ましいでしょう。

正確な年収を把握するための最も信頼できる書類は、源泉徴収票です。源泉徴収票は、前年の収入に基づいて雇用主から発行され、12月分の給与明細とともに受け取ることが一般的です。

先に述べたとおり、年収は源泉徴収票の最初の「支払金額」の欄に書かれている金額が該当します。
もし源泉徴収票が手元にない場合は、会社の人事部に問い合わせて再発行を依頼できます。また、まだ源泉徴収票が発行されていない時期に転職活動を行う場合は、過去12ヵ月分の給与明細書をもとに総額を計算するとよいでしょう。1月~12月の給与明細、賞与明細を用意し、各月の総支給額と賞与を合計すれば、年収が計算できます。

現在の年収は必ず聞かれる質問なので、転職活動を始める前にこれらの書類を整理しておくと、間違えることなくスムーズに対応できます。


現在の年収を間違えて少なく伝えた場合、それが転職先での給与設定に影響を及ぼす可能性はあります。
そのため、正確な情報を伝えることが重要です。こちらでは、年収を少なく伝えた場合の対処法と注意点をご紹介します。

企業が応募者に現在の年収を尋ねる理由の1つは、採用時の給与を決めるための参考材料にしたいからです。
業界や職種によって給与水準は異なるため、企業は応募者の現在の年収を確認し、自社の給与水準と比較して採用時の給与を決定する目安とします。また、希望年収も考慮されるでしょう。

希望年収や現在の年収額は目安の1つであり、その他経験値やスキルに対する評価基準を加味して、総合的に採用時の年収を決めます。そのため、応募者の現在の年収額がそのまま採用されるわけではありません。
しかし、年収を少ない金額で伝えた場合は、その低い年収をもとに判断され、採用時の年収決定に悪い形で影響してしまう可能性も、ゼロではありません。

そのため、年収を間違えて少なく伝えてしまったときは、早めに正しい年収を伝え直すことが大切です。

年収を少なく伝えてしまった場合は、早急に訂正しましょう。

具体的なアプローチとしては、まず採用担当者にメールで連絡を取り、訂正したい旨とその内容を伝えます。例えば、「正確な金額を把握できていなかったために、不正確な情報をお伝えしてしまいました。以下に、修正後金額を記載いたします。」といった具合です。

そのうえで、今回訂正内容や理由については、可能であれば電話等で直接説明するとよいでしょう。直接伝えることで誠意が伝わりやすくなります。

希望年収を引き上げる場合は、その理由を明確に説明できるように準備しておきましょう。

多くの場合、採用担当者は、なぜ最初に提示された希望年収から変更があったのかを理解したいと考え、候補者に理由を確認することがあります。適切な回答例としては以下のようなものが考えられます。

「希望年収につきまして、当初は●●万円とお伝えいたしましたが、前職の年収と自身のスキルを生かして貢献したいという気持ちを鑑みて、改めて〇〇万円と希望させていただきました。」

このように、単に金銭的な側面だけでなく、自身のスキルや経験が企業にもたらす価値や意欲を盛り込むとよいでしょう。

不信感をもたれないように、誠実かつ論理的に説明することで、企業側の理解も得られやすくなるでしょう。


転職面接で、現在の年収を嘘で高く言ってしまっても、採用担当者には分からないかもしれないと思うかもしれません。

しかし、年収を高く伝えることは大きなリスクを伴います。こちらでは、転職の面接などで年収を盛った場合の影響と、その対策についてご紹介します。

転職で現在の年収を盛ると、盛った直後は転職先に分かりにくいかもしれませんが、内定後や入社時に、源泉徴収票を提出する際、転職先に露呈します。

源泉徴収票をチェックするのは経理担当者なので採用担当者に知られることはないという意見もありますが、企業によって対応が違うため、必ず真実を伝えるようにしましょう。
厳格なところは、同意を得たうえでさらに前年の源泉徴収票の提出が求められる場合もあります。
また、住民税の毎月の納税額が極端に少ない場合などは、税額からも年収を偽っていたことが疑われます。

そのため、現在の年収を盛ると、転職先の企業には知られるリスクが高いと肝に銘じるべきでしょう。

転職の年収を計算ミスで間違えて高く言ってしまったという場合は、早急に誤りを正し、謝罪をすることで企業からの理解を得られるかもしれません。

しかし、転職の面接で故意に年収を高く伝えた場合、年収詐欺と見なし、企業は応募者と信頼関係を築くことが難しいと判断します。その結果、内定取り消しの可能性もあります。また、一般的に、就業規則には虚偽申告に対する懲戒処分を明記している場合が多いです。そのため、入社後であっても、年収を盛るという虚偽申告が発覚した際には解雇になる恐れもあります。

年収を盛るという虚偽申告は、単なる数字の問題ではなく、今後のキャリアにも大きく影を落とすことになるでしょう。

実際のところ、転職の年収を盛ることは、誤差の数字の大きさにかかわらず、「面接で嘘をついたこと」の方が大きな問題として捉えられます。
企業は、応募者の能力や経験だけでなく、その人格や価値観、誠実さを重視します。そのため、虚偽の情報を提供することは、信頼関係を損なう行為と見なされるでしょう。

採用時の年収を高くしたいという理由で年収を盛ることは、結果的に自分の評価を下げ、長期的なキャリアにとって遠回りになります。 したがって、正直に事実を伝え、自身の能力と実績で評価されることが、望むキャリア構築への近道となります。

転職で、前職の年収より上回ることを希望する場合は、年収交渉を行うことが適切です。年収交渉を行うことは、自分の市場価値を適切に評価してもらえることにもつながります。

交渉の際には、自身のスキルや経験、業界の相場をもとにした具体的な理由を準備しましょう。市場調査を行い、同様のポジションの一般的な報酬レンジを把握しておくことも有効です。自分の価値をしっかりと伝え、正直に交渉を行うことは企業との信頼関係を築く第一歩となります。

年収交渉については、こちら「転職で年収をアップさせたい方へ|年収を上げる方法」の記事でも詳細を記載しております。ぜひご覧ください。


【転職の年収を間違えたときの対処法のまとめ】
・転職の年収を間違えたときは迅速に修正を伝える
・年収の修正は謝罪・修正理由・誠実な対応を心掛ける
・年収を少なく伝えた場合
 →採用年収に影響もあるため早く伝える
・年収を高く伝えた場合
 →故意でなかったこと・誠実さを示す
・年収の虚偽申告は内定取り消しや解雇の恐れがある

転職活動における年収の伝え方を間違えた場合、適切な対応を怠ると、その後の選考に大きな影響を及ぼす可能性があります。

企業側は、年収の間違いそのものよりも、応募者の対応を重視しています。迅速に正確な情報を伝え、誠実に対応することで、信頼関係を築き、納得のいく転職へとつながるでしょう。

転職エージェントのJACは、ハイクラス・ミドルクラスの転職に特化した転職エージェントです。各業界・職種に詳しいコンサルタントが多数在籍しており、転職希望者の市場価値を正しく把握したうえでの求人紹介と面接サポートを実施しています。転職の相談先を考えている方は、ぜひ一度JACの利用を検討してみてください。

この記事の筆者

株式会社JAC Recruitment

 編集部 


当サイトを運営する、JACの編集部です。 日々、採用企業とコミュニケーションを取っているJACのコンサルタントや、最新の転職市場を分析しているJACのアナリストなどにインタビューし、皆様がキャリアを描く際に、また転職の際に役立つ情報をお届けしています。