転職エージェントを利用していると、ときに「急かされる」という経験をすることがあるかもしれません。利用している転職希望者にとって、急かされることはあまり気持ちの良いことではないでしょう。自分のペースで利用したいと考える方も多いです。
今回の記事では、転職エージェントが急かしてくる際に考えられる理由とその対処法について、ハイクラス転職のJAC Recruitment(以下、JAC)が解説していきます。急かされたときの対処法も紹介しているので、転職エージェントを利用中の方はぜひ参考にしてみてください。
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判断を急かす転職エージェント側の事情
1. 業績のため
2. 限られた採用枠を逃さないようにするため
3. 企業側に急かされている
転職エージェントが急かしてくる理由には、いくつかの事情が考えられます。候補者のことを思って行動しているケースもあるため、「急かされた」からといって疑心暗鬼になってしまうのは早計かもしれません。
まずは、転職エージェントが急かしてくるときに考えられる理由を見ていきましょう。
1. 業績のため
転職エージェントが急かしてくる理由として、まず「業績のため」が考えられます。転職エージェントは候補者が転職先へ入社することで、入社先の企業より成果報酬を得ています。この仕組み上、求職者が転職に成功しないと報酬が発生することはありません。
決算前に業績を良く見せるためだったり、営業担当者のノルマのためだったり、業績のために急かすということはどのビジネスでも見られる光景です。転職エージェントでも同様に、業績アップのための焦りが生じて急かしてしまうということはありえます。
もちろん、転職エージェント側も候補者のことを第一に考えて行動しなければ、顧客がついてこないことは理解しています。そのため、候補者にとって負担となるような急かし方は基本的にはしません。急かす転職エージェントがいたとしたら、本人が焦っていたり、個人の成績を最優先してしまう人だったりする可能性が高いでしょう。
2. 限られた採用枠を逃さないようにするため
転職エージェントへの「登録だけ」の場合、利用できるサービスには人気のある企業やポジションでは、採用枠が限られており、早い者勝ちとなってしまうこともあります。転職エージェントはこのような採用枠を確保するために、候補者に対して急いで応募させようとすることも考えられます。
中途採用の求人の多くは欠員補充による1名枠です。魅力的な求人ほど時間が経つにつれて応募も増えてきますので、高いスキルセットを保有している方も現れるでしょう。「強いライバルが現れてしまう前に入社してほしい」と考えて応募を急かしているという背景が想定できます。
限られた採用枠を逃さないために、転職エージェントが候補者に急ぐように促すことは、候補者自身のためでもあるといえます。
3. 企業側に急かされている
転職エージェントは企業側からも急かされることがあります。特定のプロジェクトや期間限定の採用枠など、急募の求人ではスピード感が求められます。企業側も早急に人材を確保したいと考えているため、転職エージェントに対しても早期の応募を求めることが多いです。
特に新規プロジェクトの立ち上げや突発的な人員不足が発生した場合、企業側としては迅速に人員を確保したいと考えています。このような場合は条件が多少緩くなることもあるため、候補者側にとってもチャンスとなります。
また、企業側が人材獲得の競争をしている場合もあります。このような場合、優秀な人員を見つけた際には転職エージェントに対しても早急に動いてもらうよう、企業側が依頼していることもあります。
このように「企業側から急かされているため、候補者に対しても急かすことになってしまった」というケースもあります。急かされたときには理由を聞いて状況を確認してみると、納得できる場合もあるでしょう。
転職エージェントから急かされる場合が多い求人
・ 管理職(マネージャー)の求人
・ 部長、役員クラスの求人
・ IT系の技術職
・ 医療従事者
一般的に、採用枠が少なく人気の高い職種は、急かされることが多い傾向にあります。管理職や部長、役員クラスなど、会社に少人数しか存在しない役職の求人は貴重です。
ほかにも、人手不足なことが多いIT系の技術職や、医療系の業界では急募の求人も多いため、急かされることも考えられます。
急かされる求人というのは、人気で枠が埋まりやすいとも考えられます。急かされたからといってすぐに応募するのは早計かもしれませんが、検討したうえで良い求人だと判断できれば、すぐにでも応募したいところです。
転職エージェントから急かされやすい候補者の特徴
1. 良い経歴とスキルを保有している人
2. 転職希望時期が早めの人
「急かされやすい候補者」という見方もあり、上記のような特徴をもっている方は急かされてしまうこともあります。転職エージェント側の事情でみると「業績のため」になり、上記のような方は業績につながりやすいためです。それぞれ特徴を見ていきましょう。
1. 良い経歴とスキルを保有している人
良い経歴とスキルを持つ候補者は、転職エージェントにとって非常に魅力的な存在です。このような候補者は企業側からも高く評価される可能性が高く、転職エージェントはできるだけ早く紹介しようと動くことがあります。また、業界での経験が豊富で、即戦力となる人材も急かされやすいです。
他社の転職エージェントや直接応募での選考、知人の紹介など、魅力的な候補者はさまざまなルートで入社する可能性があるため、転職エージェント側の成果のためにも急かしてしまうことがありえます。
急かされるのはあまり気分の良いものではないですが、「良い経歴とスキルをもっているから」と、担当者が張り切って動いてくれている、という見方もできます。より良い条件の求人を獲得できる可能性も高まるため、悪いことばかりではありません。
2. 転職希望時期が早めの人
転職活動は約3ヶ月程度かかることが多いです。そんな中、転職希望時期が1ヶ月後など早めの方は、転職エージェント側が急かしてくることも考えられます。これは「入社希望時期にあわせ早めに行動しなければならない」という候補者のことを考慮した観点が考えられます。
選考が始まってから入社までの期間は1ヶ月以上かかることも多いため、担当者が急かすことも理解できます。
急かされずに自分のペースで転職エージェントを利用する方法
1. 自分の希望を正直に伝える
2. 自分が動ける範囲内でスケジュールを定めて伝える
3. ほかの転職エージェントを同時に利用する
4. 急かされても焦らずに、慎重に考えて判断する
ここでは、自分のペースで転職エージェントを利用する方法について紹介していきます。
転職エージェントに急かされて誤った判断をしてしまい、希望とは違う会社へ入社してしまうと人生の損失となってしまいます。失敗しないためにも、対処法はおさえておきたいところです。
基本的には自分のことを優先して動きつつ、急かされても焦らずにじっくりと考えるように意識しておくと、転職エージェントも活用しやすくなります。具体的な方法についても見ていきましょう。
【例文付き】転職エージェントの断り方・丁寧に求人紹介やサービスを断るコツ
1. 自分の希望を正直に伝える
まずは、自分の希望を正直伝えるようにしましょう。転職活動において、妥協したくない条件や譲れないポイントを明確にし、それを担当者にしっかりと伝えるようにします。条件を明確にし、条件から外れた求人はハッキリと断ることで、担当者側も希望に沿った求人の提案が段々としやすくなります。無理に急かされることも少なくなるでしょう。
また、転職の意欲がそこまで高いわけではない場合も、正直に伝えると良いでしょう。「キャリアの方向性からじっくり考え、納得のいく転職をしたい」といったかたちで相談すれば、より良い提案をもらえる可能性も高まります。
2. 自分が動ける範囲内でスケジュールを定めて伝える
自分が動けるスケジュールを事前にはっきりと伝えておく、という手もあります。例えば「平日は忙しいためあまり連絡が取れません。週末のやりとりを中心とさせてください」と伝えておくことで、平日に急かされることは避けられます。
また、求人の提案に対しても「○○日までに回答します」と、回答期日を自分で設定し、一旦返事しておく、という方法も有効です。もしくは「いつまでに返答すれば良いですか」と、締め切りを設定してもらう手もあります。企業側の都合や人気求人だからといった理由で急かしてくることも考えられますが、理由次第では急かされることに対しても納得ができるかと思います。
なお、回答期日ややりとりできるタイミングを伝えているにも関わらず、特に理由もなく急かしてくる場合は、その担当者のサポートの質が低い可能性が考えられます。このような場合はほかの転職手段も検討してみてください。
3. ほかの転職エージェントを同時に利用する
複数の転職エージェントを利用して転職活動を進めている方も多いです。急かされること自体を避けられるわけではないですが、複数社利用することで情報量が多くなり、判断材料が豊富になります。提案を受けた際にも迅速な判断がしやすくなるでしょう。
また、複数の転職エージェントを利用していれば、あまりにも急かしてくる担当者がいる転職エージェントの利用を控えるという手段も取れます。情報量や取れる選択肢が増えるので、転職エージェントの複数利用はおすすめです。
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4. 急かされても焦らずに、慎重に考えて判断する
転職エージェントから急かされた際にも、焦らずに慎重に判断することが重要です。転職は人生の大きな決断であり、一時的なプレッシャーに負けて軽率な判断をしてしまわないように注意しましょう。
急かされても、自分のことを優先してじっくりと考えてみてください。ただし、面接日程や、内定承諾の回答期限など企業側の設定期日はきちんと守るようにしてください。