転職エージェント経由で紹介された企業から直接連絡を受けてもいい?想定ケースと対応策を解説

公開日:2024/08/15 / 最終更新日: 2024/10/17

転職エージェント経由で応募した企業の担当者から、突然直接連絡が来ることがあります。そもそも直接連絡を受けてもいいのか・直接連絡が来るのはどのようなケースか、実際に連絡が来た際の対応策をJAC Recruitment(以下、JAC)が解説します。

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転職エージェント経由で応募した企業からの直接連絡は、原則受け付けないことが望ましいとされています。本章では、その理由となる下記2点を解説します。

• コンプライアンス違反(直接取引の禁止)の可能性があるから
• 転職エージェントからの支援を受けられなくなる可能性があるから

1つ目の理由として、転職エージェント経由で応募した企業がコンプライアンス違反(直接取引の禁止)を行っている可能性がある点が挙げられます。

転職エージェントは、企業に求職者を紹介し、紹介した求職者が採用に至った場合に支払われる成功報酬によって利益を得るビジネスモデルです。しかし中には、転職エージェントへの成功報酬を支払いたくないために、転職エージェントから紹介された応募者に直接連絡する企業もあります。
万が一、転職エージェントからの紹介にもかかわらず、転職エージェントを介さず応募者の採用に至った場合、転職エージェントは企業から成功報酬を受け取れなくなってしまいます。このような事態を防止するために、転職エージェントは、企業に対して契約書などで、紹介した方への直接連絡を禁止しています。

転職エージェントの報酬の仕組みとは

2つ目の理由は、転職エージェントからの支援を受けられなくなる可能性があるからです。
多くの転職エージェントでは、利用規約などに応募先企業と直接連絡を取ることを禁止する旨を明記しており、求職者に対しても直接連絡を控えるよう周知しています。

JACでも利用規約第10条(ご登録者の遵守事項)に、以下のとおり定めています。

本サービスを通じて紹介を受けた求人企業に対し、当社の承諾なく直接連絡をとったり、採用選考を受けたり、入社したり、業務委託契約を締結する等しないこと。
引用:JAC Recruitment 利用規約第10条(ご登録者の遵守事項)

応募先企業に対して故意に直接連絡を取る行為が見受けられた場合、サービス提供が一時的に停止されてしまう可能性があります。書類添削や面接対策など、転職活動にまつわるあらゆる支援提供を受けられなくなるリスクもあるため、安易な気持ちで応募先企業と直接連絡を取る行為は控えましょう。


ここでは、転職エージェント経由で応募した企業から直接連絡があるケースとその対応策について、下記6つの事例を紹介します。

• 他の匿名型スカウト・ヘッドハンティングサービス経由で連絡があるケース
• 企業担当者・転職エージェントの手違いで連絡があるケース
• 転職エージェントに紹介された企業に対して、応募自体は直接応募を行ったケース
• 面接選考の直前に、何らかのトラブルがあるケース
• 選考落選後しばらく経って、企業都合で連絡があるケース
• 内定承諾後、入社に必要な手続きに関して連絡があるケース

他の匿名型スカウト・ヘッドハンティングサービスを経由して応募先企業から連絡が来る場合もあります。
転職希望者は匿名で登録しているため、企業の採用担当者は既に転職エージェント経由で応募している人材だとは気付けません。そのため本ケースの場合、応募先企業から直接連絡が来ること自体は、問題ないといえるでしょう。
この場合は、スカウトへの返信に対して、既に転職エージェント経由で応募している旨を伝えるか、スカウトの承諾や返信を見送るようにしましょう。

企業の採用担当者や転職エージェントの手違いによって、応募先企業から直接連絡がくることもあります。転職エージェントの担当者から面接時の緊急連絡や入社に関する連絡など、応募先企業から連絡がある旨を知らされている場合は、そのままやり取りしても差し支えありません。
ただし、転職エージェントの担当者から何も聞かされていないにもかかわらず応募先企業から連絡があった場合は、手違いの可能性があります。
すぐには返信せず、まずは転職エージェントの担当者に確認をしましょう。

転職エージェントに紹介された企業であっても、既に直接応募を済ませている企業の場合は、転職エージェントを介さず直接連絡をしても問題ありません。
これは転職エージェントと転職サイトを併用して転職活動を進めている場合に、起こり得るケースといえるでしょう。
ただし、本ケースはあくまでも転職エージェントから紹介される前に直接応募を済ませた企業に限ります。転職エージェント経由で応募した企業に対して、転職サイトなどを経由して重ねて応募することはモラルに反すると捉えられる可能性があるため、注意しましょう。

転職エージェント経由と直接応募、優位性や選考における影響を解説

面接選考の直前など、面接や面談前に何らかのトラブルが発生したため、やむなく応募者に対して企業から直接連絡するケースがあります。
あらかじめ担当者の連絡先が共有されている場合は、有事の事態に限り、連絡を受けたり、連絡を返したりすることは問題ありません。ただし、あくまでも緊急時に限ることを念頭に入れておきましょう。選考結果や次回の選考に関する連絡は、転職エージェントを介するようにしましょう。

選考落選後しばらく経ってから企業都合で直接連絡が来た場合は、応募先企業がコンプライアンス違反している可能性があります。例えば、内定者が辞退した、類似ポジションで退職者が出たなどの理由から早期に人材を採用しなければならず、これまでの不合格者に対して直接連絡するケースが該当します。
本来であれば、転職エージェントを介して連絡するべき事由になるため、直接連絡は避け、転職エージェントの担当者に相談しましょう。

内定承諾後、入社手続きに関して企業から直接連絡がくることもあるでしょう。
この場合、転職エージェントと企業の間で直接連絡する旨が合意されており、かつ転職エージェントの担当者から求職者に対して直接連絡がある旨や直接やり取りをしてもいいことを事前に知らされていれば、応募先企業と直接連絡を取っても問題ありません。
ただし、応募先企業や転職エージェントによっては、入社日直前まで転職エージェントが連絡のやり取りを仲介する場合もあります。そのため、内定を承諾したからといって、転職エージェントの担当者に断りを入れず、応募先企業と直接連絡を取り合う行為は好ましくありません。
入社後の手続きに関して企業の担当者と直接連絡を望む場合は、まず転職エージェントの担当者に相談しましょう。

内定


本章では、転職エージェント経由で紹介された企業に関してよくある質問と、質問に対する回答を紹介します。

転職エージェントを通さず、内緒で応募先企業に直接連絡する行為は控えましょう。
選考結果を早く知りたい、面接で伝えた内容に言及したいことがあるなど、様々な理由で応募先企業に直接連絡を取りたいと思う場合もあるでしょう。しかし、応募先企業に直接連絡を取ることで転職エージェントから支援を受けられなくなるリスクもあります。

どのような理由であれ、転職エージェントを介して応募した企業に対して直接連絡を取る行為は、リスクやトラブルを招く懸念があるため、控えることを推奨します。

過去に直接応募で不採用になった企業の求人を、転職エージェントから紹介された場合も、再応募は可能です。過去に応募歴がある企業に再応募を検討する際は、転職エージェントの担当者に応募歴がある旨を共有しておきましょう。過去の応募歴を事前に共有しておくことで、過去の結果を加味したアドバイスやサポートを受けられることもあります。
ただし、この場合は過去に不採用になった履歴が残っているため、転職エージェント経由であっても採用される可能性は低いと考えられます。
しかし、過去に応募した時と全く異なるポジションに応募する場合や以前応募した時と比較して多様な経験を積んでいたり、様々なスキルを身に付けていたりする場合は、採用を前向きに検討してもらえるケースもあるでしょう。

この記事の筆者

株式会社JAC Recruitment

 編集部 


当サイトを運営する、JACの編集部です。 日々、採用企業とコミュニケーションを取っているJACのコンサルタントや、最新の転職市場を分析しているJACのアナリストなどにインタビューし、皆様がキャリアを描く際に、また転職の際に役立つ情報をお届けしています。