転職エージェントの費用はなぜ無料?企業が成功報酬を払う理由と活用法

公開日:2024/08/06 / 最終更新日: 2024/10/17

「転職エージェントの利用には費用がかかるのか」「転職エージェントは無料と聞くが本当か」など、疑問を持つ方もいらっしゃるのではないでしょうか。
転職希望者は無料で転職エージェントの全サポートが利用できます。しかし、費用が無料である理由も知っておきたいものです。

こちらでは、転職エージェントの費用が無料である理由、企業と転職エージェントの報酬関係や、企業が転職エージェントを利用する理由についてまとめています。
また、転職希望者がリスクを回避しながら、転職エージェントを活用する方法についてもハイクラス転職のJAC Recruitment (以下、JAC)が解説していきます。

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転職エージェントは、転職希望者に対しての費用が完全に無料であることが特徴です。それには2つの理由があります。

まず1つ目は、労働基準法による規定で、人材紹介業者は転職希望者から直接費用を受け取ることが禁止されているためです。
転職エージェントは人材紹介業者にあたるため、企業を紹介したことに対して転職希望者から料金を徴収することはできません。これは、転職希望者の負担を軽減し、公正な雇用機会を提供するための措置です。この法律により、転職希望者は安心してエージェントのサポートを受けられます。

2つ目は、転職エージェントの収益構造が企業からの報酬に基づいているためです。そのため、転職希望者から費用を徴収する必要がありません。
このモデルにより、転職希望者は経済的負担なくサービスを利用でき、同時にエージェントも質の高いサポートを提供できるのです。

具体的な収益の仕組みについては、次の項目で詳しく説明いたします。

転職エージェントの報酬の仕組みとは


転職エージェントの費用は転職希望者には一切かからず、完全に無料です。これは、転職エージェントの企業からの手数料(成功報酬)で収益を上げるビジネスモデルによるものです。

転職エージェントは人材を採用したい企業と転職したい人の間に立って、双方を結びつけることで、企業から収益を得ています。詳しくみてみます。

転職エージェントは、企業が支払う手数料が主な収入源となるビジネスモデルです。転職エージェントは、会員登録された転職希望者に対して、無料で求人紹介やキャリアカウンセリングなどのサポートを提供します。

一方、求人企業には適切な候補者を紹介し、採用が成立した際に成功報酬として手数料を受け取ります。転職エージェントは、企業に人材を紹介しただけでは報酬が発生しません。企業が紹介された人材を採用し、実際に働き始めた時点で初めて報酬が支払われる仕組みです。

この報酬は、年収の一定割合で決められていることが一般的です。

この成功報酬制度には多くの場合、転職者の早期退職によって報酬が減額される仕組みが組み込まれています。

転職エージェントの成功報酬は、採用された人材が一定期間勤務を続けることが前提となっています。そのため、もし早期退職が発生した場合は、返金規定により転職エージェントは、企業から支払われた成功報酬のうち一部を返金することになります。

もちろん、その際も転職者に費用負担は全くなく、違約金の支払いをすることもありません。
返金対象の期間は転職エージェントによって異なりますが、おおよそ、入社後半年以内の退職では返金になることが多いです。

そのため、単なる仲介役ではなく、企業と転職希望者の双方が長期的に成功できるようなサポートの提供に努めています。


転職エージェントのサービスは無料で利用できるとはいえ、転職エージェントに企業から支払われる費用はどのくらいなのかも気になるところです。こちらでは、転職エージェントが企業から受け取る報酬の相場をみていきます。

転職エージェントの成功報酬は、採用された人材の年収に基づいて計算されます。

採用された方の年収成功報酬目安(30~35%)
300万円90~105万円
500万円150~175万円
800万円240~280万円
1000万円300~350万円
1500万円450~525万円

一般的には、理論年収の30%~35%程度が成功報酬として企業から支払われます。理論年収とは、賞与なども含めた1年間に在籍した場合に得られる年収目安のことです。

転職希望者の年収目安が高ければ高いほど、転職エージェントが企業から受け取る成功報酬も多くなる仕組みになっています。

ただ、この報酬相場は目安であり、紹介する人材のスキルや専門性が高い場合は手数料率が高くなるなど変動します。

【1件あたりの平均採用コスト(正社員)】

採用方法採用コストの目安
求人情報誌・チラシ平均 11.2万円
転職サイト平均 28.5万円
知り合い・社員からの紹介平均 4.4万円
自社HPからの直接応募平均 2.8万円
スカウトサービス平均 91.4万円
転職エージェント平均 85.1万円

出典:令和3年度厚生労働省委託調査 採用における人材サービスの利用に関するアンケート調査報告書
令和4年 三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社

上記は厚生労働省の委託調査結果で、採用1件当たりの平均採用コストを示した表です。1件あたりの採用コストだけを見れば、転職エージェントはほかの採用方法と比較すれば高額に見えるかもしれません。

【各種採用手段を利用する理由】

出典:令和3年度厚生労働省委託調査 採用における人材サービスの利用に関するアンケート調査報告書
令和4年 三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社

しかし、各採用手段の利用理由を見てみると、採用はコストだけではないことがみてとれます。

転職エージェントでは「希望する能力を持った応募者が採用できる」「専門性の高い人材や熟練した人材の紹介を受けられる」の項目の割合が高くなっています。

採用コストの面では、自社HPやリファラル採用が安くはなるでしょう。しかし、経験豊富な専門職の採用では、長期的な成果を考慮すると転職エージェントの利用はコスト効率が高いと考えられています。

優秀な人材の採用は、企業の成長と競争力向上にも直結しているため、企業の多くは転職エージェントの利用を選択しているともいえるでしょう。


【企業が費用をかけてでも転職エージェントを利用する理由】
1. 転職エージェントは優秀な人材を確保するスキルが高い
2. 中途採用失敗による組織へのダメージを確実に回避したい
3. 転職エージェント利用の方が採用コストを削減できる

先にもお伝えしたとおり、転職エージェントの利用には相応の費用もかかりますが、多くの企業がその価値を認め、積極的に活用しています。
なぜ企業は費用をかけてでも転職エージェントを利用するのか、その理由を詳しく見ていきましょう。

企業が転職エージェントを利用する1つ目の理由は、転職エージェントが優秀な人材を見極める高度なスキルを持っているからです。例えば、企業が独自に採用活動を行う場合、懸念となるのが採用に関する専門的な知識や経験が不足です。

採用活動には、求人広告の出稿、応募者との連絡、書類選考・面接など多くの労力とスキルを要します。また、採用担当者が兼任の場合、本来の業務に専念できず、採用活動も非効率になり、コストがかさむ可能性もあります。

しかし、転職エージェントは、採用活動のプロです。
企業の求める人物像を的確に理解し、独自のネットワーク、そして長年の経験で培った専門知識を生かして、その企業に最適な人物の紹介を実現できます。

また、転職エージェントは幅広い転職希望者を集められることから、企業とっては、潜在的な転職希望者にもアプローチできるというメリットもあります。

企業が直接アクセスできない優秀な人材の獲得にもつながるという点は、転職エージェント利用ならではでしょう。

企業が転職エージェントを利用する2つ目には、中途採用失敗による組織へのダメージを確実に回避したいという理由があります。

中途採用の失敗は、企業にとって深刻な問題です。採用のミスマッチが起こると、生産性やチームの士気が低下し、顧客との関係も悪化するなど、組織全体にダメージを与える可能性があります。また、当初は想定していなかった教育への投資や労力を要する可能性があります。

このような損失を避けるために、企業は費用対効果を重視し、戦略的に転職エージェントを活用しています。
転職エージェントは専門知識と経験があるため、候補者と企業のビジョンや将来性なども考慮し、長期的に成功しやすい提案をしてくれます。

結果として、企業にとっても納得のいく良い中途採用が可能になります。

企業が転職エージェントを利用する3つ目は、総合的に採用コストの削減につながるという点です。

自社で採用活動を行う場合、採用担当者のスキルを育成するためのコストや時間が必要です。新たな担当者を育てるためには、専門的な研修やOJTなど、時間と費用が掛かります。
転職市場の動向は常に変化しており、最新の知識やスキルを習得し続ける必要もあるため、継続的な投資が欠かせません。

また、求人広告の作成や掲載料、さらには採用プロセス全体を管理するシステムの導入・維持費など、表面上の費用以外にも多くの隠れたコストが発生します。
しかし、転職エージェントでは、転職や専門に関する高いスキルと経験を持つプロフェッショナルがサポートを提供するため、コストや時間の削減になるでしょう。

また、確実に優秀な人材を採用できるため、結果的に総合的な採用コストも低減にもつながります。

そのため、優秀な人材を迅速かつ確実に採用したい企業にとって、転職エージェントの利用は費用対効果の高い選択肢となっています。


転職エージェントは、費用が無料で利用できるサービスですが、企業からの成功報酬で成り立つビジネスモデルです。そのため、転職エージェントの中には、ノルマのために強引に求人を勧めてくるのではないか、と不安に感じる方もいるかもしれません。この点について詳しくみていきます。

転職エージェントも一つの企業組織であり、事業を継続するためには一定の収益を上げる必要があります。

優良な転職エージェントは、月間目標達成のために失礼や無理やりな対応を禁止しています。理由は、不本意な入社は、転職希望者にとっても長期的なキャリアの成功にはなり得ないからです。

そのため、優良な転職エージェントは、転職希望者の長期的な成功を第一に考え、丁寧かつ誠実なサポートを徹底しています。

ノルマのために求人を強引に勧められるような事態を回避するには、優良な転職エージェントかつ、優秀なコンサルタントを見極めることが大切です。

先にもお話をしたとおり、優良な転職エージェントでは、強引な勧誘や不適切な求人紹介は固く禁じており、違反した場合は処分の対象となります。
また、転職エージェントのコンサルタントは、その人の人生がより良いものになるように手助けしたいという強い思いを持っている方が多いです。親身になってキャリア相談に乗ってくれるコンサルタントも多くいます。

信頼できるエージェントやコンサルタントを見つけることで、無料で手厚いサポートを受け、転職を成功させることができます。

転職エージェントの選び方を解説


【リスクを回避して転職エージェントを活用する方法】
1. 複数登録し面談で信用できる転職エージェントを見極める
2. 転職エージェントの無料サポートを徹底的に使う
3. 転職希望者自身に主導権があることを忘れない

こちらでは、リスクを回避し、優良な転職エージェントを無料で活用する方法を3つご紹介します。

複数の転職エージェントに登録して、信用できるエージェントを見極めることが重要です。実際に担当者と面談することで、自分に合ったエージェントを見極めやすくなります。
自分の業界や希望に特化しているか、担当者が親身になって相談に乗ってくれるか、専門的な知識の有無などを話しながらチェックしてみましょう。

複数の転職エージェントを登録することで、客観的な比較ができるので、まずは2社登録して面談し、担当者や転職エージェントの雰囲気を見極めましょう。

転職エージェントは複数掛け持ちもOK?併用を伝える・使い分けのコツも紹介

転職エージェントはではさまざまな無料サポートが受けられます。キャリアカウンセリング、履歴書・職務経歴書の添削、面接対策、業界動向の情報提供などです。
これらのサービスを積極的に活用してみましょう。

活用することでキャリアの方向性が明確になり、転職活動も進みやすくなります。また、エージェントとの相性や信頼性も確認できます。転職エージェントのサポートは無料で活用できます。

徹底的に活用して自分の転職活動の精度を高めつつ、信頼できる転職エージェントか判断しましょう。

最も大切なことは、転職の主導権はあくまで転職希望者自身にあるということです。

転職エージェントは専門的なアドバイスと支援を提供してくれますが、あくまでも伴走者です。最終的な決定権は常に自分にあることを忘れないでください。

転職エージェントの提案を鵜呑みにせず、自身のキャリアゴールや価値観に照らし合わせて判断することが大切です。
転職エージェントとの良好な関係を築きつつ、自身のキャリアを主体的に構築していくことが、自分の希望どおりの転職につながるでしょう。


こちらでは、転職エージェントを利用する際の費用が無料であることに関するFAQをまとめています。

転職エージェントの利用において、途中退会や内定辞退で違約金が発生することはありません。途中での退会や内定辞退でも、費用が発生することはないため、安心して利用できます。

ただし、内定辞退の際は、企業やエージェントに対して早めに連絡し、誠実に理由を説明することが望ましいでしょう。

転職エージェントの利用自体に費用は一切かかりません。

しかし、転職活動に付随する一般的な費用は発生する可能性があります。具体的には、転職エージェントとの通信費(電話やメール)や、面談時の交通費などが挙げられます。

それ以外は、通常の転職活動と同様の費用、例えば履歴書や職務経歴書の作成にかかる費用(印刷代)や面接時の交通費などが考えられます。


ハイクラス転職のJACは専門性高いコンサルタントが複数名でサポートするコンサルタント型の転職サービスです。

JACは、管理職やエグゼクティブ、専門職といったスペシャリストの領域に特化した転職支援サービスを提供しています。長年にわたり各企業に対して人事課題のヒアリングや採用コンサルティングを実施してきたため、企業の採用責任者と強固な信頼関係を築いています。

また、JACは約12,000社の企業と取引があり、あらゆる業界・職種の企業から多数の求人をお預かりしており、その75%はWEBサイトには載っていない非公開求人です。

JACには各業界や職種に特化した約1,400名のコンサルタントが所属しています。その一人ひとりが高い専門性を備えたコンサルタント複数名で、1名の転職希望者様をサポートする体制になっております。

各業界のプロフェッショナルが個々の転職希望者様についてサポートしている点が、強みでもあります。

JACでは、企業と転職希望者様の双方をコンサルタントが担当する「コンサルタント型」を導入しています。

コンサルタントは日ごろから企業に直接訪問しているため、企業の文化や風土、事業戦略までも把握したうえで、ほかでは得られないリアルな情報を転職希望者様へ知らせることも可能です。

すべてのサポートは、無料利用することができます。

ぜひお気軽にご相談ください。

この記事の筆者

株式会社JAC Recruitment

 編集部 


当サイトを運営する、JACの編集部です。 日々、採用企業とコミュニケーションを取っているJACのコンサルタントや、最新の転職市場を分析しているJACのアナリストなどにインタビューし、皆様がキャリアを描く際に、また転職の際に役立つ情報をお届けしています。