北関東エリアの製造業の転職市場動向

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公開日:2022/04/22 / 最終更新日: 2025/04/28

関東全域では、電機系や半導体系の産業が栄えています。また北関東に絞ってみると、特に自動車産業が盛んです。埼玉県の和光市には本田技術研究所(ホンダ)の本社、群馬県太田市にはスバルが本社を構えます。その他、栃木県にも、ホンダやスバルを中心とした大手自動車メーカーの、そこに紐づくTier1サプライヤーの拠点が点在しています。また、そこへ半導体や電子部品、機構部品、製造設備などを納めるTier2以下の金属加工業や装置メーカーが数多くあります。

JACでは、群馬、栃木、茨城の北関東3県に埼玉県も加えて、北関東支店がカバーしています。本記事ではこの4県を北関東と定義し、各エリアにおける製造業の求人動向について解説します。

北関東の製造業の現状と転職動向


北関東の製造業は、自動車関連を中心にいずれの業種も採用が活況です。求人数は2024年と比較すると約1.5倍に伸びています。

なかでも、群馬県では大手化学メーカーの工場誘致、県庁が主導するDX(デジタルトランスフォーメーション)推進など、新たな取り組みが活発化。これにともなう求人が出てきています。

300名以下規模の中堅中小メーカーでは、国内市場の縮小を見据え、海外への販路拡大に本腰を入れています。コロナ禍では海外展開の動きが停滞しましたが、現在はコロナ禍以前より意欲が高まっています。

生産現場では工場長クラスの高齢化にともない、世代交代の動きも多く見られます。

北関東エリアにおける製造業で求められる方


北関東エリアの製造業の採用において、今、求められている方は以下のとおりです。

海外営業では「欧米向け」の経験者のニーズ

海外営業職のニーズは、コロナ禍以前より高まっています。さらには、「対象国・エリア」に変化が見られます。コロナ禍以前は中国・東南アジア向けが多かったのですが、現在は中国向けが減り、アメリカ・ヨーロッパ向けが増加。一部東南アジアもあります。製造業で、欧米や東南アジア向けの海外営業経験をもつ方が求められています。

トランプ大統領就任の影響でアメリカ向けの先行きは不透明ですが、現時点ではアメリカ向け海外営業への転職を希望している方にはチャンスがあるといえるでしょう。

海外に駐在して現地法人の立ち上げ・マネジメントを担う方のニーズもあります。こうしたポジションの方は、中小企業であっても年収1,000万円以上で迎えられている事例があります。

工場長/生産技術部長として、60代の採用が増加

工場長や生産技術部長などのポジションでは、50代後半から60代の方の採用が増えています。

多くの企業では、工場長が70代に達するなど高齢化が進み、世代交代の時期を迎えています。現任者と比較し、60代は「まだ若い」と見なされます。既存社員の後継者候補はまだ40代で、工場のマネジメントを担うには経験が浅い状況。いわば「中継ぎ」として50代~60代の方を採用し、次世代の指導・育成を任せたいと考えているのです。

ミドル・シニア層の工場長・生産技術部長候補に求められるのは「大手メーカーで培ったノウハウの導入」です。しっかりとした技術力をもち、生産や品質管理の分野で成果を挙げてきた経験に期待が寄せられているのです。特に、人の生命にかかわる自動車分野においては、品質に厳しい環境で経験を積んできた方が求められています。海外の工場への出張・駐在経験をもつ方も重宝されます。

このようなポジションの採用では、経営者視点をもち、自身で変革を推進していくマインドが重視されています。

経理・財務、人事のニーズも高まる

バックオフィスの専門職の求人も増えています。背景には、高齢化による世代交代もありますが、新たな取り組みもあります。

経理職であれば、海外子会社との連結決算ができる方が求められています。また、採用競争が激化するなか、人事制度や報酬体系の企画・設計ができる人事職のニーズが高まっています。

北関東エリアにおける製造業のモデル年収


<中小企業、生産技術>
 埼玉県内40代   600万円~900万円
 群馬県内40代500万円~800万円
 栃木・茨城県内40代500万円~800万円

当然ながら企業や個人によって異なりますので、あくまで目安としてください。大手企業の求人では、上記より+200万円程度が相場となります。

経営者候補、新規事業立ち上げ、海外の現地法人立ち上げ・マネジメントなどのポジションでは、中小企業であっても1,000万円以上でオファーが出るケースもあります。

北関東のUターン・Iターン・Jターン転職の実態


群馬と栃木、埼玉の一部地域(秩父など)の自治体では移住を促進しています。

例えば、「移住支援金100万円支給」「住宅費用の一部を補助」といった制度を設け、移住者の誘致を行っています。U・I・Jターンを考える人は、手厚いサポートを受けて実現できる可能性があるでしょう。

北関東エリアは、他県から来る人たちを快く受け入れる懐の深い県民性であることから、移住者の定着率がよいともいわれます。これまでとは違う土地で、新しいことにチャレンジしたい方、経営で手腕を発揮したい方はぜひ注目してください。


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JAC北関東支店では、求人企業の経営者や社員と親密なやり取りをするコンサルタントが多く、各企業の現場情報をリアルタイムに把握しています。さらに、そこから得られる情報は、担当同士で共有し、日々アップデートしています。

また面接における細やかなアドバイスのほか、内定後や入社後の悩みまで、ざっくばらんに打ち明けてもらえる体制を整えていることが特色です。

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この記事の筆者

株式会社JAC Recruitment

 編集部 


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