IT人材の需要は、DXによるITシステム構築といったさまざまな背景から、以前にも増して高まりを見せています。その影響を受けて、ITプロジェクトマネージャーの求人も、増加傾向にあります。
そこで今回は、30代後半以降のITプロジェクトマネージャーの転職事情を、解説いたします。最新の転職市場動向や年収相場、積むべき経験や転職で有利になる資格まで、ITプロジェクトマネージャーの転職を多数ご支援してきたコンサルタントが解説します。
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PM(プロジェクトマネージャー)の転職市場動向
プロジェクトマネージャー(PM)の求人は現在活況で、その背景には、近年のオンラインツールの導入をはじめとするリモート環境の構築や、オフィス縮小・移転などに伴うITシステム構築などのニーズが生まれたということがあります。その結果、案件遂行のためにプロジェクトマネージャー(PM)が必要になったこと、そして、SIer業界がリモートワークのためのオンライン会議ツール活用などに、業界柄長けていたことが挙げられます。SIerのみならず事業会社の情報システム部門やITサービス企業のサービス開発部門等でも採用ニーズは高まっており、全体的にIT系の求人は増加傾向です。
PM(プロジェクトマネージャー)の年収相場
経験を積んだ30代後半以降での転職の場合、日系のSIerですと内定時の提示年収は800万〜1200万円が相場です。これがコンサルティングファームになると、上限が1500万円くらいまで上がります。ただ、近年はDXニーズの高騰によるSIer業界の活況を背景に、SIerも優秀なITプロジェクトマネージャー(PM)には1300万円以上を提示するケースも出てきています。コンサルティングファームとの年収水準の差は縮まりつつあります。
PM(プロジェクトマネージャー)の転職事情
プロジェクトマネージャー(PM)の採用において企業が見ている主なポイントは、ゼネラリストになりがちなPM業務の中でどこに強みがあるか、です。
何でもできるのが良いというわけではなく、下記のように具体的に「何ができるか」を語っていただくことが重要です。
- 顧客との折衝や案件受注等営業的な強みがある
- 技術者として難易度の高い開発環境も乗り越えてきている
- 修羅場をくぐり抜けてきている
- 若手メンバーの育成に強みがある
また、大規模案件の経験も非常に注目されています。目安としては受注金額で1億円以上、人月でいえば100人月以上が大規模案件と見なされます。大手企業のIT投資が増えてきている中、こういった経験があるプロジェクトマネージャー(PM)への期待は非常に高まっています。
30代後半~40代の転職事情
40代にさしかかると、プロジェクトマネージャー(PM)としての経験も比較的長くなります。採用企業は面接に際し、タイプの異なる複数案件を念頭に置きつつ、求職者がどのような仕事をしたいのかを確認しながら、どの案件に合いそうかを探っていきます。したがって、「できること(Can)」を整理しておくことは大事ですが、それと同じくらい「したいこと(Will)」も合わせて言語化しておきましょう。
50代の転職事情
50代、場合によっては40代後半くらいから当てはまる話として、プロジェクトマネージャー(PM)としての強みを、より明確にすることが求められます。
具体例を挙げると、
・100億円規模のプロジェクトをマネジメントできる
・炎上案件のリカバリー経験がある
・顧客との折衝が得意である
といったことです。
なぜなら、企業側は「その方を採用することにより、具体的に自社のどの点が改善されるのか」について明確なイメージを持ちたいと考えて面接に臨むためです。
50代で、特に初めて転職をする方は、これまでの経験を羅列してみせた上で「こんな私がお力添えできることがあれば」というコミュニケーションをする傾向にありますが、それでは企業にはご自身の魅力が伝わりません。何か1つでも強みを明確にして転職活動に臨むことが大事です。
PM(プロジェクトマネージャー)に求められるスキル
新規採用するプロジェクトマネージャー(PM)に求められる役割は大きく分けて3つあり、それぞれに求められるスキルやノウハウが大きく異なります。
1.顧客折衝~案件獲得を主とした営業系PM
※主な募集企業:中小規模SI企業、ベンチャー企業
・担当顧客と適切に関係構築し、案件受注に必要な情報を収集するコミュニケーション力
・顧客の業務を適切に言語化し、必要な機能を提案するプレゼンテーション能力
・売上、コスト等を適切に把握し、予算達成に導いた実績
2.大規模システムの開発を適切に完遂する技術系PM
※主な募集企業:大規模SI企業、事業会社
・大規模で複雑化したシステムを適切に把握、指示が出せる技術知見
・顧客の業務を適切に言語化し、必要な機能を提案する業務知見
・適切なQCD管理
3.高難度プロジェクトや若手中心プロジェクトをゴールに導くコミュニケーション系PM
※主な募集企業:急成長企業、ベンチャー企業
・様々な環境、場面をクリアしてきた豊富な場数(失敗体験やトラブルエピソードも)
・人や組織を導くためのマネジメント方針やその背景となる体系的ノウハウ、取得資格
・周囲を安心させ、前向きな方向に物事を進められるコミュニケーション力
ご自身が応募する求人は上記のどれに属するのか、自身の経験が当てはまるかどうかを事前に確認することをおすすめします。
PM(プロジェクトマネージャー)への転職と業界経験の有無
業界経験の有無によって、プロジェクトマネージャーへの転職事情は大きく異なります。ここでは3つのケースごとに違いについて解説します。
・IT業界未経験者
・ITエンジニアの実務経験者
・プロジェクトマネージャー経験者の場合
それぞれについて詳しくみていきましょう。
・IT業界未経験者
プロジェクトマネージャーには、高度な専門知識や豊富なマネジメント経験が求められます。そのため、IT業界との関わりがこれまでにない人がプロジェクトマネージャーを目指す場合、容易な挑戦ではありません。
なぜなら、プロジェクトマネージャーの役割には、ITの専門知識だけでなく、チーム全体のマネジメント能力が要求されるからです。
まずは、プログラマーやシステムエンジニアとしての実務経験を積み、先輩のプロジェクトマネージャーの管理手法やコミュニケーションスキルを観察するなど、段階的にスキルを身につけることが重要です。
ただし、IT業界外でのチームマネジメント経験や、特定の業界における高度な知識がある場合、それがプロジェクトマネージャーとしての採用につながるケースも考えられます。
・ITエンジニアの実務経験者
ITエンジニアとして実務経験を積んでいる人は、プロジェクトマネージャーになるためのアドバンテージがあります。このような人は、技術的なバックグラウンドはもちろん、業界の動向や特有の問題点、そして解決策に対しての理解が深いといえます。
プロジェクトマネージャーとしての成功には、人間関係の構築や進捗の管理、リスクの評価とその対応策の考え方など、多岐にわたるマネジメントスキルが必要です。これらを磨くには、さまざまなプロジェクトに参加し、マネジメントの現場での経験を増やすことが大切です。
加えて、設計などの上流工程での業務経験は、プロジェクト全体の視点を持つうえでの鍵となり、プロジェクトマネージャーとしてのキャリアアップに役立ちます。
・プロジェクトマネージャー経験者の場合
プロジェクトマネージャーの経験を持つ人が、キャリアアップや新しいフィールドへの挑戦を考える場合、これまでの経験は大きな武器になります。ただし、求人の条件や倍率によっては、転職活動が容易でない場面も想定されます。
このような状況で、自身を際立たせるためには、これまでの経験や実績をしっかりとアピールすることが大切です。具体的な成功事例や、困難を乗り越えたエピソード、特に得意とする分野や技術、マネジメントの手法など、自分の強みを明確に伝えることで、新たなチャンスを獲得する可能性につながります。
PM(プロジェクトマネージャー)に転職したい人が持っていると有利になる資格
採用企業が求める資格の例としては、
・PMP(Project Management Professional)
・プロジェクトマネージャー試験
・システムアーキテクト試験
といった試験の合格者が求められるケースが多いといえます。
また、
・情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)
・アジャイル開発に関わるスクラムマスター
・アジャイルコーチ関連資格
などは、今現在希少性が高いことから、取得しておくと転職の際にプラスになるでしょう。
PM(プロジェクトマネージャー)がキャリアの幅を広げるために必要なこと
プロジェクトマネージャー(PM)に限った話ではありませんが、40代・50代になるまでに成功も失敗も含めて「どれだけチャレンジしてきたか」が、その後のキャリアの可能性の幅を広げることにつながります。失敗経験を進んで話すのは憚られるという方は多いですが、採用企業は失敗から何を学んだかを重要視していますので、恐れずチャレンジを積み重ねていくことが重要です。
また、キャリアプランはライフプランとも密接な関係にあります。30代後半から40代の場合は、一概にはいえませんが、家庭があり子どもがいる方も20代、30代前半と比較して増えてきます。そのため、転職活動を始めるに当たってはプランをパートナーにきちんと話し、応援してもらえる環境をつくることが大切です。
PM(プロジェクトマネージャー)のその先のキャリア
IT業界はいわゆる多重下請構造になっており、そのためプロジェクトマネージャー(PM)のキャリアとしては、この活況の背景には、SIer業界がリモートワークをするためのオンライン会議ツールなどの利用に、業界柄長けていたことが挙げられます。これは本来の業務だけでなく採用活動をする上でも奏功しました。二次請けのSIerから一次請けのSIerへ、あるいはSIerからコンサルティングファームへ、あるいは発注側の事業会社へといった上のレイヤーへの転職が典型的です。
事業会社へ
SIerのITプロジェクトマネージャー(PM)経験者が、事業会社の情報システム部門の社内SEに転職するケースは以前からあります。最近ではDXの機運が高まっており、SIerでのITプロジェクトマネージャー経験者が、DX推進担当や事業部門のプロダクト開発に関わる立場として厚遇で迎えられるケースも見受けられます。
ベンチャーへ
ベンチャー企業で、大規模案件のプロジェクトマネジメント経験者が求められる場面も少なくありません。急速な成長フェーズにあるベンチャー企業が大型案件を思いがけず受注して、それをマネジメントできる方を募集するケースや、FinTechスタートアップが金融システムに長年携わった経験・業界知識や人脈を求めてプロジェクトマネージャー経験者を採用するケースなどがあります。
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30代後半以降の転職は、先にも述べたとおり、ライフプランとも密接に関わっています。また、キャリアの棚卸しだけではなく、ご自身が今後どう生きていきたいかをより深く掘り下げることが、転職を成功させる上で重要になってきます。
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