組み込みエンジニアの転職事情|仕事内容や年収、転職動向を解説

  1. 転職マーケット×IT(通信/ソフトウェア/SI/コンサルティング)

公開日:2025/02/25 / 最終更新日: 2025/03/07

近年、モノをインターネットに接続するIoT(Internet of Things)技術や人工知能(AI)が急速に発展しています。これにより、家電製品やカーナビ、スマートフォン、産業用ロボットなどが普及し、私たちの生活の利便性が向上していると実感している方も多いでしょう。これらの製品に搭載されたIoTやAIを正しく作動させるためには、組み込みエンジニアの専門的な作業が不可欠です。そのため、IoTやAIの進化にともない、組み込みエンジニアの需要が高まっています。 では、具体的に組み込みエンジニアはどのような役割を担っているのでしょうか。今回は、組み込みエンジニアへの転職を考えている方に向けて、仕事内容や求人情報、求められるスキルについて詳しく解説します。

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組み込みエンジニアとは?


組み込みエンジニアの業務について簡単に紹介します。

組み込みエンジニアとは

IoTやAI技術を搭載した機械を正しく動作させるには、小型のコンピューターを機械に組み込み、そのコンピューターを動作させるためのソフトウェアを開発する必要があります。組み込みエンジニアは、このソフトウェアを開発する役割を担っています。近年では、エアコンや照明器具、テレビ、冷蔵庫、洗濯機など、さまざまな家電がインターネットに接続可能となっており、ロボット掃除機や自動運転機能をもつ自動車など、AI技術の普及も進んでいます。このことから、組み込みエンジニアへの需要は年々増加しています。将来的には、さらに多くの製品にIoTやAI技術が搭載されるため、組み込みエンジニアへの期待はますます高まるでしょう。

制御エンジニアとの違い

組み込みエンジニアは、機械を動かすためのソフトウェアの開発を担当しますが、制御エンジニアは、組み込まれた機器を制御するために必要なソフトウェアを開発するエンジニアです。

システムエンジニアとの違い

システムエンジニアは、システム全体の設計・開発を担うエンジニアであり、組み込みエンジニアの開発対象は特定の機器に組み込まれるソフトウェアに限定されています。

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アプリケーションエンジニアとの違い

アプリケーションエンジニアは、パソコンやスマートフォン、タブレットなどで使用されるソフトウェアの設計・開発を行います。組み込みエンジニアもアプリケーションの開発を行いますが、アプリケーションエンジニアよりもハードウェアに関する知識が求められる点が異なります。

組み込みエンジニアの仕事内容


組み込みエンジニアは、主にソフトウェアの開発を行いますが、その業務フローはシステムエンジニアと似ています。組み込みエンジニアの主な業務は以下のとおりです。

製品企画・要件定義

顧客や消費者のニーズを分析し、製品やシステムに必要な機能や性能を決定し、開発要件を明確にします。

システム設計

定義した要件をもとに、実現する機能を具体化するためのシステム設計を行います。

ハードウェア・ソフトウェア設計

組み込みエンジニアは主にソフトウェアの設計を担当しますが、プロジェクトによってはハードウェアの設計も行います。ハードウェア設計では、部品や回路の選定、回路図の作成、基板設計を行い、動作確認を実施します。要件に基づきシステム設計を行い、ソフトウェアプログラミングを行って、ハードウェアとソフトウェアを連携させる作業も担当します。

実装・テスト

ハードウェアに組み込むソフトウェアのプログラミングを行い、ソフトウェアの動作チェック後、ハードウェアに搭載して動作確認を行います。テストを繰り返しながら問題点を改善し、製品を完成させます。

運用・保守

製品が完成した後は、運用管理を行い、トラブルが発生した場合には適切に対処します。

組み込みエンジニアの平均年収は700万円


JACがサポートした組み込みエンジニアの平均年収は約700万円で、ボリュームゾーンは約550~850万円です。年収はスキルや経験によって大きく異なる傾向があります。また、外資系企業の方が高い年収を提示されるケースが多く、外資系企業に転職した方の平均年収は約900万円に達します。

以下は、JACの転職サポート事例をもとにした年代別の年収目安です。

年代平均年収
20代450万~550万円
30代550万~850万円
40代700万~1,000万円
50代750万~1,200万円
マネージャー以上850万~1,200万円
※当社実績(2024年1月~2024年12月)より

このデータからわかるように、組み込みエンジニアの年収はキャリアの段階によって異なり、特にマネージャー以上の役職では高い年収が期待できることがわかります。また、外資系企業の方が高い年収を提示される傾向があるため、転職先を選ぶ際には企業の形態やジャンルも考慮することが重要です。

組み込みエンジニアの最新転職・求人情報


2024年の組み込みエンジニアの新規求人数は前年と比較して約130%増加しています。特に自動車やエレクトロニクス関連のメーカーからの求人が多く見られます。以下に、JACが取り扱う組み込みエンジニアの求人の一部をご紹介します。

  • 株式会社プリバテック:組み込み系のソフトウェア開発【フレックスタイム制・リモートワーク可能】【勤務地:神奈川、東京】
     求人詳細
  • ●非公開:ソフトウェアエンジニア(組み込みエンジニア)~リモートワーク可能~【勤務地:東京】
     求人詳細
  • ●トヨタ自動車株式会社:組み込みソフトウェアエンジニア:デジタルコクピットソフトウェア開発【勤務地:愛知、東京】
     求人詳細
  • ●RIZAPグループ株式会社:組み込みエンジニア(オープンポジション)/プロダクト企画統括部【勤務地:東京】
     求人詳細
  • ●東証プライム上場 ソフトウェアメーカー:産業分野向け組込みソフトウェア アカウント営業【勤務地:東京】
     求人詳細
  • ●日系大手医療機器メーカー 領域トップの上場企業:組込みソフト設計エンジニア【勤務地:東京】
     求人詳細
  • ●テルモ株式会社:組み込みソフトウェアエンジニア【勤務地:神奈川】
     求人詳細
  • ●パイオニア株式会社:組み込みソフトウェアエンジニア<サウンド技術>【勤務地:埼玉】
     求人詳細

※求人の募集が終了している場合もございますのでご了承ください。(2025年2月最新)

組み込みエンジニアに求められるスキルや経験


組み込みエンジニアに転職を希望する際には、以下のようなスキルや経験が求められます。

プログラミングスキル

プログラミングスキルは組み込みエンジニアにとって必須です。特に、C言語、アセンブリ、C++、C#、Javaなどの言語が広く使用されています。また、WindowsやLinuxなどのオペレーティングシステムに関する知識も重要です。

ハードウェアに関する知識

組み込みエンジニアは、ハードウェアに関する知識が求められる点が特徴的です。ハードウェアの回路図を理解し、設計を行う必要があります。また、発注者の要望を正しく理解するためにも、CPUやメモリの制御など、ハードウェアに関する知識が不可欠です。

コミュニケーションスキル

組み込みエンジニアはチームでの業務が多いため、コミュニケーションスキルが重要です。どのような機能が必要か、どのような製品を求めているのかを発注者からしっかりと把握するためには、相手の考えを読み解き、自分の意見を明確に伝える能力が求められます。

英語のスキル

英語は必須ではありませんが、組み込みで使用する部品の仕様書が英語で記載されていることが多いため、一定の英語力が求められることがあります。特に、国際的なプロジェクトや外資系企業で働く場合には、英語スキルが有利に働くでしょう。

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組み込みエンジニアへの転職に生かせる資格


組み込みエンジニアになるために必ずしも資格が必要というわけではありませんが、次のような資格を取得することで、転職時に自分のスキルを効果的にアピールできる可能性があります。

基本情報技術者試験

この試験は、独立行政法人情報処理推進機構が主催する、ITエンジニアの登竜門として広く認知されています。基本情報技術者試験を取得することで、システムの企画、要件定義、設計、開発、運用に関する基礎的な知識と技能を保有していることを証明できます。

基本情報技術者試験について

応用情報技術者試験

こちらも独立行政法人情報処理推進機構が主催する試験で、ITエンジニアに必要な応用的な知識と技能を証明します。基本情報技術者試験と同様に、経済産業省が認定している国家試験です。

応用情報技術者試験について

ETEC(組み込み技術者試験制度)

一般社団法人組込みシステム技術協会が主催する資格試験です。ETECは認定試験ではなく、合否判定はありませんが、グレード評価によって自己の知識の習得状況や不足している知識を把握できます。試験には、組込みソフトウェア技術者試験クラス2とクラス1があり、クラス2は基本的な知識を有することを、クラス1は中級レベルの専門知識を求められます。

ETECについて

組み込みエンジニアになるには


今後、IoTやAI技術の発展が予測されており、組み込みシステムの開発ができる組み込みエンジニアのニーズはますます高まると考えられています。これまで以上にIoTやAIを活用した製品が増加し、組み込みエンジニアが活躍できるフィールドも広がるでしょう。

組み込みエンジニアとしての経験を生かし転職を検討する場合、求人サイトの情報だけでは入社後の業務内容や開発環境、職場環境などを十分に把握できないことがあります。組み込みエンジニアには高いスキルが求められますが、どの程度のスキルや経験が必要なのか、また同僚のスキルレベルなども気になるところです。

JACは組み込みエンジニアをはじめ、多くのITエンジニアの転職サポート実績をもつ転職エージェントです。効率の良い転職活動を実現するためには、疑問点や懸念点を応募後の面接で確認するのではなく、応募の前に確認しておくことが重要です。JACでは、これまでの転職サポート経験をもとに、各企業の特徴や職場の雰囲気まで把握しており、求職者の悩みや希望に寄り添ったアドバイスを提供し、満足できる転職活動をサポートします。

組み込みエンジニアへの転職をお考えの際には、ぜひJACにお気軽にご相談ください。

組み込みエンジニアのキャリアパス


組み込みエンジニアのキャリアパスには、以下のような方向性が考えられます。

スキルの向上を追求する

組み込みエンジニアとしてのスキルを高めたい方は、上流工程に関わるシステムアーキテクトを目指すことができます。経験を深めることで、発注者の要望を的確に理解し、要望に応じた最適なシステムを提案できるようになります。また、技術部門の責任者である技術部長やCTO(最高技術責任者)を目指すことも可能です。このキャリアパスは、技術の探求に強い意欲をもつ方に向いています。

マネジメントスキルを生かす

組み込みエンジニアとしての経験を積んだ後は、エンジニアマネージャーやプロジェクトマネージャーなど、メンバーやプロジェクトを管理するポジションを目指すこともできます。進捗状況やメンバーの心理に配慮し、最大のパフォーマンスを発揮できるチーム作りを行います。後進の育成に関心がある方や、リーダーシップを発揮できる方は、マネジメントに関わるポジションが適しているでしょう。

AIエンジニアやIoTエンジニアを目指す

組み込みエンジニアとしてのスキルを生かし、関連するAIやIoTの設計・開発に携わるAIエンジニアやIoTエンジニアを目指すこともあります。新たな学びを得たい方や、新しい技術に挑戦したい方にとって、このキャリアパスは魅力的でしょう。

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組み込みエンジニアの転職事例


JACでは、組み込みエンジニアの転職をサポートしています。以下に、当社がサポートした40代男性の事例をご紹介します。

Jさん(男性/40代前半)

業種職種年収
転職前自動車部品メーカーソフトウェア開発マネージャー800万円
転職後自動車部品メーカー組み込みエンジニア1,200万円

自動車部品メーカーで、HILS(Hardware In the Loop Simulation)を用いたシミュレーション業務に従事していたJさん。配置転換により二輪車用の組み込みシステムの開発を行う部署のマネージャーに就任しましたが、多くのメンバーをマネジメントしなければならない状況や、残業が多く、家族との時間を確保できないことを理由に転職を決意しました。

転職にあたっては、技術者としてHILS関連の業務に就き、ワークライフバランスを実現できる環境を希望されました。JACから複数の求人を提案したところ、自動運転支援の制御システムにおけるHILSのシステムやソフトウェア設計を担うエンジニアとして自動車部品メーカーに入社が決定。技術者としてのスキルと情熱が評価され、年収もアップし、希望どおりの働き方が実現できました。

組み込みエンジニアへの転職なら、JAC Recruitmentへ


JAC Recruitmentは、エンジニアの転職サポートに豊富な実績をもつ転職エージェントです。組み込みエンジニアの需要は高く、今まで以上に活躍のフィールドが広がっています。しかし、数ある求人の中から自分の目指すキャリアに合ったものを見つけるのは容易ではありません。JACでは、経験豊富なキャリアコンサルタントが求職者の希望や考えを丁寧にヒアリングし、理想のキャリア実現に向けた求人をご紹介します。

組み込みエンジニアへの転職をお考えの際には、ぜひJACにご相談ください。

この記事の筆者

株式会社JAC Recruitment

 編集部 


当サイトを運営する、JACの編集部です。 日々、採用企業とコミュニケーションを取っているJACのコンサルタントや、最新の転職市場を分析しているJACのアナリストなどにインタビューし、皆様がキャリアを描く際に、また転職の際に役立つ情報をお届けしています。




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