本記事では、JAC Recruitment(以下、JAC)デジタルマーケティング職の転職に特化したのコンサルタントが、デジタルマーケティング職の求人動向や転職市場動向、年収相場、求められる人物像などについて解説します。
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デジタルマーケティング職の最新転職動向
本記事でのデジタルマーケティングとは、WEB広告やSEO対策などの運用といった狭義の分野や手法を指すのではなく、デジタル上での認知拡大や新規集客施策、顧客とのコミュニケーションなどの総称を指します。
市場全体的にデジタルマーケティングの重要性は増している
スマートフォンの普及、巣ごもりの影響もあり、ECサイトが占める売上比率が伸びておりますし、サブスクリプションビジネスの需要も増加しています。
そういった背景から、デジタルマーケティングの重要性はさらに増しています。消費者の購買チャネルが多様化したことで、量販店向けの商材を提供しているメーカーも、デジタルマーケティングを重要視している傾向です。
デジタルマーケティングの市場動向と将来性
現在のデジタルマーケティングの転職市場は、非常に需要が高まっている傾向です。特にデジタル上でのOne to Oneマーケティングを実行できる人材のニーズが高く、リピーター獲得により顧客一人ひとりのLTV(ライフタイムバリュー)最大化を目的としている企業が多く見受けられます。
WEB広告やSEO対策のスキルを土台に、LINEなどのSNS運用、オウンドメディアでのコンテンツマーケティング、自社アプリの運用などの経験もあるとより市場価値が高まります。
近年の目まぐるしいAI発達のなか、デジタルマーケティング(デジタルコミュニケーション)施策の一つとしてAIを活用したオンラインカウンセリングも多く展開されています。このように、変化の激しいデジタル分野において、敏感に最新情報をキャッチアップして施策に落とし込むスキルが求められています。
変化が激しいデジタルマーケティング分野の職種ではありますが、情報収集や購買活動のオンライン化が進む現代ではさらなる需要が見込まれます。今後もデジタルマーケティング職のニーズは高い水準で推移すると予測されるため、将来性のある職種といえるでしょう。
30代のデジタルマーケティング職の転職動向
30代のデジタルマーケティング職は、一般的に現場で活躍しているスペシャリストが多く見られます。デジタルマーケティングは多角的に施策を立案・実行しなければいけないため人材不足の市場であり、他職種に比べてスペシャリストの価値は高くなっています。 しかしながら30代までのうちに転職回数が多すぎると、一社ごとの経験年数が浅いためスキルも不足していると判断されてしまいます。3~4社程度までの転職回数で、デジタルマーケティング職として5年以上の経験があれば市場価値が高まります。また30代で、マネジメント経験があるとより有利です。
40代のデジタルマーケティング職の転職動向
40代も、30代と同様にスペシャリストとしての経験や実績によって市場価値が高まります。マネージャー未経験だったとしても、スペシャリスト性を見てもらえるのは、デジタルマーケティング職ならではといえるでしょう。
転職で年収アップを目指しているという場合は、マネジメントや責任者としての経験がある方の方が、転職で有利となります。
デジタルマーケティング職の主な求人・仕事内容
包括的なデジタルマーケティング活動
デジタルマーケティングで一番多い人材は、デジタルを活用したプロモーションやコミュニケーションをトータルで行う業務でしょう。WEB広告、オウンドメディア、SEO対策、SNSマーケティングなどの領域を包括的に担います。そのため、デジタルマーケティング人材には、WEB広告運用やSEO対策などの新規獲得のための基本的なマーケティングスキルは重要ですが、そのうえで、新規顧客を獲得したあとの関係性構築をデジタル上で実行できるスキルが求められます。
この仕事内容の特徴は、集客目的の一方通行の施策だけでなく、パーソナライズしたOne to Oneのデジタルコミュニケーションを実行する点です。双方向のコミュニケーションを実現し、デジタル上での信頼関係構築を実現します。このデジタルコミュニケーションスキルは近年、ますます重要視されており、どれだけファンとのコミュニケーションつくりをしてきたか、エンゲージメントを高めてきたか、アプリ会員やSNSのフォロワー数を増やしたかといった要素は必須となってきています。
ECサイトの運営
デジタルマーケティングとは少しニュアンスが変わってきますが、次点で多い仕事が、ECサイトの企画・運営です。従来のECサイトとはアパレルや家電などが多い傾向でしたが、最近では日用品や食品などあらゆる消費財もECサイトで購入できるようになっています。膨大な数のECサイトやプラットフォームがあるなかで、デジタルマーケティング職はいかにして自社のECサイトに集客できるかが腕の見せ所です。 さらに流入を増やすだけでなく、コンバージョンにつなげるためのページデザインや導線設計など、UI/UXを改善できるスキルも必要とされています。現在では、前述したとおり、ECサイトの需要がさらに高まっており、そのためECサイトの経験がある方の需要も高まっています。
CRM(顧客関係管理)
デジタルチャネルを活用したCRMも注目を集めている仕事内容です。属性や購買履歴に応じてセグメントもしくはパーソナライズした施策を実行し、信頼関係を構築します。
これまでは、DMハガキから、メルマガ配信といった情報発信がメインでしたが、現在はMAツール(マーケティングオートメーション)を導入して、より定量的に分析して適切なタイミングでコミュニケーションを取るようになってきています。そのため、MAツールでの作業経験者、MAツールを活用してのマーケティング最適化の実績があると良いでしょう。
また、LINEや自社アプリを駆使した複数のツールでの接点も増えており、専任でCRM業務を担う業務が企業のニーズとして増えてきております。
信頼関係構築を重点としているため、包括的なデジタルマーケティング職よりもデジタルコミュニケーションに特化しているといえるでしょう。
デジタルマーケティング職の年収相場|ポジションにより500~1400万円
デジタルマーケティング職は、仕事内容やポジション、さらに企業規模によっても年収が大きく異なります。
包括的なデジタルマーケティング職の場合、現場で活躍するスペシャリストは500~800万円、戦略立案やマネジメント業務を担うマネージャーになると800~1200万円程度になります。外資系企業の場合、100万円ほど上限が増える見込みです。
一方、ECサイト運営のスペシャリストは500~700万円、マネージャークラスになると700~1000万円ほどになっています。責任者クラスになると、場合に寄っては1200~1400万円ほどになることもあります。またCRM担当の場合は、包括的なデジタルマーケティング職と同程度の年収相場です。
デジタルマーケティング職へ未経験者が転職する3つのポイント
デジタルマーケティング職の転職市場は、非常に需要が高まっている傾向にあります。特にデジタルマーケティング職としての経験が豊富であれば、市場価値は高まります。
それでは、未経験者がデジタルマーケティング職に転職するにはどうすればよいでしょうか。ここでは、未経験者がデジタルマーケティング職に転職するために必要なポイントを3つ紹介します。
1.デジタルマーケティングに必要な資格を取得する
2.経験のある業界をターゲットにする
3.転職エージェントサービスを利用する
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
ポイント1:デジタルマーケティングに必要な資格を取得する
デジタルマーケティング職において、必須資格はありません。ただ、関連する資格を取得することで、未経験者でも知識があることをアピールすることができます。
デジタルマーケティング職に活かせる資格は以下の通りです。
・マーケティング・ビジネス実務検定
・ネットマーケティング検定
・ウェブ解析士
・Webアナリスト検定
・統計検定
・Googleアナリティクス個人認定資格
・Google広告認定資格
これらの資格を取得することによって、未経験でも知識やスキルがあることを証明することができます。気になる資格がある場合は、自身に必要な資格を取得し、転職活動を有利に進められるようにしましょう。
ポイント2:経験のある業界をターゲットにする
デジタルマーケティング職への未経験での転職によるアピール力を補うために、経験のある業種をターゲットにするのが望ましいです。未経験であっても、応募先企業によっては、前職の経験を活かせる場合があり、転職の成功率を上がります。
応募先企業の求人を入念に調査したうえで、自身のバックグラウンドと照らし合わせましょう。
ポイント3:転職エージェントサービスを利用する
未経験の職種に転職する場合、その分野に詳しい転職エージェントのサービスを利用するのがおすすめです。特に、転職に慣れていない人にとっては、履歴書の書き方や面接対策など気になることも多いのではないでしょうか。
転職エージェントでは、履歴書の書き方や面接対策についてサポートしてもらえるだけではなく、未公開求人も取り扱っており、希望にマッチした求人を紹介してもらえる可能性があります。もし、未経験でも自身の前職を活かせる求人を紹介してもらえれば、転職を有利に進められる可能性があります。
デジタルマーケティング職に必要な4つのスキル
デジタルマーケティング職に必要なスキルを紹介します。紹介するスキルは次の4つです。
・ヒューマンスキル
・統計や機械学習スキル
・コンテンツ企画スキル
・レポート作成スキル
それぞれについて詳しくみていきましょう。
スキル1:ヒューマンスキル
デジタルマーケティングの世界では、専門的なスキルだけでなく、ほかの部署との連携が図れる能力や、集中力といったヒューマンスキルが必要とされています。
なぜなら、デジタルマーケティングはチームを組んでマーケティング活動を進めることが多いため、エンジニアやデータサイエンティスト、ブランド担当者との連携が頻繁に求められるからです。
このような場において、高い折衝能力やコミュニケーション能力を活かし、事業を効果的に推進する能力が期待されています。
スキル2:統計や機械学習スキル
デジタルマーケティングではIoTやAI、データ統合に至るまで、組織を横断した運営や活用が重要になっています。そのため、データを可視化したり、正しく解釈できる専門家へのニーズが高まっています。
特にSQLやPythonなどのプログラミング言語、統計や機械学習の知識は、デジタルマーケティングにおいて必須とはいえません。しかし、これらの知識を持っているマーケターは業界内での評価が非常に高い傾向にあります。
スキル3:コンテンツ企画スキル
デジタルマーケティング業界においても、ほかのマーケティング業界と同様に、高いコンテンツ企画スキルが求められる時代になっています。専門性を持ちつつ、あらゆる領域のコンテンツを企画する能力は、マーケターとしての市場価値を高めます。
デジタルマーケターは、自分なりの引き出しや企画の要となるポイントを用意し、それを実際の企画に反映させる能力が必要です。
スキル4:レポート作成スキル
デジタルマーケターとしての業務は、データの調査や分析が重要な役割を果たします。PEST分析やバリューチェーン分析、3C分析など、さまざまな分析手法を使いこなし、その結果を説得力のあるレポートにまとめ上げる力が求められます。
最新のトレンドを踏まえながら、分析結果をベースに将来の展開を考えることが大切です。このようなレポート作成能力を持つことで、より効果的なマーケティング戦略を立てるための土台を築けます。
また、高いレポート作成スキルは、クライアントやチームに対する提案の信憑性を高め、周囲からの信頼を得られます。
デジタルマーケティング職の4つのキャリアパス
デジタルマーケティング職のキャリアパスとしては、社内での昇進を狙う以外にも、あらゆる道筋があります。主なキャリアアップの方法について解説しますので、詳しく見ていきましょう。
キャリアパス1:正社員としてキャリアを積みながら副業(複業)
Webマーケティング職は、副業(複業)としても需要があります。そのため、勤務先で副業が認められているのであれば、副業に取り組んでみてもいいかもしれません。
会社員としての安定した立場や収入を得ながら、年収を高めることにつながります。しかし、本業を持ちながら、副業することは体力・精神的にも厳しいものです。
自己管理を徹底して、会社員・副業の両方をこなせるようにバランスを取りながら取り組んでいきましょう。副業でWebマーケターをしている人の多くが、月に5万~10万円の副業収入を得ているそうです。
キャリアパス2:事業会社へ転職
Webマーケターとして実績を積んだ人は、事業会社へ転職してマーケティング責任者になる人もいます。
事業会社でWebマーケターとして働くためには、マーケティング部などに所属してWeb関連の仕事に携われるよう、スキルとキャリアを積み重ねていきましょう。
マーケティング責任者になるには、高いスキルと実績が求められますが、事業会社の多くが優れたWebマーケターの人材がいないことに課題を持っています。そのため、求人自体はたくさんあるといえるでしょう。
キャリアパス3:Webマーケティングコンサルタントに転職
Webマーケターとして実績があれば、コンサルタント職を目指すこともできます。
Webマーケティングコンサルタントは、Webサイト及びWebサービスを活用して、依頼先の利益を高める施策を立案する仕事です。
また、Webマーケティングには、SNSマーケティング、コンテンツマーケティング、Web制作など幅広い領域があります。
コンサルタントとしての転職を狙う場合、浅く広くスキルを持っているよりも、何か一つの分野に特化している人材に高い需要があります。そのため、色々な事例に携わることも重要ですが「自分の得意な分野は〇〇」と言い切れるようなキャリア・スキルを積み重ねることが重要です。
キャリアパス4:フリーランス
Webマーケティングの高いスキルがある人は、転職しなくてもフリーランスとして、自分のスキルのみで働くことが可能です。Webマーケティング職は、パソコンとネット環境さえあればできる仕事であるため、フリーランスとの相性も悪くありません。
しかし、フリーのWebマーケターとして生活費を継続的に稼ぐには、スキルや実績以外にも案件が途切れない流れを作っておく必要があります。
というのも、Web関連の仕事はスピード感が速く、先月まであった案件が急になくなってしまうことが当たり前のようにあります。そのため、常に仕事が途切れないような流れを構築できれば、Webマーケティング1本で食べていくことはそう難しくありません。
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