広島・岡山エリアの半導体業界の転職市場動向

  1. 半導体×転職マーケット
  2. 転職マーケット×中国(広島/岡山)

公開日:2022/04/18 / 最終更新日: 2024/09/27

製造業の中でも特に好況感の高い半導体業界ですが、求人の状況も活発で魅力的な転職市場となっています。半導体メーカーは、生産工場と開発拠点が直結しているところが多く、半導体の製造に必要な「きれいな水」「きれいな空気」「安定した地盤」という要件に適した立地の関係から、地方に拠点を構えているメーカーも多くあります。それに伴い、製造装置関連、検査機器関連のメーカーもその周囲に集中する傾向があり、大都市圏以外の地方都市部にある企業を転職の対象としてみる必要もあるでしょう。

ここでは、中国地方、特に広島県の東広島、岡山県の伊原、福山といったエリアを中心に、2024年の半導体業界転職事情について、専任コンサルタントが解説します。

広島・岡山エリア全体について


広島の半導体業界転職事情

東広島マイクロンメモリ ジャパンの生産・技術開発部門があり、その周辺に東京エレクトロンや外資系のアプライドマテリアルズジャパン、ラムリサーチ、PSKジャパンといった半導体製造装置メーカーのフィールドエンジニア(FE)関連の拠点があります。マイクロンは新たに製造工場を拡張するなど、積極的な設備投資が続いており、条件の良い求人が多く出ています。関連企業のFE職については、採用はその企業の東京本社での採用になるケースが多く、その場合は弊社の東京担当と連携してご紹介する形になります。

岡山の半導体業界転職事情

伊原にある半導体ファウンドリのフェニテックセミコンダクター、こちらは製造受託が中心で、特に自動車部品関連でよく使われているパワー半導体デバイスであるIGBTを中心にMOSFETやCMOSなどのディスクリードデバイスを生産しています。そのため求人としては既存技術をベースに生産性や効率を高めるといった視点のものが中心のようです。

隣接する福山には、製造装置関連の企業が多くあります。一部上場企業で、半導体やFPD(フラットパネルディスプレイ)の製造用搬送装置メーカーのローツェがあります。企業規模としては従業員500人程度の中小企業クラスですが、中四国の上場企業の中ではトップレベルの年収が提示されています。

また、ローツェの周辺には、半導体搬送装置をオーダーメードで作る企業や高電圧用の電源装置メーカー、高周波電源のメーカーなど、従業員でいうと50人程度の企業があります。


広島/岡山エリアの半導体業界の転職に強いコンサルタントが、あなたの転職をサポート。
採用企業の情報や職務経歴書・面接の対策、あなたの市場価値など、ぜひご相談ください。


Topへ

マイクロンの求人状況


求人規模の大きいマイクロンについては、個別に説明します。マイクロンからは大きく分けて2つの職種、半導体プロセスエンジニア設備エンジニアが求められています。ここでいう設備エンジニアとは、半導体製造装置の保守・運用を担当するクォリティエンジニアや、クリーンルームなど建屋関連の保守・保全を担当するエンジニアといった職種になります。

半導体プロセスエンジニアは、大きく2種類の業務タイプがあります。データを分析して、いつまでにどれくらいの歩留まりの向上を目指すのか、データの解析力を駆使して数字を追求していくプロセスエンジニア。そして、それぞれのプロセスが勝手にやっていては混乱しますので、全体を見ながら取りまとめをする、横串で見ていくシステムインテグレーターのエンジニア。
これはご本人の志向性とそれぞれのポジションがどのようにマッチしているのかというところになります。

プロセスエンジニアの業務と求められるスキル

多くの半導体メーカーがそうであるように、完全にIoT化が進んでおり、「何日何時に作られた製品の製造条件」のデータがすべて保存されてアクセス可能です。働き方のイメージでいうと、出社して前日のデータを検索調査して歩留まりを検証し、条件など改善点を検討して、次の条件を決めていくといった流れです。条件を変えながら実験を繰り返したり、夜通しコンピューターを走らせて解析を行ったり、どこか理系大学院の研究室を思わせるようなイメージの場合言えるでしょう。

データの解析能力が必要ということはもちろんですが、それ以外にも、半導体の製造工程は100以上の装置を通して作っていくものです。そのため、自分が担当するプロセスだけで歩留まりが向上したということにはならず、自分が変えた設定によって、自分の担当以外のプロセスに悪影響が出て歩留まりを下げる結果が出る、という可能性もあります。

そうした跳ね返りを防ぐために部署間の連携はとても密で、システムインテグレーターを入れた共有化のためのミーティングもとても多いです。チームで力を合わせつつ、ひとつのものを作っていくという力が必要になります。
特に外資系の企業では、こうしたミーティングでしっかり発言をすることが求められます。発言しないイコール同意したと見なされますので、発言しないとどんどん自分の立場を狭めていくことになりますから、注意が必要です。また、マイクロンの場合、全体の2-3割は外国人ということで、コミュニケーションのベースは日本語ではあるものの、特にマネジメント職を目指していくのであれば、語学力は必須となります。

Topへ

マイクロン関連の製造機器メーカーについて


半導体製造ラインで使われている搬送機器や検査機器のメーカーが多くありますが、地域柄、設計職は非常に不足しており、求人は多く出ています。
経験としては、例えば自動車部品などの形状設計だけでは難しく、工作機械や製造装置、搬送機器の機械設計、制御設計といった経験が求められています。
搬送装置の場合、納入先の工場のレイアウトによってどこからどこへということが変わってくるのですが、検査機器の場合、ウェハーの大きさが例えば300ミリとか決まっていますので、あまり細かい変更はなく、ウェハーのどこにあるどの回路を検査するのかといった違いがでてくるというイメージです。ただ、回路はナノスケールのため、繊細な技術が必要となります。

外資系の半導体メーカーに納めている製造装置メーカーのFE職では、マネジメント経験に加えて、英語などの語学力、コミュニケーション力が求められます。また、24時間稼働する半導体工場に常駐する形になるなど、転職時には勤務形態の違いを考慮する必要があるでしょう。


広島/岡山エリアの半導体業界の転職に強いコンサルタントが、あなたの転職をサポート。
採用企業の情報や職務経歴書・面接の対策、あなたの市場価値など、ぜひご相談ください。


Topへ

転職が成功した具体的な事例


大手半導体メーカーに、50代前半で購買部門のマネージャー職として転職された方がいらっしゃいました。前職は外資系の自動車部品メーカー勤務でしたが、語学力とサプライヤとの調整力、マネジメント力がある人柄などを評価されて、年収は800万円から1000万円越えと大幅アップでの採用となりました。外資系ということもあり、赴任先からの帰省手当やストックオプションなど好条件が提示された、転職の成功事例と言えるでしょう。

また、生産拠点がベトナムにある別企業において、50代のエンジニアお二人が現地駐在という形で転職に成功されました。おひとりは電子部品メーカーのエンジニアで経験を活かした転職で、もうおひとりはゴム系の材料を扱っていたところから、語学力や現地での生活習慣の理解といった点を評価されての転職。JAC Recruitmentのご支援で転職がスムーズに進んだというケースです。

Topへ

広島・岡山エリアでの半導体業界の転職はJACに相談を


JACのコンサルタントは、採用企業と転職ご希望者様の双方とコミュニケーションを取るコンサルタント型というスタイルで転職のご支援をしています。特に企業との関係性は、経営層の方とお話をする機会も多くあります。

広島・岡山エリアの状況として、

・過去の経緯から新たな顧客を開拓する営業力が不足している
・業界を変えたところに向けて新商品を開発しようとしても、どう設計していくのか、企画力やマーケティング力が足りないと考える企業も多い

といった傾向にあります。
こうした課題を解決するべく、今のミッションや今後の展望を踏まえた人材を提案できるJACへのお問い合わせが、半導体業界の採用企業から多く寄せられています。

こうした状況を踏まえ、希望される条件や手当なども提案する形で企業にポジションをご提案するケースもありますので、皆様のご希望に沿った条件交渉も可能です。

また、広島以外の出身のコンサルタントも多いことから、広島を外からみた魅力を語れますので、Iターンなど、知らない土地に行くことの不安を感じる方にも、適切なアドバイスをいたします。 広島・岡山エリアの転職、半導体業界の転職なら、まずはJAC Recruitment のコンサルタントにご相談ください。


広島/岡山エリアの半導体業界の転職に強いコンサルタントが、あなたの転職をサポート。
採用企業の情報や職務経歴書・面接の対策、あなたの市場価値など、ぜひご相談ください。


この記事の著者

https://tsunagu.jacgroup.com/storage/images/JAC/383.jpgg

東田

福岡支店 支店長・中国支店 マネージャー

2016年JAC Recruitment入社。担当領域は、流通・小売(スーパーマーケット・百貨店・コンビニ)。2020年に中国支店の支店長に。中国地方エリア開拓担当としては、地元行政や金融機関とも連携。現在は中国・四国エリアの多様な企業向けに、40代以上のミドルからマネジメント層までの紹介や企業の経営課題の解決に取り組んでいる。


Topへ