証券会社への転職は未経験で可能か?仕事内容や年収相場を解説

  1. 転職マーケット×金融業界
  2. 金融業界

公開日:2024/05/10 / 最終更新日: 2024/08/15

個人投資を促す政府の方針を受けて、証券業界の中途採用が活性化しています。

証券業界が取り組む事業は多岐にわたります。投資信託・株式・債券などの金融商品の販売のみならず、事業承継問題に伴うM&Aへの対応や、再生可能エネルギーや医療・介護・アグリなど、日本の社会課題と密接につながっています。新規事業の創出にも取り組んでおり、異業界からの採用も積極的です。

証券業界の転職市場動向について、JAC Recruitment(以下、JAC)の証券業界専任コンサルタントが解説。20年以上の転職支援実績を持つ転職コンサルタントが証券業界で求められる職種・仕事内容をご紹介します。

金融業界への転職を検討中ですか?

今現在、

  • 金融業界への転職を検討している
  • 業界内でより自分にあった企業へ転職したい
  • より年収を上げたい

上記のようなお困りごとがございましたら、私たちJACへ相談してみませんか?

金融業界に特化した転職コンサルタントが、あなたの転職をサポートします。 業界における市場価値はもちろん、レジュメの効果的な書き方、面接対策、企業傾向の情報収集など、JACのコンサルタントにご相談ください。

登録してプロの転職支援を受ける


金融業界への転職支援を得意分野とするコンサルタントが、あなたの転職をサポート。
市場価値や転職動向の把握・企業ごとの選考対策は、JACのコンサルタントにご相談ください。


証券会社への転職は業界未経験でも可能?


証券会社のミドルバック部門や専門性の高いポジションを除けば、証券業界以外からの転職は可能です。

昨今の傾向としては証券以外の新規事業を立ち上げる際に、対象となるビジネス領域の経験者を採用する企業が増えています。必ずしも金融の知識が必須条件ではないケースもありますので、証券業界に関心をお持ちの場合には情報収集段階からJACにご相談ください。各企業の採用トレンドをいち早くご紹介し、これまでの経歴と証券業界との適性などをお伝えします。


政府が2023年に「資産運用立国実現プラン」を発表し、2024年1月から個人向け投資税制優遇制度NISAを拡充・恒久化するなど、証券業界としては追い風とも言える状況が続いています。

コロナ禍で停滞していたIPO(新規上場)も、2023年はリーマンショック以降2番目に多い96社が上場するなど高水準で推移しています。日経平均株価も4万円を突破し国内株式市場の活性化とその後の推移が注目されています。また、事業承継や1000億円規模のMBO、企業買収などを背景としたM&A市場も金額・件数共に増えることが見込まれています。

証券会社の求人傾向

かつてはどの企業でも共通したニーズを背景とした求人が、同じタイミングで出る傾向でした。しかし、昨今は企業ごとに異なる採用背景があり、個々の企業で異なる求人を出しています。

市況は好調ですが、同じポジションを大量に採用することはほとんどなく、幅広いポジションで厳選採用を進める企業が大半です。

ここ最近の傾向としては、リテール分野で新NISAに伴うポジション、ホールセール分野で中小企業向けのM&Aに絡んだポジションの採用に意欲的な企業が多く見られます。

急拡大する日系企業と、シュリンクする外資系企業

待遇面もかつては日系企業と顕著な差がありましたが、現在はかつてほど年収に大きな差はありません。また、日系でも大手グローバル企業のほうが海外赴任など語学力を活かした環境で働けるチャンスがあるなど、業界のキャリアパスにも変化が起きています。

銀行系証券・独立系証券のトレンドの違いと共通点

銀行系証券会社は銀行業との掛け合わせによる商品を展開しやすいメリットがあります。例えば銀行口座に振り込まれる退職金を資産運用に充てる個人向け金融商品は、銀行があるからこそ実現できる取り組みです。一方で独立系証券会社は自前で銀行口座を持たないため、現役世代のうちから積立投資を促すなど、銀行系証券会社よりも手前の段階からアプローチする必要があります。

また、法人による資金調達でも銀行は融資を提供する一方で、独立系証券会社は証券化ビジネスで代替するなど、それぞれ異なる形で顧客のニーズに対応しています。

業界外の方にはあまり知られていない実態として、証券業界は近年さまざまな新規事業に参入しています。例えば農業や不動産、再生可能エネルギー開発や知財ビジネスなど、証券という枠組みを超えたビジネスへの参入を続々と果たしています。


証券会社に多い求人を以下の7つの部門に分けて、それぞれ求められるスキル・マインドとともにご紹介します。

投資銀行部門

現在の採用動向は、業界外のトップ企業から業界未経験の若手層を採用する動きと、業界内で即戦力のミドル・シニア層を採用する動きとの二極化が進んでいます。

この部門へ転職する場合には、高いレベルでの財務分析スキルが求められます。業界未経験の若手層の場合には事業会社での経理財務3年以上に相当する経験があると有利です。また証券アナリストの資格も非常に有利に働きます。

マーケット部門

中途採用では若手層を中心とした採用が大半です。金融工学との親和性が高い物理学部や経済学部出身者でTOEIC800点相当の英語力を持った方であれば、異業界からの転職でも十分に可能性があります。

各社とも市場の分析から商品の売買までを独自のシステムで運用しているため、情報工学や数学などの理系出身者が多い部門でもあります。一方で、市場部門の営業職は文系の方もご活躍されています。

リサーチ部門

業界未経験の若手層では、証券アナリストの資格を保有していると選考で有利に働きます。機関投資家とのやり取りも多く、分析力やレポート作成能力だけでなく、営業的センスも問われます。
新NISAに関連して昨今はリテール向けのリサーチ部門を強化している会社も見受けられます。

コンプライアンス・リスク管理部門

コンプライアンス部門では国内の金融規制に関する知識や関連する法律の知見が要求されます。大学の法学部や法科大学院修了者を中途採用で優遇する傾向があります。

また、リスク管理部門はモデルの設計・定義・数値計算手法を理解できるレベルの数学力や金融工学の知識が要求される仕事もあるため、金融業界出身者の中途採用が中心です監査法人でコンサルタントとして金融機関を担当していた方も対象となります。

ミドルバック部門(オペレーション)

いずれの企業も高齢化が問題となっており、若手層の採用・育成が喫緊の課題です。そのため金融の知識を持ったミドル層手前の方が歓迎されている傾向があります。ワークライフバランスなどの都合で、女性を中心に営業から転職する方も多いポジションです。

営業部門

リテールとホールセールに分かれており、異業界で営業の経験を積んだ若手層の採用が旺盛です。

リテールでは即戦力採用が中心で、地銀や第二地銀でリテール営業の経験を積んだ方を採用するケースが増えています。一方のホールセールではリテールで優秀な成績を収めた実績を持つ方や、上場企業を対象とした法人営業経験者を主に採用しています。

コーポレート部門(財務・経営企画など)

いずれのポジションでも異業界で同じ職種を経験した方を採用する傾向があります。特に日系の大手グローバル企業では英語力(TOEIC800点相当)のある方が歓迎されます。

業界内でPM(プロジェクトマネージャー)経験者が少ないこともあり、新たなプロジェクトを立ち上げる際にはPM経験者を中途採用する企業も珍しくありません。また、戦略・ITコンサルティング企業出身者も、多くの企業が積極的に採用しています。

証券会社の年収相場


証券会社の年収相場はフロント(投資銀行、マーケット、営業)部門と、ミドルバック部門を中心としたそれ以外の部門に大別されます。フロント部門以外は経験者採用が中心になります。

フロント部門

経験者850~3000万円
未経験者600~850万円

その他部門(ミドルバックなど)

管理職1000~1800万円
非管理職600~1100万円

※外資系企業は上記に20%程度加算

証券会社で有利な資格


証券業界では働く上で必須となる資格だけでなく、一定以上の役職で求められるものや取得していると転職時に重宝される資格があります。

証券外務員

入社後の取得でも可とする求人もありますが、異業界からの転職の場合には入社前に取得しておくと、選考で有利に働きます。

証券アナリスト

一定期間アナリストとして働いている方であれば誰もが保有している資格であり、入社後に実務経験を積みながら資格取得に向けて準備する必要があります。

AFP(アフィリエイテッド ファイナンシャルプランナー)

管理職に昇進する際の必須条件にしている企業や、入社から一定の時期が経つと取得必須とする企業もあります。AFPはファイナンシャルプランナーとして十分な知識と実務能力を証明する民間資格であり、リテール営業職の方にとっては中堅以上のポジションを目指す際には欠かせない資格です。

アクチュアリー

金融業界ではクオンツなど、統計学や数学を駆使してデータ分析を行う方が保有していると、非常に高い評価を受ける資格です。正会員になるためには複数の科目試験の合格と研修の受講が必須であり、全科目に合格するまでに平均8年を要するなど非常に難易度が高いことで知られています。

公認会計士

証券業界においては投資銀行部門やホールセールス営業へ転職する際に重宝される資格です。優秀な方の中には公認会計士試験に大学在学中に合格したのをきっかけに、資格習得に必要な実務経験を積む目的で監査法人に新卒で入社されるケースがあります。そういった方は実務経験を経て必要単位を取得し、終了考査にパスして公認会計士を取得したタイミングで、次のステップとして投資銀行に転職するケースが多々あります。

USCPA(米国公認会計士)

国際会計基準(IFRS)の知識と英語力の証明になり、投資銀行部門やホールセールス営業だけでなく、経理・財務への転職でもアドバンテージになります。

税理士

投資銀行部門やホールセールス営業の中でも、事業承継に伴うM&A関連を扱うポジションで重宝されます。

Topへ

証券会社のキャリアパス


かつては総合職として入社しジョブローテーションの多い業界でしたが、近年は部門別のジョブ型雇用が中心です。比較的スペシャリスト志向の強い方向けのポジションが多く、クオンツやアナリストなどはその典型例ですが、マネジメントとしてスペシャリストを育成するキャリアパスもあります。

業界外への転職先としてはアセットマネジメント業界が王道ですが、投資銀行部門などで担当した業界に魅力を感じて、異業界の経営企画のポジションに就くケースもあります。


Q. 証券業界というと体育会系・長時間労働というイメージがあります。実際のところはいかがでしょうか

A. 非常に多くの方から受ける質問ですが、現状は全く異なります。近年は効率重視のワークスタイルにシフトしています。女性社員比率も高いことから共働き世帯も多く、家庭の事情に応じて働き方を柔軟に工夫する考え方が強くなっています。また、残業時間についても、近年は監督省庁からの強い要請のもと大幅に是正され、現在はワークライフバランスを重視する業界に変わっています。

Q. 将来は海外で働きたいと考えていますが、どういった企業に転職するのが良いでしょうか

A. 外資系企業は日本国内の営業拠点という役割上、海外赴任はほとんどありません。一方で日系の大手グローバル企業であれば海外拠点へ異動する機会があります。海外駐在を前提とした求人もゆるやかに増えつつあります。

Topへ

証券業界の転職事例


ここでは、JACを通じて証券業界への転職に成功した方の事例を紹介します。転職のきっかけ・応募した企業・採用に至った決め手・年収アップ金額など、実例をもとにお伝えします。

リテール営業から未経験の法人営業へ―キャリアチェンジに成功

Hさん(30代前半/男性)は銀行系証券会社で営業の経験を積んだ後、銀行へ出向しリテール営業として勤務していました。長くリテール営業の仕事に携わるうちに、成長している実感が得られなくなり、取り扱う規模がより大きなポジションや異業界で新しい経験をしたいという意欲が強くなり、JACに登録されました。

面談では証券業界だけでなく、M&A業界担当やアセットマネジメント業界担当など複数の転職コンサルタントから、各業界の動向やHさんのご経歴との適性に至るまでお伝えしました。その結果、大手日系グローバル証券会社に内定し、現在は上場企業を担当するホールセール営業へのキャリアチェンジに成功し、活躍されています。

転職成功の詳細は下記にてご確認いただけます。

【証券会社の転職成功事例】リテール営業から、法人営業へキャリアチェンジ

証券業界の転職ならJAC


JACでは証券業界専任のコンサルタントが転職をサポートしています。証券会社出身者や業界歴15〜20年のベテランで構成され、求人票だけではわからない各社のカルチャーや募集背景、活躍する人物像などを把握。ご自身の志向にあった転職を実現します。

また、企業が求める人物像・スキル経験と合致していれば、求人が無くても希望する企業に推薦するケースもあります。これまで中途採用の予定が無かったポジションを、JACが独自に開拓して内定に至った事例も多数あります。圧倒的な情報量と質でミドル・ハイクラス転職に強みを持つJACにぜひご相談ください。

銀行・保険・PEファンド・アセットマネジメント・カード・Fintechなど金融業界の転職動向については下記をご覧ください。

金融プロフェッショナルの転職ならJAC Recruitment

Topへ

この記事を監修した転職コンサルタント

友吉

友吉

金融ディビジョン シニアプリンシパル

野村證券株式会社からキャリアをスタートし、情報センター、リテール・ホールセールを経験。その後、専門商社を経て、2005年より人材紹介会社に転じる。転職エージェントとしての経験、金融業界の知見を生かしながらミドルからエグゼクティブ層まで幅広い人材の転職をサポートします。


大石

大石

金融ディビジョン マネージャー

新卒で入社して以来、一貫して金融業界の転職サポートに従事。2021年よりマネージャーとして、銀行・証券・不動産金融領域を担当しています。各企業との深いお付き合いをベースに日々マーケット情報の収集に努めておりますので、企業の最新の採用状況や、面接対策に関してもしっかりとお伝えいたします。



証券業界に特化した専任コンサルタントが、あなたの転職をサポートします。
業界における市場価値はもちろん、レジュメの効果的な書き方、面接対策、企業傾向の情報収集など、
JACのコンサルタントにご相談ください。


Topへ

  • Step 1ご登録

    まずはご登録ください。弊社コンサルタントから、ご連絡いたします。

  • Step 2面談・求人紹介

    業界・職種に特化したコンサルタントが、複数人であなたをサポート。
    最適な求人・キャリアプランをご提案いたします。

  • Step 3応募・面接

    ご提案求人の中から、ご興味いただいた企業へ、あなたをご推薦します。
    レジュメ添削、面接対策、スケジュール調整は、コンサルタントにお任せください。

  • Step 4内定・入社

    条件交渉や入社日の調整などをお手伝いいたします。
    ご要望によって、円満退社に向けたアドバイス等も行っております。

  • Step 5アフターフォロー

    ご入社後も、キャリアについてご相談がございましたら、お気軽にご連絡ください。
    人生を共に歩むパートナーとして、あなたのキャリアをサポートし続けます。