未経験からのM&A業界への転職は可能?業種別の転職動向やM&Aの全体像を解説

公開日:2025/04/04 / 最終更新日: 2025/04/04

「自身のキャリアをもとに、M&A業界への転職を検討したい」という方もいるのではないでしょうか。本記事では、M&A業界の転職動向や転職事情などをJAC Recruitment(以下、JAC)が解説いたします。

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本章では、次の4種のM&A領域について、未経験の転職可否も含め現状の転職動向を解説します。

• M&A仲介会社
• FAS
• PEファンド
• 事業会社M&A部門

M&A仲介会社は、売り手と買い手の仲介役となり、双方の取引成立を支援する企業を指します。
最近では、中小企業の事業承継ニーズの高まりを背景に、地方企業やオーナー経営者を対象とした案件が増加傾向にあります。

需要の高まりにともない、採用に意欲的な企業も多く、未経験でも採用に至るケースもあります。そのため、転職難易度は、ほかのM&A領域よりも相対的に低いといえるでしょう。求められる経験やスキルとしては、高いコミュニケーション能力、交渉力、そして中小企業の経営者層との良好な関係性を築ける人間力が挙げられます。特に、金融機関における営業経験や事業会社の企画経験がある場合、業務との親和性が高いことから歓迎されることもあるでしょう。

>> M&A仲介会社への転職は未経験でも可能?最新求人や年収相場を解説

FASは、M&Aにおける財務デューデリジェンスや企業価値評価、M&A戦略策定など、財務・会計を専門とするアドバイザリー支援を提供するサービスです。具体的にはデューデリジェンスやバリュエーション、財務リストラクチャリングなど、専門性を要する業務が中心であり、特に大手企業や中堅企業のM&A案件の需要が拡大しています。

高度な財務や会計の知識が求められるため、未経験からの転職難易度は、比較的高い部類に位置します。未経験の場合、主に監査法人出身の公認会計士、事業会社の経理・財務部門出身者、金融機関出身者など、高度な財務分析能力やクライアント対応力を持つビジネスパーソンに限られます。しかし、なかにはポテンシャルや業界特有の専門知識が評価されて採用に至るケースもあります。

>> FASへの転職は未経験でも可能?最新求人や年収相場を解説

PEファンドは、投資家から集めた資金で未上場企業に投資し、企業価値を高めて売却益を得る事業を展開する企業を指します。

取り扱う案件規模は大きく、投資対象企業の経営支援まで関与することが多いため、未経験からの転職は難易度が非常に高いといわれています。ただし、一部の企業では、投資銀行のM&A部門や戦略コンサルティングファームの出身者を受け入れるケースもあります。

未経験からPEファンドへの転職を目指す場合は、M&A仲介会社やFASなどでM&Aに関する業務経験を挟むのも一つの方法です。

事業会社のM&A部門は、自社の成長戦略や事業再編の一環として、M&Aや事業売却などを企画・実行する役割を担います。自社の事業戦略に沿った案件を中心に取り扱う点が特徴であり、積極的に事業拡大や多角化を進める企業において高いニーズがあります。

未経験者でも転職可能ですが、転職難易度は、個々の企業の採用方針によって異なります。多くの場合、業務理解力や業界知識が求められるため、金融機関やコンサルティングファーム出身者、事業会社で経営企画や事業企画などを経験した方が優遇されるでしょう。
また近年では、DX戦略の一環としてのM&Aを推進する企業が増加しており、IT業界出身者のニーズも高まりつつあります。


現在のM&A業界の求人動向は、活況を呈しており、幅広い領域で積極的な採用が行われています。特に、中小企業の事業承継ニーズの高まりや、企業の成長戦略におけるM&Aの重要性の再認識から、M&A仲介会社やFASにおける採用ニーズは堅調です。また、事業会社のM&A部門においても、事業再編や新規事業への参入を目的としたM&Aが増加傾向にあり、専門知識を持つビジネスパーソンへの需要が高まっています。

ここでは、M&A業界の最新転職・求人情報をご紹介します。

本記事で紹介している求人は、JACが取り扱う求人の一部です。JACでは取り扱い求人の大半が非公開となっているため、非公開求人も含めM&A業界に関する求人の紹介を受けたい方は、ぜひJACにご登録ください。
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Big4 FAS:不動産関連ポジション
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株式会社東京スター銀行:<法人金融>営業第1部(事業承継・M&A営業)VP
株式会社りそな銀行:国際事業部/海外出資・M&A業務
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本章では、転職前に押さえておきたいM&A業界について、次の4つの観点から全体像を解説します。

• M&Aのプロセス・業務内容
• M&A業界の展望
• M&A業界の主な企業
• M&A仲介会社とM&Aアドバイザリーの違い

ここではM&A業界の業務内容について、下記6つのフェーズに分けて解説します。

• 案件開拓
• 交渉および契約のサポート
• バリュエーション
• デューデリジェンス
• 資料・契約書の作成
• PMIなどの業務サポート

M&Aで最初に検討しなければならないことは、案件開拓です。M&Aの戦略を検討し、会社や事業を買収しようとしても最適な相手を見つけることは容易なことではありません。
そのため、M&A事業を担う企業は、案件開拓業務をメインにサービス展開をしていることが多い傾向にあります。

M&Aにおいて、条件交渉および契約書交渉などのサポートは豊富な知識・経験が求められる重要な局面です。
M&Aの条件交渉では、これまでの経験から蓄積されたノウハウをもとに専門家が行う分野といえます。

M&Aにおいて、先方企業・事業の価値を計算し、取得金額が決定されることが一般的です。この際、価値を決めますが、その方法をバリュエーションといいます。
バリュエーションは、実務的に用いられている方法があり、そちらを使って計算します。しかし、自社で取得金額を計算することは非常に難しいため、専門家に依頼することが一般的です。

デューデリジェンスは、先方企業を調査することです。財務面、税務面、法務面など、あらゆる方面から調査を実施して、買収時の問題点や買収後の改善点などがないかを明確にします。

M&Aを進める際、資料・契約書の作成業務は欠かせません。しかし、日常業務を行いながら、M&Aを進めなければならないため、全てを自社で行うことは非常に困難であると考えられます。
また、契約書は法律的な専門知識が必要となり、社内で完結することについても難易度は高いでしょう。
そのため、契約書の作成などは専門家へ依頼することが一般的だとされています。
もちろん依頼することで費用も発生するため、依頼範囲は検討のうえ、お願いすることになります。

M&Aを行うことが重要だと考えてしまいますが、その後に実施するPMI(経営統合作業)も大切な業務です。
自社と買収先を適切に経営統合できなければ、期待した効果を得られずに、M&Aが失敗してしまうこともあります。そのため、PMIはM&Aの業務のなかで一番大切な業務とされており、迅速かつ確実に進めることが求められます。

M&A業界は、近年、事業承継問題の深刻化、企業の成長戦略の多様化、そしてテクノロジーの進化などを背景に、市場が急速に拡大しています。
特に2000年代以降、グローバル化やデジタル化の進展を背景に、企業再編や成長戦略の一環として事業戦略にM&Aを用いる企業が増加しました。日本においても、少子高齢化による事業承継問題や経営資源の最適化を目的とした中小企業のM&A需要が急速に高まりつつあります。
また、規模の大きい企業でも成長領域への投資や既存事業の効率化を目的としたM&Aが活発化しており、特にテクノロジー分野やDX関連の取引が目立ちます。
今後も、海外市場への進出や事業ポートフォリオの再構築を目的とする案件の増加が期待されており、M&A業界の市場規模も継続的な成長が見込まれるでしょう。

M&A業界には多くの企業が存在し、それぞれが異なる分野に強みを持っています。
下記は、主要なM&A企業の一例です。

• 株式会社日本M&Aセンター
• M&Aキャピタルパートナーズ株式会社
• 株式会社ストライク
• GCA株式会社
• PwCアドバイザリー合同会社
• KPMG FAS株式会社
• デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社
• EYトランザクションアドバイザリーサービス株式会社
• モルガン・スタンレー
• ゴールドマン・サックス

各企業は、M&A仲介業務やアドバイザリー業務など、さまざまな形態でM&A市場を牽引しています。

M&A仲介会社とM&Aアドバイザリーは、いずれもM&Aを支援する業務を担いますが、両者の役割や提供サービスには大きな違いがあります。

M&A仲介会社は主に中小企業のM&Aを対象とし、売り手と買い手の間を取り持ち、交渉から契約締結までを仲介支援します。多くの場合、売り手と買い手の双方に対してサービスを提供しており、成約時に手数料を得る成功報酬型のビジネスモデルを採用しています。

一方、M&Aアドバイザリーは、比較的規模の大きい案件や複雑な案件に関わることが多く、クライアント(売り手または買い手のどちらか一方)に対して、戦略策定や企業価値評価、デューデリジェンス、交渉支援など、M&Aの全工程にわたり専門的なアドバイスやサポートを提供します。
成功報酬に加えて、着手金や月額報酬などが設定される場合もあり、クライアントの利益最大化を重視するビジネスモデルが特徴です。


本章では、M&A業界への転職で求められる人物像について、次の4つの領域ごとに解説します。

• M&A仲介会社
• FAS
• PEファンド
• 事業会社M&A部門

M&A仲介会社では、高い営業力と粘り強さが求められます。具体的には、新規顧客を開拓する力、顧客に対して魅力的な提案を行う力、そして案件を成約に導くグリップ力などが挙げられます。その理由は、M&A仲介ビジネスが成約件数に応じて収益が変動するビジネスモデルであり、積極的に案件機会を創り出し、クロージングまで遂行する能力が不可欠だからです。

また、取り扱い案件は、中小企業のM&Aが中心になることから、顧客である中小企業の経営者層と信頼関係を構築できるコミュニケーション能力、粘り強く交渉を進める折衝力も必須となるでしょう。
さらに、業界経験や資格よりも、「提案力」や「グリップ力」が評価される傾向にあり、成果を出すための行動力と柔軟な対応力を持ち合わせていれば、高い成果を残せる可能性が期待できます。

FASでは、数字に強く、決算書をはじめとする財務諸表の分析に抵抗がない方が求められます。また、財務デューデリジェンスや企業価値評価など、数値にもとづいた分析が中心となるため、ExcelやPowerPointなどの各種ツールやシステムを駆使して効率的に業務を進める応用力も必須となるでしょう。

さらに、FASではクライアントとの関係構築が長期にわたることが多く、継続的に信頼関係を築ける人が重宝されます。加えて、クライアントに対する提案力も求められることから、相手の立場や理解度に合わせて分析結果や提案内容をわかりやすく説明する伝達力や提案力も欠かせません。

PEファンドでは、体力・精神両面におけるタフネスさ、高度な業界知見、高いコミュニケーションスキルなど、高度かつ総合的なビジネススキルとビジネスセンスが求められます。
その背景には、PEファンドが少数精鋭で運営する組織形態を採用しており、一人ひとりが投資先の選定から価値向上、そしてエグジットまで、幅広い業務をこなす必要がある、という点が関係しています。
転職者は外資系の投資銀行やコンサルティングファーム出身者が多く、過去の職歴において高い成果やパフォーマンスを発揮したビジネスパーソンが集います。

事業会社のM&A部門では、社内の各部署と密に連携するため、さまざまな部署を巻き込みながらプロジェクトを推進することが得意な方が求められます。具体的には、調整力やコミュニケーション力、リーダーシップ力を持つビジネスパーソンが挙げられます。
また、新規事業の立ち上げや戦略立案に携わることも多く、経営視点で業務を推進できる視座の高さも不可欠です。さらに、M&Aの専門知識だけでなく、自社の事業内容や業界動向に対する深い理解を持ち合わせていることも、事業会社のM&A部門においては必須となるでしょう。

>>【M&A DX社インタビュー】M&A業界に求められている人材像とは?


本章では、M&A業界への転職が向いている方の特徴を3つ紹介します。

• M&A業界の再編に関心がある
• 成果を形に残す仕事に魅力を感じる
• 積極的にキャリアの向上を求める

M&A業界への参入は、業界再編や企業統合などの大規模なプロジェクトに関与するチャンスを増やします。現代の厳しいビジネス環境下では、市場規模の縮小を乗り越え、企業が持続的に成長するために、M&Aや組織再編が不可欠です。
特に日本の少子高齢化の進行は、市場のさらなる縮小を招く可能性があります。そのため、多くの業界でM&Aの動きが活発化し、組織の再編や統合が増加すると予想されます。M&Aを通じて業界の変革に関与したい人にとって、M&A業界は大変魅力的です。

M&A業界での仕事は、プロジェクトの初期段階から最終実行まで、深く関与することが求められます。多くの関係者と協力してプロジェクトを推進する経験は、大きな達成感をもたらします。
さらに、社会的に注目される大規模なプロジェクトに関わることで、自らの成果が広く認知されるチャンスも増えます。具体的な成果を追求する人にとって、M&A業界は最適な選択といえるでしょう。

M&A業界は、キャリアの各段階で多彩な成長の機会を提供します。そのため、短期間で会計、税務、人事、法務など、多岐にわたる業務経験を積むことが可能です。これらの経験は、将来のキャリア展開において大きなアドバンテージとなります。
M&A業界での経験は、仲介会社、銀行、証券会社など、多様な分野での転職に役立ちます。また、M&Aを頻繁に実施する企業でも、その経験は高く評価されることでしょう。M&A業界でのスキルや知識は、キャリアの大きな飛躍をサポートします。


M&A業界は高い年収を期待できる一方で、成果が強く求められます。
M&Aコンサルタントの場合、年収は固定給に加えて、案件成約に応じたインセンティブが加算されます。未経験でも入社1年目で最大1,000万円程度の年収が期待でき、2年目以降も成果に応じて1,000〜2,000万円程度の収入を得られるでしょう。ただし、成果を残せない場合は、500万円程度の年収にとどまることも珍しくありません。

またFASでは、未経験からの転職の場合、転職直後は一時的に年収が下がることもありますが、昇給のスピードが速く、数年で800〜900万円程度、シニアマネージャーやパートナーになれば1,500万円前後の年収を得られるでしょう。
大手ファームでは、未経験でも年収700万円前後からスタートし、ディレクターに到達するころには2,000万円前後の年収になっていると予想されます。PEファンドはさらに高額な報酬が期待でき、アソシエイトで1,000万円前後、VP(ヴァイスプレジデント)で1,100〜1,400万円程度、SVP(シニアヴァイスプレジデント)で1,400〜1,600万円程度の年収が見込まれ、ファンドの規模やキャリードインタレストによってはさらに高年収を実現することも可能です。

このように、M&A業界は全体的に高水準の年収が期待できる一方で、個人の能力や実績、所属する企業によって幅があることを理解しておかなければなりません。


本章では、未経験からM&A業界へ転職する際に留意したい、次の3つの注意点について解説します。

• M&A業界未経験でも社会人経験や実績が必要
• M&A業界からの採用実績が豊富な業種・企業に注目する
• 財務会計関連の資格を新たに取る必要はないが、あるとなお良い

M&A業界は専門性が高い分野であり、未経験者であっても、一定の社会人経験や実績が求められます。なぜなら、M&Aの業務は、企業の経営層との交渉や複雑な財務分析、プロジェクトマネジメントなど、高度なビジネススキルを必要とする場面が多々あるからです。社会人経験が浅い場合や目立った実績がない場合は、能力・スキル不足とみなされ、書類選考や面接で期待する評価を得られずに苦労する懸念があります。

未経験からM&A業界を目指すのであれば、これまでの職務経験で培ってきたビジネススキルや実績を棚卸しし、どのM&A業務に生かせるのかを具体的に説明できるよう準備しておきましょう。もしくは、社会人経験や実績を一定積んでからM&A業界への転職を志すのも選択肢の一つです。

未経験からM&A業界への転職を目指す場合、M&A業界からの採用実績が豊富な業種や企業に注目してみましょう。採用実績が豊富な業界や企業は、未経験者を受け入れて育成する体制が整っており、業界未経験者でも比較的門戸が開かれている可能性が期待できます。

例えば、投資銀行のジュニアポジションやFASの未経験者向け採用、あるいは事業会社のM&A部門におけるポテンシャル採用などが挙げられます。採用実績の少ない企業にばかり応募していると、なかなか内定を得られず、転職活動が長期化する恐れもあります。
事前に情報収集を行い、未経験者でも採用に至る可能性が高い企業に絞ることが、未経験からM&A業界への転職を実現する近道となるでしょう。

M&A業界では、財務会計の知識が必須になりますが、未経験から転職するにあたって、財務会計関連の資格を新たに取得する必要はありません。しかし、関連資格を持っていると、採用担当者に対して、M&Aの業務に必要な基礎知識を有している旨を示すことができ、選考において有利に働く場合もあります。

ただし、資格取得にばかり時間を費やし、ビジネス経験やスキルのアピールがおろそかになってしまうと、本末転倒です。資格取得はあくまでも選択肢の一つとして捉え、実務経験やポータブルスキルを磨くことも並行して取り組みましょう。


本章では、JACが提供する転職支援サービスを利用し、M&A業界への転職を成功させた事例を紹介します。

性別年代業種職種収入詳細ページ
男性30代前半M&Aアドバイザリーファーム→大手メーカーM&Aアドバイザー→経営企画1,200万円→1,000万円この事例を詳しく見る
男性30代前半日系生命保険会社→大手M&A仲介会社営業→営業950万円→720万円+インセンティブこの事例を詳しく見る
男性30代地方銀行→上場M&A仲介会社営業→営業510万円→550万円+インセンティブこの事例を詳しく見る
男性30代前半地方銀行→M&Aアドバイザリー会社融資担当→M&Aアドバイザリー660万円→600万円この事例を詳しく見る
男性30代前半証券会社→M&Aアドバイザリー会社リテール→ M&Aアドバイザリー900万円→550万円この事例を詳しく見る
男性40代後半日系大手銀行→損害保険M&Aアドバイザリー→M&Aアドバイザリー1,250万円→1,450万円
男性40代後半自動車メーカー→WEBメディア業M&A執行業務→M&A推進900→1,400万
男性40代前半M&A仲介会社→金融企業マネージャー→法人営業750万円→900万円
女性20代後半総合エンジニアリングメーカー→証券会社IR関連業務→M&A業務500万円→900万円
女性40代前半総合商社→EMC経営・事業企画・M&A(買収)業務→M&A業務950万円→1,050万円
男性50代後半建設機械レンタル業→EMCM&Aエグゼキューション→M&A業務1,500万円→1,500万円
男性40代後半半導体・電子メーカー→消費財メーカー(化粧品・トイレタリー)M&A推進担当→海外M&Aリーダー1,200万円→1,300万円


ここでは、M&A業界転職後のキャリアパスとして代表される、次の4つのキャリアを紹介します。

• 事業会社のM&A部門
• 金融機関のM&A部門
• 自身での起業
• 同業のM&A仲介会社やコンサルティングファーム

M&A業界で経験を積んだ後のキャリアパスとして、事業会社のM&A部門への転職が挙げられます。M&A仲介会社やアドバイザリーファームで培った専門知識や企業分析能力、交渉力、プロジェクトマネジメントスキルは、事業会社におけるM&A部門においても、戦略立案から実行まで、幅広い業務で生かせるでしょう。

事業会社の一員として、より長期的な視点で企業価値の向上に貢献したいと考える方にとって、魅力的なキャリアパスになると考えられます。

M&A業界から金融機関のM&A部門に転職するケースもあります。
投資銀行や証券会社などの金融機関では、より規模の大きなクロスボーダー案件や複雑な案件に携わる機会が多く、高度な金融知識や専門性が求められます。
M&A仲介会社やFASで培った経験を生かし、より専門性が高く、ダイナミックなM&A案件に携わりたいと考える方にとっては、自身のキャリアを広げる一助となるでしょう。

M&A業界で培った幅広い知識や経験、経営者とのネットワークを生かし、起業する方もいます。
M&A仲介やアドバイザリーの経験で得た、企業価値の見極め方や交渉術、深い業界動向理解は、新たなビジネスを立ち上げる過程で存分に生かされるでしょう。
また、M&A業界に在籍している間に築いた経営者との人脈は、事業を拡大する上で貴重な財産になると考えられます。

M&A業界内の同業にスライド転職するケースもあります。
同業のM&A仲介会社やコンサルティングファームに転職することで、自身の専門性をより極められたり、より規模の大きな案件に挑戦できたりすることもあるでしょう。あるいは、労働環境や待遇の改善を求めて転職に踏み切る例もあります。

M&A業界は専門性が細分化されているため、自身の強みや興味・関心に合わせて、最適な企業を選択することで、自身の市場価値をさらに高められる利点があります。また、異なる企業文化や働き方を提供する企業に転職することで、現状の生活スタイルに合った働き方を実現することもできるでしょう。

この記事の筆者

株式会社JAC Recruitment

 編集部 


当サイトを運営する、JACの編集部です。 日々、採用企業とコミュニケーションを取っているJACのコンサルタントや、最新の転職市場を分析しているJACのアナリストなどにインタビューし、皆様がキャリアを描く際に、また転職の際に役立つ情報をお届けしています。