「ファイナンシャルプランナー(以下、FP)の資格を活かして転職を検討したい」という方もいるのではないでしょうか。
FPの資格を活かして自分に合った転職先を探せるように、FPの資格が活かせる最新転職・求人情報やFPの資格が活かせる主な転職先と仕事内容を、解説します。
FPが活かせる最新転職・求人情報
ここでは、FPの資格が活かせる最新の転職・求人情報を紹介します。
本章でご紹介している求人は、JACが取り扱う求人の一部ですが、どのような求人があるのかぜひチェックしてみてください。
● なないろ生命保険株式会社:新契約引受査定
● 生命保険会社:ホールセラー
● 三菱UFJ信託銀行株式会社:富裕層向け営業
● 株式会社三菱UFJ銀行:ウェルスアドバイザー/シニアウェルスアドバイザー
● 株式会社埼玉りそな銀行:信託商品に関する推進企画及び業務管理
● 株式会社格付投資情報センター:ファンドアナリスト(投資信託)
● 大手銀行:マーケティングデータアナリスト
● 国内生命保険会社:社内SE
● スターホーム株式会社:投資用不動産営業(事業開発責任者候補)
● ハウスメーカー:事業用地・収益物件仕入
● 非公開:総合職
※求人の募集が終了している場合もございます。ご了承ください。(2024年12月最新)
FPが活かせる主な転職先と仕事内容
下記は、FPの資格が活かせる主な転職先と仕事内容例です。
● 保険業界の営業・コンサルタント系職種
● 金融業界の営業・コンサルタント系職種
● 保険・金融業界のマーケティング・システム開発系職種
● 不動産業界の営業・コンサルタント系職種
● 業界問わず人事・総務系職種
● 独立系FP
● 税理士・公認会計士事務所
本章では、上記7種を例にFPの資格が活かせる転職先と仕事内容について解説します。
保険業界の営業・コンサルタント系職種
FPの資格が活かせる主な転職先として、保険業界の営業職やコンサルティング職が挙げられます。営業職は、個人や法人顧客に対し、保険商品を提案・販売するほか、販路拡大や販売戦略の立案などを行います。
コンサルティング職は、顧客のライフステージや事業戦略に応じたリスク管理や資産形成のアドバイス、運用提案などを行います。
これらの職種では、FPの資格勉強の過程で得た知識を活かし、顧客やクライアント企業の人生(事業)設計に基づいた最適な商品提案やアドバイスができるでしょう。
金融業界の営業・コンサルタント系職種
銀行や証券会社、資産運用会社などの金融企業の営業職やコンサルティング職もFPの資格が活かせる転職先の1つです。
コンサルティング職は、主に顧客へのヒアリングを通じて、保有資産の状況やニーズ、抱えている課題を把握し、資産承継や事業承継、資産運用、資金調達、保有資産の組み換えなどの提案を行います。また、営業職では顧客のニーズを満たしたり、課題を解決に導いたりする金融商品の販売を行います。
提案やアドバイスにおいては、FPの資格取得の過程で学んだ資産運用や年金、税金などの幅広い知識を活かせるでしょう。
保険・金融業界のマーケティング・システム開発系職種
FPの資格は、保険会社や金融機関などのマーケティング部門やIT部門などでも活かされる場合があります。
マーケティング職は、主に市場調査を基にしたマーケティング施策の企画や保険・金融商品の販売促進戦略の立案などを、システム開発では、商品情報や顧客ニーズを反映したアプリやウェブシステムの構築などを担います。
FPの資格を保有していることで保険や金融商品の特性を理解した上で、ターゲット層に合ったマーケティング戦略を立案できるでしょう。また、保険・金融商品の仕組みを理解していると、システム設計の際にユーザー視点や金融商品の特性を汲んだ設計ができるでしょう。
不動産業界の営業・コンサルタント系職種
FPの資格を保有していると、不動産業界の営業・コンサルタント系職種の求人で歓迎されるケースもあります。具体的な業務は、住宅購入希望者に対する不動産仲介や資金計画の提案などが挙げられます。ほかにも不動産収益の分析や資産管理サポートを担う場合もあります。
FPの資格勉強で得た知見に基づき、不動産購入や不動産投資に関連する税金やローン、資金計画に関するアドバイス、顧客のライフプランに沿った住宅や投資用不動産の提案ができるようになるでしょう。
業界問わず人事・総務系職種
FPの資格が活かせる主な転職先には、人事・総務系職も挙げられます。
FPの資格を取得するためには、社会保険や税制、年金などの仕組みを理解しなければなりません。人事・総務系職の業務においては、給与計算や社会保険手続き、退職金制度の設計などにおいて、これらの知識が活かされることもあるでしょう。
独立系FP
FPの資格を保有していれば、独立したFPとして事業を展開することも可能です。
具体的には、個人顧客や法人に対する総合的な資産管理の相談などの業務が挙げられます。中には、セミナーの開催や執筆活動も行う独立系FPもいます。
中立的な立場で保険や投資、不動産、税金、相続など多岐にわたるマネープラン・ライフプランに関するアドバイスを提供したり、最適な選択肢を提示できたりするでしょう。
税理士・公認会計士事務所
税理士事務所や公認会計士事務所で税理士や公認会計士として活躍したり、スタッフとして税理士や公認会計士の補助にあたったりする仕事にも携われることがあります。具体的な業務としては、相続税や所得税の申告支援、財務アドバイス、節税プランの作成などが挙げられます。
税金や相続の知識を活かし、個人顧客や中小企業の資産管理や節税対策に関する提案をしたり、財務の観点からライフプランのアドバイスを提供したりすることもあります。
FPは何級から転職に有利に働くのか
業界や仕事内容にもよりますが、FPの資格は2級以上を保有していると転職活動で歓迎されたり、優遇を受けられたりします。
その理由として、銀行や保険会社では、業務に精通した知識を身につけるためにFP2級以上の合格を推奨しているケースが多いからです。そのため、2級を保有していると、転職の際にも金融資産運用設計や不動産運用設計などの6分野に関する専門知識を有しているとみなされるでしょう。
転職活動に向けてFPの資格取得を目指す際は、2級以上の合格を目指しましょう。
ただし、金融業界の営業・コンサルタント系職種の求人では、1級合格が募集要項の必須条件に含まれているケースもあります。一方で、必須要件ではなく歓迎要件としてFPの資格が記載されている求人もあり、FPの資格を保有していると、実務未経験でも挑戦できる場合もあります。
FPを活かした転職後の年収目安
FPの資格を活かせる求人に応募し、転職に至った後の年収は、業界や職種、求められる経験によって大きく異なります。下記は、FPの資格を活かした転職後の年収目安例です。
転職に向けてFPの資格を取得しようか迷っている方やFPの資格を活かして転職したいと考えている方は、参考にしてみてください。
● 300万円 – 500万円:新契約引受査定
● 515万円 – 840万円:ホールセラー
● 500万円 – 1400万円:富裕層向け営業
● 600万円 – 1000万円:ウェルスアドバイザー/シニアウェルスアドバイザー
● 540万円 – 910万円:信託商品に関する推進企画及び業務管理
● 525万円 – 1350万円:ファンドアナリスト(投資信託)
● 500万円 – 1400万円:システム企画
● 700万円 – 非公開:マーケティングデータアナリスト
● 450万円 – 800万円:社内SE
● 434万円 – 900万円:投資用不動産営業(事業開発責任者候補)
● 480万円 – 800万円:事業用地・収益物件仕入
● 400万円 – 700万円:総合職
これからFPの資格を取得するには?
FPの資格には、次の3つの種類があります。
● FP技能士
● AFP資格
● CFP®資格
FP技能士は、日本FP協会が実施する国家検定「ファイナンシャル・プランニング技能検定」に合格することで資格を取得できます。FP技能検定には、1級から3級までの3種の等級があり、学科試験と実技試験の両方の合格基準を満たすことで合格証書が発行され、FP技能士を名乗ることができます。それぞれの等級の受験資格は、下記の通りです。
【FP技能検定 各等級の受験資格】
等級 | 受験資格 |
3級 | なし |
2級 | ●日本FP協会が認定するAFP認定研修を修了した者 ●3級FP技能検定に合格した者●FP業務に関して2年以上の実務経験を有する者 ●厚生労働省認定の金融渉外技能審査3級に合格した者 |
1級 | ■学科試験 ●FP業務に関して5年以上の実務経験を有する者 ●FP2級技能検定に合格しており、FP業務に関し1年以上の実務経験を有する者 ●厚生労働省認定の金融渉外技能審査2級に合格した者かつ1年以上の実務経験を有する者 ■実技試験 ●FP1級学科試験に合格した者●CFP®認定者CFP®資格審査試験に合格したが認定されていない者 ●きんざいが実施する「FP養成コース」修了者かつFP業務に関し1年以上の実務経験を有する者 |
AFP資格とは、インタビュー技術や提案書の作成、プラン実行援助を提供できる知見やスキルを有している旨を対外的に示せる資格です。
下記2つの要件を満たし、かつ日本FP協会に登録することで資格が付与されます。
● AFP認定研修の受講修了
● 2級FP技能検定合格
資格取得後は、2年ごとに資格更新が必要です。資格更新の際は、所定の継続教育が義務付けられています。
CFP®とは、資格認定の柱である「4E(教育=Education、試験=Examination、経験=Experience、倫理=Ethics)」と、実務プロセス指針であるファイナンシャル・プランニング・プロセスの「6ステップ」のコンセプトに基づき、世界25カ国や地域(2024年2月現在)で認められた共通水準ファイナンシャル・プランニング・ サービスを提供できる旨を対外的に証明できる資格です。
CFP®の認定を受けるためには、下記4つの要件を満たす必要があります。
● FP認定者
● CFP®資格審査試験に合格
● CFP®エントリー研修修了
● 一定の実務経験
AFP資格と同様、2年ごとに資格更新が必要であり、資格更新の際は、所定の継続教育が義務付けられています。
参考:「FPの資格と検定の種類」(日本FP協会)
参考:「AFP資格とは?」(日本FP協会)
参考:「CFP資格とは?」(日本FP協会)