クレジットカード業界の現状と今後、業界未経験で活躍できる求人が多数

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公開日:2024/05/27 / 最終更新日: 2024/08/15

キャッシュレス決済比率が堅調に上昇している昨今、クレジットカード業界は、コロナ禍を経て右肩上がりで成長し続けている業界の一つです。

一般社団法人日本クレジットカード協会の統計によると、2023年のクレジットカードショッピングの信用供与額は約105兆円。5年前の2019年と比較すると1.4倍の規模に増加しています。

個人消費の決済手段として浸透する一方で、巨大市場である法人決済に注力するべく、業界では即戦力の採用が活発です。クレジットカード業界の転職市場動向について、JAC Recruitment(以下、JAC)の専任コンサルタントが解説します。
※出典:一般社団法人クレジットカード協会

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クレジットカード業界への転職は未経験者でも可能か?


クレジットカード業界では、職種に応じて異業種からの転職も可能です。特にマーケティング関連のポジションは、さまざまな業界から積極的に中途採用しており、デジタルマーケティングの知見・実績をお持ちの方であれば十分に可能性があります。30代後半以降になるとマネジメント経験やマーケティング戦略立案などの上流に携わった経験が重視されます。

また、信用調査やガバナンス、企画職は金融業界の経験をお持ちの方にもチャンスがあります。特に信用調査とガバナンスは組織の若返りが業界全体の課題となっており、若手層の採用に積極的な企業も増えています。一方で監督省庁や当局との折衝経験、マネジメント経験が豊富な方であれば、ミドル・シニア層の方も即戦力として採用されています。

クレジットカード業界の現状と今後


キャッシュレス決済の普及に伴い、非金融事業者が相次いで決済事業に参入。元々はメガバンクを中心とした銀行業界がクレジットカードのアクワイアリング事業のメインプレーヤーでしたが、近年ではIT、通信、小売・サービス業など幅広い業界が顧客の囲い込み戦略の一環として、独自のカードサービスを提供しています。

こうした発行会社の増加に伴い、国際ブランドは独自サービスの開発や得意とする顧客層の囲い込み戦略を進めています。一例を挙げると、富裕層に強いAMEXはラグジュアリーホテルチェーンと提携し、利用額に応じたポイントサービスを提供しています。一方で日系唯一の国際ブランドであるJCBはAMEXと提携し、決済ネットワークを地域に応じて相互補完するほか、独自のQRコード決済サービスも提供しています。また、Visaは数百社と業務提携を結び、積極的に企業への出資や買収を進め、金融機関のデータや機能を外部サービスと連携する「オープンバンキング」に注力しています。

加盟店開拓を巡る動きも活発です。QRコード決済が国内でスタートした際に、ソフトバンク傘下のPayPayが加盟店開拓に注力。その結果、国内トップシェアに躍り出たのを機に、国内のクレジットカード業界でも加盟店数を伸ばすための取り組みが進んでいます。その一環として、加盟店に設置する決済端末に各社とも力を入れています。店舗独自のクーポンやスタンプカード発行などの顧客管理機能や、店舗スタッフの勤怠管理や在庫管理機能を決済端末に盛り込むことで経営のDX化を支援し、カードの利用回数向上につなげようとしています。

こうした加盟店と個人利用者間決済の次の市場として注目されているのが法人間決済です。法人間決済は約1000兆円と個人決済の3倍以上の市場規模がありながら、決済手段は銀行振込や手形が中心であり、法人カードの発行枚数も個人カードの30分の1に留まっています。未だ圧倒的なシェアを持つ企業もなく、ブルーオーシャン市場であることから、各発行会社とも事業開発系の方を採用し、新たな取り組みを進めている最中です。

クレジットカード業界の今後について

クレジットカード業界は従来からの個人決済市場を起点に企業ごとの囲い込み戦略や加盟店向けサービスの拡充を進めると同時に、法人決済市場の開拓を進めており、今後も市場の拡大が続く見込みです。

日本政府は2025年までに国内のキャッシュレス決済比率を40%に引き上げることを目指しています。官民一体となった取り組みの中でクレジットカード業界が貢献する役割は大きなものになることが予測されます。

採用面においては、従来は金融業界中心の中途採用が目立ちましたが、近年はデジタル系人材や異業種で活躍する即戦力の採用に注力する企業が増えています。

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クレジットカード業界に多い求人と求められるスキル経験


いずれのポジションにおいても、さまざまなステークホルダーと連携して業務を進めるため、論理的思考を持ってプロジェクトをリードできるコミュニケーションが必要です。また、外資系企業の場合にはビジネスレベルの英語力も必須条件となります。 ここでは、求人が多い職種ごとに求められるスキル経験をお伝えします。

企画職(商品企画・開発)

カード決済を中心に顧客を囲い込む戦略を各社が推進する中で、企画職の需要は近年急速に高まっています。クレジットカードのサービス企画や新規事業、決済端末の新機能の企画など、担当する領域は広範囲に及んでいます。

クレジットカードを起点とした企画の場合には同業他社からの採用が中心になりますが、新規事業や店舗向けの機能に関するポジションの場合には、コンシューマー向けビジネスでの企画職の方にも門戸が開かれています。

マーケティング

マーケティング職には主に3つのポジションがあります。

  1. ブランド認知マーケティング
  2. 個人ユーザーの新規獲得・既存顧客向けマーケティング
  3. 法人ユーザーの新規獲得・既存顧客向けマーケティング

いずれのポジションも金融業界以外から積極的に経験者を採用しています。
共通して求められているのは、ターゲットのペルソナ設定からカスタマージャーニーを設計し、施策立案・実行・分析まで担える方です。またCRMを活用したリテンションマーケティングや、ターゲティング広告の知見を豊富に持った方も歓迎されています。

企業によってはターゲット層との親和性が高いキャリアを歩んだ方を優先的に採用する傾向もあります。例えば富裕層向けのカード発行会社であれば、ラグジュアリーブランドやホテルのマーケターを優遇し、若者向けであればエンターテインメント業界出身者を積極採用しています。

営業職

加盟店や法人決済を開拓するポジションですが、顧客ニーズの抽出からソリューションを組み合わせて提案するスタイルが主流となっています。また、従来のカード決済事業だけで無く、カード利用者の属性情報や利用情報を活用したマーケティング支援サービスの法人営業など、新しいビジネスを推進する役割を担うこともあります。

無形商材を扱うことが多いことからITベンダーやSaaS系企業の営業職との親和性が高く、カード業界未経験でも早期に活躍されている方が多数います。

信用調査

中途採用では資金決済法(資金決済に関する法律)に基づいた運用が求められることから、基本的には経験者採用が中心です。業界未経験からの転職の場合でも金融業界内で信用調査業務の経験がある方が優遇されます。

また、昨今は年収や家族構成、支払履歴などのデータを活用した業務もあることから、データ解析の業務経験者を採用する企業も増えています。

ガバナンス

AML(アンチマネーロンダリング)/CFT(テロ資金供与対策)関連の監査を担当するポジションです。主に金融機関でAML/CFT監査業務に携わった方が、中途採用の対象となります。

コンプライアンス

信用調査担当同様に、法令に対する理解が必須のため、基本的には同業他社からの経験者採用が中心です。また金融庁や経済産業省とのやりとりもあるため、比較的シニア層の方も採用されやすい傾向があります。

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クレジットカード業界の年収相場は概ね以下の通りです。外資系企業の場合には1.2~1.3倍程度アップします。また、ガバナンス担当など専門職は年代を問わず年収の上限に近い待遇になる傾向があります。

年代大手カード発行会社中堅カード発行会社
30代800万〜1,000万円600万〜800万円
40代900万〜1,100万円800〜1,000万円
50代1,200万円以上1,100〜1,200万円

クレジットカード業界は実務経験が重視されるので、転職の際に資格が選考を左右することはありません。しかし、入社後に一定以上の役職に昇進する場合には、特定の資格取得を義務づける企業もありますので、下記資格については、入社後から準備することをお勧めします。

  • ●貸金業務取扱主任者
  • ●クレジット債権管理士
  • ●クレカウンセラー
  • ●金融AMLオフィサー

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クレジットカード業界でのキャリアパス


クレジットカード業界は旧来のメンバーシップ採用を前提に、ジョブローテーション制度を採用する企業が大半を占めていました。そのため、複数のポジションを経験した後、自分の専門性を磨くためにスペシャリストとして他社へ転職する傾向がありました。

しかし、最近の傾向としてはスペシャリストとしてのキャリアパスを描ける人事制度を設ける企業が増えています。年収面でも管理職と遜色の無い待遇にするなど、優秀な人材を社内に留める工夫を各社とも凝らしています。

業界内で多い転職のパターンとしては、カード発行会社から国際ブランド企業に転職される方や、QR決済などの比較的新しい企業に転職する方が目立ちます。また、フィンテック関連のスタートアップ企業へ転職する方も近年は増えています。大企業の中で自分のキャリアが頭打ちになり、自分の実力を試しつつ大きな裁量で仕事をしたい方にとって、成長著しいスタートアップは最適な転職先です。

近年では、小売企業が決済サービスを導入するなど、異業種サービスに金融機能を組み込む「エンベデッド・ファイナンス」が新たなビジネスとして注目を集めています。こうした流れを汲み、クレジット業界での経験を生かし、異業種の決済サービスに転職される方も増えています。

また、メガバンクを中心に銀行業界でも決済サービスに注力する企業が増えており、カード業界から金融機関へ転職される方も増えています。

他にも、コンサルティングファームやSIerの金融業界部門に移り、業界外で金融業界のスキルを生かすキャリアパスを選ぶ方もいます。

このように、クレジット業界のキャリアパスは業界内外に幅広い選択肢が存在しています。

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Q. カード業界のワークライフバランスについて教えてください。

A. 大手企業が多く、一カ月あたりの平均残業時間は20〜30時間程度です。フルリモート制度のある企業は少なく、多くとも週に2〜3日リモート勤務を認める企業が大半です。しかし、個人情報を扱う部門は出社が前提となります。

Q. 大手企業ほど生え抜きの社員が出世しやすい印象があります。

A. 国内の大手金融機関のカルチャーが根強いという印象を持たれがちですが、近年はプロパー主義が薄まり、入社から1〜2年で管理職に昇進される方も増えています。業界全体でも新卒採用数よりも中途採用数が増えており、新卒・中途に関係なく能力を持った方が活躍できる組織が増えています。


ここでは、JACを通じてクレジットカード業界への転職に成功した方の事例を紹介します。転職のきっかけ・応募した企業・採用に至った決め手など、実例を元にお伝えします。

これまでの経験を生かし、大手企業の新規決済サービスへ

Fさん(30代男性)は、ECサイト事業者にカード決済サービスの導入を提案する仕事に就いていました。自分なりに現職でできることは全てやりきった感覚が得られたことと、昇進・昇級も頭打ちになってきたタイミングで転職を決意されました。

業界にこだわりなく転職活動をしていたFさんに対して、JACが提案したのは大手金融機関傘下の決済サービスに関するポジション。新規事業として立ち上がったばかりのサービスで社内に有識者が少ないことから中途採用を急いでいたポジションで、Fさんの経験がストレートに生かせることからご紹介しました。キャリアアップと年収アップを実現したいFさんと、経験者を採用したい企業側の思いが一致し、年収アップの1000万円で入社が決まりました。

転職成功の詳細は下記にてご確認いただけます。

【クレジットカード業界の転職事例】経験を生かし、新規事業の推進担当としてキャリアアップ

クレジットカード業界への転職ならJAC


JACではクレジットカード業界専任の転職コンサルタントが、あなたの転職をサポートします。業界全体の情報を網羅的にカバーしていますので、企業ごとのカルチャーや課題から面接対策に至るまで、きめ細やかなサポートを得意としています。

カード業界出身の転職コンサルタントを中心としたクレジットカード業界専任チームを持つ転職エージェントは少ない中で、JACは高い顧客満足度を裏付けるサポート体制に強みがあります。

今後も安定的な成長が見込めるクレジットカード業界への転職をご検討の際は、JAC Recruitmentまでご相談ください。

銀行・保険・証券・アセットマネジメント・カード・フィンテックなど金融業界の転職動向については下記をご覧ください。

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この記事を監修した転職コンサルタント

堀江

堀江

金融ディビジョン リーダー

大学卒業後、SaaSベンチャー系企業での法人営業職を経て、人材業界へ転進。大手金融機関(銀行、リース、カード)やネット金融、FinTech業界の中の経営企画やリスク・コンプライアンス領域を中心にカバーさせていただいております。業界内でキャリアアップをご希望の方から、これから同業界、職種へ挑戦をされたい方へも、ご志向に合わせてご提案をさせていただきます。


森永

森永

金融ディビジョン コンサルタント

大学卒業後、決済(カード・ペイメント)・外資IT企業の法人営業を経て人材業界へ転職。決済業界での経験を活かして、大手クレジットカード会社や大手金融機関(決済領域)、事業会社の決済領域、FinTech業界の営業や事業開発、マーケティング、ミドルバックオフィスなどの領域を中心にご支援しています。ご自身だけでは気付くことのできない自分自身の軸や新しい可能性に出会うきかっけとなれば幸いです。



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