公認会計士の資格を転職で生かす方法は?活躍できる業界や仕事内容、年収相場を解説

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公開日:2024/05/21 / 最終更新日: 2024/08/15

公認会計士資格を持ち、監査法人や会計専門ファームで経験を積んだ方々が次のキャリアを考えるなら、どのような可能性があるのでしょうか。金融業界をはじめ、異業種で公認会計士の資格や経験を生かす道について、JAC Recruitment(以下、JAC)の金融業界専任のコンサルタントが解説します。

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公認会計士の資格は転職で有利に働くのか


公認会計士の資格は、求人市場で評価され、採用選考で有利にはたらくことが多々あります。難易度が高い資格であるだけに、資格保有者は基礎学力が高いと見なされ、「会計の専門知識」「数字に強い」といった点も評価されます。また、監査法人や会計専門ファームなどで経験を積んできた方であれば、企業との折衝を通じて経営の視点が養われていることが期待されます。これらの能力や素養は、会計関連業務はもちろん、それ以外の採用ポジションの選考でも評価されるのです。 なお、「米国公認会計士(USCPA)」は、求人において必須条件に挙げられることは少ないのですが、「会計の素養」+「英語力」がプラス評価されるケースもあります。海外投資家向けファンド運用などのポジションのほか、外資系企業や日系企業の海外事業などでキャリアを築ける可能性もあります。

公認会計士の資格が生かせる仕事・ポジション


公認会計士の資格を取得した方は、最初の就職先として監査法人を選ぶケースが多くみられます。監査法人の次のキャリアとしては、監査法人での経験内容にもよりますが、次のような選択肢が挙げられます。

  • ●税理士法人/会計事務所
  • ●会計コンサルティングファーム
  • ●事業会社の経理・財務職
  • ●事業会社のCFO
  • ●金融業界のスペシャリスト
  • ●不動産ファンド
  • ●独立起業

これら選択肢のなかでも、公認会計士の方々から「業界・職種のイメージがつかない」と言われることが多い金融業界の求人4つについて詳しくご紹介します。

不動産アセットマネジメント会社

不動産金融の領域では、不動産アセットマネジメント会社の会計ポジションのほか、経営企画や事業企画として迎えられるケースがあります。また、ファンドの監査に携わったことがあるなら、アセットマネジャーのポジションへの応募も可能であり、実際に転職された事例もあります。

不動産アセットマネジメント会社を転職先として選んだ方からは、「『建物』という明確な形があるものを扱えること、人々の生活に関わる施設や街づくりに携われることにやりがいを感じる」という声が聞かれます。アセットマネジャーは、フロントの立ち位置で会計知識を生かしたい方、ファンド監査経験を活かし新たな専門性を身に付けたい志向をお持ちの方に最適です。

FAS(ファイナンシャル・アドバイザリー・サービス)

企業に対して財務関連のアドバイスやサポートサービスを提供するFASでは、主に「M&A」「事業再生」「フォレンジック」などを手がけています。会計の知識・スキルとクライアントワークの経験・素養を生かして、監査法人からFASへキャリアチェンジされるケースが多く見られます。 監査は企業の「過去を見る」業務、FASのメイン業務は企業の「未来をつくる」業務とも言われています。特に、多くの企業が海外事業を強化している現在、M&A案件が増加傾向。成長市場で企業の未来を支えることに魅力を感じる方が、FASへの転職を検討されています。

M&A仲介会社

M&A仲介会社では、主に「事業承継」の課題解決に取り組んでいます。FASと同様にM&Aを取り扱いますが、M&A仲介会社の特徴は、チームで役割分担をして進めるのではなく、公認会計士1人の力で成約まで行うところにあります。日本では経営者の高齢化にともない、事業承継のニーズが高まっています。公認会計士の知識と経験を生かし、企業オーナーから信頼を得て成果を挙げるケースが多く見られます。

事業承継は日本において重要な社会課題です。会社を存続させ、従業員の雇用を守ること、これにより感謝されることが大きなやりがいといえます。また成果報酬型の業界であるため、成約により高額な報酬を得られるチャンスがあることも魅力の一つです。

投資ファンド

PEファンド(プライベートエクイティファンド)は、機関投資家などから集めた資金をもとに企業の未公開株の取得および経営支援を行い、企業価値を高めたうえで売却する事業モデルです。スタートアップ企業に投資する「ベンチャーキャピタル」、成熟期以降の企業を主な対象とする「バイアウトファンド」、経営不振に陥った企業の立て直しを手がける「事業再生ファンド」などの種類があります。

業務内容はFASに近いのですが、第三者の立場ではなく、自身が主体者(株主)として企業の再生や改善、価値向上に取り組めるところに魅力を感じて選ぶ方が多数見られます。


前段でご紹介したとおり、金融業界で公認会計士の資格・経験を生かす道もあります。では、公認会計士のなかでもどのようなタイプの方が、金融業界に向いているのでしょうか。

まず、「クライアントワーク」が好きな方。事業会社の経理・財務職は「バックオフィス」の立ち位置である一方、上に挙げた金融業界のポジションは顧客の課題解決に取り組み、顧客に貢献することを目指します。これまで監査業務を経験するなかで顧客とのやりとりにやりがいや面白みを感じ、フロントの立ち位置で活動したい方に合っています。

また、「会計士」としての専門業務だけにとどまらず、キャリアの幅を広げていきたいという志向の方にとっても、検討してみる価値があるといえます。

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前提として、監査法人に勤務する公認会計士の年収相場は、20代後半で700~800万円以上、30代で1000万円以上に達します。

ここから事業会社の経理・財務職などに転職するとなると、転職先企業の給与テーブルに合わせることになります。業界・企業によって年収水準は大きく異なり、経理・財務職としては「未経験」でもあることから、転職によって年収ダウンとなるケースもあります。

一方、上に挙げた金融関連企業はもともと給与水準が高い業界であり、成長業界でもあることから、監査法人の年収相場に近いといえます。以下に年収相場の一例をご紹介します。

■FAS

年代年収
20代800~1500万円
30代1000~2000万円

監査法人からFASに転職した場合、多くの方が年収アップを果たしています。

■投資ファンド

年代年収
20代700~1200万円
30代1000~1500万円

上記に加え、「キャリー」と呼ばれる業績連動型の報酬を得られます。正式名称は「キャリードインタレスト」で、投資から得た収益の一部を、関わったメンバーがボーナスとして受け取れるものです。

M&A仲介会社

監査法人からM&A仲介会社に転職した場合、基本給は400万~600万円ほどに下がるケースが多くみられます。ただし、年齢にかかわらず、案件が成約すれば成約金額の何割かの報酬を得られます。平均年収は3000万円ほどに達し、大規模案件を手がける方では億単位の年収を得ているケースもあります。

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監査法人以外への転職を検討する公認会計士の方々から、多くいただく質問にお答えします。

Q. 金融業界はどれくらい忙しいのでしょうか。ワークライフバランスが気になります。

A. 忙しさの程度に関しては、業種や企業によって大きく異なります。ただ、監査法人に勤務していた公認会計士の方々は、繁忙期と閑散期の差が激しい環境下で勤務されてきたかと思います。その点では、転職された方から「繁閑の差があまりなく、安定感を持って働ける」という感想が聞こえてくることもあります。

Q. 監査法人から転職する場合、年収を維持できますか。

A. 異業界への転職となると、年収ダウンとなるイメージをお持ちの方は多いようです。確かに、事業会社の経理・財務職などに移る場合は、転職先の給与水準によっては年収ダウンとなるケースも見られます。しかしながら金融業界への転職では維持もしくは年収が上がるケースが多く、成果報酬がある企業では中長期的に大幅アップも狙えるでしょう。

Q. 公認会計士資格はどれくらい生かせるでしょうか。

A. 公認会計士資格は、保有している時点で基礎能力を高く評価されるため、採用選考で有利となることが多いといえます。求人企業としては、対顧客に対して「信頼」「安心」をアピールできるため、入社後も早い段階で顧客折衝を任されるなど、活躍できる可能性が高いです。


監査法人からFASに転職された公認会計士の方の事例をご紹介します。

Mさん(20代後半/男性)は監査法人で5年ほど経験を積んだころ、今後のキャリアに目を向けました。このまま会計監査を続けていく未来のイメージを持てず、「将来的には事業会社のCFOなど、ビジネスや経営に直接関与したい」と考え、転職活動を開始。JACからは考えられる選択肢として、事業会社の財務部門、FAS、投資銀行、PEファンドなどをご提案しました。

幅広く検討した結果、Mさんが自身の志向や将来の方向性に合致すると判断したのがFASの「M&Aアドバイザリー」のポジションです。M&A業務の経験はありませんでしたが、公認会計士としての監査業務の経験、M&Aについて独自に勉強していた向上心、その他今後の活躍が期待され、採用に至りました。

FASでM&A業務の経験を積んだ後、タイミングを見計らって事業会社もしくは投資ファンドに転職することで、将来の目標である「CFO」へ近づいていくキャリアプランを描いていらっしゃいます。

転職成功の詳細は下記にてご確認いただけます。

【公認会計士の転職事例】CFOを将来目標に監査法人からFASのM&Aアドバイザリーへキャリアチェンジ

公認会計士の転職ならJAC


JACでは業界ごとの専門コンサルタントが連携して、転職ご希望者をサポートしています。そのため、公認会計士の方であれば、さまざまな業種の事業会社の経理・財務職や経営企画ポジション、コンサルティングファームなど、幅広い選択肢をご提案し、比較検討いただくことが可能です。

各業界の市場動向・採用背景・業務内容・期待する役割・求める人物像などについて、求人企業の幹部クラスとの対話から得ている情報をご提供し、キャリアプランや志向に合う企業・ポジションを選ぶためのお手伝いをします。

公認会計士の方は、学生時代の就職活動経験があまりない方も多く、「転職活動をどのように進めればいいのか分からない」というご相談もよくいただきます。JACでは、求人に関する情報提供はもちろん、面接への対策や準備についても丁寧にアドバイス、サポートを行います。

まだ転職すると決意していなくても、安心してご相談ください。

 

銀行・保険・証券・アセットマネジメント・カード・Fintechなど金融業界の転職動向については下記をご覧ください。

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この記事を監修した転職コンサルタント

川島

川島

金融ディビジョン シニアコンサルタント

前職では会計業界で人事職に従事し、公認会計士や経理職の方の採用を経験。その後JAC Recruitmentに入社。現在は、金融機関の不動産に関わるポジションや、不動産アセットマネジメント会社を担当しています。まずはご相談したいという方、市況感を踏まえて転職時期を検討したいという方も多くいらっしゃいます。業界動向からご説明いたしますので、お気軽にお問い合わせください。


関根

関根

金融ディビジョン シニアコンサルタント

大学卒業後、新卒でメガバンクに入社し、中小企業から上場企業までの法人営業に従事。資金調達や事業戦略提案を中心に、MBOや事業再生など幅広い業務を経験し、金融業界でのキャリアアップ支援を目指し、JAC Recruitmentに入社。現在は、PEファンド、M&Aアドバイザリーやコンサルティング領域の専任コンサルタントとして従事しております。



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