近年のエグゼクティブポジションの傾向として、SDGsのテーマの一つであり企業の喫緊の課題である「女性の管理職登用」に関するニーズが高まっています。
エグゼクティブクラスの方々の転職支援を専門とするJAC Executive(以下、JAC)のコンサルタントが、昨今の女性役員の採用動向・転職事例をお伝えします。
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企業の女性管理職・役員登用における課題
近年、「SDGs」への意識が高まっており、その目標の一つに掲げられるのが「ジェンダー平等を実現しよう」。グローバル企業においては、この目標への取り組みや達成状況が投資家からも注目されており、企業価値を左右し、株価にも影響を及ぼします。
株主総会で指摘を受けたり、進捗状況の説明を求められたりするなか、管理職以上のポジションにおける女性比率を高めることが喫緊の課題となっています。
しかしながら、社内に管理職を志向する女性が少なく、女性管理職比率を高めるため、外部から招聘するケースが増えてきています。特に幹部候補・エグゼクティブクラスの採用となると、部門長レベルでのマネジメント経験が重視されますが、その経験している方は希少。ニーズが満たされていない状況が続いています。
女性管理職・役員の採用ニーズ・転職動向
女性を対象とした役員からエグゼクティブクラスの求人にはどのようなものがあるか、最新の動向をご紹介しましょう。ここでは、外資系企業を含むグローバル大手企業に見られる傾向をお伝えします。
女性を対象とするエグゼクティブクラスの求人は、これまではバックオフィス系が中心でしたが、最近では広がってきており、ビジネスラインや製造ラインの管理職にまで及んでいます。たとえば、次のような求人に増加傾向が見られます。
「サステナビリティ」施策の推進・広報
「サステナビリティ推進室」「ダイバーシティ推進室」などの「室長兼執行役員」といったポジションが目立つようになってきました。
サステナビリティの取り組みに関しては、「IR」も含め外部への発信も重要。象徴的な存在として、このポジションに女性を据えたいと考える企業が増えています。
コンサバティブな業界でのニーズ
重工メーカー、食品メーカー、建設関連会社などは、もともと男性比率が高く、女性のマネジメントクラスが少ない状況です。政府が指標として掲げる女性管理職比率の数値に遠く及ばないため、女性に限定した幹部採用に動き出しています。
採用事例は40代が中心。子育て中の女性も
入社時より役員としてお迎えいただくケースもありますが、多くの場合入社後の活躍また役員等幹部への育成期間が考慮されるため、40代の方を部長クラスで採用されることのほうが多いです。
「働き方改革の推進リーダー」「女性社員のロールモデル」として迎えられています。
ご本人も、ご自身が育児とキャリアの両立に苦労した分、その経験を生かして貢献したいという思いをお持ちです。たとえば、「『女性活躍』という言葉を世の中からなくしたい(=それが当たり前の社会にしたい)」という志を語った女性は、企業から高評価を得ていました。
海外でのご経験は評価が高い
あらゆる企業がグローバル展開を推進するなか、海外駐在経験者のニーズは高水準。中でも海外駐在経験を持つ女性は非常に希少であるため、「グローバル事業推進」+「女性活躍推進」を図る企業で高く評価される傾向があります。 リーダーシップを発揮し「自分が新しい文化を醸成していく」というマインドが求められるでしょう。
女性管理職・役員の転職成功事例
役員・幹部職で採用された2人の女性の事例をご紹介しましょう。
「初の女性幹部」として変革を担うポジションへ
大手メーカーのX社は、社会的に女性活躍推進の動きが高まる中、社内で女性管理職候補が育っていないことが課題に。大手電機メーカーでグローバルな経験を持つ管理部門課長を務めていたAさん(50代前半)を迎えました。
AさんはX社の抱える課題を事前にJACのコンサルタントから共有を受けたうえで、経営陣とカジュアル面談を実施。経営陣の「女性が活躍できる土壌を作っていきたい」という強い想いを感じ、「自身の経験を生かして変革を担いたい」という意欲が芽生え、転職を決意されました。
入社後Aさんが活躍したことにより、「活躍に性別は関係ない」という風土が醸成され、その後の女性幹部採用・育成にもつながっています。
女性管理職の転職成功事例|男性社会の企業へ女性活躍のロールモデルとして転職
「サステナビリティ」の経験を生かして転職
Bさん(40代前半)は大手製造業で広報・IRを経て、サステナビリティ推進部門で管理職を務めていました。
しかし、自社の施策に物足りなさを感じており、「もっと突き詰めたい」「本気で取り組む企業で働きたい」と、JACに相談されました。
Bさんのご経験・志向をお聴きしたJACのコンサルタントの頭には、大手食品メーカーZ社が浮かびました。Z社はサステナビリティ施策を意欲的に推進している企業です。ただ、その時点では企業からはサステナビリティ関連の求人は出ていませんでした。
そこで、JACからZ社へ、Bさんがグローバルでのサステナビリティの動向の知見をお持ちで、本気でサステナビリティ推進に取り組んでおられることを伝えたところ「お会いしてみたい」と面談の場が設けられました。結果、年収300万円アップで、同社に転職されました。
女性管理職・役員・幹部職に向いている人の特徴
女性の役員・幹部職には、組織の責任者として物事をマネジメントする能力やコミュニケーション能力、リーダーシップなどが欠かせません。ここでは、女性の幹部職に向いている方の特徴を具体的に解説します。
女性の幹部職に向いている方の特徴としては、以下の4つが挙げられます。
・リーダーシップがある
・コミュニケーションスキルがある
・向上心が高い
・成果を上げるための組織づくりができる
それぞれについて詳しくみていきましょう。
・リーダーシップがある
女性の幹部職として成功するためには、多くの社員をまとめあげる強力なリーダーシップが不可欠です。組織の方針を設定し、時には難しい決断を迫られることもあります。
リーダーシップは、部下を効果的にまとめ、チームのパフォーマンスを向上させるだけでなく、信頼と尊敬を得てチームワークを形成することも重要です。このようなリーダーシップは、組織全体の士気と効率を高め、良好な職場環境を創出します。
・コミュニケーションスキルがある
コミュニケーションスキルは、女性の幹部職にとって不可欠なスキルです。部下やほかの部署のリーダーとの効果的なコミュニケーションを通じて、組織内の調和と連携を強化する責任があり
明確で思いやりのあるコミュニケーションは、チーム内の問題解決や意思決定プロセスにおいて重要な役割を果たします。高いコミュニケーションスキルを持つ幹部職は、社内外の人間関係の構築にも長けているのです。
・向上心が高い
女性の幹部職には、絶えず学び、自己を向上させる意欲が欠かせません。女性の幹部職は、組織とメンバーのパフォーマンスに対して敏感でなければならず、変化する市場や業界のトレンドに対応するために、常に情報収集と学習に励むことが求められます。
向上心がある幹部職は、継続的な組織成長のために、新しい知識やスキルを積極的に取り入れられ、現状分析や情報分析など繊細さが必要とされる作業にも長けています。
・成果を上げるための組織づくりができる
女性の幹部職に必要な最も重要な特徴の1つは、効果的な組織づくりができる能力です。この能力では、個人のプレイヤーとしての能力だけでなく、次世代の戦力となる後輩社員の育成やチーム全体の成果を最大化できる能力です。
女性の幹部職には、ロールモデルが少ないという障壁もあり、マネジメントスキルの習得が難しいという場合も少なくありません。しかし、このような状況を克服し、マネジメントスキルを磨くことは非常に重要です。
女性管理職・役員・エグゼクティブ転職ならJAC
JACには女性のエグゼクティブ専門コンサルタントも在籍しています。企業から「女性の採用なら、女性の気持ちが分かる女性コンサルタントに相談したい」とご依頼いただくことも多く、JACにしかない非公開求人も保有しています。
女性幹部の採用ニーズが高まった約3年前から、JACでは女性幹部の採用・転職支援を数多く手がけてきました。これまで蓄積された事例も踏まえ、面接対策や企業選びの視点をアドバイスいたします。
あらゆる企業が「女性の幹部登用」「女性活躍推進」の取り組みを進めていますが、その温度差は企業によって異なります。入社したものの、思うように活躍できない可能性も考えられます。
JACのコンサルタントは、企業の経営陣と直接対話し、「課題は何か」「どんなことを、どこまで任せられるのか」「どんな成長・キャリアアップが可能なのか」などについてお聴きしたことを、転職希望者の方々にお伝えしています。
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