CFOとは?役割や求められるスキル、転職事例などを解説

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公開日:2024/12/16 / 最終更新日: 2024/12/20

近年、グローバル化やデジタル化の進展により、企業の経営環境は複雑化しています。そのため、財務だけでなく経営戦略や事業開発にも関与できるCFOが求められている状況です。

CFOは単なる財務管理者ではなく、企業の戦略的パートナーとしての役割が求められています。特にIPO(株式公開)を目指す企業においては、資金調達や内部統制の構築、投資家対応などでCFOの専門性が不可欠です。

CFOとして転職を希望する方にとって、どのような求人があるのかはもちろん、市場の状況や転職成功のポイントなども気になるところでしょう。ここではJAC Recruitment(以下、JAC)のコンサルタントが、CFOとはどのような役割なのか、役員やCEO、COOとの違い、注目されている背景も踏まえつつ、転職成功のポイントや平均年収、事例などを解説します。

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CFO(最高財務責任者)とは


CFOとは、そもそもどのようなポジションなのでしょうか。ここでは、CFOの役割と役員、CEO、COOとの違いをご紹介します。

CFOとは、企業の財務・経理の最高責任者のこと

CFO(Chief Financial Officer、最高財務責任者)は、企業の財務および経理の戦略立案と執行を担当する最高責任者です。CFOは企業の財務管理全般を統括し、キャッシュフローや投資戦略の立案を行います。また、CEO(最高経営責任者)を支える重要な役割を担い、企業の経営戦略や事業戦略の立案においても中心的な役割を果たすのが特徴です。

CFOと役員の違い

CFOは企業の役員の一人であり、特に財務に関する業務を統括する役割です。役員という広いカテゴリーには、CEOやCOO(最高執行責任者)などほかの幹部も含まれますが、CFOは財務に特化した役割をもつ点でほかの役員と異なります。例えば資金調達や投資戦略、予算管理などが主な責任範囲です。

CFOとCEOの違い

CFOとCEOの主な違いは、以下のとおりです。

役職役割位置主な責任
CFO企業の財務管理全般、キャッシュフローや投資の戦略立案CEOの下、取締役会に報告財務戦略の策定、報告、予算管理
CEO企業全体の運営と成長戦略の推進最上位の役職、全体を統括企業のビジョン設定、戦略決定

CFOはCEOのもとで働き、主に財務面で企業を支える役割です。CEOは企業全体の運営と成長戦略を推進し、最上位の役職として企業全体を統括します。CFOは財務戦略を策定し、それに基づいて予算管理や報告を行いますが、CEOは企業全体のビジョン設定や戦略決定に責任を負うのが違いです。

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CFOとCOOの違い

CFOとCOOの主な違いを、比較してみました。

役職役割位置主な責任
CFO企業の財務管理全般、キャッシュフローや投資の戦略立案CEOの下、取締役会に報告財務戦略の策定報告、予算管理
COO業務執行の管理と日常運営の最適化CFOおよびCEOのサポートのもとで業務全般を管理効率的な業務運営と戦略の実行

CFOは財務面で企業を支える一方で、COOは業務執行や日常運営を最適化することに焦点を当てています。COOはCEOおよびCFOをサポートしながら業務全般を管理し、その効率的な運営と戦略実行に責任があるのが違いです。

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CFOが注目されている背景


日本におけるCFOの導入は、1990年代後半から2000年代初頭にかけて本格化しました。その背景には1997年からの執行役員制度の導入、2003年の改正会社法施行によるコーポレートガバナンス改革、バブル崩壊後の経済環境の変化などがあります。

CFOへの注目が高まった理由としては、企業のグローバル化にともなう国際財務報告基準(IFRS)への対応、投資家重視の財務戦略による企業価値向上への要求、経済産業省の調査で指摘された人的資本経営の重要性、そして2021年6月に改訂されたコーポレートガバナンス・コードにおける人的資本に関する記載の盛り込みが挙げられます。

出典:KPMGジャパン CFOサーベイ 2023

KPMGジャパンのCFOサーベイ2023では、日本企業が資本市場に注目し株主価値の向上を目指す傾向が強まっていることが示されています。CFOを設置している企業の割合は全体で55%、大企業では80%となり、いずれも増加傾向を示しています(2019年の全体49%、大企業57%から上昇)。

また、CFOの役割も広がりを見せており、投資判断やコーポレート戦略を担うCFOの割合は、2019年の調査と比較して10%以上増加しました。そのため、CFOの役割はますます重要になると考えられます。企業のガバナンス改革や経済環境の変化、グローバル化への対応などを背景に、CFOの注目と導入は1990年代後半から徐々に進展し、現在も進化を続けている状況です。


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CFOの平均年収は1,500万円前後


企業規模や業種によりますが、JACが転職を支援した事例では、平均年収は1,500万円前後で、ボリュームゾーンは1,200~1,500万円でCFOに就任されるケースが中心となっています。

ただし、ご経験や実績、スキルなどによって年収は前後するものです。そのため、年収約3,000万円の条件で転職し、CFOに就任した事例もあります。また、CFOは経理最高責任者であるため、世代別の転職者数を見ると50代が多いですが、30~60代までのご実績がある方が転職を成功されています。

※当社実績(2024年1月~2024年11月)より

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ここからは、JACのCFOの最新転職・求人情報をご紹介します。

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※求人の募集が終了している場合もございます。ご了承ください。(2024年12月最新)


ここからはCFOの転職市場動向として、財務への取り組みトレンド、企業での需要、求められるスキル・経験などをご紹介します。

2024年の財務におけるトレンドとして、以下の点が挙げられます。

  • ・デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進
  • ・ESGとサステナビリティへの注力
  • ・グローバル化への対応
  • ・リスク管理の強化

近年、多くの企業で財務業務の効率化や精度向上のため、データ分析やAIなどの最新技術の活用が進んでいます。また環境、社会、ガバナンス(ESG)への取り組みが重要視され、CFOにはESG戦略の策定や報告、投資の意思決定に関するスキルが求められている状況です。

企業のグローバル化が進み、国際財務報告基準(IFRS)や国際税務に関する知識も欠かせません。さらに、不確実性の高い経済環境下で、リスク管理や市場動向の把握が重要視されています。

以下のような企業で特にCFOの需要が高まっています。

  • ・スタートアップ企業
  • ・グローバル展開を目指す企業
  • ・デジタル化を推進する企業
  • ・上場を目指す企業
  • ・M&Aや事業再編を行う企業

成長段階にある企業では、資金調達や財務戦略の立案が重要となるため、CFOの需要が高まっています。一方、グローバル化を推進する企業においては、国際経験や多文化理解をもつCFOが求められているのが特徴です。

また、DXを推進する企業では、金融とIT/デジタル技術を組み合わせた新領域(Fintech、デジタル証券など)での需要が高まっています。上場を目指す企業においては、内部統制や財務報告の整備が必要なため、CFOの役割が重要です。

他にも、企業の成長や競争力の強化を目指す場合、M&Aや事業再編が必要となることがあります。このような段階では、財務戦略やリスク管理、財務デューデリジェンスなどのスキルを持つCFOが重要な役割を果たします。

CFOに対するこうした需要の背景には、企業の成長戦略や事業環境の変化、規制対応の必要性があります。

CFOに求められるスキルは多岐にわたりますが、主なものは以下のとおりです。

スキル内容
財務・会計の専門知識最低5年以上の財務会計のポジション経験が求められます。
デジタルスキルデータ分析やAI活用など、最新技術を理解し活用できる能力が重視されています。
グローバル経験国際市場でのビジネス経験や多言語能力が評価されます。
戦略的思考力経営戦略の立案や事業開発に関与できる能力が求められています。
コミュニケーション能力他部門や外部ステークホルダーとの関係構築が重要視されています。
リーダーシップ財務部門を統括し、組織全体のDXを推進できる能力が求められています。
資金調達経験特に大規模な資金調達経験をもつ方が重宝されています。
M&A経験企業の成長戦略としてM&Aが重要視される中、関連経験をもつ方の需要が高まっています。

これらのスキルをもつ方が求められる理由は、企業が複雑化する経営環境に対応し、持続的な成長を実現するために、財務面からの戦略的サポートを期待しているためです。

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CFOへの転職成功のポイント


CFOの転職を成功させるためには、以下のポイントに留意しましょう。

  • ・財務戦略の実績を具体的に示す
  • ・戦略的思考とリーダーシップを強調する
  • ・グローバル経験とコミュニケーション能力をアピール
  • ・専門性と継続的な学習姿勢を示す
  • ・IPOやM&A経験を強調する

ここでは、それぞれのポイントの内容と、経験・実績が不足している場合の対策をご紹介します。

CFO候補者として最も重要なのは、財務戦略の立案と実行における実績です。面接や職務経歴書では、以下のような点を具体的な数字とともにアピールしましょう。

  • ・資金調達の成功事例(例:「X億円の資金を調達し、新規事業の立ち上げに成功」)
  • ・コスト削減の実績(例:「年間経費をY%削減し、利益率を向上」)
  • ・財務指標の改善(例:「ROEをZ%向上させ、株主価値を増大」)

CFOには財務知識だけでなく、経営戦略を理解し実行する能力が求められます。以下のような経験をアピールしましょう。

  • ・全社的な経営計画の策定への関与
  • ・部門横断的なプロジェクトのリーダーシップ
  • ・経営陣との協働による重要な意思決定への参画

これらの経験を通じて、CFOとして必要な戦略的思考とリーダーシップを証明することが可能です。

グローバル化が進む現代では、国際的な経験とコミュニケーション能力も欠かせません。アピールすべきポイントは以下のとおりです。

  • ・海外子会社の管理経験
  • ・多国籍チームのマネジメント実績
  • ・英語などの外国語でのプレゼンテーション能力

財務・会計の専門知識は不可欠ですが、それに加えて継続的な学習姿勢も重要です。例えば、以下のような取り組みが挙げられます。

  • ・関連資格の取得(公認会計士、税理士、CFAなど)
  • ・最新の会計基準や税制改正への対応
  • ・フィンテックなど新技術への理解と活用経験

IPO(新規株式公開)やM&A(合併・買収)の経験は、CFO候補者にとって大きな強みとなります。これらの経験がある場合は、具体的な役割と成果を詳細に説明しましょう。

CFOとしての経験や実績が不足している場合、以下の方法で対策しましょう。

対策具体例
現職での役割拡大・財務部門以外の業務にも積極的に関与し、幅広い経験を積む
・全社的なプロジェクトのリーダーを志願する
副業や社外活動・スタートアップの財務アドバイザーなどの副業を通じて経験を補完
・業界団体や専門家協会での活動を通じてネットワークを広げる
段階的なキャリアアップ・まずは財務部長や経営企画部長などの中間管理職を目指す
・その後、CFOを目指すための戦略を立てる
専門性の強化・MBAや会計・財務関連の高度な資格取得を目指す
・フィンテックなど最新技術の習得に努める
異業種への転職・現在の業界とは異なる分野での経験を積み、視野を広げる
・特にテクノロジー企業やスタートアップでの経験は評価が高い

これらの対策を通じて、CFOに必要なスキルと経験を段階的に獲得していくことが重要です。


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ここからは、JAC経由でCFOへの転職を成功させた方の事例を2つご紹介します。

Sさん(男性/50代前半)

業種職種年収
転職前上場企業CFO2,000万円
転職後上場企業CFO1,500万円

Sさんは、銀行やベンチャーキャピタル、上場ベンチャー企業のCFOを経験し、M&A施策を成功させた後、成長フェーズを支える仕事を求めてJACに相談しました。JACのコンサルタントから紹介されたなかで興味をもったのが、成長の踊り場にある企業向けサービスのX社でした。X社では次の成長に向けてM&AやCVCを検討しており、Sさんの経験とスキルを生かせると感じました。

特に重視したのは、CFOとして一緒に働く社長の人物像。コンサルタントから社長の考え方を聞き、面談を経て価値観の一致を確認できたため、入社を決意しました。

転職成功の詳細は下記にてご確認いただけます。

Kさん(男性/40代半ば)

業種職種年収
転職前非公開投資会社1,500万円
転職後某事業会社ベンチャー企業のCFO1,000万円

公認会計士として監査法人や証券会社、投資会社で幅広い経験を積んできたKさんは、外部支援ではなく事業会社側で主体的にプロジェクトを推進する立場を目指し、CFOになることを最終目標に転職活動を開始。JACの支援を受け、IPOを計画する企業のCFO求人に応募し、4社中2社から内定を獲得しました。

そのなかで将来性に惹かれたテックベンチャーに入社を決意。年収は下がりましたが、企業成長への貢献や主体的な挑戦を重視し、満足のいく転職を実現しました。

転職成功の詳細は下記にてご確認いただけます。

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この記事の筆者

株式会社JAC Recruitment

 編集部 


当サイトを運営する、JACの編集部です。 日々、採用企業とコミュニケーションを取っているJACのコンサルタントや、最新の転職市場を分析しているJACのアナリストなどにインタビューし、皆様がキャリアを描く際に、また転職の際に役立つ情報をお届けしています。




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