ITアーキテクトとは?仕事内容や必要なスキル、求人・転職情報を解説

公開日:2025/01/29 / 最終更新日: 2025/03/04

「ITアーキテクトに興味があるけど自分に適しているかわからない…」という方もいるのではないでしょうか。
本記事では、ITアーキテクトの仕事内容や必要なスキル、最新求人・転職情報を解説します。

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ここでは、ITアーキテクトの役割と、混同されることの多いほかの職種やポジションとの違いについて解説します。

ITアーキテクトは、企業の経営戦略や事業戦略に基づき、最適なITシステムの設計・実装を担う専門職です。ビジネス目標とIT戦略を緊密に結びつけ、効率的かつ拡張性のあるシステムアーキテクチャを構築する役割を担います。

具体的には、企業の掲げる戦略や目標を理解するとともに、事業戦略や目標を実現するためのIT戦略を策定し、システム構成や技術要素の選定、設計図の作成やシステム開発などを通じて、技術的な側面から企業の成長を支えます。
単にシステム設計や実装に取り組むだけでなく、経営層と技術部門の橋渡し役として、ビジネスとITの整合性を確保する役割を担う点が、ITアーキテクトの特徴です。

ITアーキテクトとITコンサルタントは、どちらも企業のIT戦略に関与する職種です。しかし両者の役割と責任範囲には、明確な違いがあります。

ITコンサルタントは、企業が抱える課題に対してITを活用した解決策を提案する職種です。一方、ITアーキテクトは、ITコンサルタントが提案した解決策をシステムの設計や実装に落とし込む役割を担います。

ITコンサルタントは「何をすべきか」を提案するのに対して、ITアーキテクトは「どのように実現するか」を設計します。このような職務の違いから、ITコンサルタントにはビジネス視点や戦略立案能力が重視され、ITアーキテクトにはビジネス視点に加え、技術的な知識や設計能力が求められます。

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ITアーキテクトとシステムコンサルタントも混同されやすい職種ですが、対象範囲に違いがあります。

システムコンサルタントはERPやCRMなどの特定のシステムや技術に特化し、自身の専門領域のシステムカスタマイズや導入を主導します。一方、ITアーキテクトは企業全体のIT構造を俯瞰し、複数のシステムや技術を統合して最適なアーキテクチャを設計します。

システムコンサルタントは特定の製品や技術に関する深い知見が求められますが、ITアーキテクトは幅広い技術領域に関する知識と、システム全体の整合性を考慮した設計能力が求められます。

システムコンサルタントの転職事情|仕事内容や年収、転職動向を解説

ITアーキテクトとPMは、どちらも開発プロジェクトにかかわる職種ですが、それぞれ役割が異なります。

PMは、プロジェクト全体の責任者として、進捗管理や予算管理、リスク管理、メンバー管理など、プロジェクトを円滑に進めるためのマネジメント業務を担います。一方、ITアーキテクトは、技術面からプロジェクトを主導したり、意思決定を促したりします。

つまりPMが「いつまでに何を達成するか」を管理するポジションであるのに対し、アーキテクトは「どのようにしてその目標を実現するか」を技術的な側面から判断するポジションといえるでしょう。
そのためPMにはマネジメントやコミュニケーションなど組織を牽引する能力が重視され、ITアーキテクトには技術的な知識や設計能力が重視される傾向にあります。

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ITアーキテクトとSEは、どちらもシステム開発に携わる技術職ですが、担当するフェーズと役割が異なります。

SEは、ITアーキテクトが作成した設計図に基づいて、システムの開発・実装を行います。一方、ITアーキテクトは全体の設計図を描き、システム全体が一貫性を持ち効率的に作動するようシステム実装の指揮を執ります。
SEには、開発スキルが重視されますが、ITアーキテクトは、開発スキルに加えて、システム全体の構成を考える設計能力やビジネス的視点、幅広い技術知識なども求められます。

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ITアーキテクトには、次の3種の専門分野があり、役割や仕事内容は分野ごとに異なります。

• アプリケーション・アーキテクチャ
• インテグレーション・アーキテクチャ
• インフラストラクチャ・アーキテクチャ

本章では、上記3種の専門分野における、ITアーキテクトの役割や仕事内容について解説します。

アプリケーション・アーキテクチャを担当するITアーキテクトは、企業が利用するアプリケーションの設計と構築を主導します。
具体的には、ユーザーのニーズを満たすために、どのような機能や技術を採用すべきかを検討し、アプリケーションの構造を定義します。その際、アプリケーションのスケーラビリティや拡張性、セキュリティなどを考慮する必要があるでしょう。

また、アプリケーションの機能要件や性能要件、セキュリティ要件などを明確にし、開発チームに共有するほか、アプリケーションで使用する技術スタックを選定し、開発標準やガイドラインを策定します。さらに、開発段階においても、技術的な課題解決や意思決定を主導する役割を担い、品質の担保に努めます。

インテグレーション・アーキテクチャを専門とするITアーキテクトは、企業内にある複数のシステムやアプリケーションを連携させるための設計と実装を主導します。
企業では、さまざまなシステムが個別に稼働しているケースも珍しくなく、業務効率の向上や新たなビジネス価値の創出に向けて各システム間におけるデータ連携や機能連携を行うことがあります。

インテグレーション・アーキテクチャ分野を担うITアーキテクトは、各システム間の連携方式を設計し、データ形式や通信プロトコルなどを定義します。また、システム連携におけるセキュリティ要件やパフォーマンス要件などを考慮し、最適な連携方式を選択するのも重要な役割の一つです。
例えば、顧客情報管理システムと販売管理システムを連携させることで、顧客情報を一元管理できるようになり、販売活動が効率化するでしょう。また、販売システムと在庫管理システムを連携させることで、リアルタイムに在庫状況を把握できたり、効率的な発注プロセスを実現できたりするようになります。

インテグレーション・アーキテクチャ分野を担当するITアーキテクトは、複数のシステムを調整する役割を担うため、複雑なシステム環境を理解できるレベルの技術力はもちろん、各関係者と連携を図れるコミュニケーション能力も求められるでしょう。

インフラストラクチャ・アーキテクチャを担当するITアーキテクトは、企業のITシステムを支える基盤となるハードウェアやネットワーク、クラウド環境の設計や構築を担います。

可用性やスケーラビリティ、コスト効率、セキュリティなどの要素をバランスよく考慮しながら、最適なインフラを構築することが求められるため、中長期的な視点や俯瞰して物事を考える能力が求められるでしょう。また、ビジネス要件に基づいた最適なインフラストラクチャを設計しなければならないため、ビジネス観点も不可欠です。
さらに、システム障害が発生した際のリカバリープランや災害復旧計画の策定を行うこともあるため、業務の推進にあたっては運用部門と円滑に連携できるコミュニケーション能力も必要になるでしょう。


本章では、ITアーキテクトに必要な次の10のスキルについて解説します。

• アーキテクチャ設計に関するスキル
• 設計技法に関するスキル
• 標準化と再利用に関するスキル
• テクノロジーに関するスキル
• インダストリに関するスキル
• ソフトウェアエンジニアリングに関するスキル
• プロジェクトマネジメントスキル
• リーダーシップスキル
• コミュニケーションスキル
• ネゴシエーションスキル

アーキテクチャ設計に関するスキルは、ITアーキテクトにとって基盤となる重要なスキルです。
ITアーキテクトは、企業のビジネス戦略や使用しているシステム、予算などを理解・加味し、オンプレミスやクラウド、ハイブリッドなどの中から最適なシステムの利用形態を選定し、システムの性能や可用性、セキュリティなどを考慮して設計を行わなければなりません。
このようにITアーキテクトには、要件の分析やアーキテクチャ設計指針の定義、技術上の課題と代替案の分析など、アーキテクチャ設計に関する多様な知見が求められることを理解しておきましょう。

ITアーキテクトには、さまざまな設計技法に関するスキルも不可欠です。
なぜなら、システムを効率的かつ効果的に設計するためには、適切な設計技法を選択・適用する十分な知見が必要だからです。
具体的には、モデリング技法を用いて、システムの構成要素や相互作用を可視化し、関係者間の共通理解を促すなど、データモデリングやプロセスモデリング、パフォーマンスモデリング技法に関する知識が求められます。

既存の技術資産を効率的に再利用しながら、新しい開発のための標準を定義するスキルも必要です。
開発標準の定義や基本原則に基づくIT標準の定義、既存資産の再利用、再利用技法の知見などのスキルを有していると、過去のプロジェクトで作成されたコンポーネントや設計パターンを利活用でき、開発期間の短縮やコスト削減を図ることができるでしょう。

ITアーキテクトには、最新かつ幅広い技術動向を把握し、プロジェクトに応じて最適なテクノロジーを用いる知識も求められます。特にクラウド技術やAI、IoT、セキュリティなど、比較的新しい分野のIT技術知識は近年必要とされる場面が多く、ITアーキテクトにとって欠かすことのできない知識になりつつあります。
さらに、ハードウェアやネットワーク、ミドルウェアの技術に関しても幅広い知識を有することで、ビジネス要件に基づいた、より最適な技術選択が可能になるでしょう。

ITアーキテクトは技術だけでなく、業界特有の課題やニーズ、用語、法規を広く理解しておかなければなりません。例えば、金融業界向けのシステムを設計する場合、金融規制やセキュリティ要件などを考慮する必要があります。
業界特有のビジネスプロセスや規制、技術動向などを深く理解していると、より適切なソリューションの設計・提案が可能になるでしょう。

ソフトウェアエンジニアリングに関する知識と経験も、ITアーキテクトにとって基盤となるスキルです。
なぜなら、開発チームと円滑にコミュニケーションを取り、設計意図を正確に伝えるためには、ソフトウェア開発プロセスや技術に関する一定の理解が不可欠だからです。
プログラミング技術や開発支援ツールの活用、再利用手法、オブジェクト指向開発、セキュリティシステムの実装などの、ソフトウェアエンジニアリングに関する知識やスキルを駆使することにより、堅牢で高品質なシステム構築が可能になるでしょう。

ITアーキテクトは、技術的な側面からプロジェクトを成功に導く役割を担うため、業務の推進にあたってはプロジェクトマネジメントスキルも必要になるでしょう。
プロジェクトマネジメントスキルには、メンバーやコスト、スケジュールの管理のほか、スコープやリスクの特定と対応策の策定、ステークホルダーとの調整などが含まれます。また、こういったITアーキテクトが持つプロジェクトマネジメントスキルの能力値がプロジェクトの成功を左右することもあるでしょう。
そのため、ITアーキテクトは、実務を通じてマネジメントスキルも養っていく必要があります。

ITアーキテクトは、開発チームを技術的な側面から牽引するため、リーダーシップ力も不可欠です。
業務の推進においては、各チームメンバーに明確な目標を提示し、プロジェクト成功に向けて動機付けを行います。

また、他部門や外部パートナーとの連携が必要になることもあるため、各関係者を束ねる統率力や円滑に連携を取り合えるコミュニケーション力も求められるでしょう。

コミュニケーションスキルもITアーキテクトに欠かせないスキルの一つです。
なぜなら、ITアーキテクトは、ビジネス部門や開発部門、運用部門など、さまざまな関係者と円滑にコミュニケーションを取り合い、合意形成を図る必要があるからです。ときには、経営層や非技術者にも技術的な詳細をわかりやすく説明しなければならないこともあるでしょう。

一方通行の情報伝達にならないよう双方向のコミュニケーションを心掛け、相手に応じて必要な情報をわかりやすく伝える姿勢も必要です。

お互いの利害や意思を調整して合意を得るネゴシエーションスキルも、ITアーキテクトに必要なスキルです。
ITアーキテクトは、技術的な観点を踏まえながら、各関係者と調整を行い、最適な解決策を導き出さなければなりません。ネゴシエーションスキルが乏しい場合、関係者から合意が得られず、プロジェクトがとん挫・中断してしまう恐れがあります。

また、ネゴシエーションスキルと一口にいっても、単に交渉力が高いだけでは、関係者の合意を得ることはできません。双方が納得できる着地点を見つけるためには、相手の立場を理解し、意見に耳を傾ける姿勢や信頼関係を構築するスキルも必須となるでしょう。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構「ITスキル標準V3」(経済産業省)


ここでは、ITアーキテクトへの転職に役立つ次の3つの資格について解説します。

• システムアーキテクト試験
• プロジェクトマネージャ試験
• PMP®資格

システムアーキテクト試験は、独立行政法人情報処理推進機構(以下、IPA)が運営する国家資格試験の一つです。本試験は、企業の情報システムの設計や開発に携わるエンジニア向けに実施されており、システム全体のアーキテクチャ設計能力や要件分析、実現可能性の評価など、幅広い技術力が問われます。

受験資格は特に定められておらず、誰でも受験できます。しかし、試験範囲が広く高度な専門知識が求められる試験であることから、難易度はIPAが実施する情報処理技術者試験の中でも最高峰に位置付けられています。合格率は15%前後を推移しており、過去問を活用した十分な学習が必要です。

難易度が高い資格のため、本資格を取得しているとITアーキテクトとしての知識やスキルを有している旨を対外的に証明できるだけではなく、転職活動においても評価される可能性が期待できるでしょう。

参考:システムアーキテクト試験

プロジェクトマネージャ試験も、システムアーキテクト試験と同じくIPAが主催する国家資格試験であり、本資格を有していることでITプロジェクトの計画や進行管理、リスク管理能力を備えている旨を対外的に示すことができます。

試験では、プロジェクト全体の進行状況を把握し、適切な判断を下す能力が問われます。ITアーキテクトは業務推進時にプロジェクトを管理するスキルも求められるため、プロジェクトマネージャ試験に合格していれば、応募先企業の採用担当者にITアーキテクトに必要な素養を備えていることをアピールできるでしょう。

受験資格はありませんが、試験範囲は幅広く、プロジェクト管理のフレームワークやコスト計画、リスクマネジメント手法などの領域も含まれます。本試験に合格するとITスキル標準(ITSS)レベル4に相当するとみなされ、高度な知識と技能を有するIT技術士と区分されます。
自身のスキルレベルを証明できるため、採用選考でも「即戦力として活躍できる」と評価されるでしょう。

参考:プロジェクトマネージャ試験

PMP®(Project Management Professional)資格は、米国PMI®(Project Management Institute)が認定する、プロジェクトマネジメントに関する国際資格です。
日本では、特にエンジニアリングやITの分野において、高く評価されるといわれています。

PMP®を受験する際は、プロジェクトマネジメント経験が必要となります。受験資格を満たす実務経験期間は最終学歴によって異なるため、事前に確認しておきましょう。加えて、試験の前には、PMIが認定した研修機関で35時間以上の研修を受けなければなりません。また、試験は英語で行われるため、ある程度の英語力が必要になります。受験要件の指定や英語受験などのハードルがあるため、PMP®資格に挑戦する場合は、計画的に取得を目指しましょう。

ITアーキテクトは、グローバルなプロジェクトにかかわる機会も増えているため、本資格を取得することで、自身の市場価値を高めることができるでしょう。

参考:PMP®資格


本章では、ITアーキテクトの最新転職・求人情報を紹介します。

株式会社三菱UFJ銀行:ITアーキテクト(データ基盤・分析基盤関連施策の企画・推進)
非公開:ITアーキテクト(楽天銀行システム担当)
非公開:[クラウド]ITアーキテクト■AI×Microsoftトップパートナー×業界地図掲載企業■
ヤマハ発動機株式会社:【IT本部】クラウドエンジニア、ITアーキテクト
非公開:インテグレーションアーキテクト(ITアーキテクト)
非公開:ITアーキテクト候補(DXに向けたEC・IT基盤の構築/運営)
住友重機械工業株式会社:全社向けIoT推進・基盤開発リーダー(ITアーキテクト・コンサルタント)
日鉄ソリューションズ東日本株式会社:ITアーキテクトスペシャリスト(メンバー)
デロイトトーマツリスクアドバイザリー合同会社:ITコンサルタント/ITアーキテクト
大手製造業ユーザー系SIer:【DX事業部】スマートファクトリー化推進のITアーキテクト

※求人の募集が終了している場合もございます。ご了承ください。(2025年1月最新)

本章で紹介している求人は、JACが取り扱う求人の一部です。ほかのITアーキテクトに関する求人情報を知りたい方は、ぜひJACにご登録ください。JACのコンサルタントが、職歴や希望、適性に合わせて、最適な求人をご紹介いたします。


本章では、ITアーキテクトから挑戦できる、次の3種のキャリアパスについて解説します。

• ITコンサルタント
• PM(プロジェクトマネージャ)
• CTO(最高技術責任者)

ITコンサルタントは、企業が直面する経営課題をITの観点から解決する職種であり、IT技術に関する知見に加え、ビジネス視点や問題解決能力、理論的思考力などの能力が求められます。そのため、ITアーキテクトで培った技術的な知識とビジネス要件を理解する能力は、ITコンサルタントでも生かされるでしょう。
さらにITアーキテクトは、技術的な指揮を執るポジションです。そのため、ITコンサルタントに転身した際は、より実践的かつ実現可能性の高い提案ができるでしょう。

ITアーキテクトは、技術的な側面からプロジェクトを主導する役割を担ってきた経験を持つため、PMへのキャリアパスも描けるでしょう。

PMは、プロジェクト全体を統括するポジションであり、進捗管理や予算管理、リスク管理、メンバー管理など、多岐にわたるマネジメント業務に携わります。ITアーキテクトは、システム全体の構成や技術的な課題を深く理解しているため、プロジェクトの初期段階から、技術的な不安要素や課題を考慮した的確なプロジェクト計画を立てられるでしょう。

また、ITアーキテクト時代からPMに必要なマネジメントやコミュニケーション、リーダーシップなどのスキルを磨いておけば、ITアーキテクトからPMによりスムーズに転身できるでしょう。

CTOは、企業のIT戦略全般を統括する役職です。
ITアーキテクト時代に培ってきた企業のビジネス課題とIT戦略を結びつけるノウハウは、CTOを目指すにあたって堅実な基盤となるでしょう。さらに、技術面からプロジェクトを牽引してきた経験は、CTOの主要業務である関係者との利害調整の際にも役立つでしょう。

ただし、CTOには、経営者視点で物事を考える視座の高さが不可欠です。また、組織全体を牽引する高度なリーダーシップ力も求められるでしょう。ITアーキテクトからいきなりCTOに昇進・転職することは難しいため、段階的なキャリア形成を歩みながらCTOに必要なスキルを身に付けていきましょう。


未経験からITアーキテクトを目指すには、まず基礎的なITスキル習得が不可欠です。
一般的には、システムエンジニアやインフラエンジニアからキャリアをスタートし、開発やテスト、運用などの実務経験を通じて、基礎的なIT知識や開発スキルを習得します。

その後、要件定義や設計などの上流工程に携わることで、ITアーキテクトに必要なシステム全体を俯瞰する視点や設計スキルを培うことができるでしょう。また、専門性を磨くため、特定の分野に特化するのも有効です。例えば、クラウド技術やデータベース管理、セキュリティなど、需要の高い分野のスキルを習得することで、自身の強みを形成できるでしょう。

ITアーキテクトを目指して転職活動を行う際は、これまでの経験やスキルをどのようにして業務に役立てられるかを具体的に示すことが重要です。たとえ直接的な経験がなくても、システム設計やプロジェクト管理に関与した経験や特定分野の専門知識をアピールすることで、ITアーキテクトとして活躍できる可能性を採用担当者にアピールできるでしょう。
また採用面接では、技術的な知識だけでなく、コミュニケーション能力や問題解決能力、論理的思考力など、ITアーキテクトに必要な素養を備えているかも見極められます。技術面に限定したアピールにならないよう、人間性やポータブルスキルなどの強みも交えながらアピールすることを意識しましょう。

未経験からITアーキテクトを目指す場合、専門的なアドバイスや情報収集が転職成功を左右します。
JACでは、IT業界・職種に精通したコンサルタントが在籍しており、一人ひとりの経験や目標に合わせて、求人の選定から応募書類の作成、面接対策に至るまで、転職活動をトータルに支援いたします。
技術面における要望も理解したうえで適切な求人を選定するため、これまで培った経験やスキルを生かせる、ITアーキテクトへのキャリアチェンジを実現できるでしょう。
また、ITアーキテクトから次のキャリアパスに向けて転職を検討している方も、丁寧なヒアリングを通じ、ITアーキテクト時代の経験やスキルを生かせる企業・ポジションへの転職をサポートいたします。

ITアーキテクトへの転職を考えている方、もしくはITアーキテクトから新たなキャリアパスを考えている方は、ぜひJACの転職支援をご利用ください。

この記事の筆者

株式会社JAC Recruitment

 編集部 


当サイトを運営する、JACの編集部です。 日々、採用企業とコミュニケーションを取っているJACのコンサルタントや、最新の転職市場を分析しているJACのアナリストなどにインタビューし、皆様がキャリアを描く際に、また転職の際に役立つ情報をお届けしています。