「次のキャリアとしてコンサルタントという職業を検討したい」という方もいるのではないでしょうか。 本記事では、コンサルタントの種類・役職別の仕事内容や求められるスキル・向いている人の特徴などを解説します。
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コンサルタントとは
コンサルタントとは、企業や組織が直面する課題や問題を解決し、業績向上や企業成長を支援する職種です。
具体的には、経営戦略の策定や業務プロセスの改善、ITシステムの導入、組織改革、新規事業開発などの施策提案や実行支援を実施します。
このように、コンサルタントはさまざまな業界や企業の課題を解決へ導く職種であることから、高度な専門知識や分析力、論理的思考力、問題解決能力、コミュニケーション能力、プレゼンテーション能力など、多様なスキルや能力が求められます。
「コンサルタント」の語源はラテン語の“consultare”(相談する、助言する)に由来し、19世紀には有識者として専門的な助言を行う人として「consultant」という言葉が使用されるようになりました。このような歴史的背景からも、コンサルタントは問題解決、もしくは重要な意思決定を促す専門家として重要な役割を果たしてきたことがわかります。
近年では、DXの推進やESG、AIやデータ分析などの先端技術を用いたコンサルティング支援への需要が高まりつつあります。企業内部のリソースだけでは対応しきれないことも多く、多くの企業がコンサルタントの専門知識や支援を求めるようになりました。そのため、コンサルタントの需要は今後も高まると考えられます。一方でコンサルタントにも、常に変化するビジネス環境に合わせて、新しい知識やスキルを習得し続ける姿勢が求められるでしょう。
コンサルティングファームの種類
コンサルティングファームとは、企業や組織が直面する課題に対して専門的な助言や支援を提供する企業のことを指し、クライアントの事業成功や成長に向けて、課題の特定や解決策の立案、実行のサポートを実施します。
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コンサルティングファームとは?種類や企業一覧を紹介
「次のキャリアとしてコンサルティングファームを検討したい」という方もいるのではないでしょうか。本記事では、コンサルティングファームの種類・企業一覧などを解説します。 業界のプロがあなたにあった転職支援を行い… 続きを読む コンサルティングファームとは?種類や企業一覧を紹介
ファームにはそれぞれ得意領域やアプローチ方法に違いがあり、その種類は多岐にわたります。
以下は、代表的なコンサルティングファームの種類です。
種類 | 内容 |
---|---|
総合系ファーム | 領域問わず幅広い領域や分野のコンサルティングを提供するファーム |
戦略系ファーム | 経営戦略の立案や新規事業の開発を支援するファーム |
IT系ファーム | IT戦略の立案やシステム導入、運用支援を行うファーム |
人事・組織ファーム | 人事制度設計や組織改革、社員育成など、人事や組織に関連するコンサルティングを提供するファーム |
監査系ファーム | 監査法人を母体とし、会計や税務、リスク管理に特化したコンサルティングを提供するファーム |
M&A系ファーム | 企業の買収や合併を支援するファーム |
金融系ファーム | 資産運用やリスク管理に特化したファーム |
マーケティング系ファーム | ブランド戦略や市場分析を専門とするファーム |
エネルギー・環境系ファーム | 再生可能エネルギーや環境保全に特化したファーム |
シンクタンク系ファーム | 政策提言や調査研究などを中心に行うファーム |
コンサルタントの種類と仕事内容
本章では、次の15種のコンサルタントの特徴や仕事内容について解説します。
• 経営コンサルタント
• ITコンサルタント
• 医療コンサルタント
• 人事コンサルタント
• システムコンサルタント
• DXコンサルタント
• AIコンサルタント
• マーケティングコンサルタント
• セキュリティコンサルタント
• 戦略コンサルタント
• 財務コンサルタント
• Webコンサルタント
• SAPコンサルタント
• リスクコンサルタント
• 金融コンサルタント
経営コンサルタント
経営コンサルタントは、企業の経営全般に関する課題を解決する専門家であり、経営戦略の策定や事業再生、M&A、新規事業開発など、企業の経営に関わる幅広いテーマに取り組みます。クライアント企業は、規模・業界問わず幅広く、抱える課題もさまざまです。
企業の経営に直接アプローチするため、経営者や幹部など企業のトップ層とコミュニケーションを取り合うことが多くなる傾向があります。経営課題解決に向けては、市場調査や競合分析、財務分析などを行い、課題の本質を明確にした上で、最適な解決策を提案します。ときには、提案した解決策を実行するための計画策定や実行支援を行うこともあります。
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経営コンサルタントの転職事情|仕事内容や年収、転職動向を解説
経営コンサルタントは、クライアント企業の経営に関わる重要な責任を負う職業であり、難易度が高い仕事です。しかし、多様な業種に携わることができ、大きなやりがいや達成感を得られる職種でもあります。そのため、経営コンサルタントへ… 続きを読む 経営コンサルタントの転職事情|仕事内容や年収、転職動向を解説
ITコンサルタント
ITコンサルタントは、ITソリューションの提供を通じて企業の抱える課題を解決へ導く専門家です。具体的には、IT戦略の策定やシステム導入、ITインフラ構築、情報セキュリティ対策など、IT分野に関するコンサルティングを実施します。
クライアントとなる企業は多岐にわたり、抱えるIT課題も多様です。ITコンサルタントには、クライアント企業のビジネス要件に最適なITソリューションの見極めや提案が求められるため、ITに関する深い専門知識はもちろん、ビジネス視点やプロジェクトマネジメント能力も求められます。
ITコンサルタントの転職事情|仕事内容や年収、転職動向を解説
医療コンサルタント
医療コンサルタントは、病院やクリニックなどの医療機関、製薬会社に対して経営改善や業務効率化の提案を行います。病院運営の最適化や医療機器導入の支援、または新薬の市場展開戦略の立案、患者満足度向上策の実施など、医療分野特有の課題に対応する点が特徴です。医療政策や法規制への理解が求められるため、医療分野の知識は欠かせません。
クライアント対象は、大規模病院から中小規模のクリニックまでさまざまであり、抱える課題も病院の規模や診療科によって異なります。例えば、大規模病院であれば、地域医療連携の強化や高度医療機器の導入、中小規模のクリニックであれば、集患対策や経営効率化などが支援例として挙げられます。
医療コンサルタントは、医療業界の動向や医療法規制などを理解した上で、さまざまなステークフォルダーを巻き込みながら最適な解決策を提案します。そのため、基礎的なコンサルティングスキルだけではなく、医療に関する専門知識やさまざまなステークフォルダーと円滑なコミュニケーションを取り合う能力も求められます。
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医療コンサルタントの転職事情|仕事内容や年収、求人動向を解説
コンサルティング市場は拡大傾向にあり、医療機関や医療関連企業の経営や運営をサポートする医療コンサルタントのニーズも高まっています。しかし、医療コンサルタントの具体的な業務や求められるスキルについては、あまり知られていない… 続きを読む 医療コンサルタントの転職事情|仕事内容や年収、求人動向を解説
人事コンサルタント
人事コンサルタントは、人事制度設計や社員育成、組織開発、採用など、企業の人事・組織に関する課題の解決を支援する専門家です。具体的には、採用プロセスの改善や評価制度の設計、組織改革や働き方改革の推進、組織の活性化などに取り組み、企業の成長に貢献します。
企業の人事・組織に関わる課題が多いため、人事コンサルタントは日頃から労働法への理解や最新の採用市場動向の把握に努める必要があるでしょう。
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人事コンサルタントの転職事情|仕事内容や年収、転職動向を解説
かつては就職氷河期と呼ばれるほど転職希望者が求人需要を上回っていた時代がありましたが、現在では労働力不足が深刻化しており、多くの企業が従業員の確保や育成に大きな課題を抱えています。経済産業省が人的資本を重視し、個々の成長… 続きを読む 人事コンサルタントの転職事情|仕事内容や年収、転職動向を解説
システムコンサルタント
システムコンサルタントは、ERPやCRMなどの基幹システムの導入や改善を支援する専門家です。導入プロジェクトでは、要件定義や設計、開発、テスト、運用などを担当します。ときには、システム運用後のサポートや改善・提案に取り組むこともあるでしょう。
ITコンサルタントと異なり、技術面の支援に重点を置く点が特徴であり、システムに関する深い知識が求められます。
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システムコンサルタントの転職事情|仕事内容や年収、転職動向を解説
近年、日本企業におけるシステムコンサルタントの需要は急速に高まっています。その背景には、日本企業においてDX(デジタルトランスフォーメーション)推進が活発化していることがあります。多くの企業がDX(デジタルトランスフォー… 続きを読む システムコンサルタントの転職事情|仕事内容や年収、転職動向を解説
DXコンサルタント
DXコンサルタントは、企業のDX化を支援する専門家であり、クライアント企業の事業モデルや業務プロセスをデジタル技術で変革し、新たな価値創出に貢献します。具体的には、デジタル戦略の策定やデジタル技術を活用した新規事業開発、既存ビジネスのデジタル化、データ活用戦略の策定など、DXに関する幅広いテーマに取り組みます。
AIやIoT、クラウドなど先端技術の活用や競争優位性を高める提案が求められるため、デジタル技術に関する専門知識や最新のデジタル技術動向の把握はもちろん、ビジネス視点や戦略立案能力、プロジェクトマネジメント能力など、技術面以外にもさまざまな能力が求められるでしょう。
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DXコンサルタントの転職事情|仕事内容や年収、転職動向を解説
デジタル技術の急速な進化にともない、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)への取り組みが加速しています。しかし、多くの企業がDX推進に必要な専門知識をもつ人材不足に直面しています。このような背景の中、注目を集めて… 続きを読む DXコンサルタントの転職事情|仕事内容や年収、転職動向を解説
AIコンサルタント
AIコンサルタントは、AI(人工知能)技術を活用して企業の課題解決を支援する専門家です。
AIを活用した業務効率化や新規事業開発、AI戦略の策定、データ分析基盤の構築などを通じて、企業が抱える課題解決や企業成長に貢献します。
AIコンサルタントとして活躍するには、AI技術の専門知識が不可欠であり、特にデータサイエンスや機械学習に関する知見が重視されるでしょう。
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AIコンサルタントの転職事情|仕事内容や年収、転職動向を解説
近年、AI技術の発展にともない、企業における業務効率化や自動化、精度の高い予測などを目的としたAI導入ニーズが急速に高まっています。 多くの企業がAIの導入に関心をもっていますが、適切に扱える人材が少ないため、AIコンサ… 続きを読む AIコンサルタントの転職事情|仕事内容や年収、転職動向を解説
マーケティングコンサルタント
マーケティングコンサルタントは、企業のマーケティング活動を支援する専門家であり、市場調査や競合分析、マーケティング戦略策定、広告宣伝など、多様な業務に取り組みます。
クライアントとなる企業は、売上向上やブランド力強化、新規顧客獲得など多岐にわたる課題を抱えており、企業が抱える課題やニーズに合わせてマーケティング戦略を提案します。
特に近年は、デジタルマーケティング分野への注目が高まっていることもあり、Web広告やSNS広告、SEOなどの知見も重視されるようになっています。
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マーケティングコンサルタントの転職事情|仕事内容や年収、転職動向を解説
企業が成長するためには、利益を向上させ続けなければなりません。しかし、変動しやすく、消費者のニーズも複雑化している今、従来のビジネス方式を維持するだけでは企業利益を最大化することが難しくなっています。このため、多くの企業… 続きを読む マーケティングコンサルタントの転職事情|仕事内容や年収、転職動向を解説
セキュリティコンサルタント
セキュリティコンサルタントは、企業の情報セキュリティ強化を支援する専門家です。情報漏えいやサイバー攻撃などの課題に対して、システムの脆弱性診断やセキュリティポリシーの策定、従業員教育など、あらゆる側面から情報セキュリティ強化に取り組みます。
近年、サイバー攻撃の手口は高度化・巧妙化していることもあり、セキュリティコンサルタントの需要は年々高まっています。一方で進化するサイバー攻撃に対応するため、セキュリティコンサルタントには常に最新の情報セキュリティ動向や知見の習得が求められます。
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セキュリティコンサルタントの転職事情|仕事内容や年収、転職動向を解説
デジタル化が進む現代社会において、企業の情報セキュリティを守る「セキュリティコンサルタント」の重要性が高まっています。サイバー攻撃や情報漏えいのリスクが増大する中、多くの企業がセキュリティ対策の強化を求めており、専門知識… 続きを読む セキュリティコンサルタントの転職事情|仕事内容や年収、転職動向を解説
戦略コンサルタント
戦略コンサルタントは、企業の経営戦略策定を専門とするコンサルタントです。市場分析や競合調査で導き出したデータや仮説をもとに、事業戦略やM&A戦略、新規事業開発戦略策定など、企業の経営に関わる意思決定を支援します。
扱う課題は、グローバル市場への進出、事業ポートフォリオの見直し、競争優位性の確立など、事業活動に直結するテーマが多いため、高度な分析力と提案力が求められます。
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戦略コンサルタントの転職事情|仕事内容や年収、求人動向を解説
現在、ビジネスにおいて中長期的な企業の方向性を示す経営戦略や事業発展のための事業戦略は必要不可欠です。 かつては経営戦略や事業戦略は内部の人間が立案するべきと考えられていましたが、企業を成長させるためには、戦略に関する専… 続きを読む 戦略コンサルタントの転職事情|仕事内容や年収、求人動向を解説
財務コンサルタント
財務コンサルタントは、企業の財務戦略を支援する専門家です。
財務戦略策定やM&A、リストラクチャリング、財務デューデリジェンスなど、財務に関する戦略提案が主な業務であることから、財務や会計、税務などの高度な専門知識が求められるでしょう。
そのため、財務コンサルタントには、公認会計士資格を持つコンサルタントも少なくありません。
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財務コンサルタントの転職事情|仕事内容や年収、転職動向を解説
企業の成長と持続可能な経営を支えるため、財務コンサルタントの役割はますます重要性を増しています。財務コンサルタントは、資金調達やM&A、事業再生などの専門的な知識を駆使し、企業が直面する財務課題を解決へと導くプロ… 続きを読む 財務コンサルタントの転職事情|仕事内容や年収、転職動向を解説
Webコンサルタント
Webコンサルタントは、企業のWebサイトなど、デジタルチャネルを活用した集客や売上向上を支援する専門家です。具体的には、SEOやWebサイトの改善、Web広告運用、コンテンツマーケティングなどを通じて、Web戦略の最適化を図り、Webサイトへの集客やコンバージョン率、ブランドイメージなどの向上に取り組みます。
Webマーケティングに関する知識はもちろん、データ分析能力やSEOに関する知見、Webデザインなどのクリエイティブスキルなども求められます。また、Web制作会社やクライアント企業の担当者など、多様な関係者と協働することも多いため、コミュニケーション能力や傾聴力も不可欠です。
インターネットの普及にともない、Webコンサルタントの需要は増加傾向にありますが、参入敷居が低いため、ほかのWebコンサルタントと差別化を図れる実績や強みを有しておくことが大切です。
SAPコンサルタント
SAPコンサルタントは、ERPのパッケージソフトウェアであるSAP製品の導入や運用、最適化を支援する専門家です。単にSAPを導入するだけではなく、企業が抱える課題やニーズに合わせて業務プロセス改善やシステム構築、導入後の運用支援などを行います。
特に製造業や物流業のクライアントが多く、製造業や物流業特有の業界知識が求められることもあります。
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SAPコンサルタントの転職事情|仕事内容や年収、転職動向を解説
企業の業務効率化に不可欠なERP(Enterprise Resource Planning)システム。その中でも世界シェアNo.1を誇るSAPは、多くの企業で採用されています。SAPコンサルタントは、このシステムの導入や… 続きを読む SAPコンサルタントの転職事情|仕事内容や年収、転職動向を解説
リスクコンサルタント
リスクコンサルタントは、企業が事業活動に取り組む際に直面するさまざまなリスクを特定、評価、管理し、軽減するための支援を行います。
クライアントとなる企業は多岐にわたり、業界の特性に合わせたリスクコンサルティングを実施します。そのため、リスクコンサルタントはリスクマネジメントに関する専門知識のほかに、担当するクライアント企業の業界や領域に関する知見が求められることもあります。
リスクコンサルタントの需要は、企業の事業活動において考慮すべきリスク要因が増えているため、今後も高まると予想されます。
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リスクコンサルタントの転職動向|仕事内容や成功のポイントを解説
現代のビジネス環境において、企業を取り巻くリスクは多様化・複雑化しています。経済的な混乱、不正行為の増加、自然災害の頻発など、多様な脅威に直面する企業にとって、適切なリスクマネジメントが求められています。そのため、専門的… 続きを読む リスクコンサルタントの転職動向|仕事内容や成功のポイントを解説
金融コンサルタント
金融コンサルタントは、金融機関向けのコンサルタントと金融関連のコンサルタントの2種類あり、企業や個人に対しては、財務計画や投資戦略を立案し、金融戦略の実行を支援します。一方、金融機関向けには、金融商品の開発やリスク管理体制の構築、業務プロセスの効率化、ITシステムの導入、M&A戦略の策定など、金融機関が抱える課題やニーズに対して最適なソリューションを提供します。
いずれにしても高度な金融知識が求められるため、公認会計士や税理士、FP技能士など金融に関する資格を有していると、転職時やクライアント企業の担当者から評価されることもあるでしょう。
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金融コンサルタントの転職事情|仕事内容や年収、転職動向を解説
ビジネスが複雑化している現在、クライアント企業に寄り添い、課題解決のための明確な対処法を提言するコンサルタント職は専門分野ごとに細分化されています。金融コンサルタントは、クライアントの課題を金融の側面からサポートする専門… 続きを読む 金融コンサルタントの転職事情|仕事内容や年収、転職動向を解説
コンサルタントの役職・職位と仕事内容
コンサルタント業界では、次のとおり職位ごとに役割と責任が分けられています。
• アナリスト
• コンサルタント
• マネージャー
• パートナー
本章では、代表的な上記4種の役職や職位について解説します。
アナリスト
アナリストは、コンサルティングファームで最初に就く役職であり、企業によっては、アソシエイトやジュニアコンサルタント、リサーチャーなどと呼ばれることもあります。
アナリストが担う主な業務は、市場調査や業界動向の分析、競合分析、データ収集・整理、分析資料の作成、プレゼンテーション資料の作成補助などが挙げられます。市場調査では、インターネットやデータベースを活用して情報を収集し、分析資料を作成します。さらに、上位職の指示に基づいて、業界トレンドのリサーチや競合分析を行うこともあります。
またアナリストは、上司や先輩コンサルタントの指導を受けながら、コンサルタントとしての基礎的なスキルや知識を習得する期間であり、業務を通じてデータを正確に扱う能力や論理的思考力を養います。
コンサルタント
コンサルタントは、アナリストの次の役職であり、プロジェクトでは実務の中心的な役割を担います。シニアアナリストやシニアアソシエイトなどと呼ばれることもあり、アナリストよりも高度な分析業務を担当するとともに、クライアントとのコミュニケーションや問題解決に向けた初期提案を行います。また、後輩の指導や育成を任されることもあるでしょう。
実務の中核を任されるため、自発的にプロジェクトを推進する姿勢が求められるでしょう。
マネージャー
マネージャーは、プロジェクト全体の進行を統括する役職です。ファームによっては、シニアコンサルタントやシニアマネージャー、マネージコンサルタントなどと呼ばれることもあり、プロジェクトの計画立案、リソース管理、品質管理、クライアント交渉を主導します。また、チームメンバーのタスク管理や育成、プロジェクトの追加案件獲得に向けた提案活動を行うこともあります。
マネージャーはプロジェクト全体の責任を担うことから、プロジェクト全体を俯瞰する視点やプロジェクトを牽引するリーダーシップ力、クライアントの信頼を得るための交渉力が求められるでしょう。
パートナー
パートナーは、コンサルティングファームにおける最上位の役職であり、一般企業における経営層に位置する役職です。プリンシパルやディレクター、バイスプレジデントなどと呼ばれることもあり、大規模案件の獲得、クライアント企業との長期的な関係構築、ファーム全体の売上目標達成など、ファームの経営全般を統括します。
パートナーは、ファームの顔として社会的な責任も担うため、自社の利益追求だけではなく、社会課題に寄与する組織をつくる姿勢や視座の高さが求められます。
コンサルタントの働き方・業務の進め方
コンサルタントの働き方の特徴として、プロジェクト制で業務に取り組む点が挙げられます。プロジェクト期間中は、特定の企業やテーマに関するプロジェクトにアサインされ、受け持つプロジェクト業務に集中的に取り組みます。一人のコンサルタントが複数のプロジェクトを並行して担当することも珍しくなく、タスク管理能力が求められます。
また、プロジェクトとプロジェクトの間にはインターバル(休暇や次プロジェクト準備期間)が設けられ、比較的まとまった休暇を取得できる点もコンサルタントの働き方の特徴といえるでしょう。インターバル期間は、自己研鑽やリフレッシュに充てられることが多く、オンとオフが明確に区分されています。
コンサルタントがプロジェクトにアサインされた後の業務の進め方は、次のとおりです。
■提案のためのヒアリング・営業活動
プロジェクト開始前には、営業活動を通じてコンタクトが取れた企業に訪問し、ヒアリングを実施します。ヒアリングや営業活動は、主にパートナーやマネージャーが中心となって推進し、クライアントの具体的な要望の把握に努めます。また、ヒアリング結果をもとに、課題解決に向けた提案書を作成します。
■クライアントへの提案・コンペ
クライアントとの打ち合わせの場で、クライアントの相談内容に対する提案を行います。
クライアントが複数のコンサルティングファームに依頼した場合は、コンペ(入札)形式となり、クライアントが最終的な発注先を決定します。
■プロジェクトチームの立ち上げとキックオフ
受注が確定すると、プロジェクトチームを編成します。また、クライアントと合同でキックオフミーティングを行い、自己紹介を通じて相互理解を深めた後、プロジェクト概要やスケジュール、役割分担などについてすり合わせを行います。
■詳細のヒアリング・情報収集
プロジェクトが本格的に始動すると、関係者から詳細なヒアリングを行い、現状や背景、課題などを分析するための材料を準備します。
必要に応じて社内資料を共有してもらうこともあり、現状の課題を徹底的に分析します。
■施策の設計・提案
ヒアリングした内容や収集した資料から、提案当初よりも解像度高く仮説を立て、施策を立案します。また、クライアントからフィードバックを受けながら提案内容をブラッシュアップしていきます。
■施策の実行
実行支援まで行う場合は、クライアントと合意した施策の実行を支援します。
週に1〜2回のペースでクライアントと進捗を確認し合う場を設け、遅延が発生しないようにプロジェクトの推進を管理します。状況に応じて施策の修正を行うこともあります。
■最終報告
解決策の提案だけの場合は、解決策の詳細と実行プランをクライアント企業に共有します。実行支援まで行う場合は、定性・定量の両面からプロジェクトの結果を報告し、全体の成果を振り返ります。
最終報告の場では、追加の実行支援や継続案件についての提案を行うこともあります。
コンサルタントの年収
JACが提供する転職支援サービスを利用し、コンサルタントに転職した方の転職後の平均年収は914万円前後であり、600万円~800万円がボリュームゾーンになります。
また年収が4,000万円前後になるケースも存在し、スキルや職位によっては大幅な年収アップが見込めることが理解できます。
なお、年代別の平均年収は、次のとおりです。
年代 | 平均年収 |
---|---|
30代 | 836万円前後 |
40代 | 1,234万円前後 |
50代以上 | 1,142万円前後 |
※当社実績(2024年1月~2024年12月)より
コンサルタントのやりがい
コンサルタントならではの代表的なやりがいは、次のとおりです。
• クライアント企業の課題解決に直接貢献できる
• 多様な業界・テーマに携われる
• 自身の成長を実感できる
コンサルタントはクライアントと密接に関わり、課題解決に向けて伴走型の支援を提供します。クライアント企業の課題解決に直接貢献できるため、達成感や充実感を得られることもあるでしょう。
さらに、コンサルティング業務は、幅広い業界やテーマに対応する能力が求められるため、多岐にわたる知見を深められます。また、高度な専門知識や分析力、問題解決能力などを磨き、自身の成長を実感できる点は、コンサルタントならではのやりがいといえるでしょう。
コンサルタントの大変なこと・難しさ
コンサルタントの仕事は、大きなやりがいが得られる反面、大変だと感じたり困難なことに直面したりすることもあります。
コンサルタントの業務で感じる代表的な大変なことや難しさは、次のとおりです。
• 高い成果が求められるプレッシャー
• 長時間労働や移動をともなう過酷な環境
• 多岐にわたるスキルの習得
コンサルタントは、どんなに難解な課題に直面してもクライアントからの期待に応えなければならず、常に高いプレッシャーがつきまとう点に大変さを感じることがあります。また、プロジェクトによっては、深夜までの作業や頻繁な出張が発生することもあり、体力的・精神的に大きな負担を強いられる場合もあるでしょう。
さらに、日々の業務と並行して自己研鑽を続け、自身の知識やスキルをアップデートし続ける姿勢が求められる点も、人によっては大変だと感じられてしまうかもしれません。
コンサルタントに求められるスキル
コンサルタントとして活躍するためには、さまざまなスキルが求められます。
ここでは、特に重要なスキルを3つご紹介します。
• 論理的思考力
• コミュニケーション能力
• プレゼンテーション能力
コンサルタントは、クライアントが抱える課題の本質を見抜き、最適な解決策を提案します。そのため、複雑な課題を分析し、論理的に解決策を導き出す能力は、コンサルタントにとって不可欠なスキルといえるでしょう。
また業務を遂行する際は、さまざまな関係者と連携しながらプロジェクトを進めなければならないことから、クライアントやチームメンバーと円滑な意思疎通を図り、合意形成を図る能力も求められます。さらに、コンサルタントは立案した戦略をクライアントにわかりやすく伝えたり、成果や結果を明瞭に示めしたりする機会も多いため、相手に分析結果や提案内容をわかりやすく伝える能力も欠かせません。
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コンサルタントに必要な15のスキル・能力を徹底解説
「自分がコンサルタントとして求められるスキル・能力を有しているか把握したい…」という方もいるのではないでしょうか。本記事では、共通してコンサルタントに必要なスキル・能力やコンサルタントの種類別に必要なスキル・能力を、解説… 続きを読む コンサルタントに必要な15のスキル・能力を徹底解説
コンサルタントに向いている人の特徴
コンサルタントに向いている人は、主に次のような特徴を持つ人です。
• 知的好奇心が旺盛な人
• プレッシャーに強い人
• チームワークを大切にする協調性がある人
コンサルタントは、常に最新の情報にもとづいてクライアントに最適な提案を行うため、新しい知識や情報に興味を持ち、積極的に学ぶ意欲のある人は、コンサルタントに必要な素養を備えていると考えられます。さらに、厳しい納期や高い目標に対して、プレッシャーを感じながらも、冷静に業務を遂行できる人もコンサルタントに向いているでしょう。
また、コンサルティングプロジェクトは、基本的にチームで推進します。チームワークを大切にし、ほかのメンバーと連携しながら目標を達成する能力は、チームの成果を最大化するためにも欠かせません。
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コンサルタントに向いている人とは?コンサルティング業界で活躍する方の特徴と必要なスキル
コンサルティング業界ではこの数年、採用が活発。コンサルタント未経験者にも門戸が開かれています。コンサルタントへの転職を考えながらも、「自分に向いているのだろうか」と不安を抱いている方も多いのではないでしょうか。コンサルタ… 続きを読む コンサルタントに向いている人とは?コンサルティング業界で活躍する方の特徴と必要なスキル
コンサルタントへの転職に役立つ資格
コンサルタントになるために必要な資格はありません。
しかし、特定の業界や分野に関する高度な知見を有する旨を示せる資格は、転職活動において有利に働く場合があります。
下記は、コンサルタントへの転職に役立つ代表的な資格です。
• 中小企業診断士:経営コンサルタント
• 公認会計士/USCPA:財務コンサルタント
• PMP:プロジェクトマネジメントコンサルタント
• ITストラテジスト: ITコンサルタント
• SAP認定資格:SAPコンサルタント
• MBA:経営コンサルタント など
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コンサルタントに役立つ資格は?15の資格を徹底解説
「コンサルタントになるために必要な資格を有しているか把握したい…」という方もいるのではないでしょうか。本記事では、コンサルタントに役立つ15の資格を解説します。 業界のプロがあなたにあった転職支援を行います 今現在、 経… 続きを読む コンサルタントに役立つ資格は?15の資格を徹底解説
コンサルタントになるには
未経験からコンサルタントを目指す場合、現在の業界や職種で経験を積み、特定分野の専門性を高めることが大切です。特定分野の専門性を磨くことで、コンサルタント転職の際に強みとしてアピールできるでしょう。また同時にビジネスに関する知識や分析スキルも身につけましょう。書籍やオンライン講座などを活用して学習を進めるほか、ケーススタディに取り組むことで、実践的な問題解決能力を養うことができます。
転職活動では、コンサルタントに転身したい具体的な理由を、自身の描くキャリアプランを交えながら伝えることがポイントです。また、応募先のファームが求める人物像を分析し、自身のスキルや経験がコンサルティング業務にどのように役立つかを具体的に伝えることも意識しましょう。
このように未経験からコンサルタントへの転身は、情報収集や選考対策など、さまざまな準備が必要です。
その点JACでは、満足度の高いコンサルタント転職の実現に向けて未経験業界への転職に関するアドバイスや応募先企業に応じた書類添削、面接対策など、手厚い支援を提供しております。
コンサルタントへの転職を検討している方は、ぜひ業界に精通したコンサルタントによる転職支援を受けられるJACをご利用ください。