化学メーカーでは、「SDGs/ESG対応」「半導体」「ライフサイエンス」といった新領域への事業展開を加速させていることから、研究開発職の求人が増えており、アカデミアからの転職チャンスも拡大しています。
研究開発職の転職市場動向、転職を成功させる上で求められるスキル、望める年収相場について、ハイクラス転職に強いJAC Recruitment (以下、JAC)のコンサルタントが解説します。
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研究開発職の転職事情
化学業界では研究開発職の求人が増加しています。大手化学メーカーを中心に、中堅~中小メーカーまで幅広い企業が採用に意欲的。学生時代に化学分野の研究をしていた第二新卒層からマネジメント層まで、幅広い年代・ポジションの方が採用対象となっています。
特に20代後半~30代半ばで転職する方が多数。専門性を生かして40代前半で転職を果たした事例も、JACでは多く見られます。
化学業界の研究開発職の方々は、もともと転職に対して慎重な姿勢でしたが、近年は興味がある領域にチャレンジできるチャンスが拡大しており、積極的に動く方が増えています。
採用活況の背景に、「新領域への展開」
採用が活況である背景には、新たな領域への展開があります。キーワードとしては次のようなものが挙げられます。
SDGs/ESG対応
「SDGs」「ESG(環境・社会・ガバナンス)」の意識が高まるなか、各社は環境対応製品の研究開発を加速させています。特に、「脱炭素」「カーボンニュートラル」の実現を目指してEV(電気自動車)の開発を強化している自動車業界向けの製品開発が活発化しています。
「環境」に関する領域は人材不足感が強く、事業会社の経験がないアカデミア出身の方も迎えられています。
化学の研究開発職の求人は、全般的に「用途開発」のポジションが多くを占めますが、「Co2の回収」など環境関連のテーマについては基礎研究のニーズもあります。
半導体
あらゆる業界がDX(デジタルトランスフォーメーション)推進を強化するなか、半導体の需要が急増。半導体の性能向上を図るため、有機材料・無機材料いずれの研究開発職にも活躍のフィールドが増えています。
ライフサイエンス
国内市場が縮小に向かうなか、新たな収益の柱としてライフサイエンス領域に進出する企業が増えています。化学との親和性が高く、景気の波に左右されにくいことから、医薬品・化粧品・食品などの事業を強化する動きが活発。
また、診断薬事業に乗り出す動きも見られ、創薬の研究ポジションに関しては、アカデミア出身の方にも比較的広く門戸が開かれています。
選択肢を広げて、大きくキャリアアップ
現在、転職市場価値が高い方々は、ご家族の事情などにより勤務地が限定される傾向にあります。しかし、化学メーカーの研究開発拠点は地方に点在していますので、勤務地の条件を緩和することで求人の選択肢が広がります。またお子様の独立を待って転職するとなると、そのころにはどうしても選択肢が狭まってしまいます。
家族のライフプランとご自身のキャリアについて、ご家族とも相談してみてはいかがでしょうか。JACでサポートした方々の中には、最終的にご家族のご理解を得て、転職に成功された方が多数いらっしゃいます。
また、基礎研究の経験を積んできた方であれば、「開発」寄りへ軸を少し移すことで、求人の選択肢が広がります。外資系メーカーの開発のポジションを選べば、「首都圏勤務」「転勤なし」の条件で働ける可能性もあります。
化学業界に特化した専任コンサルタントが、あなたの転職をサポートします。
業界における市場価値はもちろん、レジュメの効果的な書き方、面接対策、企業傾向の情報収集など、
JACのコンサルタントにご相談ください。
研究開発職の転職時に評価される経験・スキル
研究開発職の採用選考では、どのようなポイントが重視されるのでしょうか。
求める要素は企業や採用ポジションによって大きく異なりますが、大まかな傾向をお伝えします。
研究開発の実務経験
前提として、化学領域での研究開発の経験を「3年以上」あるいは「5年以上」求める求人が多くを占めています。領域や企業によっては、アカデミアで研究を行ってきた方も受け入れています。
どのような材料を扱ってきたかは、企業によって求めるものが異なりますが、特に、半導体に関わる用途開発の経験を持つ方は選択肢が豊富です。
ほか、「ポリマー開発」「樹脂開発」「高分子設計」「配合技術」などの経験を持つ方は高く評価されます。
応募先の企業と関連性のある知識・経験
応募する企業が扱う材料・製品などと関連性・親和性がある経験が求められます。技術はもちろんのこと、サプライチェーンの観点でも関連性・親和性が重視されます。
自社の素材の調達先である川上のメーカー、あるいは自社の素材の提供先である川下のメーカーへの転職も、事例としては多いです。
また、どのような業界と関わってきたかも注目されます。たとえば、採用ポジションで扱う材料が自動車業界向けのものであれば、自動車業界との協業や折衝の経験が評価されます。
特に、自動車や半導体など要求レベルが高い業界を顧客とし、その対応力を身につけている方は歓迎されます。
品質保証/プロセス開発などの経験
品質保証やプロセス開発など、研究開発とリンクする職種の経験がプラス評価されることもあります。
他職種の動きを理解したうえで研究開発が行えることに加え、先々のキャリアパスとして広い役割を担える可能性に期待が寄せられます。
ITリテラシー/データサイエンス関連の知識
近年、マテリアルズ・インフォマティクスの取り組みが進んでいます。大量の実験データや論文を解析し、素材の分子構造や製造方法をシミュレーションしながら新素材を探索するものです。研究開発業務にもデータ活用が取り入れられるなか、データサイエンスの知識も求められるようになっています。
「Python」「R言語」「C++」などの知識・スキルも評価され、自主的に学習して身につけていると、「自己研鑽への意欲が高い人物」と好印象を持たれます。
英語力日系企業でもプラス評価に
日系企業の研究開発職でも、企業やポジションによっては海外顧客への対応が必要となりますので、通訳を介すにしても、基礎的な英語力は求められます。TOEIC500点レベルでも、読み書きができる英語力があればプラス評価に。ただし、入社後に英語力を高めていく意欲があるかどうかが問われます。
外資系企業の場合は、ビジネス英語力を求めるケースもありますが、研究開発のスキルが高ければ「日常会話レベルで可」「英語にアレルギーがなければ可」とするケースもあります。
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研究開発職の年収相場
日系大手メーカーの研究開発職の年収相場は以下のとおりです。
30代前半/年収600万~700万円
40代/年収800万~1000万円
JACがサポートしてきた転職成功者様の事例を振り返ってみると、転職によって大手メーカーから大手メーカーに移る場合、年収は前職の額を維持、あるいは1割程度アップするケースが多く見られます。
アカデミアの方が大手メーカーに転職した場合は大幅な年収アップとなることが多く、30代前半の方が年収400万円→800万円にアップした事例もあります。
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研究開発職に転職する前に把握すべき業界の動向
自身の志向に合う企業を選ぶためには、化学業界の全体動向を踏まえたうえで、各社の戦略・方針を知ることが大切です。昨今の業界の動きをお伝えします。
事業構造の変革に取り組む
他の製造業とも共通していますが、DX推進やスマートファクトリー化、海外情勢の変動、SDGs・ESGへの意識の高まりなどを背景に、事業構造や組織体制の変革に取り組む企業が増えています。
どのようなテーマの変革に注力するかは企業によって異なるため、転職を検討する場合は自身が目指す方向性や志向に合うかどうかを見極めることが大切です。
水素自動車関連
水素は燃やしても二酸化炭素を排出しない次世代のエネルギーとして期待されており、国内の自動車関係の事例を挙げると、トヨタがFCVとして「MIRAI」を販売しています。将来的に水素自動車が普及した場合、化学メーカーに与える影響にはあらゆるものが想定されますが、素材関係でいえば水素タンクに使われる炭素繊維の研究開発などが考えられるでしょう。
FCVでは、水素を高圧で圧縮することによって効率的に燃料を搭載します。そのため、水素燃料を入れるタンクは耐性・信頼性が高い材料が欠かせません。現在、水素自動車は政府の支援が必要な段階ですが、将来的にトラックなどの商用車での導入が期待されており、化学業界としても動向を注視すべきトピックスです。
海外展開が加速
化学業界の業績は好調で、直近では過去最高益を挙げている企業もあります。しかし、国内マーケットは縮小に向かっているため、海外の売上比率が高まっています。海外市場の開拓は今後も進んでいくでしょう。
中国市場が成長を遂げてきましたが、ロックダウンなどもあり、リスクを痛感した企業も多数。特定の国に限定せず、発展途上国を含めさまざまな国・エリアに展開していくと考えられます。
新たな国・エリアに研究開発拠点を立ち上げ、現地のニーズに合わせた研究開発を行っていく可能性があります。
「撤退」「保持」の方針が二極化
採算が取れない部門や「サステナビリティ」の潮流に沿わない部門について、撤退する企業と保持する企業が二極化しています。撤退によって効率化を図る企業がある一方、「守る」ことが企業のブランド価値を向上させ、新たなチャンスにつながると考えている企業もあります。
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研究開発職としてのキャリアプラン
目指すキャリアの方向性によっても、転職活動の取り組み方や選択が大きく変わります。
研究開発職における主なキャリアプランは下記の3つです。
・特定の分野で研究開発を続け、その領域のスペシャリスト(専門職)として成長する。
・研究開発のプロジェクトを主導し、リーダーやマネージャーとして管理職になる。
・研究開発のスキルや経験を生かし、コンサルタントや営業職といった異なる領域でのキャリア展開を目指す。
将来を見越して5年後や10年後のキャリアプランを検討し、転職によって理想に近づけるようにしましょう。
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研究開発職の転職時は対策が必須
一口に「研究開発職」といっても、扱う素材や役割の範囲は大きく異なります。
転職エージェントJACでは、化学業界に専門特化したチームを設けており、マーケットのトレンドや各化学メーカーの動きを常にキャッチしています。採用企業とも密にコミュニケーションをとっているため、各社の採用背景、求める人物像もつかんでおり、その情報をもとに適切なマッチングが可能です。
なお、採用選考においては、各社注目しているポイントが異なりますので、「この企業の面接では、このような質問をされる」といった情報もご提供します。
研究開発の知識・経験が豊富であっても、それを生かせる企業や採用ポジションを選び、自身の強みを適切に伝えることができなければ、転職成功にはつながりません。
研究開発職の方々は、他の職種の方々に比べると就職活動・転職活動の経験があまりなく、転職活動に慣れていない方が多いようです。信頼できる転職エージェントに出会い、情報やノウハウの提供を受け、パートナーとして伴走してもらうことをおすすめします。
転職成功率を高めるために、JACのコンサルタントが持つ情報とノウハウをご活用ください。
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