化学メーカーで業界未経験者の転職成功事例が増加中

  1. 化学メーカー(化学/素材業界)×転職マーケット

公開日:2022/01/28 / 最終更新日: 2024/10/21

ここ数年、JAC Recruitmentにおいてハイクラスの方々における異業界から化学メーカーへのキャリアチェンジが目立っています。
主に30代~40代で平均年収700~1200万円の方々、かつ、自動車、電気電子、半導体、機械等の川下メーカー、医薬・バイオ、エンジニアリング会社、IT、コンサルといった業界からの転職成功事例があります。
日系の化学メーカーは国際的な競争力も強い一方で、転職後の定着率が高い業界のひとつでホワイト企業が多いと言えます。
転職活性化事情の背景と、異業界からの転職でも活躍できる理由は何かなど、最新の転職動向を解説します。

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日系化学メーカーが異業界採用に積極的になった理由


日系の化学メーカーは国際的な競争力も高く、各分野において世界トップクラスの企業が存在します。売上高が1兆円を超える企業が8社あり、グローバルで業界をリードする企業も数多く存在しています。日系メーカーで世界シェアの大半を占める炭素繊維をはじめとした、ディスプレイ、半導体材料、自動車部材、機能性材料の分野で世界トップシェアの製品群を数多く有しています。高い技術力で市場を牽引してきた歴史的背景から、日本は化学大国でもあるのです。

そんな化学業界は製造業の中でも「異業界からの転職が厳しい」という印象が強く、電気や機械など他の製造業と比べても閉じた業界という認識は根強いものがあります。

しかし、ここ数年は大手から中堅化学メーカーを中心に異業界からの採用が活発化している傾向にあります。

急速に進むデジタル化や、カーボンニュートラル実現に向けた産業界全体での構造改革の影響を化学素材メーカーも大きく受けている状況です。

このような変化の激しい市場に対応するために、新規事業創出や、DXを進めるためのIT部門の内製化などを目的にこれまで自社で保有していなかった新たな知見を持つ異業界出身者の採用を推し進めているのです。

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実はホワイト業界——日系化学メーカーはキャリアチェンジに最適


化学メーカーは、キャリアチェンジするための選択肢として、転職希望者からも注目を集めています。

理由1:業界全体の安定性が高い

先にも述べた通り、日本の化学業界はグローバルでの競争力が高いのが特長です。半導体や液晶ディスプレイなど新興国がシェアを握る一方で、それらの製品に採用されている材料の多くは日本の化学メーカーから調達されています。

また、他の製造業よりも景気変動によるダメージを受けにくいことも挙げられます。例えば半導体不足の影響から自動車メーカーが減産し、自動車向けの部材が下がったとしても、医薬や医療機器分野の部材で売上をカバーするなどの会社としてリスクヘッジがしやすい業界でもあります。

理由2:世界的に見ても、高い技術力を有している

理由1とも連動しますが、安定性の高さを支えているのは技術力です。コモディティ化した材料や素材は新興国など海外がシェアを握っている一方で、ニッチな素材や多品種少量生産に向いた材料は日系化学メーカーが得意としている領域です。

理由3:長期的に働きやすい環境が整っている

安定性が高いという背景から製造業の中でも平均勤続年数は長い傾向にあります。 中堅企業でもニッチトップであれば収益率が高く待遇にも反映されやすいだけでなく、社員教育に熱心な企業も多いことは異業界の方には余り知られていません。

勤務先の支援制度を使って、働きながら大学の博士課程で学ぶ研究職や技術職の方も多く、海外へ展開している企業が多いことから語学学習に対する福利厚生制度も各社充実しています。特に最近ではDX人材育成の観点からIT関連スキルの研修を積極的に導入する化学メーカーも増えています。

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異業界から化学メーカーへの転職で気をつけたい点


先にも述べたように、これまでの「良いものを作れば売れる」という時代から、変化の激しいニーズを捉えて、QCD(品質・コスト・納期)を守りながら、いち早く市場に製品を投入するための構造改革を多くのメーカーが進めています。採用側は、改革の中核にいるという自覚を持って活躍できる人材かどうかを面接で見極めようとしています。

大手の中には終身雇用制度を廃止し、ジョブ型雇用に切り替えた企業も出始めました。日系化学メーカーは働きやすい環境をベースとしながらも、時代の流れに沿った経営を進めています。

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化学メーカー業界で求められている職種とスキル


【管理職】で求められるスキル

現在の化学メーカーでは、製品開発、プラント建設、さらにDXと、横断的にさまざまな部署を巻きこむことになります。そのため、社内外との交渉を円滑に進めたり、関係性を構築できるコミュニケーション能力が要求されたりします。

【専門職】で求められるスキル

開発や製造に関連するポジションでは、それぞれ求められるスキルが異なります。
共通しているのは前職の経験をどのように活かせるかという点です。これまで化学メーカーと取引をしていた側の視点や判断基準、知見が、どのように業務に生かされ、業績に貢献できるかアピールできるように準備しましょう。

製品開発・用途開発】で求められるスキル

異業界から開発職に転職した際には、ご自身の出身業界の経験をどのように活かせるかがポイントとなります。化学メーカーから材料を調達していた際に要求していた性能や品質、コンペで検討した際の評価基準など、顧客が求めていたものをダイレクトに開発に活かせるかが鍵となります。

【生産技術・プロセス開発】で求められるスキル

材料開発だけでなく、成形・加工や最終製品まで手掛けるなど、トータルソリューションを志向する化学メーカーが増えています。事業の幅を拡げるにあたっては、部品メーカーや半導体メーカー出身の生産技術や、プロセス開発に従事していた方の知見が活きます。歩留まり改善や生産ラインの効率化など、ご自身の経験がどのように転職先で応用できるかを面接ではアピールしましょう。

【プラントエンジニアリング】で求められるスキル

工程全体を把握しながらも、自ら手を動かしてプロジェクトを能動的に進められるタイプの方が歓迎される傾向です。特に海外でのプラント立ち上げ経験は優遇されます。

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化学メーカーにおける職務経歴書・面接でアピールすべきこと


化学メーカーは「閉じた業界」というイメージが先行しているように、一昔前までは新卒採用重視の組織で、同一性が高い組織を志向してきた傾向があります。

しかし、現在はそういった組織を改革し、化学業界に新しい風を吹き込む人材を積極的に採用する流れにシフトしています。だからこそ、これまでの経験をどのように活かせるか具体的に説明すると同時に、多くの人を巻き込んで会社を変える存在になれることをアピールするようにしましょう。

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ホワイト企業に転職に見極めるべき3つのポイント


ホワイトな企業を探すには、以下の3つのポイントを確認してみてください。

1.残業時間と離職率
2.完全週休二日制が取られているのか
3.福利厚生の内容を見る

ここではポイントごとの詳しい内容について解説します。

1.残業時間と離職率
企業をホワイトとする基準の1つに「残業時間」と「離職率」があります。
「残業時間」と同時に確認しておきたい点が「離職率」です。どんなに残業時間が少なかったとしても、離職率が高い企業には「社風が悪い」や「福利厚生が充実していない」といった何らかの理由があるはずです。

2.完全週休二日制が取られているのか
働き方や年間休日を確認するためにも「完全週休二日制の有無」は確認しておきたいポイントの1つです。完全週休2日制が採用されている企業であれば、祝日や年末年始なども休業としているケースが多く、働きやすい環境である可能性が高いえます。

昨今、仕事と生活を調和させるとして注目される「ワークライフバランス」を高めるためにも、休みが取りやすい環境であるかは重要です。また、完全週休二日制の有無だけでなく「年間休日数」や「育児休暇制度」などについて合わせて確認することをおすすめします。

3.福利厚生の内容を見る
給与や賞与とは別に、企業が従業員とその家族に提供する健康や生活へのサービスを意味する「福利厚生」の内容についても確認してみましょう。主な福利厚生の内容として、次のような項目が挙げられます。

・各種保険
・健康診断
・産休・育休
・各種手当(住宅・家族・資格)
・レジャー施設などの割引

福利厚生は、直接収入に影響される手当から変化するライフスタイルに対応する休暇制度まであらゆるものがあります。同じ企業で将来的に長く働くことを想定して、自分の人生にとってプラスに作用する福利厚生制度が整っているのかは、ホワイトな職場を選ぶために欠かせない視点です。

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ホワイト企業の探し方


ここからは、ホワイト企業の探し方について紹介していきます。

・転職エージェントから紹介してもらう
・ホワイト企業トップ500を参考にする

それぞれについて詳しくみていきましょう。

・転職エージェントから紹介してもらう

ホワイト企業を探す際に最もおすすめの方法は、転職エージェントにおすすめの企業を紹介してもらう方法です。なぜなら、転職エージェントは転職のプロであり、これまでの経験やノウハウを活かして、企業探しから入社までのプロセスを一貫してサポートしてもらえます。
特に、「残業が少ない化学メーカーに転職したい」といった希望条件がある場合でも、その条件に沿って該当する企業を紹介してもらえます。

・ホワイト企業トップ500を参考にする

経済産業省が2016年から開始している「健康経営優良法人認定制度」の企業リストを参考にするという方法もあります
このリストを活用するメリットは、掲載されている企業はすべて、組織体制や法令遵守、制度・施策実行といったさまざまな観点から選ばれているため、安心感が得られるという点です。
しかし、選ばれている企業が必ずしも自身の希望にマッチしているわけではないため、候補の企業が見つかった場合は、しっかりとした調査が必要です。

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JAC Recruitmentは化学メーカー・業界に強い転職エージェントです


JAC Recruitmentは、化学メーカーへの転職に特化したコンサルタントが専任で転職をサポートしています。業界最大規模の専任部署をもち、化学業界の中でも細分化された市場を網羅。各社が求める人材や事業動向、非公開求人を常時収集しています。
化学業界出身のコンサルタントも在籍しており、転職後のキャリアパスや企業ごとの傾向などの情報にも精通しています。

転職時期は決まっていないが情報収集から始めたい方や、今いらっしゃる業界からキャリアチェンジを検討している方のご相談にも応じていますので、お気軽にお問い合わせください。

※本稿は執筆者の個人的見解であり、ジェイエイシーリクルートメントの公式見解を示すものではありません。
(2021/12)

この記事を監修した転職コンサルタント

見浪

見浪

ケミカルディビジョン マネージャー


【得意分野】
業種 : 化学・素材業界全般
職種 : 製品開発、新規事業企画、生産技術、DX推進、環境安全
企業タイプ :日系大手化学・素材メーカー

一貫して化学・素材業界のキャリアサポートに携わってきました。 ミドル~マネジメントクラスの事業変革を担う人材のご支援を得意としております。 化学・素材業界内での転職は勿論ですが、異業界からのご支援実績も多数ございます。



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