化学メーカーの事業企画職の転職事情|難易度や成功のポイントとは

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化学メーカーでは、「カーボンニュートラル」「エレクトロニクス」「ライフサイエンス・ヘルスケア」関連など新領域への進出、海外展開の強化などを背景に、事業企画のニーズがあります。化学業界の営業職経験者が事業企画職に転職する事例もありますが、新領域への進出に際しては、異業界の事業企画経験者にも門戸が開かれています。化学メーカーの事業企画職の転職市場動向、年収相場や、転職を行う上でのポイントについて、JAC Recruitment (以下、JAC)のコンサルタントが解説します。

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化学メーカーの事業企画職が求められている背景


M&Aや事業撤退などの動きも見られる化学業界ですが、一方で新規事業や海外展開を強化しており、事業企画職のニーズがあります。
日系大手化学メーカーを中心に、中小企業からも海外事業強化を目的とする求人が出ています。

「カーボンニュートラル」「エレクトロニクス」「ライフサイエンス・ヘルスケア」関連の事業へ進出

化学メーカーにおいては、従来型産業への原材料提供のみでは収益が成り立たなくなりつつあります。
そこで、「サステナビリティ」への意識が高まるなか、製造業が注力する「脱炭素」「カーボンニュートラル」を実現する素材の提供やリサイクル事業などに乗り出す動きが活発化。また、用途の拡大によって需要が高まる「半導体」など、エレクトロニクス領域の拡大を図る企業もあります。
このほか、ライフサイエンス・ヘルスケア事業の展開が加速してきています。自社技術の応用で新規事業開発を進めるだけでなく、M&Aを行い外部から事業を取り入れる等、各社動き始めています。

このように、新しい分野を取り込んでいくにあたり、自社にない知見を持つ企画人材を外部から迎えたいとするニーズが高まっています。

海外売上比率の向上を目指す

国内市場は少子高齢化にともなって縮小していくため、海外事業を強化。先進国・新興国問わずニーズがある国・エリアに進出し、海外売上比率を高めていこうとしています。
大手メーカーは、現地企業をM&A・子会社化するため、ゼロからの拠点立ち上げはあまり見られませんが、現地のニーズに合わせた製品の開発や供給体制の構築のため、事業企画職を採用しています。

DXを推進

各部署でDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進していますが、事業企画においてもデジタルの活用方法を模索しています。ITやWebマーケティングの知識を持つ人を事業企画部門で採用したり、事業企画とIT部門が協業したりするケースが増加しています。


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化学メーカーの事業企画に求められること


化学メーカーの事業企画職の採用においては、どのような経験・スキルが求められるのでしょうか。
「新規事業」「海外事業」それぞれについてお伝えします。

新規事業企画の採用で求められる経験・スキル

新規事業企画では、進出を図る分野での事業企画経験者を求めています。たとえば、半導体メーカーへの素材供給を狙う企業であれば、半導体業界での事業企画経験者、あるいは、化学メーカーで半導体領域の事業企画を手がけていた方は転職しやすいといえます。どの領域の経験者を求めるかは、各社の戦略によって異なります。

最もニーズが高いのは、自立して事業を開拓できるリーダーからマネジャークラス。実際には、30代後半~40代の方が採用された事例が多く見られます。
企画のみではなく、社内外の人と折衝し、巻き込みながら「推進」する力が求められます。

海外事業企画の採用で求められる経験・スキル

海外事業企画では、英語力が必須。読み書きだけでなく、交渉ができるレベルの英語力を求められます。
異なる価値観や商慣習への柔軟な対応力、要求・主張が強い人々と折衝ができるタフさなども欠かせません。
事業企画経験があれば望ましいですが、海外拠点でのマーケティング・セールス、かつ現地での拠点運営を行っていた方に門戸を開いている企業もあります。

事業を主導するリーダー・マネジャークラスの募集の場合、進出対象の国・エリアの経験も必要とされます。一方、メンバークラスの採用では、海外折衝や海外事業企画の経験があれば、国・エリアの経験はあまり問われません。

化学メーカーの事業企画に求められる共通要素

化学メーカーの事業企画職の採用においては、全般的に次の要素を重視する傾向が見られます。

●既存のものを守りながら、新たな展開を考える力

ゼロからイノベーションを起こしていく発想力も重要ですが、既存のものを大切にしながら新たな展開を模索していくことが重要。モノづくりの最上流であるだけに、さまざまな取引先との関係を守るためにも、既存のものと新しいもののバランスをとっていく感覚が求められます。

●最新のトレンドや他業界のニーズをキャッチアップする力

技術的な観点も重要。海外や学会などで発表される最新技術の論文などを読み解き、自社で活用したり自社技術と融合させたりする方向性を探る力も求められます。

素材によっては、多様な業界に転用することが可能です。たとえば、樹脂や貴金属などであれば、あらゆる業界でさまざまな用途が考えられます。他業界の動向にもアンテナを張り、ニーズを予測する力が必要とされます。

●幅広い業務への対応力

事業企画職には「オールラウンダー」であることが期待されます。顧客先に出向いてヒアリングを行い、ニーズをつかむといったセールス的活動をすることもあれば、学会に参加して有識者と対話し、ビジネスのヒントを引き出すこともあります。プロジェクトの推進にあたっては、社内の他部署との連携・調整も行い、会計の知識を使って予実管理も手がけます。
もちろん、一人ですべてを担うわけではありませんが、ゼネラリストとしてあらゆる業務に対応する知識と行動力が求められます。


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化学メーカーの事業企画職の年収相場


化学メーカーの事業企画の年収相場は以下のとおりです。

スタッフ~リーダークラス/年収600万~900万円

マネジャークラス/年収800万~1200万円

事業部長クラス/年収1200万~1600万円

中途採用においては、現職年収維持、または年収50万~100万円アップでオファーされるケースが多く見られます。
企業側が今後注力したい領域の専門知識・経験を持つ方であれば、年収200万円アップ、入社後のパフォーマンス次第では前職より300万円以上のアップも可能…というオファーがなされた事例もあります。
また、企業にもよりますが、語学力が評価され、年収がさらに上乗せされるケースもありますので、語学力を上げておくことも有効と言えます。


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化学メーカーの内情を理解したうえで事業企画職への転職活動をする


一口に「化学メーカーの事業企画職」といっても、企業によって取り組むテーマや役割範囲が大きく異なります。
事業のフェーズにもよりますが、「全社横断での新規事業企画」「一事業部門内での事業企画」「セールス・マーケティング部隊の一部分を担う事業企画」など、位置づけはさまざまです。当然ながら、任せられる業務範囲も異なります。
自身の経験・スキル、あるいはこれから取り組みたいテーマ、積んでいきたいキャリアにマッチする求人を選ぶためにも、転職エージェントの活用をおすすめします。

JACでは、化学業界に専門特化したチームを設けています。専門コンサルタントは、業界・職種について深い知識を持ち、マーケットのトレンドを常に把握しています。採用企業側とも密にコミュニケーションをとっているため、各社の採用背景、求める人物像もつかんでおり、その情報をもとに適切なマッチングが可能です。
たとえば、扱う素材は同じでも、用途の方向性や注力度合いは企業によって異なります。投資計画も含め、事業方針についての踏み込んだ情報をお伝えします。

また、各社、面接で注目しているポイントが異なりますので、「この企業の面接では、このような質問をされる」といった情報もご提供します。
転職成功率を高めるために、コンサルタントが持つ情報とノウハウをご活用ください。

化学メーカーの事業企画職の転職関連情報


転職に役立つ、化学メーカーの事業企画職の転職成功事例や職務経歴書の書き方・よくある質問も合わせてご確認ください。


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この記事を監修した転職コンサルタント

村田

村田

ケミカルディビジョン



2019年に中途入社。化学業界専任コンサルタントとして大手企業を中心に担当。 国家資格キャリアコンサルタントを生かし、その方のご志向に併せたキャリア相談・キャリア探索を実施。 前職では大学生の就職支援を行う事業に携わり、事業運営と自己分析から選考書類作成支援、面接対策といった就職活動全般をサポート。