50代法務の転職は難しい?成功のポイントを解説

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公開日:2024/10/04 / 最終更新日: 2024/10/11

「50代での転職は可能か」「50代で転職歴が多いが、受け入れてくれる企業はあるか」――50代法務職の方々から、そのような相談をよくお受けします。コンプライアンスやガバナンスへの意識の高まり、新規事業開発の活発化を背景に、法務職のニーズは高まっています。

50代法務職の転職の可能性について、JAC Recruitment(以下、JAC)の法務領域専任コンサルタントが解説します。

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50代の法務転職は難しいのか?現状と求人の傾向について


法務職の求人は全般的に増えています。50代の法務職の方に関しては、数百~数千名規模の中小・中堅企業での採用事例が複数存在している状況です。JACでは、60代法務職の方が転職に成功しているケースも確認しています。

傾向1:コンプライアンス・ガバナンスへの意識の高まり

法務求人の増加の背景には、コンプライアンスやガバナンスへの意識の高まりがあります。昨今、日本を代表する大手企業であっても、子会社などの法令違反の発覚により、企業ブランドの毀損につながるケースが多々見られます。そこで、法務職に対して「リスク管理」「社内コンプライアンス教育」の役割を担うことが求められ、求人増加につながっているという傾向があります。

傾向2:新規事業への取り組みの活発化

また、ビジネス環境が大きく変化し、既存事業の延長線上に利益拡大や継続的成長が見込めないなか、新規事業開発の動きも活発化しています。そのため、新規事業や、それにともなうM&Aの検討に際し、法的観点からリスクの洗い出しを行い、経営陣の判断をサポートすることも、法務に求められる役割の一つとなっています。

こうした背景から法務人材のニーズが高まり、求人が増加しているのです。

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法務の転職事情

50代の法務転職で求められるスキル・経験について


ここでは、50代法務職の転職で重視されるポイントについてご紹介します。

専門知識とマネジメント経験

50代法務職の方が転職活動に臨む場合、専門知識はもちろんのこと、「マネジメント経験」が問われます。入社後にはメンバーの育成も期待されます。

業務経験としては、下記が評価の対象となります。

● 関わってきた法律の種類(応募企業の業種に関連する法律を扱った経験)
● 月単位で処理していた契約数
● 英文契約書の取り扱い経験/語学力
● DXへの取り組み、システムの検討・導入経験
● 各部署の人が法務リテラシーを高められる環境作りの経験

各事業部門や業務への柔軟な姿勢

また、各事業部門に寄り添う姿勢も重視されます。例えば新たな事業開発に際し、「NO」を突き付けるだけでなく、「どうすればできるか」を考え、実現をサポートする法務職が求められています。

なお、中堅規模以下の企業の場合、組織が縦割りではなく、1人が幅広い業務に携わります。つまり、「契約法務だけ担当すればよい」といったことはなく、「コンプライアンス教育」「商事法務」「ガバナンス」など、複数の業務を担うことが求められます。そのため、自身の役割を限定せず、多様な業務に柔軟に対応する姿勢が必要です。また、マネジメントだけにとどまらず、一プレイヤーとして自身で手足を動かし、実務に取り組むマインドも求められています。

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50代法務の年収相場 管理職は1000万円以上


50代法務職の方が転職する場合の年収相場は下記のとおりです。業界や企業の給与水準によって増減します。

メンバークラス700万~900万円
課長クラス900万~1100万円
部長クラス1000万~1200万円

大手企業で役職定年を迎えた場合、年収1300万~1500万円程度から1000万円以下に下がるケースが多いようです。これを機に転職を図る場合、役職定年前の金額を維持することは難しく、役職定年後の年収額、あるいは定年後の年収額より微増で迎えられる傾向にあります。

つまり、大手企業での役職定年前の年収維持は難しいですが、役職に就いて裁量権を持てる点、長く勤務することで生涯年収を増やせる点においては、転職するメリットがあるといえます。

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50代法務職の方が転職を検討するのは、「役職定年」がきっかけとなるケースが多く見られます。「定年」も近づいてくるなかで、「まだまだ元気で働けるので、長く活躍し続けたい」という声が多く、また経験が1社のみの方、あるいは直近の企業で長く働いてきた方からは「外の世界を見てみたい。新しい環境に飛び込み、チャレンジしたい」という声もあります。

大手企業から中堅以下の企業への転職は、それらの希望をかなえられる選択といえるでしょう。中小企業では人材獲得が困難であるため、65歳での再雇用は当たり前、70歳近くまで活躍されているケースも見られます。

転職に際し、「新たなチャレンジ」「自己成長」を望む方もいらっしゃいますが、企業側としては「これまでの経験を生かしてほしい」と期待します。

ただし中小企業の場合、法務だけに限定せず、総務・人事業務の一部の兼務を求めるケースも見られます。「法務として専門性を極めたい」か「管理部門業務に幅広く携わりたい」か、自身の志向に応じて企業を選ぶことをお勧めします。

なお、専門性を極めた先には、1社に正社員として所属するのではなく、「業務委託」のスタイルで複数企業の業務を手掛けていく選択肢もあるでしょう。


管理部門職は、比較的、業界の垣根を越えて転職しやすい職種といえます。法務職においても、未経験の業界に転職するチャンスは豊富にあります。

「製造業」と「非製造業」の垣根を越えるのは難しいですが、例えば工場を持つ業態として、「機械業界から化学業界へ」、店舗展開する業態として「アパレル業界から飲食業界へ」といった異業界転職は実現の可能性が高いといえます。

法務転職に必要な資格


法務職として転職するにあたり、資格は必須とはされません。何よりも実務経験が重視されます。

しかしながら、実務経験が同等の応募者が複数いる場合、資格保有者が有利になる可能性はあります。弁護士資格はもちろんのこと、「法学部卒」「法科大学院(ロースクール)修了」などはプラス評価されるでしょう。法学部出身でなくても、「ビジネス法務検定」を取得していれば、体系立てて知識を習得している証明となり得ます。不動産業界への転職であれば、「司法書士」も有効です。

また、英語力を求める企業も多く、「TOEICスコア700点以上」が加点対象となることもあります。

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50代の法務転職を成功させる3つのポイント


50代法務職の方が転職を成功させるために意識しておきたいポイントを3つご紹介します。

では、それぞれ解説いたします。

選考に臨む際には、関わってきた法律の種類を伝えることはもちろん、「契約書の取り扱い件数」「英文契約書の比率」など、経験・実績を数字で示しましょう。DXに取り組んだ場合は、その経験とともに、工数の変化や効率化などの成果を数字で表せるといいでしょう。

事業部門に寄り添って対応した事例を振り返り、整理しておきましょう。例えば、事業部門のトラブルを解決したり、新規事業プロジェクトに携わったりした経験がある場合、どのような課題に対し、関係者とどのようにコミュニケーションを取りながら解決や提案にあたったかを洗い出します。

その事例を、職務経歴書では箇条書きで簡潔に記し、面接では具体的なエピソードを語れるようにしておくといいでしょう。 「書く」と面接で「話す」では異なった難しさがあります。JACでは、面接を想定した模擬面接等もコンサルタントが支援していますので、ぜひご相談ください。

目標とする転職に対し、自身のスキルが足りていないと感じる場合、比較的短期間でプラスになるものとして、「英語力」を磨くことをお勧めします。英文契約書を扱える人材は重宝されるため、英語力アップが転職成功につながる可能性があります。

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50代の法務転職を検討する方々からいただく、よくある質問にお答えします。

Q. 法務の経験を生かし、長く働き続けられる求人はあるのでしょうか?

A. 中小企業では60歳定年後に65歳まで再雇用されるケースが多いほか、65歳定年の企業も増えています。
65歳以降、年収をほとんど下げずに契約社員となり、1年ごとに更新するなど、本人の希望に合わせて柔軟に対応する傾向があります。JACでは、「69歳の法務責任者がリタイヤを望んでいるので、後継者を採用したい」といった求人依頼が寄せられ、50代の方が選考に進む事例も見られます。

Q. M&A案件に関わってみたいのですが、M&Aの経験がなくてもチャンスはありますか?

A. これまでの経験と知識を踏まえ、企業が「この人であればできそう」と判断すれば、M&A未経験であってもM&A案件に関われるチャンスがあります。


転職に成功した50代法務職の方の事例をご紹介します。

複数の外資系企業を経て、中小規模のBtoBサービス企業で法務マネジャーを務めていたKさん(50代前半/女性)。管理部門全般を任されていましたが、法務専門職として事業に貢献したいという思いを強め、転職を決意されました。

JACのコンサルタントは、Kさんのご経歴から「海外法務に強い」と判断し、海外法務経験を求めているエレクトロニクス商社・A社を提案しました。Kさんとの面談を通じ、コミュニケーションの取り方をはじめとする人物像が、A社が求めているものにも合っていると考えたのです。 これまでに経験がない業界であるため、最初は戸惑ったKさんでしたが、面接を受けてみたところ「海外M&A」への興味が高まり、入社を決意されました。自由に発言でき、意見が尊重される社風にも魅力を感じたようです。

転職成功の詳細は下記にてご確認いただけます。

法務の転職成功事例|海外法務の経験を生かし、M&Aも手がけられる企業へ転職

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JACのコンサルタントは企業の幹部層と直接対話し、採用背景や求める人物像、選考で重視する要素など、求人票には書かれていないリアルな情報を多く入手しています。それらの企業情報と、候補者の方の希望・志向を踏まえ、双方によりふさわしい選択肢をご提案します。

選考プロセスにおいて、転職希望者が直接企業に質問しづらい場合も、企業と関係を築いている担当者が間に入ることで、匿名性を保ちながら回答を受け取ることが可能です。候補者の方が納得して決断できるよう、価値ある情報をお届けします。

転職の意思がまだ固まっていない場合も、まずはお気軽にご相談ください。

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法務の転職事情

この記事を監修した転職コンサルタント

水上陽介

水上 陽介

管理部門専門ディビジョン マネージャー

2020年にJAC Recruitmentに入社し、管理部門職種に特化したキャリア形成をご支援しております。短中期だけでなく、中長期的なキャリアのご提案や、マネジメント or スペシャリストといった多様性が求められ選択の幅が広がった直近のキャリアのあり方をご説明することで、皆さまのご転職活動に貢献できるように努めております。ぜひご相談ください。



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