人事の転職事情

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近年、グローバル化を推進する企業が増えた影響で、人事に求められる職務に変化がみられます。今回は、主に大手企業における、ハイクラス・ミドルクラスの人事転職について、JAC Recruitment(以下、JAC)の管理部門専任のコンサルタントが解説します。

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人事転職は難しいのか?市況感と求人の傾向


日系企業におけるグローバル競争力強化に伴い、人事の領域も新たな段階へと移行しており、求人傾向に変化がみられます。
ここでは人事職求人のトレンドについて、どのような求人が増えているのか、需要が高まっている背景・理由も踏まえて解説します。

増加する国際的な業務に対応可能な方の需要が拡大

昨今の転職市場では、特に英語力を兼ね備えた方に注目が集まっています。グローバルなビジネスフィールドでの人事戦略立案から実行まで、多角的な視点と国際的なコミュニケーションスキルを有する方への需要が高まっています。ジョブ型人事制度の導入や、外国籍スタッフの人事管理に至るまで、多様化する要件に柔軟に対応することが求められているのです。

特定分野の専門経験を重視する傾向

組織内で広範な業務を担うゼネラリストから、特定領域に特化したスペシャリストへのシフトが進んでいます。制度企画、タレントマネジメント、HRBPといった分野において深い専門知識と実践経験を有し、既存の枠組みにとらわれない革新的なアプローチで成功を収めた実績のある方が求められています。

人事職への転職で求められるスキルや経験・マインド


ここでは、人事職の転職で重視されるポイントについてご紹介します。

高度な英語コミュニケーションスキル

グローバルスタンダードとしての英語力は、人事では必須の資質となっています。ビジネスレベルの会話能力はもちろん、複雑な戦略を言語化し、国際的な文脈で提示できるレベルが求められています。

イノベーティブな人事戦略の提案能力

既定の枠を超え、人材の多様性を生かした新しい採用手法や人事評価制度の構築、さらにはAIや先端データ分析の活用による人事業務の効率化への貢献も期待されています。

プロアクティブなビジネスへの関与

人材が企業の最大の資産であるという観点から、戦略的かつ積極的に組織とビジネス双方に影響を与える人事活動を展開する姿勢が重要視されています。これには、経営層との協議を通じて人事方針を策定したり、社員のキャリア成長をサポートするプログラムを実施したりするなど、人事部門が積極的に組織の発展に貢献することが含まれます。国籍、文化を越えた協業を実現できる力量も、高度な人事管理スキルとして注目されています。

人事ハイクラス層の年収相場は1000万円前後


現在、ハイクラス層の人事の年収相場は、1000万円前後となっています。具体的な数値は下記のとおりです。

メンバークラス800万円前後
マネージャークラス900万〜1200万円
部長クラス1300万〜1600万円

なお、日系企業と外資系企業の間で大きな差はありません。 これは、外資系企業出身の方を迎え入れる日系企業が増加していることが関係していると考えられます。

年収アップを実現するポイント

人事の転職において、年収アップを実現するためのポイントは以下3点です。

・国際ビジネスで活躍するための英語力
・先進的な人事制度への取り組み経験
・役員報酬制度への深い専門知識

ここでは、それぞれの内容を解説します。

国際ビジネスで活躍するための英語力

人事部門のグローバル化が進む中で、実務レベルの英語能力は強みとなります。日常業務のコミュニケーション能力はもちろん、海外拠点との調整や多国籍のチーム管理に必要な高度な英語スキルを持つ方は、年収アップの可能性が高まります。

英語力がない場合でも転職は可能か?

グローバル展開を進めるすべての日系企業で英語が絶対条件とは限りません。国内市場に注力する企業や、従来の人事制度の下での新たな挑戦を行う企業も多く存在し、英語が得意でない方でも、もちろん転職は可能です。しかし、そのような企業は年功序列型の組織が多いため、既定の給与体系の範囲内での給与水準が設定されることに留意が必要です。

先進的な人事制度への取り組み経験

人事制度の企画開発のポジションは需要が拡大しており、ジョブ型への移行、グローバルな環境での制度統合に携わった経験は、評価の対象となっています。たとえば、各国の文化や法令に合わせた報酬制度の開発に関わった実績は評価されるでしょう。

役員報酬制度への深い専門知識

企業価値の最大化への注目が高まる中、役員報酬制度の専門家は非常に重要とされています。特に国際レベルの報酬設計に携わった経験を持つ方は珍しく、BIG4アドバイザリーや企業内での制度構築実績を持つ方は高い需要があります。役員報酬や先進的な人事企画に精通している人事専門家のキャリアは、年収アップの実現への効果的なレバレッジとなります。

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人事職の転職理由


ハイクラス・ミドルクラスの人事職の方が求める転職は、個々のキャリアやライフスタイルへの貢献だけでなく、企業文化や経営基盤への貢献も視野に入れています。

キャリアとライフステージの最適化

報酬の向上、ワークライフバランスの調整、適切な拠点での勤務環境の確保といった理由から転職を考える人事職の方は多いです。また、ビジネスのグローバル展開に伴い、英語の使用頻度を増やすことへの意欲も転職の大きな動機となっています。

将来の不安から抜け出すためのビジョン追求

企業の経営状況への懸念から安定した業績を持つ企業を求める動きもあります。転職を通じて、よりダイナミックなビジネス展開を実現できる環境を探求する傾向が強まっています。

人事職のキャリアパスにおける多様性


人事のキャリアパスには、社内の人材採用や労務管理から始まり、HRBPや制度企画に至るまで、幅広い経験を積みながら、より専門的で戦略的なポジションへとステップアップしていくことが一般的です。実務をこなすプレイングマネージャーやラインマネジメントへの昇進を選択する道も広がっています。
他にも、国際的なビジネスシーンの変動の中で、外資系企業から日系企業へ転職するケースが見られます。本社機能を日本に持つ企業でより大きな影響力を持ちたいと考える方も多く、日系企業への転職を選択される方も増えています。

未経験の業界・企業規模へ転職できる可能性


人事の転職において、未経験の業界や企業規模への転職ができる可能性はあるのでしょうか。ここではその可能性について解説します。

未経験の業界への転職も可能

人事の転職において、業界自体を変えることは全く問題ありません。グローバル規模で活動している企業では、業界の経験よりも包括的な人材管理能力や戦略的思考が求められています。
ただし人事職自体が未経験の場合、大手企業ではあえて外部から未経験者を採用するケースはあまり見られません。まずは現在の職場で異動を試み、経験を積むことが賢明な第一歩と言えるでしょう。

経験のある規模への転職が一般的

企業の人事部門はその規模によって異なる課題を持ちますが、幅広いビジネス視野を持ち、高い英語力やプロジェクトマネジメント能力、チームをリードする経験を持つ方であれば、中小企業から大手企業へのステップアップも不可能ではありません。

一方で、企業の規模や売り上げによって人事制度、取り組みが異なるので、現在の企業規模に類似した環境へ転職するのが一般的です。企業規模を変える転職では、既存のスキルや達成実績を生かすだけではなく、新しい規模の組織が直面する課題への理解が必要となります。

人事転職に必要な資格


人事職の転職において、特定の資格が絶対必須というわけではありません。しかし、TOEIC800点以上のスコアは書類選考において強いアドバンテージとなります。また、社会保険労務士の資格は労務管理や給与計算などの専門性を証明するため、評価されます。

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人事転職を成功させる3つのポイント


人事の転職でアピールすべきポイントは、若手層とミドル層で若干異なる部分があります。

ここでは、人事の転職を検討する際に押さえておきたいポイント、面接や職務経歴書でアピールすべきポイントを3つご紹介します。

では、それぞれ解説いたします。

【1】若手層は自らの意欲と入社後の活躍を強調

若手層は、実績よりも入社後の活躍を評価される傾向にあります。したがって、能動的にプロジェクトを牽引した実例や、英語を活用した国際的な取り組みなどを前面に出すことが望ましいです。TOEICスコアが目標に達していない場合も、継続的な学習姿勢を文書や面接でアピールすることで、英語への高い意欲を示すことが重要です。

【2】ミドル層は経験と実績を具体的に示す

即戦力としての経験と実績がミドル層には求められます。職務経歴書や面接においては、成果を数値で示すことで実績を可視化し、その貢献度を明確に伝えましょう。例えば、「採用効率10%向上」や「離職率5%削減」といったデータを提示することで、自己の貢献度を明確に伝えることができます。

【3】先進的プロジェクトへの参加経験をアピール

成果を定量的に示しにくい分野であっても、ジョブ型人事制度への移行やグローバルな環境での制度統一プロジェクトなど、革新的な取り組みへの参加経験は大きなアドバンテージになります。異文化チームでのプロジェクトリード経験なども、グローバル人事戦略が求められる今日の転職市場において、強力なアピールポイントとなるでしょう。自己の経験をただの業務実績と捉えず、経営への貢献度として捉え直し、効果的に訴求することが重要です。

人事転職でよくある質問と回答


ここからは人事転職でよくある質問と回答を3つご紹介します。

Q. 人事はどの企業にもあるため、志望動機の伝え方に悩んでいます。独自の志望動機をどのように伝えるべきですか?

A. 人事への志望理由は、特定の技術や製品を賞賛することに焦点を当てるよりも、企業の社会的役割やビジョンへの共感を表現することが重要です。人事として組織の成長に対する熱意や、社員が最大限のパフォーマンスを発揮するための施策へのエンゲージメントを強調すると、ポジティブな印象を与えることができます。

Q. 在宅勤務やフレックス制度の有無を面接で確認することは、ネガティブに捉えられないでしょうか?

A. 不明な点は、面接で確認することが肝要です。
働き方は転職を決める上で重要な要素であり、企業側も従業員の健康やライフスタイルと業務の効率化の両立を重視しているため、面接での働き方に関する質問は問題ありません。聞きにくい際はJACからも確認可能です。

Q. 現職を円満に退職できるかが不安です。どのように対応すれば良いでしょうか?

A. 円満退職の方法にお悩みの場合は、経験豊富な転職コンサルタントへご相談ください。JACには多数の支援実績があり、個々の状況に応じたサポートが可能です。円満な退職と新たなキャリアへの安心したスタートのために、お気軽にJACの転職コンサルタントにご相談ください。

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人事の転職成功事例


ここからは、ハイクラス・ミドルクラス層の人事の転職で成功した事例をご紹介します。

英語を武器に異業種転職、年収200万円アップを実現

医療系グローバル企業に勤めていたIさん(30代後半/男性)は、日系化学メーカーへの転職を成功。年収も950万円から1150万円にアップしました。
Iさんは帰国子女で、英語が堪能であることを武器に、これまでさまざまな業界のグローバル企業で人事としてのキャリアを積んできました。
優れたタレントマネジメントスキルとグローバルな経験が評価され、日系化学メーカーへの転職に至ります。
Iさんの希望は、英語を生かしながら、社員を大切にする企業で活躍することであったため、その希望を叶える企業として同社への転職を選びました。
ポジションも管理職候補で、年収は200万円アップ。即戦力としての役割が期待されています。

転職成功の詳細は下記にてご確認いただけます。

人事の転職成功事例|英語を武器に異業種転職、年収200万円アップを実現

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ハイクラス・ミドルクラスの人事転職ならJAC


JACのコンサルタントは、企業の採用責任者や経営陣と常にコミュニケーションしているため、変革期にある人事戦略の最新トレンドや組織文化、戦略方針の深層に至るまでの最新情報を入手しています。

求人票だけでは読み取れない、求人募集の背景や経営方針・戦略、現場の雰囲気などの情報も詳細にお伝えすることが可能です。

JACは、お一人お一人のキャリア観と価値観に応じて、それぞれの企業文化に適合した転職を実現させるお手伝いをいたします。どうぞお気軽にJACまでご相談ください。


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市場価値や転職動向の把握・企業ごとの選考対策は、JACのコンサルタントにご相談ください。


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年代・領域別人事の転職


20代・50代、IPO企業の人事転職について解説します。

20代の人事転職動向を解説


近年、HRBPやHRIS、D&Iなど、人事部門における新たな職種への需要が高まる中で、企業が求めるスキルや経験も変化しています。特に実務経験が少ない20代の方が転職してキャリアアップを目指すためには、近年のトレンドを把握する必要があります。
トレンド1:HRBPやHRIS、D&Iなどの需要が高くなっている
トレンド2:人的資本経営に注力する企業が増えている
トレンド3:従業員の定着率向上とDX人事の推進を担う人材が求められている

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50代の人事転職動向を解説


人事職の求人は全般的に増加傾向にあり、50代の方の採用事例も増えています。
中小規模の企業では、今後、国内外での事業拡大を図るにあたり、増員のための採用戦略策定、労務管理体制の整備、労務規程・人事制度の見直しなどの課題に取り組む企業が多数存在します。これらの課題解決を主導できる即戦力として、人事のスペシャリストや管理職クラスの求人が増加。また、人材流動が活発化するなか、ベテラン層が退職したあとを引き継ぐポジションの求人も一定数あります。

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IPO企業の人事転職動向を解説


人事職のキャリアの選択肢の一つに、「成長途上のスタートアップ、ベンチャー企業の組織体制を整える」という道があります。IPOを視野に入れ、あるいは組織拡大を目指して、人事スペシャリストの参画を求める企業は増えています。
人事職採用で重視される経験・スキルは、企業の成長フェーズによって異なります。急拡大を目指す企業においては、「採用」活動を主導できる方が求められ、50名~100名規模になると、中間マネジメントが増え、等級制度などが必要となるため、人事制度企画の経験が必要とされます。

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人事転職職務経歴書の書き方


人事転職の職務経歴書の書き方は下記記事をご覧ください。

人事の職務経歴書サンプルと書き方

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この記事を監修した転職コンサルタント

大村 薫子

大村 薫子

コーポレートサービスディビジョン マネージャー

入社以来、人事・総務・法務・広報などの職種に携わってきた経験から、求人票ではわからないニーズなどの情報もお伝えしながら、長期的にご活躍いただけるビジネスパーソンとしてのキャリアを一緒に検討いたします。ぜひお気軽にご相談ください。