【2024年下半期】転職市場・中途採用動向|15業界全業界が引き続き活況

  1. 転職市場

公開日:2021/08/13 / 最終更新日: 2024/11/07

2024年下半期の転職市場動向と中途採用の求人傾向をJAC Recruitment(以下、JAC)の転職コンサルタントが解説。

まず、15の業界別転職動向・中途採用動向を、それぞれの領域を専門とする転職コンサルタントが解説。 転職市場全体の傾向予測をJACプリンシパルアナリストの黒澤敏浩が解説します。

15業界別転職市場・中途採用動向:全業界が引き続き活況と予測


下記15の業界別転職動向を、それぞれの領域を専門とする転職コンサルタントが解説します。15業界中、12業界は中途採用動向は活況、3業界は横ばいから微増と回答しています。

※掲載されている数値は全て、JAC Recruitmentにてお預かりしている新規求人数を2024年1-5月と前年同時期で比較して算出しています。

■業界一覧

金融

金融業界の新規求人数を2024年1-5月期と前年同時期で比較すると、約150%で伸長。2024年の下半期も引き続き活況と予測されます。

現在、金融業界では就職氷河期世代の採用ができていないため、需要が高まっています。また、金融とIT/デジタル技術を組み合わせた新領域が成業しており、デジタル証券、Fintech、デジタル推進などが注目されています。

2024年に増加すると予測される求人の特徴として、ESG(環境・社会・ガバナンス)やダイバーシティ推進、IRコンサルティング、デジタル証券などの分野での経験や知識が求められています。特に、事業会社に対して各種サステナブル対応が求められる中、金融機関としての対応ニーズが増加しています。ESG投資やオルタナティブ投資関連のマーケットも顕著な成長が見られ、これらの分野での専門知識や経験を持つ方が求められています。

特に、下記のような方が求められています。

  • ●金融ペイメント領域や、金融とIT/デジタル技術を組み合わせた領域でのご経験
  • ●特にESG/オルタナティブ領域でのアセットマネジメント領域でのご経験
  • ●SDGs、サステナブルというキーワードに関わった業種・職種経験をお持ちの方

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Fintech

Fintech業界の新規求人数を2024年1-5月期と前年同時期で比較すると、約190%で伸長。2024年の下半期も引き続き活況と予測されます。

決済領域の企業では、ユーザーの取り込みとそのためのサービス拡充を引き続き行っていくため、増員が見込まれます。

金融機関領域の企業では、To C向けサービス拡充も含め、デジタル領域の知見・経験を持つ方の需要はますます高まっています。特にメガバンク及びグループ企業での2024年の採用計画は前年よりも大幅増の見込みです。

新たなサービス開発がユーザーの取り込みに直結するため、各社デジタル企画やプロダクト開発へさらに注力することが見込まれます。それと同時にセキュリティの強化も必要となるため、関連する求人数が増加していきます。

このような背景から、下記のような方が企業から求められています。

  • ●金融の知見を持たないが、デジタル領域の専門性を持つ方
  • ●デジタルの知見少ないが、金融についての専門性を持つ方

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自動車

自動車・部品業界の新規求人数を2024年1-5月期と前年同時期で比較すると、約140%で伸長。2024年の下半期も引き続き活況と予測されます。

自動車業界は、変革期でもあり、以前からある技術だけでなく、DX推進やカーボンニュートラル、ESG、モーター技術、パワーエレクトロニクスなど新しい領域に積極的に取り組んでいます。そのため、既存事業はもちろん、新しい領域を推進できる方が求められており、採用は活況です。また、多様性を取り入れるため、同じ職種の方であっても、他社・異業界からの採用を増やし、幅広い知見を増やしていく傾向が見られます。30代後半のハイクラス転職事例も増えています。

特に、ソフトウェア開発、通信技術・クラウドエンジニアなどの求人が多く、カーボンニュートラル関連の求人は、役職者を含めて求められています。

自動車業界は、規模も大きいため、下記のような方が求められています。

  • ●多くのステークホルダーを巻き込みながら新しいことを推進していけるマインドセットや経験を持つ方
  • ●新しい技術開発や事業を自分発信で進めてきた経験がある方
  • ●主導権をもって業務を推進してきた経験がある方

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製造業界

製造業界の新規求人数を2024年1-5月期と前年同時期で比較すると、約115%で伸長。2024年の下半期も引き続き活況と予測されます。

2023年は半導体市場がやや低迷していましたが、回復の見込みがあり、大手自動車企業は求人数を大幅に増やす予定となっています。採用が減少する企業はほぼなく、多くの企業が微増または増加する見込みです。

2024年にニーズが高まる求人としては、IT系エンジニアと機械・電気系エンジニアが挙げられます。

IT系エンジニアは、多くの企業で内製化の動きが進んでいるものの、社内に人材が不足しているため求人が増加。IT技術の蓄積を重視する企業も多くなっており、内製化は来年以降も続く傾向です。

機械・電気系エンジニアは市場に少なく、引く手あまたとなっています。学生の数も減少しているため、中途採用での補充が求められています。即戦力は引き続き求められていますが、第二新卒などの若手エンジニアと営業職も増加する傾向です。

IT知識はどの職種でもある程度求められますが、さらに下記のような方が求められています。

  • ●○○の専門家と言えるくらい、高い専門性を持つ方
  • ●物事に対して柔軟に対応できる力
  • ●多くのステークホルダーをまとめ、やり切る力

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Webサービス

Webサービス業界の新規求人数を2024年1-5月期と前年同時期で比較すると、約150%で伸長。ここ最近減少傾向だった求人数も回復し、増加傾向に転じています。

増加傾向とはいえ、以前のように未経験も含めた広い採用ではなく、一段ハードルの高い目線で採用をする企業が多く、より高いスキルや経験が求められています。

中堅・中小企業は引き続き活発な採用活動を行っており、スペシャリストや即戦力としての採用は継続される見込みです。

2024年は、Webサービス業界で生成AIを活用した求人のニーズが高まる傾向です。これは、事業転換期にある企業が次のビジネスモデルの構築に取り組んでいるためです。しかし、まだ社内に生成AIに関する知識や経験を持った社員が少ないため、外部からの採用が活性化しています。

広告とAIを組み合わせた効果的なマーケティング戦略を立案・実施するため、下記のような方が求められています。

  • ●広告×データの知見を持つ方
  • ●SQLやBIツールの活用経験
  • ●プロンプト系の経験を積まれている方

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ゲーム

2024年の下半期も変わらず活況です。

市場規模が右肩上がりのため、採用ニーズは高まっています。ゲーム業界では内製開発を強める企業も増えており、特にクリエイター職(企画職・エンジニア・デザイナー)の求人は増加。

一方で、外資系企業では本社の希望により求人を減らしている企業もあり、求人数には微増と減少の両方の傾向が見られます。しかし、引き続き採用ニーズは高い状況です。

2024年は中でも、PM(プロジェクトマネージャー)のニーズが高まります。

ゲーム業界のグラフィックがより高品質になり、開発規模も大きくなっているため、100人規模の進捗管理や外部とのやり取りを担当するPMが必要とされています。また、大手企業でもPM事業の立ち上げが増えており、PMの求人数は2-3年増加が続くと見込まれています。

ほかにも、内製化やAAAタイトルに携わっている経験を持つ方を求める傾向も強くなっています。

このような背景から、下記のような方が求められています。

  • ●大規模開発に携わった経験や予算感の高いゲームに携わった経験
  • ●100名以上の規模や5-10億の予算を持つプロジェクトに関与した経験
  • ●ゲームから派生するブロックチェーン・VR、NFTなどの新しい近辺領域へのアンテナが高い方

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外資IT

外資IT業界の新規求人数を2024年1-5月期と前年同時期で比較すると、約115%で伸長。2024年下半期も引き続き増加傾向にあります。

外資大手企業の採用抑制が2023年の秋頃まで続きましたが、現在は落ち着いています。アメリカの影響を受け採用抑制を実施していた企業も、業績は二桁成長しており、マーケットは成長。人材流動性も高い業界でもあり、ビジネスの拡大のため採用を増やすと考える企業も多いため、2023年よりも求人は増加すると予測できます。

特に、アカウントエグゼクティブ、プリセールス、コンサルタント、PMなどの職種で求人が増加すると予測。

営業職は、エンタープライズ企業へのハイタッチ営業・直販営業の経験、LOBへの提案経験、SaaSをはじめとしたソリューションや、データ連携周り、またインフラ・セキュリティなど、市場が活性化している領域ごとで親和性の高いご経験が求められます。技術職は、SaaSのソリューションの導入経験や、ネットワークやセキュリティ基盤の提案・導入経験が求められます。

マーケット特性もあり、下記のような方が求められています。

  • ●プロアクティブでコーチャブルなスタンスを持つ方
  • ●生成AIやチャットGPTなど新しい技術について知識習得されている方
  • ●アンテナを張っている方

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コンサルティング

コンサルティング業界の新規求人数を2024年1-5月期と前年同時期で比較すると、約190%で伸長。2024年下半期も引き続き活況です。

特に、コンサルタントの経験者の中でも、マネージャー以上やシニアコンサルタントクラスなど、より高いレベルを求められる傾向が高まっています。

例えば、IT戦略を考えるだけで終わらず、実行までできる能力を持った方。他にも、ERPやSAPなどの知識だけではなく、ERPとAIやデータなどを組み合わせた、付加価値の提供ができる方の需要が増加。

また、人的資本経営・サステナビリティやDXに関する知識や経験も重要視されています。

特にDXは企業にとって重要なテーマですが、まだ本質的な変革が進んでいないため、風土や組織の変革を実現できる方が求められています。 クライアント側の社員で対応できる企業も増えているため、豊富なコンサルタントの経験やプロジェクトのリードを期待できるスキル経験をベースとして、デジタルとの掛け合わせ提案や、既存事業を抜本的に変えられるマインドなどプラスアルファの付加価値が今後より求められます。

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エネルギー

エネルギー業界の新規求人数を2024年1-5月期と前年同時期で比較すると、同程度で推移。2024年の下半期も引き続き活況です。

国際エネルギー機関(IEA)によると、再生可能エネルギー就業人口は約1280万人と言われており、2030年には約3800万人に到達する見込みです。

日本国内でもGXリーグより、GXスキル標準が定義され、2050年のカーボンニュートラルに向けて着実に歩みを進めています。

推定からエネルギー業界での就労人口が世界的に増え続ける中で、脱炭素に向けたエネルギートランジションだけでなく、地政学リスクを考慮してエネルギーセキュリティにも関心が集まっています。

国際情勢を鑑み、日本の中で自給自足できるエネルギーの重要性も高まっています。

そのため、水素やアンモニアを活用した発電技術開発や蓄電所、CO2の見える化サービス、スマートシティ事業開発などあらゆる分野で積極的な投資が行われ、異業界からエネルギー業界の参入などが相次いでいます。エネルギー業界を取り巻く環境は常に変化を続け、業界変化に伴い中途採用ニーズが生まれています。

急拡大を続け、未経験の方の挑戦を受けて入れている業界です。特に、事業企画・事業推進、プロジェクトマネジメントができる方には多くの選択肢があります。

新ビジネスの組成において、0→1ベースのビジネスモデルを企画・実行できる方や、電力・小売りなどの事業立ち上げ経験が評価される傾向があります。

洋上風力発電関連を筆頭にプロジェクトマネジメントの求人では、土木・電気を含め、プロジェクト全体を取りまとめられる方が評価されています。

また、脱炭素オークションという新しい電力取引の市場が2024年から始まり、蓄電池・蓄電所の開発などのプロジェクトマネジメント経験や、電力取引の知見を求めるケースも徐々に増えています。

脱炭素の流れを受けてエネルギー業界は、変化をし続け、多くの雇用を生んでいます。

インフラ/エネルギー業界は世の中に対しての大きな影響力を持っており、脱炭素などの社会貢献性の高い業務に携わることができます。 世の中に大きな影響力を与えたい、脱炭素に貢献したい方の挑戦をお待ちしています。

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化学

化学業界の新規求人数を2024年1-5月期と前年同時期で比較すると、約95%とやや減少傾向です。

一部の企業ではここ数年で採用の充足率が高まったことに加え、昨今の決算状況から2024年の下半期は微増あるいは横ばいが予想されます。

ただ、化学業界全体が石油化学をはじめとする事業構造の転換や、新しい領域への投資が引き続き求められています。

特にニーズが高まる求人は、DX関連、SDGs関連、事業企画関連です。

DX関連の求人では、各社のDXのフェーズが進んできており、従来、求められていた研究開発におけるMI(マテリアルズインフォマティクス)や工場でのスマートファクトリー推進ではない、システム企画やデジタルマーケティングといった職種も求められるようになっています。

SDGs関連の求人では、社会的要請はもちろん、カーボンニュートラルなど事業に直結するテーマを抱えている化学産業のため、さまざまな側面で貢献するための求人が増加しています。

事業企画関連の求人では、既存事業に限らず、新規事業への投資も活発になっており、社内外で新たな事業機会を模索しているため、求人が増えています。

このような背景から、下記のような方が求められています。

  • ●DX関連:デジタルスキルと経験、職種によっては事業ドメインの知見、変革マインド
  • ●SDGs関連:常に改善や成長を追求する意識や姿勢、現状を打破する推進力
  • ●事業企画関連:専門性に加えて、社内外の巻き込み力や実行力、粘り強く取り組むマインド

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医療・医薬・バイオ

医療・医薬・バイオ業界の新規求人数を2024年1-5月期と前年同時期で比較すると、約105%で伸長。2024年の下半期は継続して、増加傾向です。

今後においても、下記に起因する求人は、引き続き増加すると予測しています。

  • ●外資の製薬企業のバイオファーマへの参入
  • ●アジア地域における製造拠点の確立
  • ●遅れていたDXの推進
  • ●ジェネリックをはじめとする医薬品の品質問題と、そこから派生する供給不足
  • ●政府の国策支援による、ベンチャー企業への投資活発化

加えて、異業種からの医療・医薬・バイオ業界への参入も活発で、幅広い職種での求人も増えていますので、注視してください。

製薬企業では医薬品の専門職全般が求められ、なかでも品質関連職種やサプライチェーンに関わる職種について採用活動が活発なほか、バイオファーマ参入に伴い、マーケティングやMRなどの求人が増加。

さらに、DXを推進できる方の需要も高まっています。

またベンチャー企業では、事業開発や専門職を軸に幅広い職種での求人が増えており、継続して高いニーズになると思われます。

医療業界は比較的安定している業界ですが、医療業界内での転職は活発であり、専門知識やスキルに加えて、将来を見通す力、それを実現しようとするチャレンジ精神などが求められます。 また、社会貢献性が高く、ポジティブで意義のある仕事であるため、世の中の課題を解決したいという意欲を持つ方には向いている業界です。

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建設・不動産

建設・不動産業界の新規求人数を2024年1-5月期と前年同時期で比較すると、約120%で伸長。

2024年の下半期の求人は増加傾向で、特にグリーンリノベーション・サステナビリティ(GRS)、特定用途物流(EV、半導体)、脱炭素などの領域で求人が増加傾向です。

それぞれの詳細は下記の通りです。

グリーンリノベーション・サステナビリティ(GRS)関連は、北米を中心にマーケットが盛り上がり、欧州への進出も活発化。北米や欧州にて住宅プロジェクトに携わった経験や、ASEAN諸国や豪州にて大型建築プロジェクトにエンジニアとして携わった経験が求められています。

特定用途物流関連は、EVや半導体の需要が拡大するに伴い、生産設備や特殊用途の物流施設の整備が急務に。デベロッパーやゼネコン、設計事務所などが、EVや半導体関連の建築プロジェクトに参画するため、それを担う方のニーズが高まり、生産設備や物流施設の開発や建築の経験者が求められています。

脱炭素関連は、不動産開発に伴うCO2排出が問題となっており、各企業が脱炭素の取り組みを推進。そのため、カーボンニュートラルやサステナビリティ推進に携わった経験を持つ方が求められています。特に、デベロッパーや大手住宅企業を中心に、森林事業に絡めたカーボンクレジットなどの新規事業が増え、それに伴う求人が増加しています。

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流通・外食・サービス

流通業界の新規求人数を2024年1-5月期と前年同時期で比較すると、約120%で伸長。2024年の下半期の求人は増加傾向です。

新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行後、円安によりインバウンド需要が急速に加速しており、この追い風を2024年も大きく受ける業界です。
外食は、これまで控えていた地方への新規出店を加速させる動きもみられます。これは、流通についても同様です。ただ、燃料や資材の高騰や2024年の物流問題など向かい風も見られます。そのため、この問題に取り組む方についての求人は今後増加していきます。

特に増えると予測している求人は、SCM(サプライチェーンマネジメント)やデジタルマーケ・Webマーケ・ITなどのデジタル関連求人、DXを推進するポジション、店舗開発、サステナビリティ推進担当の求人などです。

コンビニ・家電量販店・スーパーなどの流通業界では、多くの企業がEC経由での購入比率を上げるため、新規顧客の獲得から販促、CRMなどに注力。外食業界においても、店舗のCXを上げることが求められているため、どちらもデジタル関連求人が増加しています。また流通業界においては、企業側も物流側もCO2の削減が求められています。今後、事業を拡大する上でサステナビリティは必須なため、大手企業のサステナビリティ推進は活況です。

このような背景から、下記のような方が求められています。

  • ●SCMの経験者
  • ●データを活用したCRMやCX向上など、デジタルマーケティングの経験者
  • ●DX推進の経験者
  • ●経営企画などでESG領域のサステナビリティに関連した業務の経験者

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エグゼクティブ

2024年下半期のエグゼクティブにおける求人は、以下の領域で増加傾向です。

・企業価値向上に向けたSDGs領域

特に、サステナブル推進関連やDEI(Diversity, Equity & Inclusion)を意識したポジションの需要は、引き続き旺盛です。女性幹部の登用も注目され、企業の多様性を推進できる幹部候補が求められます。

・人的資本やガバナンス

昨今、人的資本の重要性が注目されており、企業は優れた人材を確保し、その能力を最大限に活かすことが求められています。そのため、人材資本など非財務領域の強化に向けた人事や経理財務については、コーポレート幹部として強化ポイントとなっています。
また、企業の経営陣や取締役会が適切な経営判断を行い、企業価値を最大化するため、ガバナンスの仕組みも必要です。ガバナンスの強化に向けた社外役員、なかでも女性社外取締役は強いニーズが続いています。

・海外戦略領域

コロナ後の海外戦略の加速に伴い、海外駐在や日本から海外をコントロールする幹部ニーズも継続しています。グローバルなビジネス展開において、異文化や異国のビジネス環境に対応できる方のニーズが高まっています。

・M&AやCVC(コーポレート・ベンチャーキャピタル)領域

M&A、CVCマーケットが活況であり、投資先や子会社のマネジメントにおける中核人材は、どの企業においてもひっ迫しています。特に、投資先や子会社のCFO(最高財務責任者)などが求められています。

・DXやデジタル領域

DXやデジタル化を推進する幹部ニーズは依然として強いです。テクノロジーの進化により、企業のデジタル化が急速に進んでおり、その中心となる方の需要が高まっています。

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管理部門

管理部門領域の新規求人数を2024年1-5月期と前年同時期で比較すると、約130%で伸長。2024年の下半期の求人は引き続き活況です。

特に、サステナビリティ関連、タレントマネジメント、FP&A(管理会計)、SAP導入等のシステム関連の求人は増加する見込みです。

また、上場している企業がSDGsへの取り組み強化を求められることから、サステナビリティとダイバーシティに関連する求人が増える予測です。具体的には、コーポレートとしてのESGやサステナビリティ関連を外部へ発信する広報職や、人事職におけるダイバーシティやタレントマネジメントに関する求人が増加すると予想されます。

これらの求人が増える理由は、事業転換期にある企業が次のビジネスモデルの構築に取り組んでいるためです。しかし、まだ社内に関連知識や経験を持った社員が少ないため、キャリア採用が活性化しています。

これらの背景から、下記のような方が求められています。

  • ●事業会社での実務経験
  • ●コンサルティングファームでの経験

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2024年下半期全体の転職市場トレンド


2024年下半期の全体的な転職市場のトレンドとして、下記3点が挙げられます。

トレンド①転職市場は引き続き活況。「攻めの戦略」「事業変革」がキーワード

2024年下半期の中途採用市場は、2023年以上に活発化すると予測できます。

国内外の株価は過去最高水準にあり、企業は強気のマインドで攻めの戦略を打ち出しやすくなっています。

自動車業界をはじめ製造業が好調で、日本政府が国内生産体制強化を後押しする半導体業界、カーボンニュートラル実現に向けて注目が高まる再生可能エネルギー業界など、多様な分野で求人数が増加傾向です。

また、海外マーケットの開拓、新分野・新業態への進出、DX(デジタルトランスフォーメーション)など「事業変革」も加速しています。特に新規事業創出に際しては、自社にない知見・スキルを外部から取り入れる必要があります。世の中の動きがはやいため、自社で育成するよりも、経験者を採用してスピーディに立ち上げたいニーズが2024年以降もさらに高まることが予想されます。

トレンド②企業間の給与水準に格差。賃上げ企業は12%アップの事例も

過去20~30年の間、日本の賃金水準は各社ほぼ横並びで、大きな上昇もなく推移してきました。ところが、直近2年ほどのインフレを背景に、賃上げを実施する企業が増えてきています。しかも上げ幅が大きく、6%アップ、中には12%アップといった事例も見られます。これにより、同業界・規模の企業間に格差が生じてきています。

賃上げを行う企業の特徴としては、業種は問わず、業績が好調であること、それも一時的な好調ではなく5年~10年スパン、あるいは20~30年スパンで好業績を維持できる自信を持っていることが挙げられます。また「人的資本経営」への意識が高く、人への投資を重要視している傾向が高いです。

このように給与水準に格差が生まれてくると、働く方々にとっては転職によって収入アップを図るチャンスが広がります。また、給与水準がその企業の将来性をはかる指標の一つとも言えます。

一方、ベースアップだけでなく、職種・ポジションに応じた報酬体系を整える動きも以前から出てきています。たとえばITエンジニアのポジションでは、既存の給与テーブルに縛られない賃金表を適用するといったケースも増えており、この流れは今後も続いていくことが予想されます。

トレンド③あらゆる業種・職種の業界で、採用意欲が高まる

これまでの傾向として、IT業界の採用意欲の高さが目立っていました。その傾向は、長期のトレンドとして続いていきます。しかし、2024年はIT業界だけでなく、採用意欲が高い業界が多方面に分散する傾向が見られています。

JAC を通じて転職を果たした方のデータを、2022年と2023年で比較してみると、製造業やコンサルティング業界、消費財業界などで転職した方の割合は増加しています。

つまり、ニーズが高いIT関連職種にとどまらず、多様な業種・職種の方々に転職の可能性が広がっていると言えます。なお、転職を検討する方はご自身が経験してきた業界内で求人を探す傾向がありますが、先述のとおり、さまざまな企業が新分野への進出を図っているため、異業界でご自身の経験・スキルが生かせる可能性も高まっています。

実際、JAC では、求職者の方ご自身が想定していなかった求人の選択肢をご提案し、転職成功に至るケースが多数あります。転職を検討されるなら、ぜひ幅広い業界に視野を広げてみることをお勧めします。

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自分に合った転職先を一つ見つけることが重要


ミドル・ハイクラスの転職において重要なのは、自分にあった転職先を「たった1つ」見つけることです。

その「たった1つ」を見つけるためには、企業のことをよく知り、求人の背景をよく理解できている人と直接話をする、メールで相談するなどして情報を収集することが大切です。

JACのコンサルタントは、採用企業と転職ご希望者の両方をひとりが担当する「コンサルタント型」というスタイルを取っています。そのため、JACのコンサルタントは常に企業の新しい情報や、必要とされるポジションに関する情報を日々アップデートしています。

転職したい業界の市場動向が少しでも気になりましたら、お気軽にJACのコンサルタントにご相談ください。

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【この記事を監修した転職コンサルタント】黒澤 敏浩

プリンシパルアナリスト

ホワイトカラー中途採用マーケット分析の専門家。人材サービス産業協議会外部労働市場賃金相場研究会委員。JAC リクルートメント グループ各国から集計した、グローバルな中途採用関連データに基づくリアルな分析が、各方面で好評を博している。東京大学法学部卒業後、JACリクルートメント入社。コンサルタントを経て、自社の人事、広告、広報、内部監査、事業企画などを担当し、現職。日本人材マネジメント協会執行役員。日本証券アナリスト協会認定アナリスト。

転職市場やご自身の市場価値を把握することが、転職成功への第一歩です。
JACのコンサルタントは、業界に特化した企業専任コンサルタントです。

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