MRのニーズが高まっている現在、求人数の増加にともない50代MRの方々も転職を実現されています。
50代MRの転職動向、求められる経験やスキル・マインド、年収相場、ほか年代とは異なる転職成功のポイントなどについて成功事例も含めながらJAC Recruitment(以下、JAC)のヘルスケア業界専任のコンサルタントが解説します。
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50代MR転職は難しいのか?現状と求人の傾向
「新薬のローンチ」「オンコロジー領域を中心とした新組織立ち上げ」「外資系製薬メーカーの日本法人立ち上げ・拡充」などを背景に、MRの採用が活発です。
MR経験者のニーズが高まるなか、50代の転職事例も見られます。50代のMRの方々は、ほか年代と比較すると日系の中堅・中小製薬メーカーへ転職する割合が高い傾向にあります。日系中堅・中小製薬メーカーでは、若手層を育成する体制が整っていないことも多く、即戦力となるベテラン層を採用ターゲットとしているからです。採用背景は、「営業組織の強化」が多くを占めますが、なかには特定エリアの「欠員補充」を目的とする求人もあります。
このほか、CSOへ契約社員のコントラクトMRとして転職するケースも見られます。一方、管理職経験者の方はマネジメントポジションに転職している事例もあります。
50代のMR転職で求められるスキルや経験・マインド、アピールすべきポイント
年代を問わず、MR採用で求められることが多いのは以下の経験です。
● オンコロジー・希少疾患・免疫関連の領域経験
● 大学病院の担当経験
● KOLの担当経験
このほか、50代のベテラン層の選考では、「メンバーの育成」「マネジメント(営業所長・支店長など)」も評価のポイントとなります。
また、即戦力となるベテラン層を採用対象としている中堅・中小メーカーの場合、入社後に担当する「エリア」を熟知していることを重視するケースも多く見られます。
50代にして初めての転職となる方々に対しては、新しい環境や扱ったことがない製品に対しても、柔軟に適応していこうとするマインドが求められます。
選考に臨む際は、これまでの活動で、自ら企画して行動を起こした経験、部下やメンバーをリードした経験など、「主体性」「自走力」を次の会社でも発揮できることをアピールするといいでしょう。
50代MRの年収相場は600~1,200万円
50代のMRの方は、後発品を取り扱う日系の中堅・中小メーカーに転職するケースが多く、その場合、年収相場は600万~700万円ほどです。管理職ポジションであれば、900万~1,200万円ほどの幅があります。
一方、機会としては少ないですが外資系メーカーのMR(非管理職)の場合は、800万~1,000万円が相場です。外資系企業での新組織立ち上げなどに際し、マネジメント経験を生かして部長クラス・支店長クラスに転職する場合は、1,500万~2,000万円に達するケースも見られます。
50代MRの転職理由

50代MRの方々が転職を検討する理由として、最近多いのが「早期退職」です。現職で早期退職募集の対象となったことを機に、「手を挙げるかどうか迷っている」、あるいは「手を挙げる決意をしたので、転職先を探したい」と、転職エージェントに相談されるケースが多数あります。
50代MRの選択肢
転職先に求める条件としては「年収を維持したい」という希望が最多。しかし、そのハードルは高いのが実情です。大手製薬メーカーを退職した50代MRの方々の選択肢は、多くの場合、日系の中堅・中小メーカーもしくはCSOのコントラクトMRとなります。それらの企業はもともとの年収水準が低めであるため、年収ダウンは避けられないのが実情といえるでしょう。
一方、家族との時間を大切に考え、「エリアを固定して働きたい」という声も多く聞かれます。早期退職制度を利用する場合、退職金を上乗せで支給されることから、「年収額にはそれほどこだわらず、エリアの希望が叶えばよい」という方も多く見られます。
とはいえ、管理職経験がある方は、タイミング次第ではマネジメント経験を生かせる求人に出合い、1,000万~1,500万円の年収帯で転職できる可能性があります。
異業種への転職の可能性について

50代MRの方が、異業種に転職することは可能です。MR経験と親和性がある分野として、「医療機器」の営業や営業組織のマネジメントポジションに転職している事例があります。
ほかにも異業種の営業に移るケースはありますが、比較的自由度が高いMRの働き方と比較するとギャップを感じ、「やはりMRに戻りたい」と希望する方も少なくありません。異業種への転職を検討する場合、働き方の違いを理解し、活動のイメージを明確につかんだうえで判断することが重要です。
レアケースではありますが、損害保険会社の事故受付のオペレーション業務に転職された事例もあります。業界経験問わず幅広い層に門戸を開いている採用ポジションであり、業界の年収水準が比較的高めであること、全国に拠点があり勤務地の希望が叶いやすいことなどから、納得して選択されたようです。
50代のMR転職を成功させる4つのポイント
50代のMRの方々が転職を成功させるために意識しておきたいポイントをご紹介します。
成功事例は「具体的エピソード」を交えて伝える
50代のベテラン層となると、より「即戦力性」が期待されます。そのため、面接担当者が「入社後にすぐ活躍してもらえそうだ」とイメージできるようなアピールをすることが重要です。
これまでの活動での成功事例について、まず「成果」を伝えたうえで、どのようにアプローチしたかという「プロセス」「成功要因」を話し、最後に再び「成果」を伝えることをおすすめしています。「なぜその成果を挙げられたか」を言語化し、具体的なストーリーを語ることで、「自社でも再現してくれそう」と思ってもらえる可能性が高まります。
そして、成功エピソードを「自慢話」のように話すのではなく、謙虚な姿勢で「その企業にどのように貢献できるか」という観点で話すことを意識してください。
なお、面接で語る成功体験が何年も前のものであった場合、「現在は通用しない」と思われる恐れがあります。「コロナ禍以降の活動」を問われることもありますので、直近の成功体験を伝えてください。コロナ禍中は管理職を務めていて、MR活動にブランクがある場合は、自分なりに「今ならこのような活動が有効だと考えます」というイメージを持っておき、面接で伝えられるようにしておきましょう。
志望企業を研究し、入社意欲を伝える
企業が選考で注目するポイントは「経験」「実績」だけではありません。「入社意欲」「意気込み」も重視しています。これらを示すためには、まず「企業研究」に力を入れてください。複数企業に応募していると、1社1社の研究がおろそかになってしまうことがあるため、注意が必要です。
応募企業の業界内での立ち位置、目指す方向性などを理解したうえで、自分なりに仮説を立て、どのようにコミットしていくかを言語化して伝えてください。
現実的な条件を受け入れる「覚悟」を決める
50代での転職となると、年収面など、希望条件をそのまま叶えることが難しい現実があります。その現実を受け入れ、年収ダウンなどのリスクを許容する覚悟を決めることも大切です。希望に合う条件の求人は、待っていれば出てくるものとは限らず、どこかで覚悟を決めなければ転職活動が長引いてしまう可能性があります。そうして年齢を重ねるほど、選択肢はさらに狭まり、状況はさらに厳しくなっていきます。
希望条件に合わない求人であっても、面接を受けてみると「この部分は希望に合っている」「この点には魅力を感じる」といった部分を発見できることもあります。「早期の転職実現」を目指し、決断時期や条件を定めて行動を起こしていくことをおすすめします。
「人脈」も活用する
50代の方となると、人脈も築いていらっしゃることと思います。実際、知人を通じて転職を果たす方は少なくありません。転職エージェントから求人情報を入手する一方で、知人にも積極的に声をかけてチャンスを探ってみてはいかがでしょうか。
50代のMR転職で多い質問と回答
50代MRの方から最もよく聞かれるのは以下の質問です。
Q.50代でも転職先はあるのでしょうか?
A. ほかの年代と比較すれば、選択肢が少ないことは否めません。しかし、MR採用においてベテラン層を求める企業、マネジメント経験を求める企業もあり、実際に50代の方が採用されている事例は多数あります。条件にこだわり過ぎなければ、転職先が見つかる可能性があるでしょう。
50代の方となると、MR活動以外に本社業務や他部署を経験したこともあるかもしれません。そうした経験が生かせるケースもあります。
50代MRの転職成功事例
50代で転職を実現したMRの方々の事例をご紹介します。
過去に接点があった企業にアプローチし、採用に
Tさん(男性/50代前半)
業種 | 職種 | 年収 | |
---|---|---|---|
転職前 | 外資系製薬メーカー | MR | 1,100万円 |
転職後 | 日系製薬メーカー | MR | 800万円 |
Tさん(50代前半/男性)は複数社でMRを経験し、部長職も経験していた方。直近は外資系グローバルメーカーでMRを務め、本社と連携して大学病院やKOLも担当していました。早期退職者募集が行われたのをきっかけに転職活動を開始。しかし、複数社に応募しても書類選考での不採用が続きました。
そこで、コンサルタントから「これまでのMR経験で築いた人脈を通じ、さまざまな企業のお話を聞く中で、気になっている企業などありますか」と質問。Tさんから数社の企業名が挙がりました。そのうちの1社が日系製薬メーカー・A社。Tさんが現職より前に所属していた企業にて協働していた企業で、当時協業した部長は、現在役員。「あのような方と一緒に仕事がしたい」と、A社を挙げたのでした。
A社からJACにMR求人は寄せられていませんでしたが、コンサルタントからA社にアプローチし、「こういった方がいます」とTさんのプロフィールを紹介。面接が組まれ、MRとして採用に至りました。前々職時代にA社の製品や組織を理解しており即戦力として活躍できること、メンバー育成に注力していた経験、そして物腰柔らかなお人柄が高く評価されたのです。また、A社は新規分野の開拓に取りかかるフェーズにあり、Tさんが前職で新規事業を経験していたことにも期待が寄せられました。
転職事例の詳細は下記をご覧ください。
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50代MR転職事例|外資系メーカーから日系メーカーへ
Tさん(男性/50代前半) 業 種 外資系製薬メーカー 日系製薬メーカー 職種 MR MR 年 収 1,100万円 800万円 早期退職を機に転職活動。しかし、なかなか選考が進まず…… 複数社でMRを経験し、直近は外資系… 続きを読む 50代MR転職事例|外資系メーカーから日系メーカーへ
経験が生かせて、希望勤務地が叶うCSOに再就職
Oさん(男性/50代半ば)
業種 | 職種 | 年収 | |
---|---|---|---|
転職前 | CSO | コントラクトMR | 700万円 |
転職後 | CSO | コントラクトMR | 570万円 |
Oさん(50代半ば/男性)は日系大手製薬メーカーを早期退職後、CSOに契約社員として転職。契約の満了により離職し、再就職先を探していました。希望は「製薬メーカーのMR」。また、親の介護を視野に入れ、「実家に帰りやすいエリアでの勤務」も条件の一つでした。
しかし、製薬メーカーでは採用とならず、再びCSOに目を向けることに。結果として、これまでの経験がフルに生かせることにやりがいを見いだされ、勤務の希望も叶えられることから、納得してCSOへの転職を決意されました。
もともと「安定性」を求めてメーカーを希望したOさんでしたが、CSOでのプロジェクトが終了しても、JACが次の求人をご紹介するという長期のサポートをお約束し、安心いただけたようです。
50代のMR転職ならJAC
50代で転職活動をするMRの方々は、1社のみの経験、あるいは前回の転職から長い期間が経っているケースが多いものです。転職活動をしようにも「何から始めればいいか、どのように進めればいいか分からない」という方々に、JACでは転職活動の流れのご説明、応募書類の書き方のアドバイスから始めているため、安心感をもってスタートしていただけます。
また、転職をまだ決意しておらず、「早期退職に手を挙げるかどうか迷っている」といった場合も、お気軽にご相談ください。お話を伺った結果、「今の会社にとどまった方がいい」とお伝えすることもあります。対話を通じてご自身の考えを整理するため、あるいはキャリアの棚卸しをして自身の強みを言語化するため、JACのコンサルタントのサポートをご活用ください。