ファシリティマネジメントの転職事情|仕事内容や年収、動向を解説

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公開日:2025/03/28 / 最終更新日: 2025/03/28

施設の建物や設備を総合的かつ戦略的に管理するファシリティマネジメントという考え方が、近年、多くの企業から注目を集めています。ファシリティマネジメントにはさまざまな役割が求められますが、具体的にはどのような業務を担うこととなるのでしょうか。

今回は、ファシリティマネジメントへの転職を検討されている方のために、ファシリティマネジメントの具体的な仕事内容や年収、転職時に必要な資格、最新の求人情報などについてご説明します。

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ファシリティマネジメントとは


ファシリティマネジメントの概要について簡単にご説明します。

ファシリティマネジメントとは

公益財団法人日本ファシリティマネジメント協会では、ファシリティマネジメントを「企業・団体などが組織活動のために、施設とその環境を総合的に企画、管理、活用する経営活動」と定義しています。ファシリティとは、建物や土地、施設内の設備、備品などを指し、これらを最適化するための総合的な管理業務をファシリティマネジメントといいます。

かつての日本では、「スクラップ&ビルド」という言葉があったように、古くなった建物を壊して新たに建てる考え方が主流でした。しかし、バブル崩壊後の経済停滞により、資金調達が難しくなり、スクラップ&ビルドを繰り返すことができなくなりました。そのため、既存の建物や設備を最大限に活用し、運用にかかるメンテナンスコストを最適化するファシリティマネジメントが注目を集めるようになったのです。

ファシリティマネジメントとプロパティマネジメントの違い

ファシリティマネジメントは、施設や設備、環境の管理を行う業務であるのに対し、プロパティマネジメントは、オーナーに代わって行う物件の資産価値を高めるための管理業務全般を指します。つまり、ファシリティマネジメントは利用者の快適さや効率性を重視し、プロパティマネジメントは資産の価値向上を目的としています。

ファシリティマネジメントとビルマネジメントの違い

ビルマネジメントは、清掃や衛生管理、防犯・防災対策、修繕計画の作成などを行うことで建物の維持を目指す、総合的な運用・管理業務です。一方、ファシリティマネジメントは、施設全体の運用コストや効率性を考慮し、より戦略的なアプローチを取ります。

ファシリティマネジメントとアセットマネジメントの違い

アセットマネジメントとは、投資家やオーナーに代わり、不動産を管理し、収益を最大化する資産管理業務です。ファシリティマネジメントは、運用の効率化や利用者の満足度向上を目指すことに対し、アセットマネジメントは財務的な視点から資産価値を高めることに焦点を当てています。

ファシリティマネジメントの仕事内容


ファシリティマネジメントは、土地や建物、設備などの管理業務を担当するため、業務範囲は非常に広く、仕事の内容も多岐にわたります。ファシリティマネジメントの主な仕事内容をご紹介します。

建物や設備の管理

施設の運用コストを低減することは、ファシリティマネジメントにおける重要な業務の1つです。そのため、建物や設備を長持ちさせるために専門業者に依頼し、定期的にメンテナンスを実施します。これにより、施設の劣化や設備の故障を防ぎ、修繕にかかるコストを低減しつつ、資産価値を維持します。

利用者の快適性を高める環境の整備

施設の利用者が快適に施設を利用できるよう、環境を整備することもファシリティマネジメントの業務です。例えば、商業施設の場合、古くなった部分のリノベーションを計画し、集客をしやすい環境に整えることが求められます。また、防災・防犯対策の強化も、利用者の安全性を高めるために必要です。

省エネ化の促進

施設の運用コストを抑えるためには、省エネ対策も欠かせません。照明や空調などにエネルギー効率の良い機器を採り入れたり、エネルギーの使用状況をデータ解析し、最適なエネルギー消費を目指します。これにより、コスト削減と環境への配慮が同時に実現します。

プロジェクト管理

オフィスの移転やフロアの改修時には、従業員が快適に仕事をできるように、移転やリニューアルの計画を立案し、関係者との調整や契約の締結、什器や設備の導入などを一貫して担当します。このプロセスを通じて、企業の生産性を向上させることが求められます。

ファシリティマネジメントの平均年収


ファシリティマネジメントの仕事は業務内容が幅広く、所属する企業によって求められる役割が変わるため、年収のばらつきが大きくなる傾向にあります。

JACがサポートした事例では、ファシリティマネジメントの平均年収は約750万円前後です。また、ボリュームゾーンは600万円~900万円となっています。
※当社実績(2024年1月~2024年12月)より

一般的なファシリティマネジメントの平均年収は500~600万円程度といわれていますが、経験やスキルによっては大幅に変動する可能性があります。

<年代別の平均年収>

年代年収
20代350万円~500万円
30代400万円~600万円
40代550万円~800万円

このように、年齢とともに経験が蓄積されることで年収が増加する傾向が見られます。特に40代に入ると、年収の幅が広がり、スキルや役割に応じて高い収入を得ることが可能です。

ファシリティマネジメントの最新転職・求人情報


ファシリティマネジメントの求人にはどのようなものがあるのでしょうか。JACが取り扱うファシリティマネジメントに関連する求人情報から一部をピックアップし、ご紹介します。

  • 【東証プライム上場/業界トップクラス 総合住宅設備機器の製造販売会社】:ファシリティマネジメント【勤務地:大阪】
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  • ●大手金融機関:ファシリティマネジメント【勤務地:大阪・東京】
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  • アズビル株式会社:【総務部】ファシリティマネジメント・防災・BCP・リスク対策【勤務地:東京】
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  • ●株式会社インデックスファシリティーズ:ファシリティマネージャー【勤務地:神奈川・東京】
     >詳細はこちら
  • ●国内No.1 半導体製造装置メーカー:工場ファシリティマネジメント【勤務地:山梨】
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  • 大手不動産会社グループ:ファシリティマネジャー【勤務地:大阪】
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  • 非公開企業:【店舗開発部/店舗開発担当】業界注目のスーパーの関西拠点立ち上げに参画/残業10h程度【勤務地:大阪】
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  • ●株式会社村田製作所:生産工場内での工事手配および管理※海外拠点への出向候補【勤務地:福井】
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  • ●大手インターネット企業:不動産管理運営業務【勤務地:東京】
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  • ●ミネベアミツミ株式会社:藤沢施設課 施設管理<藤沢工場>【勤務地:神奈川】
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  • ●株式会社シマノ:自社建屋の施設管理(プライム上場/アウトドアスポーツ用品メーカー/自己資本比率90%/雇用環境◎)【勤務地:大阪】
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  • ●日系上場大手グループ会社 オフィスビル中心とした工事管理会社:プロジェクトマネジメント(オフィス移転)【勤務地:東京】
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※求人の募集が終了している場合もございますので、ご了承ください。(2025年3月最新)

ファシリティマネジメントに求められるスキルや経験


ファシリティマネジメントの仕事に求められるスキルや経験をご紹介します。

ビルマネジメントや建設施工管理の経験

ファシリティマネジメントは施設の管理を行う業務であり、ビルマネジメントの経験がある方は、その実務経験を生かすことができます。また、ファシリティマネジメントでは修繕計画や移転計画に関わるケースも多いため、建築施工管理の経験も役立ちます。

コミュニケーション能力

ファシリティマネジメントでは、社内の他部門や外部の業者など、さまざまな人と関わる機会が多くなります。そのため、業務をスムーズに遂行するためには、高いコミュニケーション能力が必要です。

設備やエネルギー消費などに関する知識

施設内の設備のメンテナンスを行う上では、設備の保守に関する知識が求められます。また、エネルギー消費に関する知識や、防犯・防災に関する知識も必要です。

コスト管理や経営に関する知識

ファシリティマネジメントは、施設の運営コストと収益の最適化を目指す役割を担っているため、コスト管理の意識はもちろん、経営的な視点も必要になります。

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ファシリティマネジメントへの転職に生かせる資格


ファシリティマネジメントの仕事に必須の資格はありませんが、次のような資格をもっていると転職を優位に進められる可能性があります。

認定ファシリティマネジャー(CFMJ)

公益財団法人日本ファシリティマネジメント協会が主催する資格で、ファシリティマネジメントに必要な専門的知識やスキルを証明します。試験合格後に登録申請をすると、5年間認定ファシリティマネジャーとして認められます。取得しておきたい資格です。

認定ファシリティマネジャーは5年ごとの資格更新が必要で、更新のためには講習受講が求められます。また、2025年4月より、登録時に必要だった2年間のファシリティマネジメントとしての実務経験は不要となります。

公益財団法人日本ファシリティマネジメント協会「認定ファシリティマネジャー(CFMJ)資格試験案内」

建築設備士

空調、換気、給排水衛生、電気などの建築設備に関する設計や工事監理についての専門的な知識とスキルをもつことを認める資格です。大学や短期大学、高等学校、専修学校等で建築、機械、電気などの課程を修了した人、または一級建築士などの資格取得者で実務経験がある人が受験可能です。

建物の施工や管理についての知識も必要になるため、建築設備士の資格をもっていると仕事に役立つ可能性があります。

公益財団法人建築技術教育普及センター「建築設備士試験」

ファシリティマネジメントになるには


ファシリティマネジメントの求人は、ほかの職種に比べるとそれほど多くはありません。しかし、JACが取り扱っている求人を見てみると、不動産管理会社やメーカーなど、ファシリティマネジメントを募集する企業は多岐にわたります。そのため、募集企業によってファシリティマネジメントに求められる役割が異なるため、業務内容も変わる可能性があります。

転職にあたって、ファシリティマネジメントとしてどのような業務を担当したいのか、具体的なイメージをもっている方もいらっしゃるでしょう。しかし、個人での転職活動では、ファシリティマネジメントの業務内容を求人サイトの情報だけで把握するのが難しいこともあります。そこで、ファシリティマネジメントへの転職を検討されている方には、転職エージェントへの相談を強くおすすめします。

求人募集を行う企業の中には、求人サイトに情報を掲載せず、信頼できる転職エージェントのみに求職者の紹介を依頼しているケースもあります。転職エージェントは、求人の内容だけでなく、求人企業の雰囲気や求める人物像まで詳細に把握しているため、より理想に近い求人を紹介してもらえる可能性が高まります。

JACでは、ファシリティマネジメントを募集するさまざまな企業への紹介実績があります。ファシリティマネジメントへの転職を検討されている方は、まずはJACにご相談ください。

ファシリティマネジメントのキャリアパス


ファシリティマネジメントのキャリアパスとしては、次のような方向性が考えられます。

大きなプロジェクトの責任者を目指す

ファシリティマネジメントに必要な知識やノウハウを身に付けることで、大規模プロジェクトの責任者を目指すことが可能です。オフィス移転などの際には、土地や物件の選定、工事業者の選定、見積評価、移転スケジュールの管理などを一貫して担当することになり、大きなやりがいを感じることができるでしょう。このキャリアパスは、さまざまな経験を積み、専門性を高めたい方におすすめです。

マネジメント職を目指す

ファシリティマネジメントの部門を統率するマネジメント職を目指す選択肢もあります。メンバーの育成にも力を入れながら、組織としての目標達成を目指す役割です。個人としての成功よりもチームの成功に喜びを感じる方や、スタッフの育成に関心がある方には、マネジメント職を目指すのが良いでしょう。

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ファシリティマネジメントの転職事例


JACでは、これまでファシリティマネジメントへの転職希望者を多数サポートしてきました。その中から、30代前半の男性の転職事例をご紹介します。

Iさん(男性/30代前半)

業種職種年収
転職前ビルマネジメント会社ビルマネジメント600万円
転職後不動産会社ファシリティマネジメント650万円

Iさんは、宅地建物取引士や建築物環境衛生管理技術者、第二種電気工事士など、さまざまな資格を保有し、防災センターでの設備管理やオフィスビルにおけるビルマネジメントの経験をもっていました。ビルマネジメントに携わってきたものの、オーナーの意向に沿ってビルを管理するのではなく、オーナー側の立場から能動的に物件管理に関わりたいとの考えから転職を決意。

JACから、自社グループの店舗やオフィスビルなどの管理運営に携わるファシリティマネジメントに加え、コンストラクションマネジメントにも携われる求人をご紹介し、見事、採用となりました。

現在、グループ内の各部署と調整しながら、ゼネコンや管理業者との折衝を担当し、新たな環境でやりがいをもって業務に取り組んでいらっしゃいます。

ファシリティマネジメントの転職なら、JAC Recruitmentへ


建物をメンテナンスしながら、長く利用するファシリティマネジメントの考え方が浸透する中、施設の適切な管理や運用を実現するファシリティマネジメントのニーズは今後も増加すると考えられます。ファシリティマネジメントは、グループや自社が保有する施設の管理を行う場合もあれば、クライアントが保有する施設の管理を任されるケースもあります。

ファシリティマネジメントへの転職をお考えの際には、どのような立場でファシリティマネジメントに携わりたいのかを明確にし、理想のキャリアを実現できる求人を選ぶことが重要です。

JAC Recruitmentでは、ファシリティマネジメントに詳しいキャリアアドバイザーが転職者の悩みや希望にしっかり寄り添いながら、転職活動を力強くサポートします。ファシリティマネジメントへの転職をご希望の方は、お気軽にご相談ください。

この記事の筆者

株式会社JAC Recruitment

 編集部 


当サイトを運営する、JACの編集部です。 日々、採用企業とコミュニケーションを取っているJACのコンサルタントや、最新の転職市場を分析しているJACのアナリストなどにインタビューし、皆様がキャリアを描く際に、また転職の際に役立つ情報をお届けしています。




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