設備施工管理の転職事情|仕事内容や年収、動向を解説

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公開日:2025/03/10 / 最終更新日: 2025/03/17

設備施工管理は、建設業界において欠かせない重要な職種です。建築物の品質や安全性を確保し、プロジェクトを円滑に進める上で中心的な役割を果たします。近年、都市開発や再開発が活発化する中、設備施工管理の需要は高まっており、業界でのスタッフ不足も顕著です。

また、技術革新やデジタル化の波を受け、従来の管理手法に加えて新しいスキルも求められるようになってきました。このような背景から、設備施工管理は将来性のある職種として注目を集めています。

ここでは、JAC Recruitment(以下、JAC)コンサルタントが、設備施工管理とはどのような職種なのか、仕事内容や年収、最新の転職・求人情報などをご紹介します。

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設備施工管理とは?


設備施工管理は、建設業界においてどのような役割を担うのでしょうか。ここでは、設備施工管理がどのような職種なのか、設備管理との違いもふまえて解説します。

設備施工管理とは

設備施工管理は、ビルや商業施設などの建物において必要な設備の工事を管理する職種です。具体的には、以下の設備工事の管理を行います。

  • 機械設備(エレベーター、エスカレーター、プラント設備など)
  • 電気設備
  • 配管設備
  • 通信設備
  • 空調設備
  • 消防設備

設備施工管理と設備管理の違い

設備施工管理設備管理
主な業務建物の設備工事の管理完成した建物の設備の維持管理
業務時期建設工事中建物完成後
具体的な作業工事の品質・安全・原価・工程管理設備の点検、修理、改修
目的高品質な設備を工期内に完成させる設備を問題なく運用し続ける

設備施工管理は、建物の建設段階で設備工事を管理する職種であり、工事が滞りなく進むよう現場を管理し、高品質な設備を実現することが主な役割です。一方、設備管理(ビルメンテナンスなど)は、完成した建物の設備が効率よく活用できるように維持管理を行う職種です。日々の点検や簡単な修理・改修などを担当し、建物の長期的な運用をサポートします。

つまり、設備施工管理は建設時の一時的な管理を行い、設備管理は建物のライフサイクル全体にわたって継続的な維持管理を行う点が違いです。

設備施工管理の仕事内容


設備施工管理の主な仕事内容は、以下のとおりです。

  • ●品質管理
  • ●安全管理
  • ●原価管理
  • ●工程管理
  • ●設備工事の監督と指導

ここから、それぞれの内容について解説します。

品質管理

品質管理は、設計図書や規定の基準に基づいて、工事で使用する材料や寸法、完成した設備が基準を満たしているかを確認する重要な業務です。定期的な品質検査を実施し、問題が発見された場合は迅速に対策を講じなくてはなりません。

品質管理を実施することで、建築物やインフラ設備の品質を確保し、長期的な機能性と安全性を担保します。工程管理や出来形管理とも連携して行われ、工事全体の品質向上に貢献します。

安全管理

安全管理は、作業員の安全を確保し、事故を防止するための重要な業務です。現場での安全対策の指導や技術的なサポートを行い、作業環境の安全性を確保します。

特に機械設備や電気設備の工事では、危険物の取り扱いや火災・爆発のリスクがあるため、適切な安全管理が不可欠です。日々の安全確認や定期的な安全教育を通じて、作業員の安全意識を高め、事故のない現場運営を目指します。

原価管理

原価管理は、工事に必要な人件費、材料費、機械のレンタル料などの原価を把握し、予算内で工事を完遂するための業務です。予算超過を防ぐため、収支と支出を帳簿で管理し、定期的に原価を計算します。

コスト削減が必要な場合は、具体的な数字を根拠に作業員に指示を出し、効率的な工事計画を立てることが必要です。適切な原価管理により、工期の遵守や作業員の安全確保にもつながり、プロジェクトの成功に大きく貢献します。

工程管理

工程管理は、工事の計画段階から施工段階まで、作業の進捗状況を常に管理し、遅れが発生しないよう調整する業務です。例えば、工程表の作成や各作業の実施順序、期間の計画、必要な資材・機材・人員の手配を行います。

予期せぬ事態にも対応できるよう、柔軟にスケジュール変更を行うことも必要です。適切な工程管理により、工事全体の遅延を防止し、品質の担保と原価管理も実現します。

設備工事の監督と指導

設備施工管理者は、電気設備、機械設備、配管設備、空調設備、消防設備などの専門的な工事を監督し、指導する役割を担います。現場で働く作業員を適切に配置し、効率的に作業が進むよう調整しなくてはなりません。

また、設備に関連する法規や基準についての知識を生かし、法令遵守を確保しながら工事を進めることも重要です。問題が発生した場合は、迅速に対応し、必要に応じて計画を修正するなど、工事全体の円滑な進行をサポートします。

設備施工管理の平均年収


一般的に設備施工管理の平均年収は630万円前後といわれています。また年代別の平均年収は以下のとおりです。

設備施工管理の年代別年収

年代平均年収
20代400万~450万円前後
30代450万~550万円前後
40代550万~650万円前後
50代650万~750万円前後
60代600万円前後

設備施工管理の最新転職・求人情報


ここからは、設備施工管理の最新求人情報をご紹介します。必要な経験やスキル、年収条件などを確認し、転職活動の参考にしてください。

  • 独立系大手サブコン:設備施工管理【勤務地:愛知・福岡・広島・北海道・宮城・大阪・東京】
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  • 医療業界特化の設備メーカー:設備施工管理【勤務地:愛知・福岡・広島・北海道・宮城・大阪・東京】
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  • 電気設備工事企業:電気設備施工管理【勤務地:愛知・千葉・福岡・群馬・兵庫・茨城・奈良・大阪・埼玉・滋賀・栃木・東京・和歌山】
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  • 大手プラント企業:建築設備工事の施工管理【勤務地:神奈川】
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  • ●スーパーゼネコン:設備施工管理【勤務地:愛知・秋田・青森・千葉・愛媛・福井・福岡・福島・岐阜・群馬・広島・北海道・兵庫・茨城・石川・岩手・香川・鹿児島・神奈川・高知・熊本・京都・三重・宮城・宮崎・長野・長崎・奈良・新潟・大分・岡山・沖縄・大阪・佐賀・埼玉・滋賀・島根・静岡・栃木・徳島・東京・鳥取・富山・和歌山・山形・山口・山梨】
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  • 大手ゼネコン/福利厚生◎:建築設備施工管理職【勤務地:東京】
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  • ●中堅ゼネコン:設備施工管理職【勤務地:千葉・神奈川・長野・埼玉・東京】
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  • ●日系設備施工企業:施工管理【勤務地:東京】
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※求人の募集が終了している場合もございますので、ご了承ください。(2025年3月最新)

設備施工管理に求められるスキルや経験


設備施工管理に求められるスキルや経験の中で、以下の4つが重要です。

  • スケジュール管理能力
  • コミュニケーションスキル
  • タスク管理スキル
  • 技術的知識と経験

ここから、それぞれの内容について解説します。

スケジュール管理能力

設備施工管理者は、工事の進行状況を把握し、納期に間に合うようプロジェクトを進める能力が不可欠です。工事計画の立案、進捗のチェック、遅延の予防と対応などを行います。

建築の遅れなどによる予期せぬ変更にも柔軟に対応し、余裕をもったスケジュール調整が求められます。効率的なスケジュール管理は、納期を守りつつ高品質な施工を実現する重要な要素です。

コミュニケーションスキル

設備施工管理では、クライアント、作業員、ほかの技術者など多様な関係者とのやりとりが必要です。明確な指示や報告を行う能力、問題解決力、チームワークを促進するスキルが求められます。

特に、電気工事士や空調技術者など専門分野の異なる技術者とも円滑に意思疎通を図らなくてはなりません。ときには年上の作業員に指示を出すこともあるため、臆せず積極的なコミュニケーションを心がけることが重要です。

タスク管理スキル

設備施工管理者は、複数の作業や業務を同時に管理する能力が必要です。優先順位を付け、限られたリソースを最適に配分し、タスクの進行を監視します。

工事現場と事務所の両方で異なる業務をこなす必要があり、業務内容が多岐に渡るため、細やかなタスク管理が欠かせません。漏れや見落としがないよう、確実にタスクを進めていく能力が重要です。

技術的知識と経験

設備施工管理では、空調、給排水、電気設備、消防設備などの専門的な技術知識が必要です。また、電気設備に関する法規や給排水設備の基準など、法律の知識も求められます。

これらの知識は、実務経験を通じて深めていくことが一般的です。さらに、施工管理技士などの資格取得を目指すことで、より専門的なスキルを身につけられます。

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設備施工管理への転職に生かせる資格


設備施工管理は、専門的なスキルや経験が問われるため、特定の資格を取得しておくと転職時に有利です。ここでは、設備施工管理の転職に生かせる資格を5つご紹介します。

電気工事施工管理技士

電気工事施工管理技士とは、電気設備工事の計画・管理を行う国家資格です。1級と2級があり、1級は大規模工事の責任者、2級は中小規模工事の責任者として活躍できます。

試験の難易度は「普通~やや難しい」とされ、合格率は1級で20~30%程度です。幅広い知識が必要で、特に1級は高度な施工管理能力が問われます。実務経験も必要で、大卒の場合でも3年以上の経験が求められます。試験対策には3~6カ月程度の学習期間が必要です。

参考:一般財団法人建設業振興基金 施工管理技術検定「1級 電気工事施工管理技術検定のご案内」
参考:一般財団法人建設業振興基金 施工管理技術検定「2級 電気工事施工管理技術検定のご案内」

管工事施工管理技士

管工事施工管理技士は、給排水設備や空調設備などの配管工事を管理する国家資格です。こちらも1級と2級に分かれ、1級は特定建設業の専任技術者として活動できます。

1級試験は実務経験が必須で、合格率は約20%と難関です。試験範囲が広く、特に第二次検定では記述式問題が多く出題されます。学歴や実務経験によりますが、高卒の場合10年以上の経験が必要です。学習期間としては半年から1年程度を見込むとよいでしょう。

参考:一般財団法人 全国建設研修センター「1級 管工事施工管理技術検定のご案内」
参考:一般財団法人 全国建設研修センター「2級 管工事施工管理技術検定のご案内」

電気通信工事施工管理技士

電気通信工事施工管理技士は、通信設備(インターネット回線など)の施工計画・管理を行う新しい国家資格です。5Gや高速通信需要の増加にともない注目されています。

合格率は1級で15~25%と低めですが、試験基準(60%以上)は平均的です。実務経験者向けの試験であるため、未経験者には難易度が高い傾向があります。受験資格として実務経験が必要で、大卒でも3年以上求められます。学習期間として3~6カ月程度が目安です。

参考:一般財団法人 全国建設研修センター「1級 電気通信工事施工管理技術検定」
参考:一般財団法人 全国建設研修センター「2級 電気通信工事施工管理技術検定」

冷凍空調技士

冷凍空調技士は冷凍設備や空調機器に関する設計・施工・保守を行う民間資格です。第一種と第二種に分かれ、第一種はより高度な業務に対応します。

第一種の合格率は約42%、第二種は77%と差があります。第一種では記述式問題も含まれ、高度な知識と実務経験が必要です。第一種では4年以上の実務経験が必須です。学習期間として3~6カ月程度が求められます。

参考:公益社団法人 日本冷凍空調学会「冷凍技士について」

建築設備士

建築設備士は建物全体の設備計画・設計を担う専門資格です。電気・空調・給排水などトータルな設備設計能力が問われます。

試験範囲が広く、合格率も低め(20~30%程度)です。特に第二次試験では製図問題もあり、高度な応用力が必要です。建築士として一定期間の実務経験後に受験可能となります。学習期間は、半年から1年程度必要です。

参考:公益財団法人 建築技術教育普及センター「建築設備士試験」

設備施工管理になるには


設備施工管理への転職において、書類選考や面接では、具体的な志望動機と業界への理解が重要です。企業の特徴や事業内容を十分に調査し、自身のキャリアプランと合致する点を明確に説明することが求められます。

また、過去の経験や実績、保有資格を具体的に示すことで、即戦力としての価値をアピールできます。特にコミュニケーション能力や問題解決力も重視されるため、過去の現場での対応例を交えて説明すると効果的です。

このような複雑な転職プロセスを効果的に進めるためには、JACのような専門的な転職エージェントを活用することが賢明です。コンサルタントの業界知識と経験を生かし、書類作成や面接対策など、きめ細かなサポートを受けることで、より高い成功率で理想の転職を実現できるでしょう。

設備施工管理のキャリアパス


設備施工管理は、その専門性を生かし、さまざまなキャリアを歩むことが可能です。ここでは、主な設備施工管理のキャリアパスをご紹介します。

スペシャリスト

特定の設備分野(空調、電気、衛生など)に特化し、スペシャリストを目指すことは、設備施工管理の代表的なキャリアパスです。技術的な深い知識と経験を求める方に適しています。

スペシャリストのキャリアを目指すためには、まず2級施工管理技士の資格を取得し、特定の設備分野での実務経験を積む必要があります。その後、1級施工管理技士や関連する専門資格(電気工事士など)を取得し、大規模プロジェクトでの経験を重ねることで、その分野のエキスパートとして認められるようになります。

マネジメント職

複数の設備分野を統括し、大規模プロジェクトの管理や部門全体の運営を担うマネジメント職を目指すことも、設備施工管理のキャリアパスの1つです。リーダーシップやコミュニケーション能力が高く、組織全体を見渡す視点をもつ方に向いています。

マネジメント職のキャリアを歩むためには、まず現場での実務経験を積み、1級施工管理技士の資格を取得することが必要です。複数の設備分野での経験を積み、プロジェクトマネージャーとしての実績を重ね、工事部長や支店の工事統括責任者などの管理職へとステップアップします。

技術開発職

新しい設備技術や施工方法の研究開発に携わる技術開発職を目指す道もあります。革新的な技術に興味があり、常に新しいことにチャレンジしたい方に適したキャリアパスです。

技術開発職のキャリアを目指す場合、まず現場での実務経験を積み、1級施工管理技士の資格を取得します。その後、社内の技術開発部門への異動や、大学院での専門的な研究などを通じて、最新の技術動向や研究手法を学ぶことが求められます。BIMやIoT技術などの先端技術にも精通することで、企業の技術開発の中心的な役割を担うようになります。

コンサルタント

コンサルタントとして、設備設計や施工計画の立案、プロジェクト全体のコンサルティングを行うことも設備施工管理のキャリアパスです。幅広い知識と経験を生かし、クライアントに最適なソリューションを提供したい方に向いています。

コンサルタントを目指す場合、まず現場での実務経験を積み、1級施工管理技士の資格を取得しましょう。設計や積算、プロジェクトマネジメントなど、幅広い分野での経験を積み、さらに建築設備士や技術士などの高度な資格を取得することで、独立したコンサルタントや大手コンサルティング会社での活躍が期待できます。

教育・研修担当

後進の育成や技術伝承を担う教育・研修担当を目指すキャリアパスも考えられます。豊富な経験を生かしてスタッフ育成に携わりたい方や、コミュニケーション能力が高い方に適しています。

教育・研修担当のキャリアを歩むには、現場での実務経験を積み、1級施工管理技士の資格を取得することが必要です。社内での新人教育や技術研修の講師を担当するなど、教育経験を積みましょう。さらに、労働安全コンサルタントなどの資格を取得することで、業界全体の教育プログラム開発や、専門学校・大学での非常勤講師など、幅広い教育活動に携わることができるようになります。

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設備施工管理の転職事例


ここからは、JAC経由で設備施工管理として転職した事例をご紹介します。

Sさん(男性/50代前半)

業種職種年収
転職前設備工事・土木工事施工管理・営業1,000万円
転職後設備工事・土木工事電気設備施工管理1,150万円

Sさんは、公共工事やプラント設備の空調工事を中心に施工管理の経験を積み、拠点長として施工管理と営業の両面で活躍してきました。しかし、部署異動により営業が主業務となり、チームで協力しながら作り上げるやりがいを感じにくくなったため、転職を検討し始めました。

転職活動では、裁量をもって自身の考えを反映できる環境を重視されていました。JACのコンサルタントは、成長過程にある企業での電気設備施工管理職を提案。結果として、施工管理の経験を生かしながら事業拡大に貢献できる環境へ転職し、再びチームでの業務に携わるようになりました。

設備施工管理の転職なら、JAC Recruitmentへ


JACの建設チームは業界出身者が多く在籍しており、専門的な業界用語や慣習を深く理解しています。企業ごとの違いや魅力、現在の従業員の状況などを詳細に説明することが可能です。

また、JACのコンサルタントは単なる求人紹介にとどまらず、企業の事業課題解決に必要なポジションの提案も行っています。さらに、マネジメント層やシニア層の高年収ポジションにおいても、転職希望者の経験やスキルを最大限生かせるようサポートします。

設備施工管理の転職を検討されている方は、ぜひJACにご相談ください。

この記事の筆者

株式会社JAC Recruitment

 編集部 


当サイトを運営する、JACの編集部です。 日々、採用企業とコミュニケーションを取っているJACのコンサルタントや、最新の転職市場を分析しているJACのアナリストなどにインタビューし、皆様がキャリアを描く際に、また転職の際に役立つ情報をお届けしています。




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