コンストラクションマネジメント(CM)の転職事情|仕事内容や年収、動向を解説

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公開日:2025/03/10 / 最終更新日: 2025/03/10

コンストラクションマネジメント(CM)は、建設プロジェクトの効率化と最適化を実現する重要な手法として、近年の建設業界において高い注目を集めています。プロジェクトの複雑化や大規模化が進む中、コスト削減やリスク管理、品質向上などの課題に対応するために、CM専門家の需要が増加しています。特に、大規模な商業施設や公共施設の建設では、CMの導入によってプロジェクトの成功率が向上することが期待されています。

本記事では、JAC Recruitmentのコンサルタントが、コンストラクションマネジメント(CM)がどのような職種であり、具体的な仕事内容や年収、最新の転職・求人情報について詳しく解説します。

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コンストラクションマネジメント(CM)とは?


コンストラクションマネジメント(CM)は、建設業界において欠かせない存在であり、発注者の視点から建設プロジェクトを統括する職種です。主にプロジェクトの設計、発注、施工の各段階で、設計の詳細な検討や工事の発注方式の選定、工程および品質・コスト管理などのマネジメント業務を行います。技術的な中立性を保ちながら、発注者の利益を最大化するために全力を尽くします。

コンストラクションマネジメント(CM)とプロジェクトマネジメント(PM)の違い

コンストラクションマネジメント(CM)プロジェクトマネジメント(PM)
主な業務範囲設計から工事完成まで企画・構想段階から完成後の運営管理まで
主な目的建設工事の確実な遂行事業計画の成功的な遂行
参画タイミング設計段階から早期の企画段階から
主な業務内容発注者の選定、コスト・品質・工程管理企画の評価、経費の想定、運営計画の作成

CMは主に建設工事の直接的な遂行に焦点を当て、設計から工事完成までの範囲で専門的な知識を駆使して管理します。一方、PMはより広範なプロジェクト全般を管理し、効果的な事業計画の遂行を目指します。

コンストラクションマネジメント(CM)とPPP(Public-Private Partnership)の違い

コンストラクションマネジメント(CM)PPP(Public-Private Partnership)
定義発注者側に立つ管理手法公共部門と民間部門の協力によるサービス提供方式
主な目的建設プロジェクトの効率的遂行公共サービスの質の向上と効率化
関与する主体発注者とCM公共部門と民間事業者
リスク負担主に発注者公共部門と民間で分担
対象期間主に設計・施工段階計画から運営までの長期的なものが多い

コンストラクションマネジメント(CM)は、発注者の代理として建設プロジェクトを管理し、設計・施工段階でのコスト、品質、工程の管理を担当します。対して、PPPは、公共サービスを提供するための公共部門と民間部門の協力の枠組みであり、長期にわたる共同運営を行います。

コンストラクションマネジメント(CM)の仕事内容


CMの主な仕事内容には以下の要素があります。

・コスト管理

・スケジュール管理

・品質管理

・安全管理

・コミュニケーション管理

これらの業務を通じて、コンストラクションマネジメント(CM)はプロジェクトの成功に向けて総合的なマネジメントを行い、発注者の利益を最大化することを目指します。ここから、それぞれの内容を確認しておきましょう。

  • コスト管理

プロジェクトの予算管理を行い、工事費の算出、資材や人員の調達、コストダウンの提案などを通じて、費用対効果の高い運営を実現します。

  • スケジュール管理

プロジェクトのタイムラインを策定し、各段階の進捗状況を監視・調整します。遅延リスクの早期特定や対策も担当します。

  • 品質管理

プロジェクトが要求される品質基準を満たすように監督し、定期的な現場検査や設計図書のチェックを行います。

  • 安全管理

建設現場の安全を確保し、安全管理計画を立案・実施します。作業員への教育を通じて、事故のない現場運営を対象にします。

  • コミュニケーション管理

プロジェクトに関与する全てのステークホルダーとの円滑なコミュニケーションを図り、進捗報告会の開催や問題解決の促進を行います。

コンストラクションマネジメント(CM)の平均年収は740万円前後


JACの実績では、建設業界において2023年の求人数と比べ、2024年は約2倍と需要が高まっています。コンストラクションマネジメント(CM)の平均年収は740万円前後です。

ボリュームゾーンは年収600~1,000万円前後で、年代によって異なります。

年代平均年収
30代600~850万円前後
40代700~1,000万円前後
50代以上800~1,200万円前後

一般的な年収は400万円から1,000万円程度ですが、経験やスキルによってはさらに高収入を目指すことも可能です。未経験者の初年度の年収は約400万円が目安とされています。ただし、努力次第でキャリアアップのチャンスが多く、早期の昇給も期待できるでしょう。

コンストラクションマネジメント(CM)の最新転職・求人情報


ここからは、最新のコンストラクションマネジメント(CM)求人情報をご紹介します。必要な経験やスキル、年収条件などをご確認ください。

●コンストラクションマネジメント企業:コンストラクションマネージャー(発注者代理人)【勤務地:大阪 東京】
 遷移先リンク:https://www.jac-recruitment.jp/search/NJB0723007/

●阪急コンストラクション・マネジメント株式会社:コンストラクションマネジメント職~阪急阪神ホールディングスグループ~【勤務地:愛知 福岡 大阪 東京】
 遷移先リンク:https://www.jac-recruitment.jp/search/NJB2116408/

●日産自動車株式会社:【九州工場】コンストラクションマネジメント(一般層 総括職):【勤務地:福岡】
 遷移先リンク:https://www.jac-recruitment.jp/search/NJB2218079/

※求人の募集が終了している場合もございます。ご了承ください。(2025年2月最新)

コンストラクションマネジメント(CM)に求められるスキルや経験


コンストラクションマネジメント(CM)には、以下のようなスキルおよび経験が求められます。

・建設業界の専門知識

・プロジェクトマネジメント能力

・リーダーシップとコミュニケーション能力

・問題解決能力と対応力

・数値管理と効率的な作業能力

これらのスキルは、効率的で成功率の高いプロジェクトを実現するために不可欠です。ここから、各スキルについて詳しく解説します。

建設業界の専門知識

コンストラクションマネジメント(CM)は、建設プロセス、法令規制、安全基準、最新技術について深い理解が求められます。正確な判断を下すためには、法律文書や技術図面を理解する力も重要です。また、業界トレンドや新技術への情報収集を行い、常に最新の知識を習得する姿勢も欠かせません。

プロジェクトマネジメント能力

CMでは、予算やスケジュールの管理、人員配置、各チーム間の調整など、プロジェクト全体を効率的に運営する能力が求められます。具体的には、マスタースケジュールの作成、進捗管理、課題の抽出・解決といった幅広い業務を担います。契約交渉や関係者との良好な関係の維持も重要な要素です。

リーダーシップとコミュニケーション能力

CMは現場での上位職としてチームを導く役割を担います。発注者、設計者、施工業者など、さまざまな関係者と円滑にコミュニケーションを取ることが大切です。技術的な内容を非技術者に分かりやすく説明する能力も必要とされ、明確かつ適切な情報伝達によって、プロジェクトを円滑に進めることが可能になります。

問題解決能力と対応力

建設現場では予期せぬ問題が頻発します。CMは迅速に対応し、影響を最小限に抑える能力が求められます。分析的思考を用いて、費用対効果が高い解決策を見いだすことが求められます。急な仕様変更や工程の再調整にも柔軟に対応し、迅速に問題を解決する力が重要です。

数値管理と効率的な作業能力

予算管理や施工スケジュールの調整には、数値への理解力と計画性が不可欠です。材料費の算出や工程の進捗確認において、数字に強く、計算能力が高いことが求められます。また、現場での多様な作業を効率的に進めるためには、整理整頓力も大切です。効率的な作業を進め、事故を防ぐことは、プロジェクトの成功に直結します。

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コンストラクションマネジメント(CM)への転職に生かせる資格

コンストラクションマネジメント(CM)への転職に生かせる資格は多岐にわたります。ここでは、特に重要な5つの資格を挙げ、それぞれの特徴をご紹介します。

認定コンストラクション・マネジャー(CCMJ)

認定コンストラクション・マネジャー(CCMJ)は、日本コンストラクション・マネジメント協会(CMAJ)が認定する資格です。CM業務に必要な知識と能力を証明するもので、高く評価されています。受験資格には3年以上の実務経験が必要で、毎年9月に試験が実施されます。知識試験と能力試験の2部構成で、合格率は比較的低いため、十分な準備が求められます。

参考:一般社団法人 日本コンストラクション・マネジメント協会「認定コンストラクション・マネジャー試験」

一級建築士

一級建築士は建築分野における最高峰の国家資格です。すべての規模や種類の建物を設計・工事監理する権限があります。試験は非常に難易度が高く、合格率は10%前後です。大学の建築学科卒業後2年以上の実務経験が求められ、多くの場合、4〜5年の準備期間が必要です。この資格は、CMとしてのキャリアに非常に有用です。

参考:公益財団法人 建築技術教育普及センター「一級建築士試験」

技術士(建設部門)

技術士は、科学技術に関する高度な応用能力を証明する国家資格です。建設部門の技術士は、計画、設計、施工管理など広範な分野で活躍できます。一次試験と二次試験があり、合格率は一次試験が20%、二次試験が15%程度です。取得には6〜7年の期間がかかることが一般的です。

参考:公益社団法人日本技術士会「日本技術士会のご案内」

プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル(PMP)

PMPはプロジェクトマネジメント協会(PMI)が認定する国際資格です。建設業界に限らず、プロジェクトマネジメントスキルを証明するために広く認知されています。受験には3〜5年の経験が求められ、試験は200問の多肢選択式です。合格率は約50%であり、準備期間を含めて1〜2年程度が必要です。

参考:一般社団法人 PMI日本支部「PMP資格について」

建築設備士

建築設備士は、建築物の設備全般に関する高度な知識と技術を証明する国家資格です。空調、給排水、電気設備など、建物の機能性に直結する分野を扱います。合格率は約20%前後で、難易度は高めです。実務経験が必要で、取得には通常4〜5年の期間が必要です。

参考:公益財団法人 建築技術教育普及センター「建築設備士試験」

コンストラクションマネジメント(CM)になるには


コンストラクションマネジメント(CM)への転職を成功させるためには、職務経歴書と面接での自己アピールが重要です。これらの要素は、あなたのキャリアを具体的に示す機会であり、しっかりと準備することが不可欠です。

職務経歴書でのアピール

職務経歴書では、マネジメントの範囲や規模を具体的に明示することが求められます。特に、以下の点に注意しましょう。

  • 具体的な成功事例:自身が担当したプロジェクトの数値データや成果を示し、評価を受けた実績をアピールします。
  • スキルの強調:プロジェクト管理のスキルや問題解決能力、リーダーシップスタイルを具体的な事例とともに訴求することが大切です。

面接での自己アピール

面接では、応募企業の研究を徹底した上で、自分の経験がどのように企業の強みや課題解決に貢献できるかを説明することが重要です。

  • 具体的な貢献:企業のニーズにどのように応えられるかを具体的に伝え、ほかの方との差別化をはかります。
  • マネジメントアプローチ:過去の状況におけるあなたのアプローチを具体的に話し、どのように成果を上げたのかを述べることで、採用担当者に強い印象を与えましょう。

転職エージェントの活用

転職活動を効果的に進めるためには、JACのような転職エージェントを活用することをお勧めします。エージェントは業界の最新情報や企業のニーズを把握しており、最適な機会を見つけ出し、書類作成や面接対策においても的確なアドバイスを提供してくれます。

コンストラクションマネジメント(CM)のキャリアパス


コンストラクションマネジメント(CM)は、建築業界においてハイクラスなキャリアパスを進む可能性があります。以下に、具体的なキャリアパスを4つご紹介します。

プロジェクトマネージャー(PM)

プロジェクトマネージャー(PM)は、建設プロジェクト全体を統括する重要な役割を担います。大規模なプロジェクトを管理し、リーダーシップスキルと優れたコミュニケーション能力が求められます。PMとして成功するためには、現場エンジニアや監督者としての経験を積み、プロジェクト管理の資格を取得することが効果的です。

建設コンサルタント

建設コンサルタントは、クライアントに専門的なアドバイスを提供し、プロジェクトの成功をサポートします。建設現場での実務経験を土台に、コンサルティング会社でキャリアをスタートさせることで、専門分野の知識を深化させ、リーダー職へと昇進することが期待されます。

サステナビリティ・コンサルタント

サステナビリティ・コンサルタントは、環境に優しい建設プロジェクトの計画と実施を支援します。環境工学や持続可能な建築の専門教育を受け、関連する資格をもつことでキャリアを築きます。持続可能性に特化したプロジェクトに関わることで、より専門的なスキルを磨いていきます。

ゼネコン経営幹部

ゼネコン経営幹部は、会社全体の戦略立案や意思決定を行います。このポジションでは、長期的な視野を持ちビジネスマネジメントスキルを駆使して、企業の成長に貢献することが求められます。まずは現場経験を積んだ後、プロジェクトマネージャーとして実績を挙げ、中間管理職を経て上級管理職を目指すことが重要です。

コンストラクションマネジメント(CM)の転職事例


ここからは、JAC経由でコンストラクションマネジメント(CM)へ転職した事例をご紹介します。

Tさん(男性/40代後半)

業種職種年収
転職前設計事務所意匠設計850万円
転職後建設コンサルコンストラクションマネジメント(CM)1,000万円

Tさんは、20年以上にわたり建築意匠設計に携わり、戸建て住宅やマンション、商業施設など多様なプロジェクトに従事してきました。法規チェックや品質管理、コスト監理、スケジュール調整など、プロジェクト全体を統括する役割も担い、現職では若手の育成にも携わっています。

転職活動では、事業主側からプロジェクトに関与できるポジションを希望し、マンションデベロッパーの品質管理やPM・CM職にも関心をもっていました。JACのコンサルタントは、Tさんの豊富な設計経験と管理能力を生かせる建設コンサルティング企業を提案。

最終的に、Tさんは大型施設の設計・施工・運営管理に携わるコンストラクションマネジメント(CM)へ転職。プロジェクト全体の統括に関与し、より上流のフェーズで建築業界に貢献しています。

コンストラクションマネジメント(CM)への転職なら、JAC Recruitmentへ


JACには建設業界に特化した専任コンサルタントが複数在籍しています。
採用企業各社と密なコミュニケーションをとっており、業界全体の動きをはじめ、各社の事業戦略や求める人材像をリアルタイムでつかんでいます。最新かつ豊富な情報のご提供が可能です。

また、業界・職種担当の枠を越え、コンサルタント同士が連携する体制があります。コンストラクションマネジメントに興味をもっている方のご希望やご志向を伺ったうえで、コンストラクションマネジメント以外にもそれを実現する選択肢があれば、ご提案します。

JACは、相談をお受けする際、「転職ありき」では考えません。転職を決意していなくても、キャリアを見つめ直すきっかけとして、JACを活用していただきたいと考えています。
転職という選択肢も含め、キャリアのさまざまな可能性を知るために、JACのコンサルタントにぜひご相談ください。

この記事の筆者

株式会社JAC Recruitment

 編集部 


当サイトを運営する、JACの編集部です。 日々、採用企業とコミュニケーションを取っているJACのコンサルタントや、最新の転職市場を分析しているJACのアナリストなどにインタビューし、皆様がキャリアを描く際に、また転職の際に役立つ情報をお届けしています。




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