50代で外資系企業への転職は難しい?求められる経験・スキルやポイントを解説

公開日:2025/02/25 / 最終更新日: 2025/03/13

「50代で外資系企業への転職を検討しているが、転職できるか不安…」という方もいるのではないでしょうか。
50代の外資系企業への転職事情や転職成功ポイントを解説します。

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50代での外資系企業への転職は、年齢を理由にハードルが高いと考えられがちですが、外資系企業の場合、経験やスキルが応募ポジションと合致していれば、転職できる可能性は十分にあります。

日本企業では年齢が上がるにつれてキャリアの選択肢が狭まる傾向がありますが、外資系企業では即戦力となる専門性や実績が重視されます。そのため、マネジメント経験や高度な専門知識を持つ場合、50代でも高い成果を残してくれるのではと期待され、採用に至ることもあるでしょう。

ただし、日系企業から外資系企業への転職を検討する際は、企業文化の違いに留意する必要があります。特に、日本企業では年功序列の文化が根強く、年齢や在籍年数に応じた昇進が一般的です。しかし、外資系企業は成果主義が基本となるため、年齢に関係なく成果や実力に応じた評価が適用されます。そのため、企業が期待する成果を残せなければ、著しく年収が下がる恐れがあります。
50代で外資系企業に転職を目指す際は、自身の市場価値や強みを正しく認識し、強みを最大限に生かせる環境やポジションを選択することが重要です。

なお、JACが提供する転職支援サービスを利用し、外資系企業に転職した方のうち50代が占める割合は約13%でした。転職先としては、IT・通信が約41%と最も多く、次いで消費財が約13%、コンサルティング・シンクタンク・事務所が約12%を占めました。また、転職後に就いた職種は、技術系と営業職が約17.8%と最も多く、僅差でメディカル・バイオが約17.5%となりました。

50代前半と後半ではやや傾向が異なり、50代前半はIT・通信をはじめ、メディカル・バイオや消費財、コンサルティング、金融、マスコミなど、幅広い業種・職種が転職先として選ばれています。一方、50代後半はEMCやIT・通信、メディカル・バイオに転職した割合が多く、職種もIT技術職や営業職に集中する傾向が見られました。同じ50代でも前半と後半で転職傾向が異なる理由としては、50代後半になると、より専門性や経験を生かせる職種・業種に絞って転職活動に取り組む傾向が強くなるからだと考えられます。

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外資系企業が50代の応募者を評価する際、主に次のような経験・スキルが重視されます。

• 管理職クラスでの実務経験
• 希望業・職種での専門スキル
• 本国や海外拠点とやり取りできるビジネス英語力
• 多様性に対する順応性・コミュニケーション力

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50代ともなれば、ある程度の管理職経験を積んでいることが前提となります。
そのため、採用選考では、単にチームを率いるだけでなくチームのパフォーマンス最大化に向け、KPIを達成するための戦略策定や部下の育成、経営層との折衝など、幅広い業務を担えるかどうかを見極められるでしょう。

また、外資系企業は基本的にジョブ型採用のため、マネジメント経験に限らず、特定の業界や分野における豊富な実務経験も求められることを理解しておきましょう。

企業は50代の応募者に対して、高度な専門スキルを有していることを期待します。日系企業も同様ですが、特に外資系企業は成果主義の文化が浸透しているため、即戦力として活躍できるスキルを持ち合わせていることは前提となります。

ただし、外資系企業の日本法人は比較的規模が小さい場合もあり、一つの業務に特化するよりも、周辺分野も含めた幅広い業務に対応できる柔軟性が求められることがあります。例えば、ITエンジニアであれば、インフラからアプリケーション開発までの知見を持ち、プロジェクトマネジメントにも精通していると歓迎されるでしょう。
特定分野における高度なスキルに加えて、汎用性の高いポータブルスキルや親和性の高いほかの専門分野のスキルも身につけていると、高く評価されるでしょう。

外資系企業では、グローバルなビジネスを展開していることが多いため、英語力は必須です。

ただし、業務内容やポジションによって求められる水準は異なります。例えば、管理職や事業部長クラスの場合、海外本社や海外拠点の管理職と戦略の方向性を議論する機会が増えるため、比較的高度な英語スキルが求められるでしょう。
一方で、技術職の場合は、スピーキング力よりも、文書作成や読解能力が重視される傾向があり、本国の技術資料を理解し、メールなどテキストベースのやり取りができれば十分な場合もあります。

職種やポジションによって求められる英語力が異なるため、転職時には、業務を取り組むにあたって必要となる英語レベルの把握に努めることが大切です。

外資系企業では、多様なバックグラウンドを持つメンバーが集まるため、異なる文化や価値観を持つメンバーと円滑にコミュニケーションを取るスキルが求められます。また、外資系企業特有の文化や風土に柔軟に適応する順応性や、周囲と協調しながらジェンダーや年齢、国籍に関係なく、オープンな姿勢で意見を交わす姿勢も不可欠です。
さらに、外資系企業では、受け身の姿勢ではなく、自らの意見を論理的に伝え、議論に参加する姿勢も求められます。特に管理職では、部下や同僚の意見を尊重しつつも、組織が掲げる目標達成に向けてチームを牽引する役割が期待されます。

ただし、職種によっては社内外のコミュニケーションが少なく、専門的なスキルが重視される場合もあります。例えば、データアナリストや研究開発職など、個人の分析能力や知識が重視される職種では、多様性への適応力よりも専門性の高さが優先されるケースもあるでしょう。
とはいえ、外資系企業ではプロジェクトベースで業務が進むことが多いため、どの職種でも最低限のコミュニケーションスキルは必須であると考えておくべきでしょう。


本章では、50代の方が外資系企業への転職を成功させるために意識したい次の4つのポイントについて、解説します。

• 英文レジュメ・英語面接などの選考対策の徹底
• キャリアの棚卸し・強みの言語化を英語でも行う
• 特に非言語コミュニケーションへ気を配る
• 外資系企業への転職に強いエージェントを利用する

外資系企業への転職では、英文レジュメと英語面接への対策が不可欠です。
特に50代は、スキルや経験を有していることが前提となるため、即戦力として活躍できることを選考過程でしっかりアピールしなければなりません。

英文レジュメは、日本の職務経歴書と異なり、シンプルかつ要点を押さえた記述が求められます。冗長な表現は避け、具体的な成果を強調しながら、簡潔にまとめることを意識しましょう。また、英語面接では、想定される質問と回答を事前に準備し、繰り返し練習することが不可欠です。外資系企業の面接では、自己紹介や職務経歴、志望動機に加え、リーダーシップ経験や問題解決能力、ストレス耐性など、人物面に関する質問が行われることもあります。各質問に対し、具体的なエピソードを交えながら、論理的に回答できるようにしておきましょう。

スピーキング能力に関しては、流暢さよりも「簡潔かつ論理的に伝える力」が重視されます。質問の意図を正確に読み取り、的確に答えることがポイントです。面接練習では、転職エージェントが提供する模擬面接サービスやオンライン英会話などを活用し、要点を簡潔かつわかりやすく伝えられるよう、繰り返し練習を行いましょう。

50代で外資系企業への転職を成功させるには、これまでのキャリアを棚卸しし、自分の強みを明確に言語化することが必要です。外資系企業の採用では即戦力が求められるため、どのようなスキルや経験を持ち、企業にどのような価値を提供できるのかを論理的に説明できるようにしておかなければなりません。
また先述のとおり、英語面接も想定されるため、英語での言語化が曖昧であったり、自信を持って話せなかったりする状態では、採用担当者に自身の強みや魅力が十分に伝わらない懸念があります。

まず、キャリアの棚卸しや強みの言語化を行う際は、単に職歴を羅列するのではなく、それぞれの職務でどのような役割を果たし、どのような成果を上げたのかを、具体的な数値データや実績を交えながら書き出してみましょう。
また、外資系企業では年功序列ではなく、成果主義が基本となるため、実績や経験が評価されます。そのため、過去の役職名にこだわるのではなく、自分が培ってきたスキルや知識が新しい職場でどのように生かせるのかを端的かつ明瞭に伝えることを意識しましょう。

さらに、英語での自己紹介や職務経歴の説明を繰り返し練習することも重要です。オンライン英会話や転職エージェントなどを活用し、ビジネス経験豊富な英語講師やキャリアアドバイザーにアドバイスを求めるようにしましょう。より自然で説得力のある英語表現を習得することで、自信を持って面接に臨めるようになります。

外資系企業では、言語によるコミュニケーションだけでなく、表情やジェスチャー、アイコンタクトなどの非言語コミュニケーションも重視されます。日本企業の面接では控えめな姿勢が好まれることもありますが、英語面接においては堂々とした受け答えや自信のある話し方が評価されます。

アイコンタクトをしっかり取り、適度なジェスチャーを交えながら話すことで、自信と熱意を伝えられるでしょう。しかし、自己主張が強すぎると協調性に欠けると捉えられてしまう恐れがあります。自分の意見をはっきり述べつつも、相手の話をしっかり聞き、適切にリアクションを取ることも心掛けてみてください。

50代での外資系転職を成功させるためには、転職エージェントの活用を推奨します。
特に50代の転職は、応募ポジションとスキルや経験の適合性が厳しくチェックされるため、強みを適切にアピールできるか否かが転職成功を大きく左右するでしょう。また、外資系企業への転職は、対策や評価が日系企業への転職時とは大きく異なる場合があります。

その点、外資系企業への転職支援に長けた転職エージェントは、外資系企業の採用動向に精通しており、求人情報も豊富に取り扱っています。一般的な転職サイトには掲載されていない非公開求人の紹介や英文レジュメの添削、英語の模擬面接を通じた実践的なアドバイスなども受けられるため、転職エージェントの利用によって効率的かつ効果的に転職活動を進められるでしょう。


ここでは、50代で外資系企業へ転職する際に把握しておきたい次の4つの留意事項について、解説します。

• 成果主義であるため収入が不安定になる場合がある
• 終身雇用ではなくリストラの可能性もある
• 基本的に退職金は出ない
• 採用に時間がかかる可能性がある

外資系企業では、成果主義が徹底されており、個人のパフォーマンスが評価に直結します。そのため、期待される成果を残せなかったときは、給与の伸び悩みやボーナスの減額につながる恐れがあります。

日系企業の場合、年齢や勤続年数に応じて昇給しますが、外資系企業では、年齢や社歴にかかわらず、目標達成度やパフォーマンスによって給与が大きく変動します。特に50代での転職となると、即戦力としての活躍を期待されるため、入社直後から高い成果を求められるケースも少なくありません。

なかでも、営業やコンサルティングなどの職種では、業績連動型の報酬体系が採用されていることが多く、基本給よりもインセンティブが占める割合が高いケースもあります。50代で外資系企業に転職を考える際は、収入の変動リスクを理解し、安定した成果を出せる自信があるか、または短期的な収入減少に耐えられるだけの経済的余裕があるかを慎重に検討する必要があります。

外資系企業では、企業業績や経営方針の変更にともない人員整理が行われることがあります。日本法人の事業戦略が見直されることも多々あり、部署の縮小や撤退が決定されると、早期退職やリストラの対象になることも珍しくありません。
また、外資系企業はジョブ型雇用が主流であり、特定のポジションごとに採用を実施します。業務内容が変化し需要がなくなった場合、契約更新が見送られる恐れもあるでしょう。

さらに、50代で外資系企業に転職する場合は、若い世代に比べて再就職が難しくなる可能性があります。そのため、企業の業績や業界の動向、組織体制などを事前に調査し、経営が安定しているか、将来性があるかを見極めることが重要です。また、面接時などに、企業のリストラに関する方針や過去の事例について質問し、企業側の考え方を把握しておくことも有効でしょう。

外資系企業には、退職金制度が設けられていない場合が大半です。
日系企業では、長年の勤労に対する報奨として退職金制度を導入している企業も多く、退職後の生活資金の一部として重要な役割を果たしています。一方、外資系企業では退職金を支給せず、その分を給与やボーナスに上乗せする形で支給するケースが通例です。

50代で転職する場合、退職金が出ないことを前提とした資金計画や老後の生活設計を具体的に考えておかなければならないでしょう。

50代は、求められるスキルや経験が高度であるため、採用の決定までに複数回の面接が実施されることも少なくありません。また、本国の承認を得る必要がある場合、最終決定までに時間を要することもあるでしょう。

このように、50代で外資系企業へ転職を目指す場合、選考期間が長くなる可能性を理解しておくとともに、長期化する可能性を踏まえて転職活動のスケジュールに余裕を持たせておくことが大切です。


JACが提供する転職支援サービスを利用し、50代で外資系企業へ転職した方の平均年収は1,100万円前後であり、ボリュームゾーンは1,000~1,200万円程度です。
なお、最高年収は、3,000万円以上(ポジション:本部長以上)でした。

50代外資系企業へ転職した方の役職別の平均年収は、次のとおりです。

ポジション平均年収
課長未満900万円前後
課長以上1,100万円前後
部長以上1,400万円前後
本部長以上2,200万円前後

※当社実績(2024年1月~2024年12月)より

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下記は、JACが提供する転職支援サービスを利用し、50代で外資系企業へ転職した方の実例です。
実際の転職事例を知ることで、50代からの外資系企業への転職イメージを描きやすくなるでしょう。

性別業種職種・役職年収
50代前半男性医療関連会社→外資系人材サービス会社本部長→CIO2,000万→2,600万
50代後半女性医薬品会社→外資系医薬品会社課長以上→部長以上1,800万→2,100万
50代前半女性精密機器メーカー→外資系精密機器メーカーチーフ→課長未満1,200万→1,600万

この記事の筆者

株式会社JAC Recruitment

 編集部 


当サイトを運営する、JACの編集部です。 日々、採用企業とコミュニケーションを取っているJACのコンサルタントや、最新の転職市場を分析しているJACのアナリストなどにインタビューし、皆様がキャリアを描く際に、また転職の際に役立つ情報をお届けしています。