40代MRに求められる経験や年収、異業種転職の可能性 

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公開日:2021/11/05 / 最終更新日: 2024/11/20

近年「MR不要論」という言葉がメディアなどで取り上げられていますが、MRの求人は増加傾向。また、MRの経験が生かせる新たな職種・ポジションも登場しているほか、異業種への転職のチャンスもあります。

40代MRの方々は、ご自身の経験・スキルをどのような方向で生かすか、戦略的に考えることが重要です。40代MRの転職事情や今後の可能性、転職成功事例などについて、JAC Recruitment(以下、JAC)のヘルスケア業界専任のコンサルタントが解説します。

>MR職全体の転職市場動向はこちら

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40代のMR転職の現状


昨今のMRの転職動向および40代のMRの方々の転職事情についてお伝えします。

MR全体の転職動向

MRの求人数は増加の傾向が見られます。数年前には「MR不要論」が議論された時期もありますが、「やはり必要」という判断から積極採用に切り替わっているのです。

MRを削減した企業では、やはり不足感を抱き、再び増員へ。また、新たな領域の立ち上げなどでゼロから組織を作るに際し、デジタルマーケティングだけでは追い付かず、一定数のMRの必要性を感じています。

こうした背景により各社MRの採用に意欲的ですが、求める経験・スキルは絞られている状況です。

MRの全体数は、これから定年を迎える方が多い一方、大量補充をされることもなく、減少となる予測です。その分、生産性を高めるため、キードクターを網羅して担当するようなポジションが2022年ごろから続々と募集されています。

ミッションは各社の戦略によって異なり、「戦略を現場に浸透させる」「啓蒙・啓発を中心に手がける」「患者および患者の家族のメンタルケアをドクターに啓発する」など、ポジションが多様化。これまでにない新たな職種名で募集されており、MRの経験を生かしての転職が可能です。

40代のMR転職の実情

一部製薬メーカーではMRを対象に早期退職希望者を募集する動きがあり、それを機に次のキャリアを模索する40代の方が増えています。

そして転職活動の結果、製薬メーカーあるいはCSOのコントラクトMRに転職する方が6~7割を占めています。それ以外の転職先としては、医療機器やヘルステックなどのヘルスケア関連業界が中心で、一部にはまったくの異業界を選択する方もいらっしゃいます。

40代MRの方が、首都圏勤務・スペシャリティ領域のMRへの転職を目指すとなるとハードルが高いのが実情です。ただ、「女性活躍推進」「ジェンダー平等」への取り組みを背景に、女性MRの採用を強化する企業が多数。実際、40代のMRの女性が外資系大手製薬メーカーの首都圏勤務ポジションに転職を果たしている例もあります。

40代MRが転職市場で求められるスキル・経験・マインドとアピールすべきポイント


転職市場において、40代MRにはどのようなスキル・経験・マインドなどが求められているのでしょうか。選考でアピールすると有効なポイントをご紹介します。

40代MRが転職市場で求められている経験・スキル


スペシャリティ領域の経験

「オンコロジー」「バイオ医薬品」「希少疾患」といったスペシャリティ領域のMRのニーズは高く、経験をお持ちの方は転職のチャンスが広がっています。

大病院の担当経験

大学病院・基幹病院の担当を経験し、「多様な診療科を横断」「ドクターに限らない、看護師などへのアプローチやレクチャー」「経営陣に対する、経営の側面からのアプローチ」といった経験を積んできた方が求められています。

疾患が多種多様になっているなか、まずは検査薬を使ってもらって数%の発現率のがんに対してピンポイントで治療を行う、あるいは特定の疾患に対応するための新たな設備を導入するなど、オーダーメイド的な提案活動が強化されているためです。

本社での経験

一時期であっても、本社でのマーケティングやトレーニングなどの経験を持っている方は、それを生かせるポジションがあります。

従来、MRとマーケティングは明確に分かれていましたが、本社の戦略やミッションが現場に浸透しづらいことが課題視されています。以前はMRの現場に付随するかたちでコーディネーターを置いていたこともありますが、現場目線が強くなってしまう状況でした。そこで、マーケティング部門でもMRの現場でもない本社付けの組織において、多様な部署や機能と交流し、MRの現場に落とし込んでいくミッションを設定する企業が増えてきています。こうした「潤滑油」としての役割を期待される採用ポジションにおいて、本社での業務経験を持つMRが求められています。

転職市場で求められているマインド

年代問わず「自律」「自走」のマインドが求められています。

これまでの製薬業界では、働き方においても福利厚生の充実においても会社に「守られている」状況でした。しかし、近年の人材市場は「ジョブ型」へ転換が進んでおり、個人が自律して考え、自走することが重要視されています。転職活動に臨むにあたっては、会社の制度や仕組みに依存することなく、主体性を持って取り組めることを伝えられるようにしましょう。

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40代MRの年収事情


40代MRの年収の相場は次のとおりです。

製薬メーカーのMR800万~1000万円前後
CSOのコントラクトMR700万~850万円程度
マネジメントクラス1000万~1300万円程度
40代MRの年収相場

また、MR+本社経験を生かして本社付けの新たなミッションに就く場合、年収1000万~1200万円程度となるケースが多く見られます。

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40代MR、異業種・異職種転職は可能?


40代MRの方々は、これまでの経験を生かして異業種・異職種に転職できる可能性があります。

実際の転職事例としては、「医療機器」「ヘルステック(アプリ、電子カルテなど)」などの分野に移る方がいらっしゃいます。

たとえば、がんに関わる医療機器やアプリを初めて手がける企業が、がん領域の知識を持つMR経験者を採用するケースがあります。

また、開発した製品を医療機関に向けて拡販していくにあたり、医療機関やドクターへのアプローチ方法を知るMR経験者を求めています。特に大病院を対象とした営業ノウハウを持つ方が歓迎されます。

企業側のニーズに合わせ、専門領域や医療機関へのアプローチ・コミュニケーションのノウハウをアピールすることで、異業種・異職種への門戸が開かれています。

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40代MR転職の成功事例


40代のMRで転職に成功された方々の事例をご紹介します。

外資系製薬メーカーのMRから外資系製薬メーカーのマーケティングへ

外資系製薬メーカーのMRのSさん(40代前半/男性)は、会社が早期退職プログラムを開始したことで先々に危機感を抱き、安定感がある環境を求めて転職活動を開始。MR求人を検討する一方、本社で一時期携わったことがある「マーケティング」に軸足を移したいと考え、JACに相談されました。

Sさんの「マーケティング経験」を紐解いてみると、フォーキャスト(売上予測)や戦略策定についてはアシスタントレベルの経験にとどまっていましたが、MRと同行した際のキードクターへの訴求、データをベースとしたMRへの活動のアドバイス・レクチャーなどを中心に手がけてきたことが分かりました。

この経験を強みとして生かす方向で求人を探した結果、「戦略企画と現場の接続」ができるポジションを求めていた外資系製薬メーカーから評価を得て、年収維持で転職を果たされました。

>40代で製薬メーカーのMRからマーケティングに転職成功したSさんの事例へ

「女性MR比率の上昇」を目指す企業へ、年収アップで転職

Kさん(40代前半/女性)もまた、MRとして勤務していた外資系製薬メーカーの早期退職者募集を機に転職を決意。MRのほか、製薬業界でのMR以外のポジション、ヘルステックなどの異業種へも視野を広げて求人を探されました。しかし、「勤務エリアの固定」「年収の現状維持」という希望条件はかなえにくい市況であり、苦戦が続きました。

そんなときにJACからご提案したのが、外資系製薬メーカーのMR求人です。世間の「女性活躍推進」、SDGsの5番目の目標である「ジェンダー平等の実現」の意識の高まりを背景に、その企業ではMRにおける女性比率の向上を目指していました。

MRとして前職で実績も挙げていたKさんはスムーズに選考を通過し、勤務エリアの固定と50万円程度の年収アップで希望をかなえられました。

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40代MR転職のアドバイスQ&A 


40代MRの方々からよくお受けする質問を取り上げてお答えします。

Q.MRの採用は減ってきていますか

A. MRの採用が減っていると思っている方は多いのですが、実は逆の傾向が見られます。昨年と比較しても求人数は増えています。「MR不要論」が出たことにより不安を抱いている方は多いのですが、各社はMRの必要性を感じており、採用に意欲を見せています。
従来のMR採用だけでなく、役割を細分化し、MR経験者を新たな職種名で募集しているケースも増えています。

Q. コントラクトMRは、正社員の求人案件はやはりないですか

A. 2021年ごろから、各社、正社員採用の門戸を広げています。その背景には、MRのアウトソーシング比率の高まりがあります。日本におけるMRのアウトソーシング比率は10%程度ですが、アメリカでは13~14%に達しており、日本もこの動きに追随しています。
実際、40代後半の方がコントラクトMRとして正社員採用されている事例もあります。また、医療・福祉施設向けの支援やコンサルテーションのポジションの求人もあります。

Q. 応募先に「成功事例」をアピールするとしたら、どのような話をすると効果的ですか

A. 「ドクターをこれくらいの量、訪問した」「支店で1位を獲得した」といった実績ばかりを語ってもあまり響きません。それよりも、どのようなステークホルダーとどのように連携し、成果につなげたかのプロセスを語れるようにしておくといいでしょう。データや数字でなく、患者さんや症例ベースで対話してきた経験を語るのも有効です。
また、半年程度でもかまいませんので、本社の仕事を経験したことがある場合は、そこから得た学び、MRの活動に生かせているポイントなどを整理、言語化しておくことをお勧めします。

Q. 異業種への転職は可能ですか

A. 医療機器やヘルステックなど、異業種への転職チャンスもあります。ただし、MR時代は自身で行う必要がなかった価格交渉が必要であったり、顧客からの呼び出しがあったりすることもあります。スタートアップ企業となると、大手企業にはないスピードや臨機応変の対応を求められる傾向もあります。そうした点にギャップを感じて、「MRに戻りたい」と考える方も少なくありません。転職エージェントからしっかりと情報を得たうえで、働き方が自身にマッチするかどうかを判断することをお勧めします。

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40代MRの方が転職を目指すなら、JACへご相談を 


JACには、MRを含めヘルスケア領域を専門に担当するコンサルタントが170名近く在籍しています。大手からスタートアップまでの多様な企業・職種・ポジションの求人を網羅し、日々情報をアップデートしていますので、幅広い選択肢のご提案が可能です。

先述のとおり、MRのご経験が生かせる新しい職種やポジションが続々と登場しています。ご自身が想定していなかった次のキャリアをご提案できることもあります。

まだ転職の意思が固まっていない状況でも、お気軽にご相談ください。

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この記事を監修した転職コンサルタント

大友

大友 健太郎

ヘルスケアコマーシャルディビジョン Pharmaceutical Salesチーム マネージャー



2018年JAC Recruitment入社。一貫して製薬マーケットを担当し、MRをメインにコマーシャル職の方々の転職をサポート。 日系/外資メーカー、CSO企業含め、幅広く担当し、法人立ち上げ時の0ベースからの採用サポート経験も有り。 具体的には、法人立ち上げ企業/リージョナルセールスマネージャー、新規部署/エリアマーケティング、グローバルレポートの研修担当をご支援。MR職では20社への決定実績。



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