「次のキャリアとしてシンクタンクを検討したい」という方もいるのではないでしょうか。
本記事では、シンクタンクとコンサルの違い・企業一覧などを解説します。
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シンクタンクとは
本章では、シンクタンクについて、次の4つの観点から解説します。
• 特徴
• 歴史
• 組織体制
• 仕事内容
シンクタンクは、政治・経済など幅広い分野の課題・事象を調査・研究し結果の公表や提言を行う研究機関
シンクタンクとは、政治や経済、社会、科学技術など、幅広い分野の課題や事象を調査・研究し、その結果を公表したり、政策提言を行ったりする研究機関です。特定の政治的立場やイデオロギーに偏らず、客観的かつ中立的な立場から調査・研究を行う点が特徴です。
なお、研究成果は、一般にも公開されることがあり、企業の事業戦略の策定や社会問題の解決などに活用されます。
シンクタンクの歴史
シンクタンクの起源は、19世紀後半にイギリスにて結成された「フェビアン協会」、20世紀初期にアメリカで設立された「ブルッキングス研究所」まで遡るといわれています。
フェビアン協会やブルッキングス研究所は、複雑化する社会問題に対応するために、政治家や官僚に対して専門的な知識や分析に基づいた政策提言を行う民間の研究機関として設立されました。
日本では、戦後の経済復興や産業振興を目的として、政府主導でシンクタンクが設立されたことが始まりといわれています。
その後、経済成長にともない、民間企業や大学などからもシンクタンクが設立されるようになり、現在では政策提言に限らず、企業の経営戦略立案や技術研究にも支援領域が広がっています。
シンクタンクの組織体制
シンクタンクの組織体制は、研究部門と管理部門に分かれているケースが一般的です。
研究部門は、経済や環境、国際関係、技術など分野ごとに専門チームが設置され、各分野の知見を持った研究員で構成されています。研究員は「リサーチャー」と称されることもあり、データ分析やレポート作成を担当します。また、プロジェクトマネージャーが研究の進行管理やクライアントとの調整を担い、チームで研究が進められます。
一方、管理部門は、研究活動を支援する役割を担い、広報や財務、人事などを担当します。
シンクタンクはプロジェクトベースで動くことが多いため、必要に応じて外部の専門家や学術機関と連携することもあります。
シンクタンクにおける仕事内容
シンクタンクの主な仕事内容は、クライアントが直面する課題や社会全体の問題について、詳細な調査や分析を行うことです。
政府から依頼を受けた政策提言プロジェクトでは、統計データの収集やインタビュー調査、分析結果の解釈を通じて具体的な政策を提案します。企業向けのプロジェクトでは、新規事業の立ち上げや市場調査、技術導入計画の策定などを支援します。さらに、研究成果を報告書や公開セミナー、出版物などの形で広く社会に発信し、一般市民に対して情報を提供するケースもあります。
シンクタンクが扱う課題は多様であり、短期的な課題としては、最新の経済動向分析や特定の政策の効果検証などが挙げられます。一方、長期的な課題としては、地球温暖化問題や少子高齢化問題、技術革新が社会に与える影響などが挙げられます。
このように、シンクタンクは知識を実践に変える役割を担い、学術的なアプローチで社会課題の解決に貢献します。
シンクタンクとコンサルの違い
シンクタンクとコンサルはともに調査・分析を通じて特定の課題解決や改善に取り組みますが、両者の目的や求められるスキル・待遇などにはさまざまな違いがあります。
シンクタンクは、政策立案や社会問題の解決に貢献することを主な目的としている組織であり、中立的・客観的な立場で研究活動を行う点が特徴です。
主にマクロ経済分析や産業構造分析、社会保障制度研究、環境問題研究など、社会全体に関わるテーマを扱い、中長期的な視点で解決策を提言したり、研究結果を公表したりします。
そのため、シンクタンクには、博士号などのアカデミックなバックグラウンドを持つ研究員が多く、業務の推進にあたっては、高度な専門知識や分析力、調査能力、論文執筆能力などが求められるでしょう。
一方、コンサルは、課題改善や解決の支援を通じて、クライアント企業の業績向上や成長に貢献することを主な目的としています。扱うテーマは事業戦略やM&A、ITシステム導入、DX支援など、特定企業の競争力向上に直結するものが多く、実行可能性と短期的な成果を求められる傾向があります。そのため、コンサルタントは、一定の専門性が求められる側面があるものの、論理的思考力や問題解決能力、コミュニケーション能力、プレゼンテーション能力など、多岐にわたる高度なポータブルスキルが重視されます。
このようなビジネスモデルの違いから、シンクタンクのクライアントには、政府機関や地方自治体、国際機関、研究機関など、国の省庁や自治体、国が運営する機会が多く含まれます。対して、コンサルのクライアントは民間企業が中心であり、経営層や事業部門、情報システム部門、人事部門など、企業の課題に応じた部門を担当します。
なお、待遇面は、一般的に利益追求型のビジネスモデルであるコンサルの方が高待遇を提示する傾向があります。一方、シンクタンクは、研究機関としての性質が強いため、給与水準は比較的安定しています。
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シンクタンクの種類【企業一覧】
本章では、民間系シンクタンクと政府系シンクタンクの特徴や違いを解説するとともに、代表的な9つのシンクタンクの特徴を紹介します。
民間系シンクタンク
民間系シンクタンクとは、主に民間企業や経済団体、財団法人などによって設立・運営されているシンクタンクを指します。クライアント対象は多岐にわたり、民間企業のほかに、地方自治体や独立行政法人などから研究を受託することもあります。
民間系シンクタンクの特徴は、クライアント企業のニーズや課題に合わせた柔軟なサービス提供が可能な点であり、企業が抱える課題の解決に向け、コンサルティングサービスまで提供するケースもあります。
野村総合研究所(NRI)
野村総合研究所(NRI)は、従業員数約7,200名(NRIグループ 約16,700名)を誇る日本最大規模の民間系シンクタンクであり、調査・研究、コンサルティング、システムインテグレーションなど幅広い事業を展開しています。その中でも、情報通信技術分野や金融分野に強みを持つ点が特徴です。
本社は東京都千代田区にあり、日本の主要都市に複数の拠点を構えます、またアジアやアメリカ、ヨーロッパにも拠点を置き、各拠点が連携しながら、調査・研究やコンサルティング、ITソリューションなどの提供を通じてクライアント企業の競争力向上や事業成長に貢献しています。
株式会社三菱総合研究所(MRI)
三菱総合研究所(MRI)は三菱グループに属する民間系シンクタンクです。政府や公共機関からの依頼も多く、政策立案や社会課題解決に関する調査研究に強みを持っています。特に民間企業に対する事業戦略の提案や新規事業開発の支援に限らず、地域活性化や都市開発など、社会課題の解決に貢献するプロジェクトも多数手掛けている点が特徴です。
本社は東京都千代田区にあり、約1,200名(グループ:約4,500名)の従業員が従事しています。
株式会社日本総合研究所(JRI)
日本総合研究所(JRI)は、三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)に属する民間系シンクタンクです。
シンクタンクのほか、コンサルティングとITソリューションを含む3つの機能を有している点が特徴であり、戦略的情報システムの企画・構築や経営戦略・行政改革等のコンサルティング、内外経済の調査分析・政策提言等の発信など、幅広く企業活動を展開しています。
東京都品川区に本社を構え、3,200名ほどの従業員が在籍しています。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社(MURC)
三菱UFJリサーチ&コンサルティング(MURC)は、三菱UFJフィナンシャル・グループに属する民間系シンクタンクです。
金融や経済分野に関するコンサルティングを得意としているほか、政策研究や経済調査、地域活性化支援など、公共機関に対してもコンサルティングサービスを提供しており、地域社会への貢献を重視した活動が特徴です。
本社は東京都港区にあり、約1,400名の従業員が所属(三菱UFJ銀行からの兼務出向者を含む)しています。
みずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社
みずほリサーチ&テクノロジーズは、みずほフィナンシャル・グループに属する民間系シンクタンクです。多岐にわたる領域や分野でコンサルティング事業と技術研究開発事業に取り組んでいますが、特に金融分野のコンサルティングに強みを持ち、データ分析を活用した業務効率化やリスク管理の支援に長けている点が特徴です。
本社は東京都千代田区に位置し、約4,100名の従業員が在籍しています。
株式会社NTTデータ経営研究所
NTTデータ経営研究所は、NTTデータグループに属する民間系シンクタンクです。
経営コンサルティングとITソリューションを融合したコンサルティングサービスを提供する点が特徴であり、DX支援を中心とした事業活動を推進する一方で、公共政策やエネルギー、医療分野に関するプロジェクトにも注力しています。
本社は東京都千代田区に位置し、従業員数は500名ほどです。
政府系シンクタンク
政府系シンクタンクは、国や地方自治体などの政府機関によって設立・運営されているシンクタンクを指します。主なクライアントは、設立母体となる政府機関であり、政策立案に必要な調査・研究活動を推進します。
経済政策や教育改革、環境保護、都市計画、エネルギー問題、国際関係など、民間系シンクタンクと比較して公共性の高いテーマを扱う点が特徴です。
独立行政法人経済産業研究所(RIETI)
経済産業研究所は、東京都千代田区に拠点を構える経済産業省が所管する政策研究機関です。
日本の経済構造改革や経済社会構築に寄与する経済政策研究を中心に推進している点が特徴であり、研究成果は政策提言として活用され、広く公開されています。
経済社会総合研究所
経済社会総合研究所(ESRI)は、東京都千代田区に拠点を構える内閣府のシンクタンクであり、国民経済計算(SNA)や景気動向指数など、主に日本のマクロ経済の分析や成長戦略に関する研究を手掛けている点が特徴です。
同機関が調査した研究結果は、政策フォーラムや国際カンファレンス、学術誌などを通じて、広く発信されています。
防衛研究所
防衛研究所(NIDS)は、新宿区に立地する防衛省が所管する研究機関であり、国防政策や安全保障に関する研究を専門としています。また、日本国における、戦史研究センターとしての機能も持っており、国内外の戦史研究や戦史史料を管理・保管しています。
シンクタンクの年収相場
JACの転職支援サービスを利用し、シンクタンクに転職した方の転職後の平均年収は730万円前後であり、550万円~750万円がボリュームゾーンです。中には年収2,000万円を超えるケースも存在し、スキルや職位によって、年収アップが見込める事がわかります。
なお、年代別の平均年収は、次のとおりです。
年代 | 平均年収 |
---|---|
30代 | 715万円前後 |
40代 | 895万円前後 |
50代以上 | 988万円前後 |
※当社実績(2022年1月~2024年12月)より
シンクタンクの最新転職・求人情報
本章では、シンクタンクの最新転職・求人情報を紹介します。
● シンクタンク:研究員、コンサルタント
● 国内大手シンクタンク:サステナビリティコンサルタント/GRCコンサルタント
● 大手日系シンクタンク:エコノミスト
● シンクタンク系コンサルティング会社:業務改革・IT改革・DXコンサルタント
● シンクタンク:戦略コンサルタント職
● 大手日系シンクタンク:人事職(採用・制度更改等)
● 大手シンクタンク:ヘルスケアコンサルタント
● 大手シンクタンク:経営コンサルタント(DXコンサルタント)
● 大手シンクタンク:組織人事コンサルティング
● 人・組織分野に特化したシンクタンク企業:リサーチャー・研究員
※求人の募集が終了している場合もございます。ご了承ください。(2025年1月最新)
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シンクタンクからのキャリアパス
シンクタンクで培った経験を生かしたキャリアパスは幅広く、多様な業界や職種への転職が可能です。主なキャリアの選択肢として、「社内で昇進」「事業会社や官公庁への転職」「独立・起業」「学術分野への転身」などが挙げられます。
シンクタンク内でキャリアアップを目指す場合、一般的にアナリストやリサーチャーとしてスタートした後、プロジェクトマネージャーやシニアリサーチャー、さらには経営層のポジションを目指すケースが通例です。
事業会社に転職する場合は、経営企画や事業開発、調査部門などさまざまな部門で、シンクタンクで培った分析能力や論理的思考力、情報収集力が評価されるでしょう。また、コンサルティングファームへの転職も、シンクタンク出身者にとって一般的なキャリアパスの一つです。さらに、政策分野に関する知見を生かし、官公庁や自治体で政策立案に携わるキャリアを選択するケースもあります。
また、シンクタンクでの研究経験やネットワークを生かして、特定の社会課題を解決するためのNPO法人を設立したり、コンサルティング会社を設立したりする道を選ぶ人もいます。加えて、研究者として大学やほかの研究機関で学術的なキャリアを追究する道もあります。
このように、シンクタンクからのキャリアパスは、多様な選択肢があるため、自身の専門性や志向に合わせてキャリアを選択することが大切です。
未経験からシンクタンクへの転職は可能か
未経験からシンクタンクへの転職は可能ですが、適切な準備が必要です。
未経験者がシンクタンクを目指す場合、まず業界や職務内容の理解に努め、自身の経験がどのように役立つかを明確にしましょう。
シンクタンクでは、高度な分析能力や論理的思考力、情報収集力、そして特定の分野に対する深い探求心が求められます。未経験の場合、これらの能力を実務経験以外で示す必要があるため、スキルや経験の棚卸しを行い、シンクタンクへの転職にあたってアピールできる要件を揃えましょう。
転職活動では、応募先のシンクタンクが特化している分野や取り組みを調査し、自分の経験や目指すキャリアとの親和性をアピールしましょう。
例えば、大学や大学院などで環境政策について研究した経験があれば、環境問題に取り組むシンクタンクに対して、過去に携わった研究内容や研究を通じて培った知識を伝えることで、採用担当者に自身のポテンシャルを示せるでしょう。
また、面接では、研究内容や専門分野について詳細な説明が求められることもあります。そのため、自身の研究内容や専門分野をわかりやすく説明できるように準備しておきましょう。
未経験職種や業界への転職は、情報収集や選考対策など、さまざまな準備が必要です。
その点、JACでは、シンクタンク業界に精通したコンサルタントから業界特有の転職情報の提供や前職で培ったスキル・経験を生かせる求人情報の紹介、内定後のフォローなど一貫したサポートを受けられます。
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