CTO(最高技術責任者)とは?役割・必要な能力や求人・転職情報を解説

公開日:2025/01/17 / 最終更新日: 2025/02/07

「CTOポジションに興味があるけど自分が適しているかわからない…」という方もいるのではないでしょうか。
本記事では、CTOポジションの役割や必要な能力、求人・転職情報を解説します。

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本章では、CTOの役割について解説するとともに、CTOと混同されることの多い「CIO」「VPoE」「CPO」「テックリード」との違いについて解説します。

CTO(Chief Technology Officer)は、日本語で「最高技術責任者」と訳され、企業技術に関する戦略の立案や実行を統括する責任者を指します。自身の習得した高度な技術的知見を生かして企業の成長に貢献します。
具体的には、技術選定や技術研究・開発、技術部門の組織運営、人材育成などの業務を推進します。

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CIO(Chief Information Officer)は、日本語で「最高情報責任者」と訳され、企業の情報戦略全体を統括する責任者を指します。社内インフラや情報セキュリティ、情報資産管理など、情報領域全般を管轄し、情報システムを通じて業務効率化や情報セキュリティ強化に貢献します。
一方、CTOは研究開発や技術選定、技術戦略など、事業に直接関わる技術領域を管轄し、技術革新を通じて事業成長に貢献する役割を指します。

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VPoE(Vice President of Engineering)は、日本語で「エンジニアリング担当副社長」や「エンジニアリング担当役員」と訳され、エンジニアリング部門の組織運営や人材育成、開発プロセス改善など、技術そのものよりも組織運営やプロジェクトの統括を担います。

CTOは、いち経営陣として経営に直結する広い技術領域を統括するのに対し、VPoEはエンジニアリング部門のマネジメントや開発プロセス改善などに特化し、開発現場の効率や生産性の向上に取り組みます。
組織によっては、VPoEがCTOの部下として、CTOの技術戦略に基づいてエンジニアリング部門を運営するケースも存在します。

CPO(Chief Product Officer)は、日本語で「最高製品責任者」と訳され、製品戦略全般を統括する責任者を指します。顧客ニーズ分析に基づいた製品の企画・開発を担当し、製品を通じてユーザー体験の向上に取り組みます。
CTOは、技術領域を管轄するのに対して、CPOは製品企画や製品開発など製品そのものに携わる点が両者の違いです。

CTOとテックリードは、責任範囲や持つべき視点に違いがあります。
テックリードは、開発チームやプロジェクトにおけるリーダーを指し、メンバーを技術的な側面からマネジメントする役割を担います。
一方、CTOは経営陣の一員として、企業全体の技術戦略や方向性を定め、組織をけん引するなどの違いがあります。


CTOが企業に設置され始めたのは1980年代ごろであり、CTOという役職が誕生した背景には、企業の戦略的意思決定や事業計画の策定において、技術が不可欠な要素になったことが挙げられます。
当時、多くの企業では、既存製品への技術統合や大規模な技術要素を持つ新製品・サービスの創出に関して、経営者レベルの視点と高度な技術的知見を持ったCTOが求められ始めていました。

CTOは、今日に至るまで技術をいかに収益性の高い事業に応用するかを検討し、戦略を立案・実行することで、企業の競争力向上に貢献してきました。また、政府機関や学術機関、業界団体などに参加することで、企業にとって有益な情報収集や人脈形成に貢献し、企業全体のプレゼンス向上にも寄与しています。
このようにCTOは多くの企業で専門的な見地から貢献し、企業の成長に寄与してきたことから、現在でも多くの企業で求められる役職の1つになったと推察できます。

出典:Roger D. Smith, “The Chief Technology Officer:Strategic Responsibilities and Relationships”,Research Technology Management, July-August 2003


経済産業省独立行政法人情報処理推進機構が2024年に公表した「デジタルトランスフォーメーション調査2024」によると、日本におけるCTO設置企業の割合は、168社/全体の49%(※)であり、約半数の企業がCTOを設置していることがわかりました。

(※)本調査資料では、DXの推進をミッションとする責任者としてCTO・CIO・CDO・CDOの職位が対象となっているため、確実にCTOが設置されているといえる「いずれも組織上明確に位置付けられ、ミッション・役割が定義されている」の回答状況を反映しています。

経済産業省・東京証券取引所・独立行政法人情報処理推進機構が共同で実施しているDX銘柄制度において、DX銘柄企業に選ばれた企業は、DXを推進する役員を多く配置しており、CTOの設置率は企業のDX化の推進度合いによって大きく異なる様子がうかがえます。


本章では、CTO(Chief Technology Officer)が担う次の4つの主な役割と、それぞれに必要なスキルについて解説します。

・ 戦略的な技術方向性の意思決定
・ 技術的な経営方針の決定
・ 開発組織の包括的な管理・マネジメント
・ 技術者の採用・育成

CTOは、企業の中長期的な事業戦略に基づいて技術戦略や方向性を策定・実行する役割を担います。単に最新技術を導入・開発するだけでなく、市場動向や競合状況、自社の強みと弱みを分析し、どの技術に投資し、どのようにして技術を活用していくかを明確にします。
例えば、新規事業の立ち上げにあたってはどのような技術スタックを採用するのか、既存事業の拡大にあたってはどのような技術革新を起こしていくかなどを決定します。

CTOの意思決定は企業の経営状況や成長を大きく左右するため、CTOには高度な技術知識のほかに、市場分析力や将来予測力、経営戦略への理解などが求められるでしょう。また、競争優位性を生む技術を見極める視点や、適切な判断を下す基盤となる情報を収集する能力も不可欠です。

CTOは、経営陣の一員として、技術的な視点から経営方針の決定に参画します。技術による事業への影響を理解し、経営全体を俯瞰した上で、最適な経営方針を提案し、意思決定を行います。技術開発への投資判断やM&Aにおける技術デューデリジェンスなど、技術が大きく関与する経営判断において、CTOの専門知識と経験が求められるでしょう。
CTOとして活躍するためには、経営や財務、法務に関する知識、技術的なビジョン、策定した計画をほかの経営陣に納得させることのできるプレゼンテーション能力やコミュニケーション能力など、技術知識以外にも多様な能力が不可欠です。

CTOは、組織の運営や人材育成、開発プロセス改善など、開発組織全体の責任者として包括的な管理・マネジメントも担います。
例えば、開発プロセスの最適化や開発環境の最適化はもちろん、人材育成や組織メンバーのモチベーションの向上など、戦略も含めた組織全体のパフォーマンスの最大化に努めます。
開発組織全体をけん引するリーダーシップ力やマネジメント能力、人材育成に関する知見や経験、コミュニケーション能力など、高度なマネジメントスキルが求められるでしょう。

企業の技術力を支える技術者の採用や育成も、CTOが担う役割の1つです。具体的には、技術者の採用から育成、優秀な技術者を引きつけるための魅力的な企業文化の醸成などが挙げられます。また、採用した技術者が個人の能力を最大限に発揮できるよう、適切な研修プログラムの提供やキャリアパスの提示に努め、技術者の成長を促す役割も担います。
技術者の採用・育成においては、企業文化に適合し技術的な専門性を備えた人物を見極める力や研修プログラムを策定した経験、チームメンバーと信頼関係を築きながら適切なフィードバックを提供するコミュニケーション能力が求められるでしょう。


本章では、CTOの最新転職・求人情報を紹介します。

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※求人の募集が終了している場合もございます。ご了承ください。(2024年12月最新)

本章で紹介している求人は、JACが取り扱う求人の一部です。CTOをはじめとする経営幹部層の採用は、事業戦略や経営方針などの機密情報が競合他社に漏えいすることを防ぐため、非公開で採用が進められるケースが多くなっています。
そのため、CTO関連の求人情報を効率的に収集したい場合は、JACのような、エグゼクティブ層に特化した求人を豊富に扱う転職エージェントを活用しましょう。

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CTOは、いち経営陣として企業の技術戦略を統括し、事業の成長を支える役割を担います。企業の事業運営に大きな影響を与える存在であることから、まったく経験がない状態でCTOの職に就くことは難しいでしょう。CTOを目指すには、段階的なキャリア形成とポジションに相応する経験やスキルの習得が不可欠です。

またCTOになるには、高度な技術知識に加え、それを事業戦略に応用する経営者視点も必要です。そのため、技術の分野に限らず、経営や財務、法務などの幅広い知識の習得に励んだり、組織運営や戦略立案などさまざまな経験を積み重ねたりしながらCTOに必要な知識や経験を培っていきましょう。

現職でCTOを目指す場合は、まず現場で技術力を磨き、専門性を高めることから始めましょう。その後、チームリーダーやプロジェクトリーダーを通じてマネジメント経験を積み、次に部門責任者や事業責任者のような上位ポジションに就き、組織運営や戦略立案、予算管理など、経営に近い業務を経験します。これらの経験を通して経営視点を養い、最終的には経営層から次期CTO候補として推薦されることで、スムーズにCTOのポジションに就くことができるでしょう。

転職でCTOを目指す場合は、現職での経験を生かし、CTO候補もしくはCTOに近いポジションへ転職する方法が現実的です。ただし、CTOに近いポジションは非公開で採用が進められるケースも多いため、転職活動においては、JACなどのエグゼクティブ求人を豊富に取り扱う転職エージェントを活用することをおすすめします。

この記事の筆者

株式会社JAC Recruitment

 編集部 


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