CMO(最高マーケティング責任者)とは?役割・必要な能力や求人・転職情報を解説

公開日:2025/01/21 / 最終更新日: 2025/02/07

「CMOポジションに興味があるけど自分が適しているか分からない…」という方もいるのではないでしょうか。
本記事では、CMOポジションの役割・必要な能力や求人・転職情報を解説します。

 

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本章では、CMOの役割やCMOと混同されることの多い「COO」「CSO」「CEO」との違いについて解説します。

CMO(Chief Marketing Officer)は、日本語で「最高マーケティング責任者」と訳され、企業のマーケティング戦略全体を統括する責任者を指します。収益を最大化するための戦略を策定・実行する役割を担い、市場調査や商品開発、広告宣伝、販売促進、ブランディングなど、企業のマーケティング活動に関連する業務を推進します。

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COO(Chief Operating Officer)は、日本語で「最高執行責任者」と訳され、CEO(最高経営責任者)が決定した経営戦略に基づいて企業の日々の業務執行を統括する責任者を指します。具体的には、企業の生産性向上や効率化を図るためのプロセスを設計したり、組織内の連携を管理したりします。一方、CMOは主に顧客や市場に目を向け、マーケティング戦略を策定・推進する役割を担います。
それぞれ担う役割や責任が異なり、CMOが市場の声や動向をリサーチして収益を最大化する役割を担うのに対し、COOはCEOが定めた方針にのっとり、業務プロセスや組織体制の構築に取り組みます。

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CSO(Chief Strategy Officer)は、日本語で「最高戦略責任者」と訳され、企業の中長期的な成長戦略を策定し、それを実現するための全社的な指針を設計する役割を担います。
CMOは、比較的短期的な視点で、マーケティング活動を通じて売り上げやブランド価値向上に努めるのに対し、CSOはより長期的な視点で企業全体の成長戦略を策定する点が違いとして挙げられます。また、CMOの対象領域はマーケティング活動に限られますが、CSOの対象領域は企業活動全体に及びます。

CEO(Chief Executive Officer)は、日本語で「最高経営責任者」と訳され、企業の経営全般を統括する最高責任者のことを指します。一方CMOは、CEOの指揮のもと、マーケティング活動を統括する責任者を指し、CEOのビジョンや戦略に基づきマーケティング戦略を立案・実行します。

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CMOは米国において1980年代から企業に設置されるようになったといわれています。
SpencerStuart社(2018年)の調べでは、米国でのCMOの任期は2006年当時の23.2か月(1.9年)から、2017年には44.0か月(3.7年)となり、10年間でほぼ倍に増加しています。CMOが重要視され起用される機会が増えた要因としては、マーケティングのデジタル化が挙げられるでしょう。マーケティングのデジタル化が進展する中で、テクノロジーに詳しいCMOが、企業の経営において重要視されるようになりました。

一方で、近年米国消費財企業においては、CMOに代わりCGO(Chief Growth Officer)が設置され始めています。CGOとは日本語で「最高事業成長責任者」と訳され、2017年にコカ・コーラ社がCMOを廃してCGOへと変更したことが要因の1つとなって、CGOを設置する企業が急増しました。CGOは従来CMOが担っていたマーケティング戦略の立案や推進に加え、事業成長に寄与する幅広い機能を統括する役割も担っています。

このように、企業を取り巻くマーケティング環境はデジタル化によって大きく変化しており、CMOに求められる素養や役割は一昔前と変化しています。CMOであってもCGOのようにCEOに次ぐ高位のCorporate Officerとして、経営戦略に関与したり他関連諸機能を統合的に管掌したりする役割が求められつつあることを理解しておきましょう。

出典:SpencerStuart (2018). Chief marketing officer average tenure
increases to 44 months. Retrieved from

出典:日本型 CMO の現状と展望(公益社団法人日本マーケティング協会)


上述した、公益社団法人日本マーケティング協会発表の「日本型CMOの現状と展望」によると、CMOを設置している日本企業は2019年時点調査で8~11%という現状です。設置している企業は業種によってばらつきがありましたが、CMOを設置している業種は設置していない業種の半数にとどまる結果となりました。また、CMOの設置率は企業規模によっても異なり、規模の大きい企業の方が高い設置率を示しています。

企業にCMOが設置され始めたのは1980年代以降といわれており、米国では30年前から多くの企業で設置が進んできました。しかし、日本企業は海外企業と比較してCMO設置の進捗が芳しいとはいえませんでした。その理由としてはさまざまな要因が挙げられますが、「経営経験のあるマーケターが少ない」「ジェネラリスト重視の環境が根付いているため、スペシャリストが育ちにくい」など、日本市場や日本企業独自の環境が影響していると考えられます。

しかし、VUCA時代に突入した昨今においては、顧客の情報収集チャネルやメディアが多様化しており、顧客が求める価値ある情報を適切なタイミングで発信するマーケティング戦略や活動が、必要不可欠になりつつあります。また、新型コロナウイルス蔓延を機に、対面型セミナーイベントや対面営業からSNSやインターネットメディアを活用した営業環境の変化に対応するすべとして、マーケティングを重要視する気運が高まりました。
こうした背景から、日本企業においてもCMOもしくはそれに該当するポジションを設置し、マーケティング活動の強化を図る企業が増加しています。

VUCA時代が到来しデジタル普及が加速する現代においては、顧客から選ばれるためのマーケティングがより必要視されるでしょう。日本企業においてもCMOの需要や注目はますます高まると推察されます。


本章では、CMOが担う、主な次の6つの役割と必要なスキルについて解説します。

・経営資源をもとにしたマーケティング戦略立案
・各部門を束ねたマーケティング主導
・社内外のステークホルダーとの関係構築
・社内マーケティング組織の包括的な管理
・ブランディングの構築と強化
・市場探索を行い新たなニーズを捉える

CMOが担う主な役割として、企業の持つ経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)を最大限に活用し、効果的なマーケティング戦略を立案することが挙げられます。どんなに優れた商品やサービスを有していたとしても、効果的なマーケティングを実行できなければ、売り上げにはつながりません。
単に情報を発信するだけではなく、市場の動向や競合の状況、顧客のニーズなどを分析し、企業の強みを生かした戦略を構築し、適切かつ戦略的にマーケティングに取り組む必要があります。

経営資源をもとにしたマーケティング戦略立案にあたっては、高度な分析力や戦略立案の知見、経営とマーケティングを紐づけられる経営者視点の思考が求められるでしょう。

各部門を束ねたマーケティング戦略の主導も、CMOが担う役割の一つです。
例えば、営業部署と連携したリードジェネレーションや社内の部門同士あるいはCEOなどの上級役員と部門との間で意見の衝突が発生する際には解決役を担うこともあるでしょう。
このように、各部署や関係者とのコミュニケーションが頻繁に発生することから、CMOとして業務を推進する際はリーダーシップや調整力、コミュニケーション力など、各部門を束ね業務を推進する能力が不可欠です。

CMOは、社内の各部門だけでなく、顧客や取引先、メディア、投資家など、社内外のさまざまなステークホルダーとの良好な関係を構築する役割も担います。
顧客との良好な関係は、リピート率の向上や口コミによる新規顧客獲得につながるでしょう。また、取引先と良好な関係を築くことで、円滑な事業運営や新たなビジネスチャンスの創出に寄与する可能性が期待できます。
このように企業のマーケティングとステークホルダーとの関係は、互いに関与し合う関係となっており、このことから、CMOは自身の交渉力やコミュニケーション能力、相手のニーズを深く理解する洞察力などを養い、社内外のステークホルダーとの良好な関係の構築に努める必要性があるといえます。

CMOは、社内のマーケティング組織全体を包括的に管理する役割を担います。適切なタイミングで効果的なマーケティングを実行するためには、社内の組織体制を常に最適な状態にしなければなりません。CMOが組織を適切に管理することで、限られた資源を最大限に活用し、より高い効果や成果を生み出すことができるでしょう。

また、マーケティング組織を適切に管理・運営するためには、組織マネジメント経験や人材育成経験、ときには採用や予算管理などの経験や知見が求められることもあるでしょう。

企業のブランドイメージを構築し強化する役割もCMOが担う役割に含まれます。そのためCMOは、広告やPR、キャンペーンを通じて顧客の心をつかむ戦略を展開していくことが肝要です。
顧客からの信頼と愛着を生み出すことで、価格競争に巻き込まれにくくなったり、競争力強化の向上につながったりします。イメージどおりのブランディングを構築し、さらに強化を図るためには、デジタルメディアをはじめとする最新手法に関する知見や、ブランディングの効果を最大化するクリエイティビティなどが必要になるでしょう。

CMOは、市場の潜在的な需要を探り、新たなニーズを捉える役割も担います。市場や顧客のニーズは常に変化しており、過去の成功や体験にとどまっているだけでは、持続的な事業成長を実現できません。CMOが常に市場を探索し、新たなニーズを捉えることで、市場や顧客ニーズの変化にも柔軟に対応できるでしょう。

CMOとして活躍するためには、市場調査を通じて顧客の潜在的なニーズを探る能力や収集した情報を分析し新たなビジネスチャンスを見いだす分析力、最後に新しいサービスやマーケティング手法を創造するイノベーション力などの能力も求められることを理解しておきましょう。


本章では、CMOの最新転職・求人情報を紹介します。

株式会社フィッツコーポレーション:マーケティング責任者候補(CMO候補)
非公開:【日本発グローバルSaaS】CMO直下で国内・海外の成長を圧倒的にリードするChannel Marketing
非公開:メンテック領域におけるリーディングカンパニーを目指すスタートアップ/CMO候補
合同会社DMM.com:【セールスソリューション本部】マーケティング責任者

※求人の募集が終了している場合もございます。ご了承ください。(2024年12月最新)

本章で紹介している求人は、JACが取り扱う求人の一部です。CMOをはじめとするエグゼクティブ層向けの求人は、競合他社に事業戦略や方針などの機密情報が洩れることを懸念視し、非公開で社員の採用を進めるケースが大半です。
そのためCMOに関する求人情報を知りたい場合は、JACなどエグゼクティブポジションの求人を豊富に取り扱う転職エージェントの利用をおすすめします。

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CMOは、企業のマーケティング戦略を統括し、企業価値の最大化を図る最高責任者です。そのため、まったく経験がない状態でCMOの職に就くことは難しいでしょう。CMOを目指す場合は、CMOに相応するキャリアを段階的に形成していくことが不可欠です。
CMOを目指すには、マーケティングに関する高度で幅広い知見を身につけることはもちろん、広範囲にわたるマーケティング分野での経験を重ねていきましょう。また、経営に関する知識や経験も必要となるため、財務に関する知見の習得やチームリーダーとしての経験も積極的に積み重ねていきましょう。

現職のままCMOを目指す場合は、まずマーケティング部門でさまざまな実務経験を積みましょう。実務経験を積んだあとは、チームのプロジェクトを率いる立場を経験し、リーダーシップ力を磨きます。続いて、部門全体を統括するポジションに就き、戦略立案や予算管理など、より上流の工程を経験しましょう。最終的に、経営層からCMO候補として評価を受けることで、CMOのポジションに就くことができます。

転職でCMOを目指す場合は、まずCMO候補もしくはCMOと同等レベルのマーケティング業務を担うポジションへの転職を目指しましょう。CMOポジションは非公開で採用が進められるケースが多いため、転職活動に取り組む際は、JACなどエグゼクティブ求人を豊富に取り扱う転職エージェントを活用するのも一つの方法です。

いずれの道を選ぶにしても、日々の業務を通して経験を積み、スキルを磨き続けることが大切です。常にアンテナを張り、最新のマーケティングトレンドや技術を学び、自己研鑽を怠らないようにしましょう。

この記事の筆者

株式会社JAC Recruitment

 編集部 


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