社会において欠かせない仕事である臨床検査技師。近年では、その多岐にわたる業務内容の一部として、新型コロナウイルスの流行でPCR検査が一般的に知られるなど、少し前からは想像できない世の中になりました。
そんな医療検査の専門職である臨床検査技師ですが、キャリアに目を向けたときにどのような選択肢があるのか、どのような角度からより社会貢献ができるのか、気になる方も多いと思います。結論を申し上げると、臨床検査技師は専門性が高い職種でありつつも、その経験からさまざまなキャリアの可能性があります。ここでは臨床検査技師の方の転職動向や、他職種に転職する際に求められるスキルや経験、キャリアパスなどについてJAC Recruitment(以下、JAC)のヘルスケア領域専任コンサルタントが解説します。
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臨床検査技師の転職は難しい?動向と求人の傾向を解説
臨床検査技師から他職種に転職する方は増えており、求人数も増加傾向です。 この背景には、新型コロナウイルスの影響により採用を抑えていた企業の復調が挙げられます。世間全体的に「検査」自体の重要性やニーズが増してきたことにより、診断薬・診断機器の注目度も高まり、採用も活発になってきています。
臨床検査技師が企業への転職で求められるスキル・経験・マインドについて
転職先の職種にもよりますが、理系の職種で企業に転職する場合、一番に重視されるスキルはコミュニケーション能力です。マインド面では社会貢献にやりがいを感じる、成長意欲などが大切です。
企業に所属すると、チーム内だけでなく他部門や会社外の方との連携などで、コミュニケーション能力が必須となります。
臨床検査技師の経験が生かせる医療や製薬などのヘルスケア業界では、人の命や健康にかかわる事業を展開しているため、その事業に共感し社会に広げていきたいというマインドや、日々進歩する技術や社会動向をキャッチし自身をアップデートしていく成長意欲も重視されます。
臨床検査技師の年収相場
医療機関に勤務する臨床検査技師の方の一般的な年収は400万円〜600万円です。
臨床検査技師の方が、JACを経由して民間企業に転職される際の年収は500万円〜800万円です。
職種やご経験、企業規模により年収にも幅があります。
臨床検査技師から他職種への転職は可能?キャリアパスを解説
ここでは臨床検査技師としてのキャリアパス、他職種への転職の可能性や、その際の注意点について説明します。
臨床検査技師としてのキャリアパスについて
まず、臨床検査技師として専門性を磨くキャリアと、主任や検査技師長などのポジションに就くキャリアの大きく2つがあります。臨床検査技師が取得できる認定資格にはさまざまなものがあり、研修会やセミナーの参加、受験によって取得することが可能です。
マネジメントや会議の出席、検査業務の範囲を超えて組織を見渡した仕事をしたい方は、管理職を目指すと、よりやりがいを感じて働ける可能性があります。
臨床検査技師から他職種への転職の可能性について
臨床検査技師から他職種への転職に目を向ける場合、キャリアパスは多岐にわたります。
・アプリケーションスペシャリスト(学術職)
・CRA(臨床開発モニター)
・営業職
アプリケーションスペシャリスト(学術職)
検査キットや検査機器の販売を行う企業に所属する職種で、顧客に自社製品の使用説明や質問に答えるなどの業務を行います。
臨床検査技師の業務では、検査に関連する製品を使用する買い手側だったのに対し、アプリケーションスペシャリストでは企業側として売り手に回るようなイメージです。 学術職は営業職とは異なる立場から、科学的な知識を生かして提案やサポートができます。
CRA(臨床開発モニター)
CRAは医薬品の開発職として知られる職種です。
医薬品を販売するために厚生労働省に申請を出す際、治験を通して医薬品の種となる物質のデータを集める業務を担当します。
また、CRAが製薬企業側で治験業務を進めるのに対して、医療機関側で治験業務を行うCRC(治験コーディネーター)という職種も存在します。病院内で治験業務に取り組む医師や看護師、臨床検査技師の方と連携を取り、資料作成やデータ収集を行う仕事です。
営業職
臨床検査技師からは、医療系や理系企業の営業職に転職することも可能です。傾聴力や交渉力などのコミュニケーション能力、課題発見能力やプレゼンテーション能力などが必要になります。
営業職にはMR(医薬情報担当者)やDMR(臨床検査薬情報担当者)も含まれます。
MRは医薬品の営業職として知られており、正式には医薬情報担当者という名称です。使い方を誤れば毒ともなりえる医薬品の情報を、医師や薬剤師に対して適切に伝える仕事です。
また、DMRは臨床検査薬のMRのことです。医薬品の分類には、疾病の診断等に使用される医薬品である臨床検査薬というものがあります。臨床検査薬の製造を行う企業に属して、情報提供を行う職種がDMRです。
JACにご登録いただいた方の転職実績としては、アプリケーションスペシャリストやCRAが多い傾向にあります。
どちらの職種も、臨床検査技師と比較すると、給与だけでなくキャリアの選択肢も増え、働き方にもバリエーションが増える等のメリットがあります。
また、臨床検査技師の業務では、目の前の患者さんに貢献する視点が強かったところが、企業側に立つと大きな軸で見ることになります。そのため、患者さんに貢献できるインパクトも大きくなり、やりがいの面でも魅力を感じられる方がいます。 一方、臨床検査技師の業務はほぼ内勤という方が多いのに対し、紹介した他職種では外勤や出張もあり、さらに営業職だと車の運転も必要となる点はあらかじめ理解しておくとよいでしょう。
他職種へ転職する際の注意点
臨床検査技師から他職種に転職する場合、コミュニケーション能力やパソコンでオフィスツールを使用する能力などが求められることが多いです。
コミュニケーション能力は最低限の情報伝達ではなく、相手の意図を考慮して端的に受け答えをする力、必要に応じてディスカッション力などが必要になります。
医療機関内で臨床検査技師として働いている場合は、主な業務が検査になりますが、他職種の場合は社内の他部門の人や社外の方と関わることが多くなるため、相手の意図や要望を聞き、適切に応えるというコミュニケーション能力が大切になります。
また顧客や他部署への説明の機会も増えるため、資料作成やプレゼンテーションのためにオフィスツールのスキルも必須となります。
必要な資格
資格は必要ない場合が多いですが、転職先企業の製品や業務内容に共通するスキルがないと、転職自体が難しい時があります。
特にアプリケーションスペシャリスト(学術職)などでは、臨床検査技師として関わってきた領域と、採用企業側の分野が合わない場合、転職は難しいでしょう。
例えば、検体検査と生理検査に分かれているうち、検体検査なら尿・血液・細胞など、生化学免疫検査、病理検査など、どの領域に携わってきたかが選考において大切なポイントです。
また、臨床検査技師の方のなかでも細胞検査士の認定資格をお持ちの方は、学術職において、より専門的な業務に就くことが可能となります。
さらに、読み書きが可能な程度の英語力も求められます。
TOEICスコアを必須にしているところは少ないですが、実務では学術論文や英語資料の読解、グローバル企業だと英語を使ったメールでの連絡や会議参加の場面があります。そのため、読み書き程度の英語力は身に付けておくと良いでしょう。
先に述べたとおり、営業職の場合、車を運転して取引先企業に向かうこともあります。そのため、自動車の運転免許を持っていると選考が有利に働きます。
臨床検査技師の転職を成功させる3つのポイント
臨床検査技師から転職を検討する際に押さえておきたいポイントについて説明します。
では、それぞれ解説いたします。
【1】プロジェクトリードに関する経験
職務経歴書では、プロジェクトをリードした経験や、自発的に動いて部署の業務効率化を行なった経験、周りを巻き込んで業務を遂行した経験などはアピールポイントとなります。
他職種では誰かと協働することが多くなるため、このような経験は役に立ちます。
【2】担当していた検査やその経験期間
採用企業の求める分野と、自身の経験してきた検査項目などが合わない場合、書類選考の通過は難しい傾向にあります。
例えば、検体検査のなかでも血液・尿・細胞、生化学免疫検査、病理検査などは、どの領域をどれくらいの期間にわたって担当していたかを、明確に記載しておくことをおすすめします。
【3】コミュニケーション能力
特に面接においては、コミュニケーション能力を重視されます。
相手の話を聞いて適切に応えられるように、面接の事前準備が必要になります。
臨床検査技師の転職でよくある質問と回答
臨床検査技師からの転職を検討する方々からいただく、よくある質問にお答えします。
Q. 臨床検査技師の経験から挑戦できる職種がわかりません。
A. アプリケーションスペシャリスト(学術職)、臨床開発モニター(CRA)、営業職などに転職することが可能です。
JACではアプリケーションスペシャリストやCRAなどへのご転職が多い傾向にありますが、まずは職種の名前にとらわれず、自身で何を解決したいか、何をしたいのかを軸に考えることが大切です。
「現職を続けるべきなのか」、「給与面は今のままで良いのか」など、具体的なイメージを持つためにも、ぜひJACへご相談ください。
Q. 病院での働き方と企業での働き方の違いはなんですか?
A. 企業の勤務では、医療機関の勤務のように、毎日同じ場所へ出勤して同じ作業をする業務ばかりではありません。
企業では毎日の業務が異なり、また、自身で業務のスケジューリングをするなど、医療機関で臨床検査技師をしている場合と比べて求められるものに違いが存在します。
また企業は、医療機関よりも営利目的の要素が大きいため、成果や数字、利益を追求することにフォーカスすることも多くなります。
臨床検査技師からの転職事例
ここでは実際にJACを通じて、臨床検査技師からアプリケーションスペシャリストに転職された、30代前半の方の事例をご紹介します。
転職成功事例:キャリアの可能性を広げるため、外資系大手企業の学術職へ
臨床検査技師としてのキャリアを積んできたTさん(30代前半/男性)は、ご自身の仕事の幅と可能性を広げたいという考え、転職活動を始められました。しかし、ほかの転職支援サービスではあまり現実的に思えない転職先を提示され満足できなかったので、JACに相談されました。
JACでは、臨床検査技師の経験を尊重しつつ、アプリケーションスペシャリストなどの新たなキャリアパスも紹介。Kさんは臨床検査技師のなかでも細胞検査士の認定もお持ちだったため、その専門性が生かされる外資大手企業のアプリケーションスペシャリストを提案し、結果、年収アップで転職に至りました。
企業側は、このポジションの採用で「コミュニケーション能力」と「課題解決能力」を重視していて、Tさんの検査体制の改善における問題解決を行ってきた経験を評価し迎え入れたのです。
JACではこのような具体的なスキルや経験値だけでなく、企業がどのような人材を求めているのかを的確に把握しているため、転職希望者に合った企業をご提案が可能です。書類だけでは伝えきれないことはJACのコンサルタントから採用企業へフォローし、選考や企業とのやりとりがスムーズに進むようサポートしています。
転職成功の詳細は下記にてご確認いただけます。
臨床検査技師の転職成功事例|アプリケーションスペシャリストへの転身でキャリアを広げる
臨床検査技師の転職ならJAC
JACでは、ヘルスケアチームを細分化し、検査に関係する職種に特化したチームも設けています。
医療、製薬、バイオテクノロジーなどの分野における深い専門知識を有しており、それぞれの方の持つ独自のスキルや経験をしっかりと評価し、最適な転職を実現するお手伝いをいたします。
また、JACのコンサルタントは企業の採用担当者や経営層、現場の方とも常に情報交換をしているため、より正確で最新の情報提供が可能です。
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Step 3応募・面接
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Step 4内定・入社
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ご要望によって、円満退社に向けたアドバイス等も行っております。 -
Step 5アフターフォロー
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