転職で必要とされるスキルを年代別・業種別に解説

公開日:2024/08/08 / 最終更新日: 2024/08/15

転職を目指すにあたっては、業種に適したスキルを身につけた上で、企業に適切にアピールすることが求められます。
しかし、実際にどのようなスキルが必要なのか、また、どのようなスキルが役に立ち、評価されやすいのかについて悩んでいる方も少なくありません。そこで今回は、転職において評価されやすいスキルを紹介しつつ、どうすれば必要なスキルを習得できるのか、ハイクラス転職のJAC Recruitment(以下、JAC)が解説していきます。

ぜひ、本記事を参考に、あなたの年齢と目指している職種で評価されやすいスキルを身につけてください。

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• ポータブルスキル
• テクニカルスキル

まず、転職において必要とされるスキルは大きく分けて2種類存在します。
それは「ポータブルスキル」と「テクニカルスキル」と呼ばれるもので、あまり聞きなじみのない言葉かもしれませんが、それぞれの定義を理解した上で転職活動を進めていきましょう。
どのようなスキルか簡単に紹介するため、確認してみてください。

ポータブルスキルとは、一言で表現するならば「特定の職種や業界には限定されない、どのような職場でも役立つ汎用的なスキル」のことです。例えば、コミュニケーション能力や問題解決能力、リーダーシップやタイムマネジメント能力などがポータブルスキルに該当します。
いわゆる「仕事ができる人」を例える際に多くの人が思い浮かべる能力と言い換えても良いかもしれません。 このようなスキルは転職市場で非常に高く評価され、さまざまな職場で応用が可能です。

ポータブルスキルには以下のような要素が挙げられます。

• コミュニケーション能力
• 問題解決能力
• リーダーシップ
• チームワーク
• タイムマネジメント
• クリティカルシンキング
• 交渉力
• プレゼンテーションスキル
• ストレスマネジメント
• アダプタビリティ(適応力)

例えば、コミュニケーション能力は職場で円滑に同僚と交流し、役割分担をするために必須のものです。
また、仕事というものは基本的には問題が発生し、それを解決することで進んでいくため、問題解決能力はどのような職場においても求められます。

一方で、テクニカルスキルとは「汎用性はあまり高くないものの、特定の職種や業界で高く評価される専門的な知識や技術」のことです。例えば、ITエンジニアを目指す人であれば、プログラミング言語の習得やプログラミングスキル、経理を目指す人であれば簿記の知識などが該当します。
このようなスキルは高度な専門性を要求されるため、目指している業界や業種によっては非常に高く評価される傾向にあります。ただし、汎用性が高いわけではないため、目指す業種によってはあまり意味がないこともあります。

テクニカルスキルには、例として以下のようなものが挙げられます。

• IT系のスキル(例:プログラミングスキル、IoT、AI、サイバーセキュリティ対策)
• データ分析・統計
• マーケティングの知識
• 接客力
• 社会保険労務士などの業務独占資格
• 宅地建物取引士などの必置資格
• 英語力
• 営業力
• 身体能力


1. 20代で評価されやすいスキルの例
2. 30代で評価されやすいスキルの例
3. 40代で評価されやすいスキルの例
4. 50代以降で評価されやすいスキルの例

続いて、年代別に転職において評価されやすいスキルについても紹介します。
20代から50代以降まで、それぞれの年代でどのようなスキルが評価されやすいのかについて把握しておきましょう。

• ポテンシャル
• ポータブルスキル
• 積極的にスキルを伸ばす姿勢

20代の方は「ポータブルスキル」が評価されやすい傾向にあります。ほかにも、既に保有しているスキルというよりは「ポテンシャル」や「成長性」が重視されます。
特に20代前半の方は学歴や基本的なビジネスに関する知識を大前提として、ポータブルスキルが評価されます。そして、20代後半に差し掛かってくると、ポータブルスキルに加えて、テクニカルスキルやこれまでの仕事において何かしら業績を残してきた実績などが求められることが多くなってきます。

20代の転職活動における同年代の動向・成功させるコツを解説

• ポテンシャル
• ポータブルスキル
• テクニカルスキル
• リーダー経験

30代になると、ポテンシャルはもちろんのこと、即戦力となる人物が求められることが多いため、「テクニカルスキル」も重視されてきます。これまでの経験から得られた能力を企業に還元することを求められるため、リーダーや管理職などメンバーを統括する経験を積んだ人が優遇される傾向にあります。チームや職場の課題を解決する能力や、自分の考えを積極的に発信し、周囲を巻き込み動かす力、部下や後輩を指導する力、つまり「影響力」が高い人物が重宝されるのです。

30代になると「期待の新人」というよりは「企業の中核を担う存在」としての役割が求められます。
従って「ただ、求められた業務をこなしていただけ」では内定を得ることは難しくなってきます。これまでの社会人生活において、自発的に取り組み、何かを達成したエピソードがあれば、選考でも好印象を与えやすくなるでしょう。

30代の転職活動における同年代の動向・成功させるコツを解説

• テクニカルスキル
• マネジメントスキル
• 経営に関する理解
• 企業に提案する能力

40代になると、30代よりもさらにレベルの高い「テクニカルスキル」が求められるようになります。グループや一つの部門などを統括するために「マネジメントスキル」も求められます。メンバーを引っ張りながら困難なプロジェクトを達成した経験や、複雑な業務をこなすために周囲をマネジメントしてきた実績などが評価される傾向にあります。
また、40代になってくると、ただの社員として活躍するだけでなく、経営に関する理解も求められるようになってきます。
マネージャーとして、自分が所属している事業部の戦略の立案を担当するだけでなく、企業の経営環境の変化を踏まえて、新しい事業や仕組みを企画・推進する能力なども必要となります。

40代の転職活動における同年代の動向・成功させるコツを解説

• テクニカルスキル
• 水準の高いマネジメントスキル
• 経験値を還元するスキル

50代の人が転職を成功させるためには、「テクニカルスキル」は当然のことながら、「より高いマネジメントスキル」が求められるようになります。近年の転職市場では、人材不足や新しい企業の増加により50代のニーズも高まりつつありますが、それは「豊富な経験と専門知識を、企業に還元してくれる」という前提があってのものです。
従って「50代ではあるものの、そこまで経験や専門知識がない」という人は転職を成功させにくいです。人材不足の企業や比較的新しい企業は、50代の転職者に今まで培ってきた経験を会社に植え付けることを求めています。
マネジメントスキルはもちろん、新たな知見や視点、企業に備わっていない人脈や経営戦略の知識、経験があるかが重要視されます。

50代の転職活動における同年代の動向・成功させるコツを解説


1. IT系エンジニア職の転職で評価されやすいスキルの例
2. コンサルティング職の転職で評価されやすいスキルの例
3. マネージャー職の転職で評価されやすいスキルの例
4. 営業職の転職で評価されやすいスキルの例
5. 金融系の転職で評価されやすいスキルの例

続いて、職種別に転職で評価されやすいスキルについても解説していきます。
どのような職種を目指すかによって求められるスキルは異なってくるため、自分が備えているか確認し、もし足りないと感じる場合は独学や資格勉強を通じて能力を伸ばすようにしましょう。

• ITの全般的な知識
• プログラミングスキル
• データベース管理スキル
• コミュニケーション能力

IT系エンジニア職の転職では、プログラミング言語の知識が高く評価されます。特に、PythonやJava、C++など、主要なプログラミング言語を習得していることは重要です。また、データベース管理のスキルも高く評価されるため、SQLやNoSQLデータベースの操作経験があると有利です。

ITエンジニア職への転職を目指す場合は高いスキルが求められるため「独学で学んだことがある」というレベルではなく、実務経験があると評価されやすくなります。また、エンジニアはコミュニケーション能力も求められる仕事です。チームでプロジェクト達成に向けて役割分担を行いながら業務を進めるため、選考の際にはその部分も評価されます。

IT業界転職情報

• 問題解決能力
• 分析力
• コミュニケーション能力
• プロジェクト管理能力
• 目指す業界に関する知識

コンサルティング系の転職においては、問題解決能力や分析力が特に重要視されます。コンサルタントの仕事は、クライアントの課題を的確に把握し、解決策を提案することだからです。また、クライアントやチームメンバーと良好な関係を築き、共に同じ方向を向いて解決を目指すためには、コミュニケーション能力も必須です。

さらに、社内外の人々と関わる必要があるため、プロジェクトを管理する能力も高く評価される傾向にあります。
特定の分野に特化しているコンサルティング会社に転職を目指す場合は、その業界特有の知識が深い方が有利です。例えば、金融、医療、ITなど、志望する企業が顧客としている取引先の業界知識が深いと、より採用担当者にとって魅力的に映るでしょう。

コンサルティング業界転職情報

• マネジメントスキル
• 戦略的思考
• 自分の仕事を確実にこなす能力
• チームをまとめた経験

マネージャー職を目指す人には、リーダーシップとチームマネジメント能力が求められます。マネージャー職は、チーム全体を見回した上でパフォーマンスを最大化し、目標達成に導くことが仕事となります。組織のビジョンや目標などを常に念頭に置いて、正しい方向に導く戦略的思考も求められます。チームの先陣を切る存在でもあるため、自身の業務を確実に遂行する能力も求められます。メンバーを引っ張る存在として、説得力も必要だからです。

もちろん、プロジェクトは予算と納期を遵守して遂行される必要があるため、総合的な管理能力も必要とされます。従って、前職でチームをまとめた経験、もしくは部下を指導した経験がある人は、積極的にアピールしたいところです。

• コミュニケーション能力
• 傾聴力
• 交渉力

営業職の転職では、コミュニケーション能力と傾聴力、そして交渉力が評価されやすい傾向にあります。営業は取引先と良好な関係を築き、ニーズを引き出して的確な提案を行う必要があるからです。コミュニケーション能力があると、成約の決定権を握る担当者との関係値を築きやすいため、好印象を与えられるでしょう。
傾聴力がある人物は自社の商材をひたすら売り込むのではなく、相手の話をしっかりと聞き、悩みを聞き出した上で的確な提案ができます。

そして、成約の瀬戸際に直面した際は交渉力がものを言います。相手のニーズと予算の限界、自社のリソースやスケジュールを勘案した上で、お互いの妥協点を見つける能力は必要となります。
また、常に自社の商材や顧客となる企業の業界知識をアップデートする姿勢も求められます。時代の流れや技術の進歩とともに、扱う商材や取引先のニーズは変化するため、それに柔軟に対応できるよう、常に最新の知識を頭に入れる必要があるのです。

営業職(セールス)転職情報

• リスクマネジメントスキル
• コミュニケーション能力
• 分析力

金融系の転職においては、金銭を扱う仕事のため、リスクマネジメントのスキルが高く評価される傾向にあります。市場のリスクや信用のリスクを識別した上で、適切に対応する能力が必要です。さらに、金融商品や市場の知識も必要です。株式、債券、債権などの金融商品を理解した上で、投資戦略を立案、実行する能力が求められます。また、顧客と接する機会も多いため、ニーズを理解し、適切な金融商品やサービスを提案するコミュニケーション能力や分析力も必要です。

そして、顧客の大切な資産に関わる業務が多く、資産に関するデリケートな話をしなければならないことも多いため、ストレス耐性が高いと働きやすいでしょう。財務分析や会計の知識があると、さらに有利です。財務諸表の読み方や分析の方法を理解した上で、企業の財務状況を的確に評価する能力も、アピールできる要素の一つと言えます。

金融プロフェッショナルの転職ならJAC Recruitment


1. 実務で経験を積む
2. 資格の勉強をする
3. セミナーに参加する

続いて、転職を有利に進めるにあたってのスキルの取得方法についても紹介します。
合っていると思われる方法を中心に積極的に取り組み、転職市場で引く手あまたな人材になれるよう、取り組んでみてください。

結局、実務で経験を積むことが最も早いスキルの習得方法であると言えます。「実務で実戦できて初めてスキルと言える」という考え方もあります。いくら学習に熱心に取り組み、資格を取得していたとしても「資格を持っているだけ」「知識があるだけ」で、実務経験が伴っていないと、なかなか評価されません。
著しくスキルが足りていないと感じる場合、転職でいきなり第一志望にチャレンジするのではなく、一旦スキルアップを目標とした企業を挟むのも良いでしょう。社会人インターンシップを利用して経験してみる、というのも一つの手です。

「資格を保有しているか」は、職種によっては選考に影響するポイントとなります。しかし「資格なら何でもよい」というわけではありません。例えば、基礎的なITスキルの証明になる「基本情報技術者」資格を、30代以上の人がアピールしても有効となることは少ないでしょう。

そこで、資格勉強をする際は「資格自体の市場価値が高いか」「資格勉強を通じて、転職後に役立つスキルを身につけられるか」を検討する必要があります。特に、かなりの時間を費やさなければ合格できない資格を持っているということは、努力を継続できる人物であり、さらに業務に関する専門知識も深いという証明になります。

例えば、建設業界で重宝される「宅地建物取引士」資格は合格率が15%前後(令和5年度は17.2% ※)と非常に低く、保有していることでアピールポイントとなるでしょう。

※出典:令和5年度宅地建物取引士資格試験結果の概要(令和5年11月21日)より

また、勉強方法についても理解を深めておきましょう。独学で勉強するのも良い選択肢です。自分のペースで勉強できますし、何より費用がテキスト代しかかからないため、予算を抑えながら勉強を進められます。さらに、講習会や勉強会を活用するのも手段の一つです。一人ではなかなかモチベーションが高まらないという人でも、同じ資格を目指す人たちと同じ場所で学べば、おのずとモチベーションが高まるでしょう。また、さまざまな人とコミュニケーションをとることで、転職に関して別の道筋を発見する機会が得られるかもしれません。

スキルの習得方法として、ビジネスセミナーに参加するのも選択肢の一つです。
転職セミナーやビジネスセミナーでは、どのような業界でどのような能力が求められているのかについて詳しく紹介しているほか、そのスキルの習得方法についても説明しています。実際に講義などを行っている場合も多く、参加するだけでスキルを身につけられることも多いです。また、個別で面談を行ってくれるセミナーもあり、自分がどのような業界を目指しているのかについて相談すれば、自分に足りない部分や伸びしろがある部分について分析してくれます。
気になるセミナーがあれば積極的に参加し、自分に足りないものが何か、どうすればより市場価値を高められるのかについて検討してみてください。


スキルがない場合でも、業界や年齢によって転職は可能です。未経験の分野に転職する場合は、柔軟な思考や学習意欲が重要視されるため、未経験でも十分に転職を目指すことは可能となります。

特に20代の内はスキルがない場合でも転職がしやすい時期になります。この時期はポテンシャルを見込んでの採用が多いため、「学習意欲」や「適応力」をアピールすることで、選考でも好印象を残すことができるでしょう。20代の内に将来的に必要とされそうな、自分に合いそうなスキルを見定めて行動できるとベストです。

30代以降、スキルがない場合は転職の難易度が上がってきます。30代ではある程度の実務経験が求められるため、完全に新しい職種へ未経験からチャレンジすることは難しいです。しかし、募集要項によっては、これまでの経験を生かしつつ、新しいスキルを習得する意欲を示すことで、内定を得るチャンスもあるでしょう。

40代になってくると、豊富な経験や業界知識が重要視される傾向にあるので、未経験分野の転職には戦略的なアプローチが必要になってきます。これまでの職歴において身につけたマネジメント経験やリーダーシップなどを強調した上で、新しい分野でも貢献できる点をアピールしなければ難しいでしょう。

50代以降の場合は、豊富な経験をもとにした指導力やコンサルティング能力が評価されます。未経験の分野においてどのように経験を還元できるのか、どのように価値を提供できるのかについて説明できなければ転職は難しいかもしれません。


転職活動において「スキルセット」は重要ですが、同時に「マインドセット」も重要となります。転職しようとすると、求人情報には必要とするスキルが羅列されているため、どうしてもスキルに目がいきがちになります。ですが「マインドセット」も気にしてみてください。
「マインドセット」とは、自分が持っている物事の見方や考え方の癖のようなものを言います。転職におけるマインドセットでは「転職を通じて何をしたいか」「人生における仕事の立ち位置」といった要素のどのように捉えているか、という観点が重要となってきます。自己分析を通じて、「何のために転職するのか」「転職後にどうしたいのか」といったことを考えてみてください。自分のことを把握しており、自分のスキルの幅と質を理解したうえで「中長期的なビジョン」を思い描いている方は高く評価されます。主に最終面接で役に立つでしょう。

スキルだけでなく、自分についての理解を深め「何がやりたいのか」「将来的にどうなっていたいのか」「どのようなスキルを身につけたいのか」といったことも、一度考えてみてください。


この記事では転職で必要とされるスキルについて紹介しました。
転職を成功させるためには、自分のスキルについて把握した上で、企業の求めている人物像に沿ったアピールをすることが重要です。それぞれの年代で評価されやすいスキルについては理解できたものの、自分が目指している職種に求められるスキルが何かわからない、どのように対策をすれば良いのかわからないと悩んでいる人もいるでしょう。

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この記事の筆者

株式会社JAC Recruitment

 編集部 


当サイトを運営する、JACの編集部です。 日々、採用企業とコミュニケーションを取っているJACのコンサルタントや、最新の転職市場を分析しているJACのアナリストなどにインタビューし、皆様がキャリアを描く際に、また転職の際に役立つ情報をお届けしています。