転職面接では「なぜ当社を選んだのか」という質問をされることがあります。この質問には「単純に選んだ理由を知りたい」という意図のほかにも、その理由から「自社への理解度や適合性を確認したい」という意図も含まれています。
スムーズに答えられなかった場合は自社への理解度や志望度が低いと見なされてしまう場合があるので、しっかりと事前準備し、対策しておきたい質問です。
この記事では、「なぜ当社を選んだのか」という質問の意図と回答の準備方法をハイクラス転職のJAC Recruitment(以下、JAC)が解説します。 回答例を4パターン紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
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転職面接における「なぜ当社を選んだのか」という質問の意図
転職面接で「なぜ当社を選んだのか」という質問には主に上記のような意図があります。企業側がなぜこの質問をしているのか?という理由を知っておくと、面接対策がしやすくなるのでチェックしてみてください。
意図1.自社とその業界への理解度を確認するため
企業側は選考の過程で「自社とその業界の理解度」を応募者に対して確認します。「なぜ当社を選んだのか」は、その理解度を測る質問の1つとなっています。応募者がその企業を選んだ理由を聞き出し、その内容から自社のこと、業界のことを本当に理解しているのかという点をチェックしています。
例えば、志望理由が「社員1人あたりの売上高が業界でトップクラス」という内容であれば、その企業と業界のことをしっかりと下調べしているアピールにつながります。
応募者がその企業に興味をもってしっかりとリサーチしていることは、長期的なキャリアを本気で考えている証拠にもなります。また、自社の事業内容や戦略を理解している応募者は、入社後に早くから貢献できる可能性が高いとも考えられます。応募者が具体的なプロジェクトや事例について言及し、それを応募理由としてアピールしても良いでしょう。
意図2.自社との適合性を確認するため
自社との適合性、つまり「応募者と自社が合っているか」という確認も選考の過程で必ず行われます。合っていない人が入社してしまうと、能力を十分に生かせなかったり、すぐに退職してしまったりと、企業側としてもデメリットが大きいためです。そのため、さまざまな質問でこの意図は探っており、「なぜ当社を選んだのか」という質問はこの部分も見ています。
志望理由のうち、特に社風や企業のビジョンに触れる場合は、この意図に対する回答となるでしょう。
意図3.伝えた志望動機が他社でも良いと捉えられたときの2次質問
転職面接では、面接の序盤の方で「志望動機」を伝える機会があったかと思います。その後に「なぜ当社を選んだのか」とあらためて聞かれた場合は、志望動機の内容が他社でも良いと捉えられてしまった可能性があります。
志望動機で、例えば「業界全体のこと」「職種のこと」を動機として話した場合は、この2次質問をされる可能性があります。志望動機で業界や職種全体のことを全面に出してアピールすることは決して悪いことではありませんが、志望企業ならではの理由も用意しておくと良いでしょう。
「なぜ当社を選んだのか」の回答は事前準備が大切
業界や職種のことであれば、今まで働いていた経験や転職先を検討している段階である程度の回答が自然と用意できるでしょう。しかし、「なぜ当社を選んだのか」という、その企業ならではの理由となると難しいと感じる方も多いのではないでしょうか。
回答するには他社と比較をしておく必要もあり、事前準備が重要となります。ここでは、「なぜ当社を選んだのか」という質問に対してスムーズに回答するための事前準備の方法を紹介していきます。
ポイント1.業界・企業研究を行う
応募する企業やその業界について徹底的にリサーチを行いましょう。当然のことではありますが、即戦力が求められる転職市場で、自社とその業界について知識がない人は必要とされません。同業他社に転職する場合でも、復習と予習を兼ねて業界研究は行うようにしてください。自社とその業界に対して知識が深い人は戦力として認められやすいほか、「自社で長期的なキャリアを見据えている」「志望度が高い」とも捉えられます。
業界・企業研究の方法として、まず応募する企業の公式ウェブサイトやプレスリリースをチェックしてみてください。企業のミッションやビジョン、価値観などを確認することで、企業が何を大切にしているか、どのような方向性かを理解することができます。
さらに、企業のソーシャルメディアや社員のインタビュー記事を読むことで、社風や職場環境についてのリアルな情報を得ることができます。上場企業であれば決算書から売り上げの推移、プロジェクト別の売上高、ビジョンなどをチェックすると良いでしょう。
また、業界のトレンドや市場状況を把握するために、業界レポートや関連ニュースサイトもチェックしてみてください。業界全体や他社の状況を知ることで、業界内での応募企業のポジションや競合他社との差別化ポイントを確認することができます。
インターネット上でリサーチするだけでは限界もあります。そのため、転職エージェントといった転職支援サービスの利用も効果的です。転職エージェントは業界について詳しいコンサルタントが多数在籍しているほか、求人を出している企業ともつながっているため、内部情報を知ることもできます。活用することで転職活動をより有利に進めることができるでしょう。
ポイント2.転職活動の軸を定めておく
「そもそもなぜ転職をするのか」をあらためて自分に問い、転職活動の「軸」を定めておくことも重要です。転職活動の軸とは「仕事内容を重視」「収入を重視」「経営方針を重視」といった、自分が仕事選びにおいて重視していることを指します。
転職活動の軸を定めてから企業を選んでいる場合、面接で「なぜ当社を選んだのか」という質問に対して、自然と具体的な理由を話すことができるでしょう。例えば、ワークライフバランスを重視している場合、その企業がリモートワークを推進しているならば「御社を選んだ理由は、私が重視しているワークライフバランスを実現できる環境が整っているからです」といった理由が述べられます。
さらに、転職活動の軸が明確であれば、面接全体において話に一貫性を持たせることができます。他の質問に対する回答も軸に基づいた一貫した内容になるため、面接官に対して自分の考えや目標が明確であることを伝えることができます。
転職活動の軸の設定方法について、まずは「転職したい理由」を本心に沿って書き出してみてください。そこから、「ここは譲れない」といったこだわり条件を考えてみます。軸は現実的な内容となっている必要があるため、自身のキャリア・スキルも考慮したうえで最終的な軸を決定します。
ポイント3.応募企業ならではの理由を考える
「なぜ当社を選んだのか」という質問に対して、「他社でも良いのでは」と思われるような回答はなるべく避けたいです。そのため、応募企業ならではの理由を考えておく必要があります。
応募企業ならではの理由を用意するためには、業界全体と同業他社に関する知識が必要になります。業界の動向やトレンド、競合他社の強みと弱みを理解することで、応募企業の特徴や優位性を把握でき「応募企業ならではの理由」を用意しやすくなります。
前述した準備のポイント1では業界・企業研究の方法を紹介しましたが、そちらとあわせて同業他社のこともリサーチしてみてください。同業他社のことも把握したうえで、その企業が他社とどのように差別化されているかを確認します。優位性や特徴が見つかれば、そのまま理由にすると良いでしょう。
また、もし劣っている部分があれば「私のスキルを生かして改善できる」というアピールをする方法もあります。(例:同業他社と比べて海外事業の売上が低いですが、私は外国での営業経験があるため、海外事業の強化のお力になれると考えています。)
「なぜ当社を選んだのか」という質問への回答方法
「なぜ当社を選んだのか」という質問に対する回答例を紹介します。こちらは「例」ですので、実際に応募する企業の特徴に合わせて中身を置き換えて考えてみてください。
例1.業務内容について話す場合の回答例
回答例:
「御社を選んだ理由は、エンジニアとしての業務内容が私のこれまでの経験とスキルを最大限に生かせると感じたからです。御社が保有する技術や開発プロジェクトに非常に興味を持っており、特に『モバイルアプリケーションの開発とユーザー体験の向上』に魅力を感じました。また、御社が業界内で高く評価されていることや、革新的な技術開発を推進している点にも強く惹かれました。技術開発に対しての関心は非常に高く、この分野での成長機会を大いに期待しています。」
回答のポイント:
企業を選んだ理由として「業務内容」を挙げている例です。転職は即戦力が求められる都合上、応募する側も「業務内容」から企業選びをすることも多いでしょう。そのため、選んだ理由を考えるときに業務内容にフォーカスすれば、自然とエピソードも考えやすいです。
この例では、エンジニアの場合のエピソードを挙げています。自身のキャリアプランも考慮した内容にすることで、成長意欲も同時に伝えることができます。
置き換え例:
- エンジニア → 各職種
- 御社が保有する技術や開発プロジェクト → 具体的なプロジェクトの事例、もしくは過去の成功事例を挙げる
- 御社が業界内で高く評価されている → 社風や働き方などの別軸に置き換え、業務内容と掛け合わせて理由とする(例:○○のような業務内容が魅力で、かつエンジニアの派遣ではなく自社でのアプリ開発が主軸となっている)
例2.事業展開について話す場合の回答例
回答例:
「御社を選んだ理由は、御社が新しいマーケットの開拓に積極的であること、特にアジア市場への事業展開に力を入れている点に強く惹かれたからです。アジア市場は近年、市場規模が拡大している傾向があり、経験を積みたいと考えていました。前職では、日本国内でのマーケティング業務に従事し、その後アジア市場の拡大プロジェクトに参加しました。このプロジェクトでは、現地のパートナー企業と協力し、新製品の市場導入を成功させました。具体的には、現地市場のニーズに合わせたマーケティング戦略を策定し、プロモーションキャンペーンを展開しました。その結果、売上を増加させることができました。御社のアジア市場での成長戦略においても、私のこれまでの経験と知識を最大限に生かし、貢献できると考えています。」
回答のポイント:
企業を選んだ理由として「アジア市場への事業展開」を挙げている例です。自身の経験と適合していて力になれるとアピールしています。
自身のエピソードと置き換える際には、「進出している分野」を応募企業に合わせて考えてみてください。この回答例では海外を対象としていますが、国内での事業展開の状況へ着目しても良いでしょう。事業展開していることに対して、「なぜ惹かれるか」も含めてアピールすることで回答の解像度を上げることができます。
置き換え例:
- アジア市場への事業展開 → 海外、国内の特定地域にする
- 事業展開 → 場所の話ではなく、業界の話にする(例:AI事業へ参入等)
例3.業界での立ち位置について話す場合の回答例
回答例:
「御社はアプリ開発における市場シェアトップの地位を築いており、そのリーダーシップに魅力を感じています。この立ち位置を維持するためには、常に革新的な技術と優れた顧客サービスが必要であると理解しており、特に技術面で新しい知見を得たいと考えています。私はこれまで、新規市場の開拓や顧客満足度向上のためのプロジェクトを成功させた経験があります。これらのスキルを生かし、御社のさらなる成長に貢献したいと考えています。」
回答のポイント:
企業を選んだ理由を「応募企業の業界での立ち位置」としている例です。「アプリ開発の市場シェアトップ」は少し範囲が広く該当する企業が少なくなってしまうため、実際には特定分野にフォーカスした範囲内で、業績の良い部分に着目すると良いでしょう。
置き換え例:
- アプリ開発における市場シェアトップ → 特定の分野、狭い分野にフォーカスする
- リーダーシップに魅力を感じている → 市場シェアトップを獲得するに至ったプロジェクトの成功事例を挙げ、実施した事例に魅力を感じているという内容にする
- 技術面で新しい知見を得たい → 特定分野で業績が良いという部分にフォーカスしつつ、○○という社風が魅力 など、企業の良さを掛け合わせた理由にする(例:アプリ開発でトップを維持しつつ、リモートワークを主体として業績を上げている点が魅力)
例4.経営理念や社風について話す場合の回答例
回答例:
「私は常に顧客の視点を重視したサービス提供を心がけてきました。御社の『顧客第一』を掲げる経営理念に深く共感し、私自身の価値観と合致することから御社を選びました。『誰かの役に立っている』という実感が私の仕事のモチベーションとなっているため、転職先を探す際の軸となっています。私はこれまでカスタマーサポート部門でのリーダー経験があり、顧客の声を製品改善に反映させる仕組みを構築しました。このスキルを生かして、御社の顧客対応プロセスの改善や新サービスの提案を行い、さらなる顧客満足度向上に貢献したいと思います。」
回答のポイント:
企業の経営理念に共感したことを選んだ理由としている回答例です。経営理念は社風に置き換えても良いでしょう。ただし、「顧客第一」といった理念はどの企業でもよくある内容なので、「その企業のどのような実施が理念と一致しているか」といった具体的なエピソードもほしいです。もしくは、経営理念や社風を理由として挙げつつも、「自由な社風でありながら、顧客満足度も高い」など、他の理由も掛け合わせて回答すると良いでしょう。
置き換え例:
- 「顧客第一」という経営理念 → 経営理念だけでなく、社風や働き方など
- 経営理念と合致した企業の実績がない場合は、その企業の他の特徴と掛け合わせて選んだ理由とする
まとめ|面接対策で困ったときはご相談ください
この記事では、「なぜ当社を選んだのか」という質問に対する回答について解説しました。
企業側としては、この質問を通して応募者の自社への理解度や志望度、応募者が自社に合うかどうかを知りたがっています。うまく回答することで、自社や業界を本当に理解していること、志望意欲が高いことをアピールできるでしょう。
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