転職面接で「失敗談」を聞く意図と回答例を解説

公開日:2024/07/18 / 最終更新日: 2024/10/16

失敗談は、企業側としては応募者の業務能力をさまざまな観点から評価することができるため、転職面接においてよくある質問の1つです。

「失敗の要因、対処法、失敗から得た学び」を押さえて回答することで、評価につながります。過去の仕事内容から良いエピソードはないか、考えてみてください。回答が難しい質問なので、事前にしっかりと準備をして臨みましょう。

この記事では、転職面接での「失敗談」を質問する企業側の意図と、話す際のポイントをハイクラス転職のJAC Recruitment(以下、JAC)が解説していきます。 失敗談の回答例も複数用意しているので、ぜひ参考にしてみてください。

プロが面接対策を行います

今現在、

  • 書類選考は通過しても面接は上手くいかない
  • 第三者視点で受け答えをチェックしてほしい
  • 練習してから面接選考に臨みたい

上記のようなお困りごとがございましたら、私たちJACへ相談してみませんか?

面接対策を相談する

プロが面接対策を行います

今現在、

  • 書類選考は通過しても面接は上手くいかない
  • 第三者視点で受け答えをチェックしてほしい
  • 練習してから面接選考に臨みたい

上記のようなお困りごとがございましたら、私たちJACへ相談してみませんか?

面接対策を相談する


転職面接での「失敗談」を質問する意図は主に上記の3つです。さまざまな観点から、応募者の業務能力を測ろうとしています。

仕事に失敗はつきものなので、企業側も失敗すること自体をNGだとは考えていません。重要なのは「仕事での失敗を経てどのように成長したか」「再発を防止できるか」という点になります。

それぞれの意図を解説していきますので、エピソードを考える際の参考にしてみてください。

企業は応募者を選考する際に「この人の仕事における弱点をあらかじめ知っておきたい」と考えています。仕事での失敗談を聞くことで、応募者の課題解決能力における弱点をストレートに聞きたいという意図です。

例えば、スケジュール管理での失敗談は「時間の管理能力に弱点がある」と分かりますし、チームのマネジメントに関する失敗談は「部下の管理能力に弱点がある」ということが分かります。

「あなたの弱みは何ですか?」と転職面接で聞かれたときの対策

転職の面接で「長所・短所」を聞かれたときの答え方や例文を解説

「失敗をどのように対処したか」という話を聞くことで、応募者の問題に対しての分析力や、課題解決能力を知りたいという意図もあります。

企業側の目線で考えると、同じ失敗を何度もする人は積極的に採用したくありません。そのため、失敗への対処の能力というのは重要なポイントです。失敗が発生した要因を本質から捉えて、適切な対処を実施しているか、という部分を聞き出すことで応募者の分析力や課題解決能力を評価します。

「失敗から何を得られたか」を知ることで、応募者の成長性や意欲を評価しています。

仕事をしていて失敗することは仕方がないですが、何も考えずに何度も失敗する人は積極的に採用したくありません。そのため、企業側としては失敗に対して反省し、何を学んでいるかという点を重視しています。失敗に対してしっかりと学び、成長し、再発防止に努められる人が欲しいわけです。

「失敗談」は、さまざまな観点から応募者の業務能力を評価できる質問となります。企業側の意図も把握したうえで対策を考えてみると、回答も用意しやすいでしょう。


転職面接の場で失敗談を話すときのポイントを解説していきます。

単に「うまくいかなかった」と伝えるだけでは、欠点だけを紹介するかたちになってしまいます。「失敗談」への回答は「失敗が起きてからどうしたか」という話が重要になります。

そのため、失敗した要因の深掘り、再発防止策、失敗から得た学び、といったストーリーを準備しておきましょう。

まず、転職面接で失敗談を話す際は「仕事や業務に関連する失敗」を用意しましょう。

企業が知りたいのは、応募者が実際の業務でどのような課題に直面し、それをどのように克服したか、という点です。個人的な失敗やプライベートな出来事は避け、業務上の経験に焦点を当てることで職務能力や業務遂行能力を示すことができます。

例えば、プロジェクトの進行中に起きたミスや、クライアント対応でのトラブルなど、実際の職務に関連したエピソードを選びましょう。

失敗の原因を深掘りして話すことで、問題に対する分析力をアピールすることができます。失敗した要因の「着眼点」にも企業側は注目しています。

具体的にどのような要因が失敗につながったのか、どのような状況で問題が発生したのかをあらためて考え直し、詳しく説明ができるように事前に準備しておきます。

例えば、「コミュニケーション不足で情報共有が遅れたために納期に間に合わなかった」や「事前のリスク評価が不十分で予期しない問題が発生した」など、具体的な要因を挙げて話すと良いでしょう。

失敗した要因を深掘りした後、再発防止のためにどのような改善策を講じたのかを伝えることも大切です。

失敗を単なるネガティブな出来事として終わらせるのではなく、その経験からどのように成長し、改善策を実行したかを示すことで、問題解決に向けた積極的な姿勢をアピールすることができます。

例えば、「情報共有の仕組みを改善し、定期的な進捗確認のミーティングを設けた」や「リスク管理の手法を見直し、事前に対策を講じるようにした」など、具体的な改善策を挙げると良いでしょう。

失敗から得た学びをどのように生かしているかをアピールすることも重要です。失敗に対して「どのような学びを得ているか」を伝えることで、学習能力の高さや成長意欲をアピールすることができます。

「失敗」というとネガティブなイメージを持たれますが、同時に「成長」のきっかけにもなります。仕事をしているとどうしても発生してしまう失敗ですが、単に「ミスをしてしまった」で終わらせるのではなく、どのように「学び」や「成長」につなげているか、という点は企業側としても把握しておきたいポイントです。

例えば、「コミュニケーションの重要性を学び、今では積極的にチーム内での情報共有を行っている」や「リスク管理の重要性を認識し、新しいプロジェクトでは事前にリスク評価を徹底して行っている」など、具体的な学びとその実践を話すと良いでしょう。


失敗談を話す際には、避けるべきポイントがあります。不適切な失敗談を選ぶと、企業側にマイナスの印象を与えてしまいかねません。以下のNG例を参考に、面接で話す失敗談を考えてみてください。

まず「仕事や業務に関連しない個人的な失敗談」はNGです。

企業側が知りたいのは、応募者が職場でどのような課題に直面し、それをどのように克服したかという点です。例えば「友人との関係がうまくいかなかった」や「趣味で失敗した経験」などのプライベートな話題は、企業側に業務能力をアピールできないため、ふさわしくありません

プライベートな話題は仕事とは直接関係がないため、評価につながりにくいだけでなく、面接の目的から外れてしまいます。そのため、失敗談を話す際には、必ず職務経験に関連するものを選び、自分の業務遂行能力や課題解決能力をアピールするようにしましょう。

あまりにも重大な失敗談を話すのも避けた方が良いでしょう。「重大なミスを犯して会社に多大な損害を与えた」や「法律に違反するような失敗をした」といった取り返しのつかない失敗は、応募者の能力や信頼性に対する疑念を招く可能性があります。

大きすぎる失敗談は、企業側に「この人を採用しても同じような問題を起こすのではないか」と不安を与えてしまいます。そのため、失敗談は適度な規模のものを選び、その経験から何を学び、どのように改善したのかを重視して話すようにしましょう。

「失敗したことがない」と答えるのも避けるべきです。誰しも失敗は経験するものであり、そこから何を学び、どのように対処したのかが重要です。

失敗したことがないと言うと、企業側に「この人は自己分析ができていない」あるいは「成長の機会を見逃している」といった印象を与えてしまいます。失敗を認めず、学びや成長の姿勢が見えない場合、企業側は応募者が新しい課題に直面したときに対応できないかもしれないと判断します。

そのため、必ず過去に経験した失敗を思い出し、その経験から得た教訓を話すようにしましょう。


転職面接で話す失敗談の回答例を用意しました。こちらの例を参考に、自身の状況と置き換えつつ失敗談の事前準備をしてみてください。

「以前、とあるプロジェクトで納期に遅れてしまった経験があります。プロジェクト開始当初、複数のタスクが同時進行しており、それぞれのタスクの重要度を検証していませんでした。その結果、時間のかかるタスクに多くのリソースを割り当ててしまい、他のタスクが遅延し、納期に間に合わせることができませんでした。この経験から、プロジェクトの開始時に各タスクの重要度や業務の重さを評価し、優先順位を明確にすることの大切さを学びました。

その後、タスクの重要度と緊急度を評価するためのフレームワークを導入し、プロジェクト全体の進捗を定期的に確認するようにしました。また、チームメンバーとのコミュニケーションを強化し、進捗状況を共有するミーティングを定期的に開催することで、リスクを早期に発見し、対処できる体制を整えました。」

失敗した要因:
複数タスクを同時進行していたが、それぞれのタスクの重要度を検証しておらず、リソースの配分に失敗した。

改善策:
タスクの重要度と緊急度を評価するためのフレームワークを導入し、プロジェクト全体の進捗を定期的に確認。進捗状況を共有するミーティングを定期的に開催。

失敗から得た学び:
プロジェクト開始時にタスクの重要度や業務の重さを評価し、優先順位を明確にすることの大切さ。

納期に遅れてしまったという失敗談の例です。なぜ納期に遅れてしまったのか、という原因の究明をしっかりとしています。失敗した要因から「各タスクの評価をすべき」という学びも得ており、そこから改善策を講じている例です。

実際にスケジュール管理に失敗した経験がある方は、3つのポイントを自分の状況に置き換えて考えてみてください。

「過去に、チームメンバーとのコミュニケーション不足から、プロジェクトが円滑に進まなかったことがありました。プロジェクトの初期段階で、各メンバーの役割やタスクが明確に定義されておらず、進捗状況が不明瞭な状態が続きました。また、重要な情報が一部のメンバーにしか共有されておらず、全体の効率が低下しました。

この経験から、チーム内での情報共有の重要性を痛感し、定期的なミーティングやフィードバックの機会を増やしました。また、プロジェクトの進行状況を可視化するためのツールを導入し、全メンバーがリアルタイムで情報を共有できるようにしました。これにより、コミュニケーションの質が向上し、プロジェクトの効率も大幅に改善されました。」

失敗した要因:
メンバーとの情報共有が不足していた。

改善策:
定期的なミーティング、フィードバックの実施。

失敗から得た学び:
コミュニケーションと情報共有の重要性。

チームマネジメントの失敗談の例です。「コミュニケーション不足」が具体的な失敗の要因であったと考え、改善策としてミーティングの頻度を増やし、情報共有ツールを導入しています。失敗から得られた学びは「情報共有の重要性」です。

自身の失敗に置き換える際には、具体的な数字も用いると良いでしょう。例えば、ミーティングの実施頻度や、フィードバックのタイミングを明確にすることで、より話が伝わりやすくなります。

「以前、自分一人で仕事を抱え込みすぎてしまい、結果としてミスが多発してしまいました。プロジェクト進行中に多数のタスクを振られましたが、問題ないだろうと考えて軽い気持ちで引き受けていました。ところが、想定よりも労力がかかるタスクが多く、それが分かった後もなかなか言い出せずにいて抱え込んでいた結果、作業の質が低下してミスが増えてしまいました。ミスを取り返すために正直に上司とメンバーへ相談し、他メンバーにヘルプに入ってもらうことでなんとかプロジェクトは完了しました。

この経験から、自分の業務処理能力を正確に把握し、振り分けられた仕事内容に対して『本当にできるか』と評価することの大切さを学びました。また、メンバーに対して気軽に相談しやすい環境も重要と考え、メンバー同士のコミュニケーションを促進しました。」

失敗した要因:
自分の業務能力を正確に把握していなかった。

改善策:
メンバーへ相談しヘルプに入ってもらった。

失敗から得た学び:
自分の能力を正確に把握し、難しい場合は相談すること。

仕事の進め方に関する失敗談の例です。自分一人で仕事を抱え込みすぎてしまった結果、ミスが多発したという例です。「自分で全てできるだろう」と考えていたことが失敗の主な要因となり、他メンバーへのヘルプ要請で対策しています。

自身の失敗に置き換える際には、具体性を高めるために改善策と学びをより詳しく説明すると良いでしょう。例えば「振られたタスクの想定所要時間を伝える」「少し余裕をもって引き受ける」という内容や、「他メンバーとの協力体制の構築方法」なども伝えられると評価につながります。


失敗談がなかなか思いつかないときもあると思います。

その場合は、今までの業務内容を全て振り返ってみてください。メールやチャットの履歴を確認してみても良いでしょう。小さなミスで構わないので、本当に何も失敗していないか確認してみてください。また、自分が失敗と捉えていないことでも、非効率なことをしていた経験があればそれを「失敗談」として取り上げることもできます。

他にも、成長につながった経験を考えてみると、失敗した経験が隠れていることがあります。試行錯誤の過程で、自然と学びを得て成長しているかもしれません。

失敗した要因と対処法、学びが明確になっていて評価されやすい失敗談を必ず用意しないといけないわけではありません。嘘をつくわけにはいきませんから、100点の失敗談を求めずに、まずは小さな失敗で構わないので考えてみてください。失敗談以外にも、応募者の業務能力を評価するポイントはいくつかあります。総合的に良い面接ができるようにと考えて面接に臨むと良いでしょう。


この記事では、転職面接の失敗談について解説しました。

企業側としては失敗を通じてどのように対処し、成長してきたのかを知りたがっています。うまく回答することで、応募者の課題解決能力や成長意欲をアピールできるでしょう。

しかし、理想的な失敗談の構築はなかなか難しいでしょう。チャレンジングな環境に身を置いていた場合は自然と思いつくかもしれませんが、実際にはエピソードの構築に苦労する方も多いです。

失敗談が思いつかず、面接対策で困っているときは第三者の手を借りるのも一つの手です。転職支援サービスの「転職エージェント」では、面接対策や求人紹介など転職活動全般のサポートを行っています。採用したい企業側と直接つながっているため、内部情報や企業側がどのような人物を求めているかも把握しており、解像度の高い面接対策サポートが可能となっています。

面接対策

転職エージェントのJAC Recruitmentは、ハイクラス・ミドルクラスの転職に特化した転職エージェントです。各業界・職種に詳しいコンサルタントが多数在籍しており、求職者の強みを正しく把握したうえでの求人紹介や面接サポートを実施しています。転職の相談先を考えている方は、ぜひ一度JAC Recruitmentの利用を検討してみてください。


各業界に特化した転職コンサルタントが、
あなたの転職をサポート。
実績豊富なコンサルタントとともに、自身の正しい市場価値を理解したうえで戦略的な転職活動をしましょう。


この記事の筆者

株式会社JAC Recruitment

 編集部 


当サイトを運営する、JACの編集部です。 日々、採用企業とコミュニケーションを取っているJACのコンサルタントや、最新の転職市場を分析しているJACのアナリストなどにインタビューし、皆様がキャリアを描く際に、また転職の際に役立つ情報をお届けしています。