面接の中で、自己紹介はほんの1分程度と短い時間です。
転職の面接では、最初の5分はとても大切で、応募者の表情、態度、自己紹介の伝え方によって第一印象や面接の流れが決まってくることも多々あります。そのため、面接官の意図を意識して自己紹介を組み立て準備しておくことが大切です。
しっかり意図的に準備することが、好印象な自己紹介につながり、その後の面接の流れもよくなり、アピールポイントを伝えるタイミングが増えることにもつながります。
この記事では、転職面接の自己紹介を企業が求める目的、また、応募者が伝えるべき内容について自己紹介の例文とともにハイクラス転職のJAC Recruitment (以下、JAC)が解説します。
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面接対策を相談する目次/Index
転職面接における「自己紹介」の企業側の目的
企業が転職の面接で、自己紹介を求める目的は主に3つあります。順にみてみます。
目的1. 応募者の緊張をほぐして面接へ入りやすくする
1つ目に、面接の自己紹介は、少しでも応募者の緊張をほぐして、面接をスムーズに進めやすくするアイスブレイクとしての目的があります。そのため、自己紹介は面接の最初に求められることが多いです。
また、面接官は、一緒に働くことになり得る応募者の、取り繕った姿でなく、本当の姿を知りたいとも思っているため、場を和ませたいという目的もあります。
目的2. 応募者の経歴を大まかに把握し、その後の質問につなげる
2つ目に、自己紹介の内容から、応募者の経歴、経験スキル、人柄などの情報を大まかに把握し、その後の面接での質問につなげたいという意図があります。
面接で面接官が知りたいことは、応募者が「自社の求める人物像にどれだけ近い人か」ということです。そのため、自己紹介で話される内容でも、自社と合致するスキルや経歴のある人物か、人柄かを確認して見ています。
また、限られた面接時間を有意義にするためにも、その応募者についてより深掘りして聞いておきたいポイントを絞り込んでチェックしています。
目的3. 話し方や内容からコミュニケーション力も確認
3つ目に、自己紹介という短い時間で、コミュニケーション能力を確認していることも多いです。
面接官からの質問に対して、適切な回答を返せるか、また、返答は端的で分かりやすく伝わるかなど、応募者の対応力を見ています。
また、話す態度、話し方から面接に向けて話す内容をきちんと準備してきているか、熱意をもって面接に臨んでいるか、なども見極めています。 そのため、アイスブレイクの意味合いがあるとはいえど、しっかり応募先企業に合った自己紹介の内容を準備しておくことが大切です。
転職面接における「自己紹介」と「自己PR」の違いは?
自己紹介 | 自己PR | |
目的 | 自分がどのような人間か知ってもらう | 志望企業で生かせる自分の強み・スキルをアピールする |
伝える内容 | ・挨拶 ・氏名・現職・職歴 ・現職での実績 ・簡単な志望理由 ・意気込み | ・自身の強み・スキル ・強みを生かした経験・実績 ・志望企業で実現したいこと |
こちらでは、転職面接において、「自己紹介」と「自己PR」の伝える内容の違いをみておきます。
「自己紹介」は、自分がどのような人間であるか基本的な情報を大まかに知ってもらう場です。そのため、自己紹介では、自分の氏名・現職(会社・部署・職種)と主な経歴、大まかな自分の職務上の実績や志望理由、面接に対しての意気込みなどを1分程度で伝えます。
「自己PR」は、自分の強みやスキル、職歴を生かして応募先企業で活躍できることをアピールする場です。そのため、自己PRでは、応募先企業の募集要項や求める人物像に合致した、自分のもつ強み・スキルを、過去の具体的な実績・エピソードを熱意とともに伝えます。
自己PRはエピソードや意欲も盛り込んでアピールするため、自己紹介に比べて話す時間は長くなります。
自己紹介と自己PRでは話す時間の長さ、伝える内容や目的も違うので、混同しないように注意しましょう。
自己紹介にかける時間の長さは「1分」程度が目安
転職の面接で自己紹介にかける時間の長さは1分程度が目安です。冒頭から1人で長く話すことは相手を疲れさせ、興味の喪失にもつながりかねないからです。
また、自己紹介が長いと、伝えたいことの焦点がぼやけやすく、情報整理、重要なポイントを絞り込む能力にも疑問を持たれかねません。
そのため、1分程度と限られた短い時間で伝えられるように、伝える内容を精査しておきましょう。
1分間というと、聞きやすい速度での話し方で話す場合、文字数の目安は300文字前後です。
また、企業によっては「3分で話してください」など1分以上の自己紹介が求められる場合もあります。そのため、少し長めの自己紹介も念のため用意しておくと安心です。
1分で伝わる|転職面接の自己紹介で伝えるべき4つの内容と構成
転職面接の自己紹介では、伝えるべき4つの内容を盛り込んだ構成にすると、簡潔で伝わりやすい自己紹介になります。順にみていきます。
自己紹介の流れ1. 挨拶(お礼)
自己紹介の冒頭は、面接官への挨拶として、面接の機会を設けていただけたことへの謝意を伝えて始めます。
例:「本日はご多忙の中、ご面談いただき誠にありがとうございます。」
自然な笑顔と明るいトーンで伝えることで、自分のペースもつかみやすくなります。
自己紹介の流れ2. 氏名・略歴
次に、氏名をフルネームで伝え、簡潔に略歴を伝えます。
最終学歴、現職(または前職)の会社名、在籍年数、所属部署、どのような職種で何をしてきたのか、大まかな経歴の流れを手短に話します。
例:私は、(フルネーム)と申します。大学を卒業後、〇〇会社へ入社し、入社以降〇〇年間、消費財メーカー向けのマーケティングリサーチ業務に従事してまいりました。」
経歴には応募企業で生かせる職歴や経験があると、面接官の関心を引きやすいです。
自己紹介の流れ3. アピールしたい強み・実績などの要点
自己PRにつなげたい現職での実績や身につけたスキルを伝えます。ポイントは、応募先企業で発揮できる実務面での自身の強みを意識して語ることです。
例:「主に、特定プロダクトの市場動向や消費者調査などのレポート作成・報告を担当し、入社3年後からはプロジェクトリーダーとして企画立案、さらにはメンバー管理・進捗管理まで幅広く経験しました。特に、クライアント様のニーズに応じた調査設計の提案、報告プレゼンテーションでは、論理的かつ分かりやすい構成に高い評価をいただき、リピート率向上にも貢献してまいりました。」
実績やスキルは長々と話すのではなく、伝えたいポイントだけを整理して入れるようにします。
自己紹介の流れ4. 入社への意気込み・締めの言葉
次に、アピールしたい強み・事績を踏まえたうえで、応募企業への入社に対する意気込みを伝えます。入社への意気込みとともに、志望理由を加えてもよいでしょう。
例:「これらの経験をぜひ御社でも生かし、貢献できればと考え、応募させていただきました。本日はどうぞよろしくお願いいたします。」
また、自己紹介の最後は締めの言葉で締めます。締めの言葉があることで、自己紹介の終わりが伝わります。
職種・ケース別例文|転職の面接で活用できる自己紹介の見本4選
【職種別】 | 【ケース別】 |
自己紹介例文1. 営業職
本日はご多忙の中、ご面接いただき誠にありがとうございます。私は、(フルネーム)と申します。〇〇大学を卒業後、〇〇会社で15年間機械設計の法人営業職に従事してまいりました。特に、顧客A社の課題であった生産性向上に対して、新たな設備導入を提案し、年間〇〇万円のコスト削減を実現し、また、別の顧客B社においても、地道な提案を行うことで、年間〇〇件の新規顧客獲得へも貢献いたしました。
私は製造業のさらなる発展に貢献することが自身の使命と考えており、強みはその熱意と提案力です。そのため、御社の「世界トップ水準の製品で日本の製造業を支える」という理念に深く共感を覚えました。私のこれまで培ってきた経験とスキルを生かして、御社の事業成長に貢献したいと考え、応募させていただきました。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
営業職の自己紹介には、営業での実績を数値で入れると自己紹介であってもアピールにつながります。
また、応募先の企業ならではの特徴を入れることで、企業研究ができていることもさりげなく示し、企業への関心の高さも伝えています。
自己紹介例文2. エンジニア職
本日は貴重なお時間をいただきありがとうございます。私は、(フルネーム)と申します。私は〇〇大学卒業後、ソフトウェア開発〇〇会社に入社以来、14年間一貫して金融業界、特に保険分野のシステム開発に携わってまいりました。入社初期はシステムエンジニアとして、プログラムの基本設計から開発、テストまでの全工程に従事しました。その後、プロジェクトリーダーとして、プロジェクトの進捗管理、チーム人材の育成も行っております。特に、オンライン保険販売システムの設計・開発には中心的な役割を果たしてきたことから、この分野では社内でトップの専門性を有しているものと自負しております。
今後は、これまで培った経験と知識を存分に発揮し、御社の発展に大きく寄与したいと考えております。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
システムエンジニア職の自己紹介例です。システムエンジニア職は、どんなシステム開発に関わったのか、専門性がどこになるのかを簡潔に自己紹介に入れておくと伝わりやすいです。
自己紹介例文3. 転職回数が多い場合
本日は貴重なお時間をいただきありがとうございます。私は、(フルネーム)と申します。〇〇大学を卒業後、新卒で入社した〇〇社では法人営業を4年間、2社目の〇〇社ではM&Aアドバイザリー業務を6年間と金融業界で10年の経験を積んでまいりました。法人営業時代には、顧客のニーズを深く理解し、最適な提案を行うことで年間目標150%を達成し、M&Aアドバイザリー業務でもクライアントから高い評価をいただきました。納得いくまで顧客の声に耳を傾ける姿勢がポイントだったと考えております。
私の経験や顧客としっかり向き合って問題を解決する強みを生かし、顧客第一主義を徹底していらっしゃる御社に貢献できたらと思い、応募させていただきました。どうぞよろしくお願いいたします。
転職回数が多い場合は、詳しい転職理由や志望動機はあとの質問で聞かれることが多いため、自己紹介では在籍した期間と仕事内容を順に話します。
転職先に共通点がある場合は、その共通点を軸にしておくと自己PRでアピールしやすいです。その場合は自己紹介でも少し触れておくとよいでしょう。
転職回数が多いと採用に不利? 転職回数が2回以上の方向けの内定獲得方法
自己紹介例文4. 未経験職種・異業種の場合|広報→WEB業界
本日は貴重なお時間をいただき誠にありがとうございます。(フルネーム)と申します。私は、〇〇会社にて10年間、広報担当として勤務してまいりました。これまで、プレスリリース作成やメディアリレーション、社内報発行など、さまざまな広報業務を担当し、企業イメージ向上に貢献してきました。私の強みは、高いコミュニケーション能力と企画力です。関係者との良好な関係を築き、効果的なコミュニケーションを図ることで、広報活動の成功に貢献してきました。
今回、御社を志望した理由は、WEB業界における御社の高い技術力と革新的な取り組みに深く感銘を受けたからです。特に、〇〇という分野に強い興味を持っており、これまで培ってきた広報経験と企画力を生かして、御社の事業成長に貢献したいと考え、応募させていただきました。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
未経験職種や異業種への転職を目指す場合、面接での自己紹介は未経験職種・異業種になぜ転職しようと思ったのか、その経緯や理由も伝えておくことがおすすめです。
また、これまでのキャリアや経験との関連性を探し、どのように応募先企業の職種で生かせるのかを伝えておくとあとでさらに深く説明しやすくなります。
【例文付き】なぜこの業界か? 転職面接における異業種転職などの志望理由の答え方
転職の面接で自己紹介する際に失敗しやすい3つの事例
こちらでは、面接の自己紹介で逆に印象が悪くなってしまう、失敗の自己紹介の事例3つをご紹介します。
失敗事例1. 長く話しすぎて要点が分かりにくい
できるだけ自分のことを知ってもらおうと、職歴を一からすべて盛り込んで話してしまうという例がたまにありますが、これは逆効果です。
多くの内容を盛り込みすぎると、要点が分かりにくくなり、面接官の印象にかえって残りにくくなります。
そのため、志望企業の関心が高い重要なポイントに絞り込んで、簡潔に話すように意識しましょう。
失敗事例2. 回答を丸暗記して話してしまう
面接で話す内容を用意しておくのはよいのですが、丸暗記してそのまま話すのは、印象を悪くします。
面接は、口頭試問ではなく、面接官と応募者のコミュニケーションの場です。用意したままに話すというよりも、場の空気を読みながら伝えることが大切です。
そのため、準備した回答は、面接官の反応に合わせて臨機応変に、自分の言葉で伝えるようにしましょう。
失敗事例3. 自己紹介以外の内容も話してしまう
自己紹介ではアピールしたいポイントや志望理由についても少し触れますが、詳細まで自己紹介で話しすぎるのは印象がよくありません。
各業務に関する詳細や、志望理由、自己PRはこのあとに質問されることが多く、その時間に伝えるのが適切です。
そのため、自己紹介の時点では概要を伝える程度にとどめておきましょう。
まとめ|転職面接の自己紹介に悩んだらJACにご相談ください
いざ面接となると、準備した回答で大丈夫だろうか、うまく伝えられないのではないかと心配にもなりやすいです。
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