転職の面接で「あなたの5年後のキャリアプランを教えてください」と聞かれることがよくあります。
また、「将来の目標は何ですか?」「当社でどういったキャリアを歩みたいと考えていますか?」のような言い回しで質問されることもあります。
企業が面接でこれらの質問をする意図は共通で、重要な質問の1つです。そのため、応募者は事前にキャリアプランを作成し、面接での的確な答えを用意しておくことが大切です。
この記事では、キャリアプランについて質問される理由、キャリアプアランの作り方、答え方のポイント、NG回答例について、ハイクラス転職のJAC Recruitment (以下、JAC)が解説します。
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キャリアプランとは「仕事でキャリアを積み上げる具体的な行動計画」のこと
転職の面接で質問されるキャリアプランとは、今後の仕事でキャリアを積み上げていくための具体的な行動計画のことを指します。
仕事において何を目指して、どのような過程で、いつまでにどのように達成するのかということを計画したプランです。
似たような言葉に、キャリアパス、キャリアビジョン、キャリアデザインといった言葉がありますが違いがあります。
キャリアビジョンは、自分で決めたキャリアプランの中の仕事上の最終地点(最終目標)を指します。
キャリアビジョンは、仕事や仕事に関係するプライベートの両面を含めて描く将来の最終地点を指しますが、仕事についての未来像が入っているのがポイントです。
仕事の最終地点が入っていない未来像を描いた最終地点はライフビジョンといいます。
一般的にキャリアビジョンは仕事の長期目標の最終地点で使うことが多いですが、その過程の短期目標の地点でも使うことがあります。
キャリアビジョン:仕事でどうありたいかの最終目標
キャリアデザインは、自分で理想のキャリアを設計することを指します。
キャリアデザイン:キャリアビジョンが「大企業で経営幹部になる」だとすれば、ゴールから逆算をして以下のようなキャリアを設計すること
例: 40代で大手企業の経営幹部になる←35歳までマネジメント経験を積む←30歳営業成績トップになる
キャリアプランは、キャリアデザインした結果できた、理想のキャリアを歩むための計画を指します。
キャリアプラン:キャリアビジョンを達成する計画
キャリアパスは、企業が従業員に対して提示する職務や職位につくまでの道筋のことです。
キャリアパス:企業が設定した昇進プランの過程(昇進を目指すケースの例)
例: 入社→OJT開始→一般職→主任職昇格試験→主任職→マネージャー経験5年→管理職昇格試験→管理職→役員面談→経営幹部
このように、キャリアビジョンを立てて、キャリアデザインをし、出来上がった仕事の最終目標までの達成行動計画がキャリアプランです。
キャリアプランはあくまで仕事での目標計画を指します。人生の目標計画(例えば、結婚、出産、家を建てるなど)を立てる場合は、ライフプランです。
転職の面接で聞かれるのはあくまでキャリアプランなので、回答も仕事でのプランを回答します。
面接官がキャリアプランについて問う意図
企業が転職の面接で応募者のキャリアプランについて質問する意図は、3つあります。順に見てみます。
意図1. 採用のミスマッチを防ぐため
まず1つ目は採用のミスマッチを防ぐためです。
面接官は、この質問をすることで、応募者のキャリアビジョンが自社で実現可能なものであるかを判断しています。
また、自社での仕事内容を理解した上でキャリアビジョンを話しているかどうかもみています。
もし、応募者のキャリアビジョンが自社で実現できないものである場合は、長く定着せずすぐ離職してしまう可能性もあるため、企業にとっては採用ミスになります。
そのため、面接官は、応募者の未来のキャリア像と自社が提供する機会が合致し、長く定着してくれる人材かどうかをこの質問で見極めています。
意図2. 将来を見据えての応募かどうかを確認するため
2つ目は、応募者自身が自己分析をしっかり行った上で応募してきているか、安易に条件だけで応募しているのではないかを確認するためです。
キャリアプランをたてるには、自己を知り、未来のゴールを決め、そのために何が必要かを知る必要があります。
自社への応募がその思考過程を経た上での応募である場合は、キャリアビジョンは抽象的なものではなく具体性があります。
具体性があると応募者が将来の計画を考えた中で、自社での職務が必要と判断し、その上で応募していると考えられるため、その目標達成意欲に期待ができます。
そのため、キャリアプランの中に自社で働く高いモチベーションが感じられるかどうかも見ています。
意図3. 主体性をもった計画ができる人物か確認するため
3つ目は、キャリアプランを語れることで、主体性をもった計画ができる人物かどうかも確認しています。
仕事を行う上では、主体的に計画を立て、行動し、振り返り、また行動のPDCAが欠かせません。
応募者のキャリアプランが、綿密に立てられた計画であるか、またその計画の何を実践しているのか、などを確認することで、応募者の計画能力を見ています。
また、そのキャリアプランをどのくらい本気で取り組もうと考えているかについても確認をし、自社でもPDCAを回して取り組める人材であるかを見ています。
自身のキャリアプラン作成4つのステップ
こちらでは、自身のキャリアプランを作成する4つの手順をご紹介します。
作成Step1. 現在までのキャリアを振り返り、自己分析をする
キャリアプランを作成するには、まず現在に至るまでのキャリア・基準にしてきた価値観・志向などを振り返る作業を行います。
過去から現在までを振り返る作業の中で、「この転職で何を実現したいのか」の軸を明確にすることがこの作業の目的です。
その際は、キャリア振り返り年表を作成してみると整理がしやすいです。
いつ、何歳の時、どんな仕事に携わっていたのか、また、どのような成功、失敗を体験したか、その成功体験や失敗体験を通じて、自分にどのような変化があったかなどを書き出します。
また、プライベートの変化も仕事や価値観に影響を与えるため、一緒に書き出しましょう。
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キャリアを振り返る中で、モチベーションや気持ちの浮き沈み、きっかけとなった出来事なども思い出し一緒に書いてみるとよいです。
この作業では、客観的に自分自身を見つめ直しますが、その際は、第三者から見た客観的な意見をもらうのもよいでしょう。自分の経験やスキルのレベルを正しく評価しやすくなります。
このように大切にしたい価値観や軸となる志向を明確にし、なぜこの転職をするのか、何を強みとしてキャリアを築きたいのかの軸を見つけておきます。
作成Step2. 5~10年後までにやりたいこと・実現したいことを書き出す
自分の過去から現在までのキャリアの振り返り、なぜ転職をしようと思ったのかの軸が明確になったら次は、将来のビジョンをまとめる作業を行います。
最初に、最終的にはどのようなキャリアビジョンにたどり着きたいのかを書き出します。最初は1つに絞り切れないかもしれません。
自分の強み、仕事で実現したいと思っていること、プライベートでの予定などを考えながら、いくつか書き出す中で、10年後20年後など長期的に達成したいキャリアビジョンを1つ決めましょう。
自分はどのような業界で、どのような形で、どのようなポジションで、どのような仕事をしていたいのかというビジョンをまとめます。
そこから、5年後、3年後、1年後と短期的に、どのようになっていたいかを成長の過程と共に書き出していくことで、キャリアプランのおおまかな枠ができてきます。
作成Step3. キャリアビジョン達成に不足していることは何かを書き出す
長期的なキャリアビジョンと5年後、3年後のキャリアプランができたら、次は、そのキャリアプランを実現するためには、現在何が不足しているかを考えます。
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そのビジョンを達成させるためには、そのときまでにどのような力をつけておかなければならないのか、どのようにつけていくのかを書き出していきます。
ビジネスの世界で重視されるのは、資格などよりも実務経験です。そのため、どこで、自分のどのような価値を高めるための、どんな実務経験を積むのかを重視して考えるとよいです。
ただ、英語力やマネジメントのためのコーチングの知識など、実務経験以外にも身につけると有効な資格やスキルももちろんあります。
それらの習得もキャリアプランにいれておくと、より自分の価値を高めることにつながります。
自分のキャリアビジョンを達成するためのキャリアプランに、具体的な達成期日目標と行動の設定ができたらキャリアプランはほぼ完成です。
作成Step4. 応募先企業でキャリアプランをどのように実現できるかまとめる
最後に、自分のキャリアプランを応募企業先ではどのように実現できるかについてまとめます。
キャリアプランを実現する方法はたくさんある中で、この応募先企業を選ぶ理由を考え、3年後、5年後のその企業ならではのキャリアプランに落とし込みます。
そのためには、応募先企業の仕事内容をはじめ、評価制度やキャリアパスについての理解が必要になるため、応募先企業の企業研究の際に一緒に調べるのがよいでしょう。
この部分は面接対策になりますが、企業が知りたいのは、自社が応募者のキャリアプランを叶える場になり得るかどうかです。
そのため、自分のキャリアプランを応募先企業で実現していく過程を明確に考えて書き出しておきましょう。
面接ですぐ活用できるキャリアプランの回答例文|職種別
こちらでは、転職の面接でキャリアプランについて質問されたときの回答例を職種別で3つご紹介します。
管理部門(総務・事務・人事職など)の回答例文
前職での人事部長の経験を生かし、貴社でも人事分野を中心として成長し幅広い貢献ができればと考えております。入社後5年間は、貴社の人事施策の理解を深め、人事制度や人材育成制度の構築に全力を注ぎます。その過程でさらに現場マネジメント能力も磨く所存です。また、その後は人事部門の責任者、ゆくゆくは執行役員人事に相応しい知見と実行力を備えた幅広い貢献を目指します。経営視点で従業員満足度向上や働き方改革などにも積極的に関与し、企業の持続的成長を人材面から支えていきたいと考えています。
前職で人事部長だった経験を生かして、5年後、10年後にどのようなポジションを目指すのかが明確になっているキャリアプランです。
営業・マーケティング職の回答例文
前職での営業実績とマーケティング知識を生かし、貴社では、入社3年後にはマーケティング部門のマネージャーに相応しいスキル・実行力を身につけることを目指します。そして、顧客ニーズの深耕と新規需要の開拓に注力し、マーケティング戦略の立案に貢献したいと思っております。また、新規事業の企画立案にも携わり、中長期的には、マーケティング本部全体を牽引する立場への昇進を目指したいと思っております。営業とマーケティングの両面の経験を生かし、計画的にキャリアアップを図っていくプランを現在描いております。
営業職から転職先ではマーケティング職に職種変更する方の例文です。
前職の職種:営業での経歴を生かしながら、新しい職種:マーケティングに挑戦し、経営層を目指す意欲が入ったキャリアプランになっています。
エンジニア(技術職)の回答例文
システムエンジニアでプロジェクトリーダーを務めていた経験を生かし、3年後にはアーキテクトとして上流工程から携わり、システム設計の中核を担えたらと思っております。5年後には技術リーダーに相応しい経験を積み、複数のプロジェクトを統括しながら、若手エンジニアの育成にも携わりたいと考えております。また、10年後にはシニアスペシャリストとして、最先端技術の研究開発や高難度案件の受注に貢献することが目標です。私のキャリア全体で技術的専門性の極みを目指し、プロジェクトの品質と生産性向上に尽力したいと思っております。
システムエンジニアの方の、専門性を極めて貢献性を高めるというキャリアプランです。
専門性を極めつつも、人材育成など幅広く貢献先を広めていくプランでまとまっています。
面接でキャリアプランを聞かれたときの正しい答え方3つ
こちらでは、面接で「キャリアプラン」について聞かれた際の答え方のポイント3つをご紹介します。
答え方ポイント1. 応募企業の職務で経験を積んだ先にあるプランを回答する
キャリアプランの中には、応募企業の職務で経験を積んだ先に達成できるプランを入れて回答します。
そうすることで、応募企業だからこそ志望した理由がより明確化されて伝わります。
答え方ポイント2. 夢ではなく現実性のある回答をする
キャリアプランは、いつか実現したい夢ではなく、現実性のある計画を回答します。ポイントは、応募企業で成長する過程を具体的に語ることです。
そうすることで、応募企業について理解を深めていることや先を見通した計画性があることが伝わります。
答え方ポイント3. 目標達成意欲を示し、現在の取り組みをアピールする
また、キャリアプランには目標達成への意欲と、キャリアプラン達成に向けて現在実践している取り組みを入れてアピールをします。
そうすることで、目標達成意欲が高いこと、実践的な行動力があることが好印象で伝わりやすいです。
面接でキャリアプランを聞かれたときのNG回答
こちらでは、面接で「キャリアプラン」について聞かれた際のNG回答例をご紹介しておきます。
NG回答1. 応募先企業で達成できないプランを話す
応募先企業のビジョンと調和しない、また応募先企業で達成できないプランを話すのはNGです。
応募先企業への貢献意識が感じられないばかりか、すぐに離職される懸念ももたれてしまうためです。
NG回答例:
「将来的には起業を志しており、貴社での経験を生かし、独立を目指しています」
改善例:起業を考えていたとしても言わず、応募先企業で貢献できることに焦点を絞る
「貴社で業界の専門知識やリーダーシップ能力を高め、貢献できることを目指しています。また、その経験を積み重ねながら、将来的には業界のトップ企業の一翼を担うポジションを目指しています。」
NG回答2. 行動計画や達成までの期間があいまい
「いつか」「多くの努力」など曖昧な表現、また達成時期も期限が明確でないと、実際に達成する気があるのか不確定な印象を与えます。
NG回答例:
「トップマネジメントに携わることが私の長年の夢です。まずは現場から学び、いつかは経営層に入りたいと思っており、そのために多くの努力をする予定です。」
改善例:具体的な達成期日目標をいれるようにする
「10年後に貴社の経営陣に加わり、事業戦略の立案に携わることを目指します。最初の5年は現場経験とリーダーシップを培い、その後管理職へ。その後、役員登用を目指します。」
NG回答2. 転職理由や志望動機と食い違いがある
キャリアプランと志望動機や転職理由に一貫性がなく、食い違いがあると、なぜ自社で働きたいのだろうか?と志望意思にも疑念をもたれかねません。
NG回答例:
志望動機に「自分の専門領域を生かせる環境を求めて転職を決意しました。」と記載しているのに
「キャリアプランでは、今までと異なる新しい分野へ挑戦をしていきたい。」とある。
改善例:志望動機・転職理由とキャリアプランの整合性をとっておく
「貴社ではこれまでの専門性を生かしながら、3年後に事業戦略の立案など重要な意思決定に関与できる存在になりたいと考えています。」
面接におけるキャリアプランについてのまとめ
面接でキャリアプランについて聞かれることは多いです。
自分なりに用意はできるものの、いざ面接となると、本当にアピールにつなげられるだろうかと心配にもなりやすいです。
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