【完全版】オファー面談で確認すべきこと、目的・流れ

公開日:2024/05/29 / 最終更新日: 2024/07/02

転職活動をして内定をいただいた際に、企業側からオファー面談の打診を受けることがあります。
オファー面談は、内定後に企業と内定者によって行われる面談です。選考とは切り離された、企業側の採用意思がすでに確定した状態で行われる対話の場です。

この記事では、オファー面談の目的、確認事項、注意点についてハイクラス転職のJAC Recruitment (以下、JAC)が解説していきます。

オファー面談とは、企業と内定者で行われる面談のこと

オファー面談とは、企業と内定者との間で内定後に行う面談のことです。
企業と内定者の双方で雇用条件などのすり合わせをし、企業側は内定者の入社に際しての疑問点を解消したうえで、内定者の入社意向を確認する場でもあります。
入社前に条件や処遇のすり合わせを行うため「条件面談」や「処遇面談」「入社前面談」とも呼ばれます。
面接とは異なり内定後に行われる面談のため、内定者にとっては選考要素を気にせず話せる機会でもあります。

オファー面談が実施される目的

企業がオファー面談を行う目的は、入社前の最終段階で企業と内定者との認識にズレがないように確認するためです。
企業側は、内定者の入社意思を確認し、辞退されないようにつなぎとめておきたいという目的もあります。
そのため、オファー面談では、企業側は労働条件についての細かな説明を行い、入社に際しての疑問点がある場合は疑問点にも答えてくれます。
内定者にとっては、入社前の最終確認の機会でもあり、労働条件などの詳細を確認するなかで、本当にこの企業でよいのかを再確認することができます。
内定者は入社に際しての疑問点が残らないように、オファー面談の機会で積極的に質問をし、活用することが大切です。

内定「承諾前」「承諾後」に行われるオファー面談の違い

 内定承諾前内定承諾後
違い・企業は内定者の意向を直接確かめたい
・内定者を承諾へ導くのが目的
・年収や入社日など交渉の余地がある
・企業は内定者と入社前の確認をしたい
・内定者の疑問点の解消が目的
・年収や入社日などの交渉は難しい

オファー面談は、一般的には内定承諾後に行われることが多いです。しかし、内定承諾前に行われる場合もあるので、両者の違いをみておきましょう。
内定承諾前のオファー面談は、企業側はぜひ内定を承諾してほしいために設けているという面もあります。そのため、年収や入社日などの提示条件に対して交渉の余地があります。
入社日や業務内容、待遇について疑問点がある、どうしても譲れない条件がある場合は、この機会に交渉しておくのがよいでしょう。
ただ、常識の範囲を超える待遇や給与の要求など極端な条件交渉は受け入れてもらうことは難しいので、交渉内容は十分に吟味して準備しましょう。

内定承諾後のオファー面談は、入社が確定しているため、雇用条件や就業に向けた業務内容の確認と疑問点の解消が目的になります。
そのため、内定承諾後の場合は、条件の交渉は難しいと思ったほうがよいでしょう。

オファー面談で企業が行う確認事項

【労働条件通知書に記載されている内容】

・労働契約の期間

・就業場所、従事する業務内容

・始業/終業時刻、残業の有無、休憩時間、休日、休暇

・賃金の算定方法・支払い時期

・解雇を含む退職に関する事項

オファー面談では、企業は労働条件通知書の内容について確認を行います。
労働条件通知書は法律で義務づけられているもので、企業が内定者にその企業での雇用条件について明示し、通知する書類のことです。
オファー面談では、この労働条件通知書を渡されて、その場で書面を見ながら労働条件を確認するケースが多いです。
労働条件や福利厚生などについて詳細を確認せずに入社を決めることは双方にとってリスクが高いので、書面はしっかり確認しましょう。

オファー面談聞くべきことリスト・質問例

ここでは、内定者がオファー面談で聞いておくべき7つの項目について解説と質問例をご紹介します。
オファー面談は、一般的に30分~1時間程度です。
企業側に選考中には聞けなかったことが聞ける場ですが、時間が限られているため、疑問点は前もってリストにしておきましょう。

聞くこと1. 年収・評価制度

給与について確認しておくことはとても重要です。
求人票において給与が〇万~〇万円と幅を持たせて記載がされているときは、具体的にいくらからスタートするのかを確認します。
また、昇給の見込みがあるのか、昇給がある場合は上げ幅、給与に賞与や残業手当・みなし残業手当・住宅手当など各種手当が含まれているのかも聞いておきます。
賞与が支給される場合は、支給月、過去の支給実績についても聞いておくようにします。
また、給与額の算定方法は企業の評価制度と関わることが多いため、人事制度・賃金の評価制度の全体像やしくみ、それに伴う給与体系についても確認をします。
入社後にもっともトラブルになりやすいことが賃金に関する問題です。そのため、金銭面での疑問が残らないようにしっかり聞いておきましょう。また、重要なことは口頭の確認のみではなくメールなどエビデンス残る形で確認しておくと、認識違いなどのトラブルを避けることができるでしょう。

【質問例】

「入社時点で、給与はいくらになりますか?」

「年収には賞与や手当は含まれていますか?」

「賞与の支給時期と過去の支給実績の目安を教えていただけますか?」

「入社後の昇給はどのような基準で行われますか?」

聞くこと2. 業務内容・期待されるミッション

業務内容については、おおまかな内容は選考の際にすり合わせている場合もありますが、実際に自分が担当する領域の詳細な内容などは、オファー面談で説明の場合も多いです。

配属される部署やメンバー構成、業務内容、期待されるミッションなどについて確認しておくのがよいでしょう。

例えば、営業職の場合だと、同じ法人営業でも、新規開拓営業なのか、ルート営業なのか、反響営業なのかで違ってきますし、マネージャー職おいても部下の人数など詳細は面接では語られません。

自分がイメージする業務内容と実際の業務内容にずれがないか、細かく確認しておきましょう。

【質問例】

・入社後に担当する業務が決まっていましたら、どのようなものかお聞きできますでしょうか?

・入社後に担当する営業スタイルや商材、ターゲットの方について詳しくお話を伺えますか?

・入社後にマネージャー職として担当する部署について、部下の人数など教えていただけますでしょうか?

聞くこと3. 就業場所・転勤

就業場所や転勤についても聞いておきましょう。

自宅からの通勤距離だけでなく、使用可能な交通機関、車の場合は駐車場の有無なども確認しておく必要があります。

また、転勤の可能性があるかどうか、転勤で就業場所が変わる可能性がある場合は、可能性のある支店の情報、引っ越しの費用の補助が出るかなども聞いておくと安心です。

さらに、近年ではリモートワークを併用する企業もあるので、リモート重視の場合、週に何日リモート勤務なのか、交通費はどのようになるかなども聞いておくとよいでしょう。

【質問例】

・勤務地は本社という認識でよろしいでしょうか?

・将来的に転勤の可能性はございますか?

・リモートワーク可能とのことですが、ルールについて詳細をうかがってもよろしいでしょうか。

聞くこと4. 就業時間

就業時間については、労働条件通知書に記載されている始業時間と就業時間以外にも残業などについても聞いておきましょう。

残業の頻度や平均残業時間、みなし残業時間を超えたときの対応、また、業務に繁忙期と閑散期がある場合はそれぞれの就業時間についてなどです。

また、フレックスタイム制や時差出勤制度などがあるかどうか、またある場合は利用率や利用方法についても確認しておくと安心です。

【質問例】

・同じ部署の方は普段は何時間ほど残業されておられますか?

・繁忙期だと、同じ部署の方々は何時ごろまでお仕事をされておられますか?

・フレックスタイム制度はみなさんどのように利用しておられますか?

聞くこと5. 休日・休暇制度

休日・休暇制度についても聞いておきましょう。年間休日数、有給消化率、有給をとるための手順なども確認してくとよいです。

【質問例】

・配属先の有給消化率はどのくらいでしょうか?

・有給休暇はどのような手順で使うことができますか?

聞くこと6. 福利厚生・社内制度

福利厚生や社内制度は、企業ごとに内容が大きく異なるため、どんな制度や手当が利用できるのか詳細を聞いておくのがよいでしょう。

手当は、家族手当、住宅手当、書籍購入補助、資格手当などがあるかどうか、支給条件はどうかなどです。

特別休暇の取得方法や取得率、また、退職金制度についても基準年齢や支給時期を確認しておくとよいです。

その他、社内での表彰制度、自己啓発支援制度、研修制度についても質問して知っておくとモチベーションアップにもつながります。

【質問例】

・住宅手当の支給条件や支給額について、詳細をお伺いできますか?

・特別休暇を取得する際の条件はどのようなものがありますか?

・退職金制度の詳細について教えていただけますか?

聞くこと7. 社内の雰囲気

社内の雰囲気についても、今後の人間関係に影響があるため聞いておくとよいでしょう。

企業によっては、オファー面談で配属先の社員と話せる機会がある場合もあります。その場合は、現場の方のリアルな声が聴けます。

その機会がなかったとしても、同僚の年代、どのようにコミュニケーションをとっているのか、配属先の雰囲気は?などの質問を通じて、会社内の雰囲気を知っておくことは大切です。

【質問例】

・私と同年代の方は何人ほど在籍しておられますか?

・スタッフ間ではどのようにコミュニケーションをとっておられますか?

・配属先の部署の雰囲気はどのような雰囲気でしょうか?

オファー面談の場で年収交渉をしてOK

もしオファー面談が内定承諾前であるなら、年収交渉を行うことは可能です。

オファー面談で提示された金額が、聞いていた額と違う場合、現職と比較して低い場合、自分の経験・スキルと見合わないと感じた場合は、ぜひ交渉を行いましょう。

ただ、交渉を成功させるには、企業側が納得できる理由をしっかり説明することが大切です。

その際は、客観的な自己評価と、業界の給与水準、現職の給与内訳を参考にしながら、希望年収額、譲れない額を相手の立場を考慮しつつもしっかり伝えるようにします。ただし、交渉をする場合には、「今の条件であれば内定を承諾しない=内定を辞退する」という意思表示にも受け取られるケースがあるため、慎重に進めていくことが重要です 

オファー面談の注意点3つ

こちらでは、オファー面談の際に注意すべき注意点を3つご紹介します。

注意点1. ネガティブな聞き方をしない

オファー面談の際は、ネガティブな聞き方は避け、質問に使う言葉は慎重に選びましょう。

「ボーナスはちゃんともらえるのですか?」など入社する前からこちらの要望を全面に出した質問の仕方だと印象が悪くなってしまいます。

そのため、「恐れ入りますが、この会社におけるボーナス支給の基準や体系についてお尋ねしてよろしいでしょうか。」など、丁寧な聞き方で尋ねるようにします。

言葉遣いの悪さで、企業に入社前から人柄を疑われてしまうこともありえるので、注意しましょう。

注意点2. 疑問が残らないようにする

オファー面談は基本的にどのようなことを質問してもよいため、疑問点が不明瞭なままにならないように、しっかり質問して解決しておきましょう。

入社後に条件が違ったということになれば、再度転職を考えることにもなりかねません。

特に、内定承諾前の場合は、迷いがあると決断も難しくなるため、確認しておくのがよいでしょう。

注意点3. 根拠・例を基にした主張をする

オファー面談で交渉を行う際は、誰もが納得できるように根拠を示して主張をするようにします。

例えば、募集要項と労働条件通知書で相違がある点を指摘する、希望年収についても、業界平均や同職種の市場価値を調査した結果を提示するなど、比較対象を用意します。

あくまで根拠をもとに、自分の主張をし、説得力をもたせて交渉することで、相手にも伝わりやすくなります。

このような交渉の言い回しは、すぐには出てきにくいため、事前に質問リストを作って、言い回しについても考えておくと安心です。

オファー面談の「辞退」は可能だが早めの連絡を

こちらでは、オファー面談の打診を受けた場合の「辞退」、オファー面談実施後の「内定辞退」についてみておきます。

オファー面談自体を辞退することは可能

オファー面談の打診を受けた際、オファー面談自体を辞退することは可能です。

もし面接までの間に労働条件についてのすりあわせが十分にできていて、労働条件通知書だけでもよいと感じた場合は辞退しても問題はありません。

辞退する場合は、オファー面談の連絡から数日内にオファー面談を辞退する旨の連絡をしましょう。ただし、入社に前向きな場合には、入社後の関係性づくりも鑑みて先方とのコミュニケーション機会をつくっておくことは有効です。

オファー面談「実施後」の内定辞退も可能

【オファー面談実施後の内定辞退】

・内定承諾前の場合→ 企業の指定期日までに辞退の旨を伝える

・内定承諾後の場合→ 内定承諾書提出から2週間以内に辞退の旨を伝える

・内定承諾後の内定辞退は好ましくないため、内定承諾は慎重に行う

オファー面談を実施後の内定辞退は、法律的には可能です。

ただし、内定辞退は企業の採用に大きな影響を与えるため、早めに連絡をするようにします。

もし内定承諾前であれば、企業の指定した期日までに辞退の旨を連絡することで辞退ができます。

内定承諾後、そしてオファー面談実施後の内定辞退も、内定承諾書には法的拘束力があるわけではないため、内定承諾書提出後2週間以内であれば辞退が可能です。

内定承諾書は提出した段階で労働契約が成立するため、民法では、入社の2週間前の解約であれば、違法性がないことになります。

ただ、内定承諾後の辞退に原則違法性はありませんが、企業や他の候補者に迷惑をかけてしまうことは間違いないでしょう。

社員1人を雇うために企業は採用コストをかけています。そのため、早めに辞退の連絡をし、心からのお詫びの気持ちをしっかり伝えることが大切です。

そして何より、内定承諾後の内定辞退にならないように、内定の承諾は慎重に行う姿勢を持つことが重要です。

オファー面談で落ちる・内定取り消しになることはある?

オファー面談で選考に落ちる、内定取り消しになることはあるのでしょうか?

結論でいえば、よほど失礼なことやトラブルなどがない限り、基本的にはオファー面談で落ちる、内定取り消しになることはありません。

企業が内定を出した場合、法律的にはその時点で雇用関係になるため、企業が内定取り消しをすることはできないからです。

常識的なふるまいをしている限り、まずは落ちることはないと考えておきましょう。

ただし、選考過程での虚偽の申告などで不適切な行為があった場合は、この限りではないので、注意しましょう。

オファー面談についてのまとめ

オファー面談は、入社を前にミスマッチを防ぐ有意義な場ですが、いざ交渉となると不安を感じる場合もあるかもしれません。

そのようなときは、交渉を代行してもらえる転職エージェントの活用をおすすめします。

転職エージェント経由で転職活動を進めていけば、オファー面談の日程・内容、給与交渉など交渉ごとの代行、また内定の承諾・辞退の判断も相談ができます。

ぜひ、数多くの転職希望者のサポート実績がある私たちJAC Recruitmentにご相談ください。

この記事の筆者

株式会社JAC Recruitment

 編集部 


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