ここ数年、アメリカの影響によって停滞していた外資系IT企業の営業職求人。最近は回復へ向かっており、2024年は昨年より活発化すると見込まれます。今後の転職市場動向について、JAC Recruitment(以下、JAC)の外資系IT企業専任のコンサルタントが解説します。
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登録してプロの転職支援を受ける外資IT営業職の転職市場の現状
日本においての外資系IT企業の営業職採用は、アメリカの影響をダイレクトに受けています。コロナ禍以前は採用活動が活発でしたが、戦争を含む国際情勢や不景気を背景にアメリカ系企業によるレイオフが拡大し、日本法人においても採用意欲が低下しました。
しかし、求人数が落ち込んだ2023年初頭と比較すると、回復の兆しが見えてきました。各社、徐々に採用を再開しており、2024年は2023年よりも転職市場は活発化すると見込まれます。
ここ数年、採用活動が停滞したとはいえ、各社業績が悪いわけではありません。一定の成長率を保っている企業が多く、2桁成長を掲げる企業も見られます。今後も好調な推移が予測される企業を中心に、採用意欲は高まっています。
転職ご希望者の動向に目を向けると、ここ数年は、リストラなどを受けて転職活動を行う方が多かった一方、転職の必要性に迫られていない方々は情報収集を続けつつ、転職については静観されている傾向が見られました。しかし最近では、求人市場の回復により、情報収集に本腰を入れる方もいらっしゃいます。
外資IT営業職への転職を検討される方は、大きく分けて2つに分類されます。
1つは、外資IT営業職から外資IT営業職へ転職する方々です。
「タイトルアップ」「年収アップ」を目的とする方が多数です。「スタートアップに移ってプロモーションを狙いたい」「成熟したマーケットから成長マーケットへ移りたい」「エンタープライズに携わるポジションにチャレンジしたい」といった声もよく聞かれます。
2つ目は、日系IT営業職から外資IT営業職を目指す方々です。「年収アップ」を目的とする方が多くを占めます。
外資IT営業職で求められている職種・ポジション
外資系IT企業の営業職採用について、現在、出ている求人職種をご紹介します。
メンバークラスからマネジャークラスまで、ポジションは多岐にわたります。
- ●アカウントエグゼクティブ/シニアアカウントエグゼクティブ(直販営業)
- ●エンタープライズ アカウントエグゼクティブ(大手企業向け直販営業)
- ●デジタルセールス(デジタルツールを活用したオンライン営業)
- ●パートナーセールス(代理店営業)
- ●アライアンスマネジャー(パートナーとの関係強化・プログラム開発の協業など)
- ●サービスセールス(プロダクト以外のサービスを専任とする営業)
- ●BDR(Business Development Representative。新規開拓を担うインサイドセールス)
- ●シニアマーケティングマネジャー(マーケティング戦略)
なお、外資IT営業職の求人の約8割を占めるのが「アカウントエグゼクティブ」です。
「デジタルセールス」はオンライン上のみでアプローチからクロージングまで持っていくスタイルのセールスであり、コロナ禍以降に増え、職種として確立されています。対面スタイルの営業からの転職も可能です。
求められる経験は職種・ポジションによって異なりますが、共通して、採用職種の経験者を求める求人では「経験5年以上」が条件とされていることが多く、10年の経験があれば歓迎されます。
これまでに取り扱った製品はそれほど問われませんが、経験してきた「対象顧客」は選考で注目されます。これまで経験した営業先の部門が、応募求人の営業先と一致していればアピールポイントになります。
大手企業を対象に役員クラスなどとのリレーション構築を行ってきた、いわゆる「LoB(ラインオブビジネス)」の営業経験は、特に高く評価されます。
外資IT営業職で求められる経験・スキル・マインド
外資IT営業職の採用において、各社がほぼ共通して求める要素が「プロアクティブ」「ハンター」です。
外資系出身・日系出身問わず、主体性を持って自走できる方、自ら仕事を取りに行ける方が求められています。また、「成長意欲」「目標達成へのコミットメント」なども選考で注目されるポイントです。
外資IT営業職の求人で求められる英語力
外資IT営業職の求人に応募する際も入社後も、基本的に英語力は必要とされません。
ただし、本国から公文書が英語で送られてきたり、英文メールのやりとりが発生したりすることもあります。そのような場合に、翻訳ツールなどを使用してでも対応するという姿勢があれば、入社時点で英語力がなくても問題ありません。
一方、英語力があれば職務内容が広がります。マネジャークラスへの昇進を目指すなら、英語力も必要となります。
外資系IT営業職の年収相場
外資IT営業職の年収相場は以下のとおりです。
- メンバークラス:1000万 ~1500万円。企業によっては2000万円
- シニアクラス:1500万~2500万円。企業によっては約3000万円
- マネジャークラス:1500万~2500万円。企業によっては約3000万円
入社時の給与額の算定方法は企業により異なりますが、多くの場合はこれまでの実績を踏まえ、業績の予測値を立てて決定するケースが多いです。
外資IT営業職から外資IT営業職へ転職する場合、基本給で5%、年収にして10%ほどのアップとなるケースが多く見られます。
一方、日系IT営業から外資IT営業への転職では、多くの方が200万円程度の年収アップを果たしています。
外資系企業の年収情報|日系企業との比較や年収アップのポイント
外資系IT営業職に転職するメリットと注意すべきポイント
外資IT営業職へ転職するメリットと、注意すべきポイントをご紹介します。
メリットは「専門性の追求」「成果報酬」「最先端」
外資IT営業職へ転職するメリットとして、専門性の追求が挙げられます。
マネジメントよりも「セールスのスペシャリスト」としてキャリアを極めていきたい方にとって適した環境です。縦割りの組織であるため、役割が明確であり、セールスのみ・自身の担当職務のみに集中できます。セールスとして専門性を高めることで、外資系企業でキャリアを積んでいくほか、日系企業へ移る・戻るという選択もできます。
ほかには、「年収アップ」です。売上数字という定量評価が成果報酬に反映されるため、業績を上げれば際限なく年収を上げていくことが可能です。日系企業での勤務を続けるよりも、生涯年収は圧倒的に高くなります。
また、日系IT企業は中小企業もターゲットとしているケースが多い一方、外資系IT企業は基本的にエンタープライズ(大手)にフォーカスしています。そのため、大手企業向けの営業経験を積みやすい環境であるともいえます。
アメリカ発の企業が多く、最先端のテクノロジーを扱えるのも魅力のひとつです。外資IT営業職の方々からは「世の中を変え、それがスタンダートになっていくプロセスに初期段階から携われるところが面白い」という声が聞こえてきます。
数字に対するプレッシャーを感じやすいなら注意が必要
目標数字の達成状況が直接給与に反映されるため、その時々によって収入が変わり、生活も変わります。それを自己責任として受け入れることが難しい方、「成果報酬型」に対して過度のプレッシャーやストレスを感じる方にとっては、外資IT営業職は向いていないかもしれません。
また英語力は必須とはされないものの、英語での対応が必要となる場面もあるため、英語に対して強いアレルギーがある方にとっても厳しい環境です。
外資系IT営業職のキャリアステップ(キャリアパス)|日系企業との違い
外資IT営業職の社内でのキャリアパスの一つが「マネジャーへの昇進」です。管理職としてタイトルを上げていき、最終的には「カントリーマネジャー」としてビジネス全般を管理するポジションを目指す方もいらっしゃいます。
一方、セールスのスペシャリストとしての道を極めていく方も多数。シニアアカウントエグゼクティブとマネジャークラスでは年収帯は同水準です。実際、マネジャーに昇進したものの、スペシャリストに戻る方も少なくありません。
最近では、外資系IT企業で経験を積んだ後、日系企業に戻る方も多く見られます。たとえば、外資系ソフトウェアベンダー側にいた方が、そのソフトウェアベンダーのプロダクトを扱う日系IT商社側に転職し、営業部隊の立ち上げや推進を担うなど。年収は大幅ダウンとなりますが、50代以上の方が「落ち着いた働き方に転換したい」「日本に貢献したい」といった希望から転職するケースが増えています。
外資系IT営業職に転職された方の事例
外資IT営業職から外資IT営業職へ転職された方、日系IT営業職から外資IT営業職へ転職された方の事例をご紹介します。
外資IT営業職から外資IT営業職に転職し、年収500万円以上アップ
Kさん(30代前半/男性)は外資系IT企業のアカウントエグゼクティブ。現職では「やり切った」感覚があり、次のチャレンジを模索していました。希望は「エンタープライズ向けの営業経験が積める」こと。そこでJACからご紹介したのが、外資系スタートアップ企業の増員求人です。
通常、エンタープライズ向け営業の求人では、エンタープライズ向け経験者が対象となります。Aさんは未経験でしたが、「入社後に教育していけるだけの受け入れ体制がある」として、採用に至りました。
Aさんが評価されたポイントは「達成意欲の高さ」。また、「コーチャブルな人(=素直さ・謙虚さなど、コーチングを受け入れられる姿勢や性質を持つ人)」であると判断され、早期キャッチアップの期待が持たれたのです。
そのスタートアップ企業は基本の給与水準が高かったことから、エンタープライズ向け営業は未経験でありながら年収500万円以上のアップとなりました。
ありながら年収500万円以上のアップとなりました。
日系IT営業職から外資IT営業職に転職し、年収200万円以上アップ
Dさん(30代後半/男性)は日系の小規模ITベンチャーで営業マネジャーを務めていました。「高い成果を挙げても報酬に反映されない」「扱う製品がニッチで、キャリアの広がりがない」という理由で転職活動を開始されました。
結果、入社を決めたのは世界的に高いシェアを持つ大手外資系IT企業です。年収は200万円アップとなりました。
その企業では選考において「思考力」を重視しています。Aさんは前職で高い実績を挙げていたことに加え、その実績を挙げられた背景やプロセスについても面接でしっかりと回答でき、「主体性を持って行動できる」「成功体験を再現できる」と評価されたのです。
外資系IT営業職の転職に関してよくある質問
外資IT営業職への転職を考えている方からよくお受けするご質問について回答します。
Q. アメリカでレイオフのニュースが話題になりましたが、日本ではいかがでしょうか。
A. 日本も影響を受け、2023年までは採用活動が下火となっていました。しかし徐々に回復しており、2024年には新たな募集が出てくると予測されます。市況は常に変化していますので、情報収集を継続することをお勧めします。
Q. 転職により年収を上げられるでしょうか。
A. 多くの方は年収アップを果たしていますが、大幅なアップを想像していると、それほどでもないこともあります。外資IT営業職から外資IT営業職への転職では、10%ほど年収アップとなるケースが多く見られます。日系IT営業から外資IT営業への転職では、多くの場合、200万円程度の年収アップとなっています。
Q. 成果を出せなければ、すぐに解雇されてしまうのでしょうか。
A. そのような可能性もゼロではありません。しかし、成果が出なければ即解雇となるわけでなく、「PIP」と呼ばれる業務改善プログラムが適用されます。適用から数カ月間の間に改善できるかどうかにより判断が下されます。
JACのコンサルタントは企業と密にコミュニケーションをとり、いち早く情報を得ていますので、ぜひお役立てください。
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JACでは「外資系IT企業」を専任とするチームを設けています。他の転職エージェントと比較し、多数の専任コンサルタントが揃っているため、1社1社について詳細な情報を入手しています。
各募集ポジションについて、採用背景や業務内容はもちろん、その企業が選考で重視しているポイントもお伝えし、面接対策に役立てていただくことができます。
外資系IT企業の転職において、これまでに多くの方のサポートを行ってきた経験を踏まえ、求職者の方の経験・スキル・志向性などがどの企業・ポジションにあっているかを判断してご提案いたします。
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