古くからある繊維業から製造業が発展した、国内有数の「モノづくりの町」静岡県浜松エリア。特に浜松市内には、有名メーカーの本社拠点が数多く立地する一方、中小企業の工場やベンチャー企業も集積しています。世界で知られる自動車港湾である三河港を有する東三河（愛知県東部）と隣接しており、首都圏から中京の都市部をつなぐ東名高速道路のインターチェンジ、東海道新幹線停車駅と交通網に恵まれています。そういった背景から、浜松エリアの転職市場の人流は常に活気があります。
今回は、JAC浜松支店のコンサルタントが、浜松エリアにおける製造業の転職動向、求められているスキルや経験について解説します。
目次/Index
浜松エリアの製造業動向
浜松エリアの製造業の中でも、とりわけ強い二輪車と楽器。浜松市は、本田技研工業（ホンダ）、スズキ、ヤマハ発動機といった二輪で有名な自動車メーカーの創業の地でもあります。浜松市内にバイクメーカーが集積している理由は「ホンダの創業者である本田宗一郎氏が浜松市出身」「スズキの前身が織物メーカー」など、さまざまあります。
浜松エリアでは、自動車業界全般で電動化が加速する中、従来のようにエンジン単体だけではなく、電子制御システムを実装しモジュール化された製品などの製造が増えています。
また西部では、自動車完成品メーカーやサプライヤーに対し、産業機械や金属加工品、プラスチック成形品などを納品する中小製造業も数多く操業。家族経営の企業も健在です。
楽器関連では、ヤマハ、ローランド、河合楽器製作所、鈴木楽器製作所、ボスが浜松市内に本社を置いており、多くの求人をお預かりしております。
浜松エリアの製造業で求められるもの
職種を問わず製造業ならではの知識は必須
生産技術や設備保全の経験者など、「設備や機械を触れる人」は、製造業ではどこの現場でも非常に求められます。また中小企業で特に生産管理においては、局所的な専門性も必要とされますが、さまざまな経験をし、部品加工から組み立て、出荷まで、モノづくりの流れを一通り理解しているような人もよく求められます。営業など文系寄りの職種においても、「機械図面がある程度読めなければならない」など、製造業ならではの知識が求められることから、製造業以外からの転職実績は少ない傾向です。
企業規模によって異なる、求められる人材の傾向
中小企業では、40歳以上の技術者など、経験豊富な即戦力が採用されている事例が多いです。工場が多いことから、経営者や管理職候補であったとしても、やはり機械のオペレーションの経験や知識がある方が評価される傾向です。また、自社の技術を新規の分野の顧客に拡販していくため、経験豊富な営業経験者も求められます。
中堅クラス以上の製造系企業の求人では、30歳代～40歳前後の方の採用事例が目立ち、生産技術や品質管理の管理者を志す人が求められています。
大手企業を中心とした新規事業関連の求人では、経営企画ポジションの経験者や、M＆Aの経験者などが求められる傾向です。
経理部門
浜松エリアの企業の事業が海外との関わりが多い傾向から、例えば海外子会社の連結決算をしっかり見られる経験者などが求められます。国際財務報告基準（International Financial Reporting Standards：IFRS）への対応については、すでに浸透している企業が多いことから、もはや当たり前の知識といったところでしょう。
人事部門
昨今、重要視されている「働き方改革」などに取り組める経験者が求められており、人事制度の改革や新しい評価制度の制定にかかわったという方が求められます。そうしたプロジェクトは、社内に長く在籍するような人では、社内の人間関係などが影響して取り組みが難しいことから、自社にしがらみのなく、新しい風を吹かせてくれそうな方が適任と考える企業が多いようです。そうした事情から、このポジションに限っていえば、県外や異業種からの転職が目立つというユニークな傾向で、異業種で製造業に興味がある方にとってはチャンスかもしれません。
面接に臨む際のアドバイス
浜松エリアの採用企業の特徴として、個々のスキルや実績の前に、まずパーソナリティ面を重視する傾向があります。製造業はチームワークでこなす仕事であることから、採用においては人柄が重視されます。とにかく「気合と根性がある方」「実直でまじめな方」が好まれる傾向です。逆に、個性的過ぎる方や、協調性に欠けた方などはあまり好まれません。
では、どのように面接に臨めば良いのでしょうか。
志望企業にどういった貢献ができるかを軸に、アピールポイントを考える
JAC浜松支店では、製造業で転職を検討されている方々とお話をする際、想定問答を繰り返しながら、アドバイスを差し上げる場合があります。
志望動機の部分を重要視する企業が多数見受けられるといった経緯から、採用は企業と転職希望者様、双方の納得感を求められる傾向であり、転職希望者様の転職理由と志望動機の一貫性が重要です。
そこでJAC浜松支店では、まず「転職先で成し遂げたいこと・目指したいこと」について転職希望者様とJACのコンサルタントが深くディスカッションしています。それをベースに、志望企業にどういった貢献ができるか、また自分自身が何を成し遂げることができるかを、一緒に考えていきます。
自分にとっての当たり前が、意外にも強みになることも
自分がこれまで勤務した都心の企業では「当たり前」のことであったことも、浜松エリアの志望企業にとっては「これから」であることもあります。そうした場合には採用企業が魅力に感じてくれることもあるため、「どこでもやっていること」と謙遜することなく、採用企業が提示しているポジションに対して自分の価値を提案できると良いでしょう。
海外案件に関しては、実は語学よりも経験が重視されます。これまでの現場改善や品質管理などの実績について書類でも面接でもしっかり具体的に伝えることが大事です。
JAC浜松支店を利用するメリット
浜松エリアは自動車産業が盛んな中京エリアに隣接していることから製造業を中心とした企業が多く集まっていることが特色です。JAC浜松支店は浜松市内だけではなく、同市と同じく産業集積地である豊橋市を有する東三河までカバーしていることから、安定した求人案件数を確保しています。やはり、製造業の案件が最も多いため、製造業での転職を検討している人にとってはチャンスの宝庫でもあるといえます。
グローバルな人材紹介会社だからこそ、海外業務案件多数
静岡県内の企業の輸出額も浜松市を中心とした西部が過半数程度であり、東三河は外資系大手メーカーらの輸出入拠点になっています。JAC浜松支店の求人も海外業務の案件が多くあります。長く国内中心で仕事をしてきて、海外という新たな舞台で新しい人生を拓きたい方にも魅力的ではないかと思います。
求人票からは分からない情報も、JACだからこそ十分に把握
浜松エリアの求人では、募集ポジションの業務内容などが少々漠然としているケースが少なくなく、求人担当者も手探りで求人をしている場面がよく見られます。転職希望者様にとっては、求人票で可視化できないような、企業や職業との思わぬ良縁と巡り合えることが魅力であると思います。
そこで生きてくるのが、JACのコンサルタントです。他の転職エージェントと異なり、人事担当者だけでなう、経営者や部門担当者とのコミュニケーションを密に行うことで、会社の風土や採用の背景を把握しております。それを転職希望者様に直接お伝えすることができるので、「入社してみたらイメージと違った」というミスマッチが少ないです。
非公開求人もJACは多数保有
JAC浜松支店では求人票を作成していない場合でも、ご登録者が活躍できるポジションが潜在的にある企業に対して、ポジションと人材をご提案するケースもあります。こうしたアプローチは、企業と転職希望者様双方を深く理解するJACのコンサルタントがいるからこそ成立します。
浜松支店には、製造業経験者が在籍しているため、転職希望者様や採用企業の気持ちに寄り添ったコンサルテーションが提供できるのも魅力です。浜松・東三河エリアでの転職をご検討されている方は、是非JAC浜松支店にご相談ください。
この記事を監修した転職コンサルタント
牧村
静岡支店・浜松支店 支店長
2017年JAC Recruitment入社。前職は総合人材サービス業の法人営業管理職。JAC入社後は、一貫して東海地方の製造業領域を担当。静岡エリア全域における自動車部品メーカー・機械メーカーのマネジメントポジションを得意分野とする。マネジメント層やエグゼクティブ層の紹介実績は、管理部門、営業部門、設計開発、品質部門、マーケティングなど多岐に渡る。名古屋支店のチームマネージャーを経て、2022年より静岡支店支店長に、また、2023年より静岡支店および浜松支店の支店長を兼務するかたちで就任。
