神奈川エリアは就業人口も東京に次いで多い地域です。製造業が多いのが特徴で、大手から中堅までデジタルへの投資を強めており、製造DX関連、社内SEの求人が多数あります。また、それら事業会社から開発案件を受託するSIerにおいてもデジタル人材のニーズはかつてないほど高まっています。多様な求人が豊富に出ている神奈川エリアでは、今こそ転職のチャンスだといえます。
ここでは、神奈川エリアの転職に強い転職エージェントであるJAC Recruitment(以下、JAC)のコンサルタントが、転職市場動向を解説します。
目次/Index
神奈川エリア全体の求人動向について
現在、神奈川県の人口は900万人超、就業人口も500万人近くいて、都道府県別では東京都に次ぐ規模となっています。
神奈川エリアの1つの特徴は、製造業の企業が多いことです。製造品出荷額は愛知県に次いで2番目に神奈川県が多く(経済産業省工業統計2020年調査より)、自動車関連をはじめ半導体や電機系、化学系など幅広い製品のメーカーがあります。それ以外にも、SIerやソフトウェアメーカーなどIT系企業や、消費財メーカー、流通・小売といった業界の多様な求人が幅広く豊富にあるのが神奈川エリアの特徴といえるでしょう。
企業規模に着目すると、本社が集まる東京に比べて神奈川エリアで従業員数が1万人を超えるような大手企業は数十社程度に限られます。その半面、中堅・中小企業の層が厚く、裁量の大きいマネジメントクラスの求人が豊富なことも、神奈川エリアの特徴です。
神奈川エリアのデジタル系求人の動向
一般にデジタル・IT領域の主なプレーヤーは、事業会社、コンサルティングファーム、SIerですが、コンサルティングファームの採用はほぼ東京に集中しているため、神奈川エリアのデジタル系求人の採用主体は事業会社とSIerが中心です。
神奈川エリアには製造業が多いことから、デジタル系求人は事業会社における「製造DX」と「社内SE」、そして「SIer」という3つのカテゴリーに大別できます。
現在はDXの潮流もあり、「現状を打破する」「変わる」フェーズにある企業が多く、採用ニーズも強いため、デジタル系のスキルを持っている人であれば、これらカテゴリーの垣根を越えて転職することも難しくありません。
製造DX関連の求人
製造業の事業会社は、横浜、新横浜、川崎、厚木を中心に神奈川エリア全域に広く散在しています。神奈川に限ったことではありませんが、ここ数年、これら製造業は軒並みデジタルへの投資を強めており、それに伴ってデジタル関連の求人数も急激に増加しています。
そのような中、製造DXとカテゴライズされる求人では、AIやIoT、クラウドなどデジタルを活用した新規ビジネス創出といった「攻め」の部分を担うものが中心となっています。
そのためこのポジションには、製造業においてAIなどの先端的な技術を組み入れた事業開発の経験・知見がある人や、コンサルティングファーム・SIerでそうしたビジネスを立案・提案してきた経験のある人が求められることが多くなっています。
社内SEの求人
事業会社において、「攻め」の部分を担う製造DXに対しデジタルによる「守り」の部分を担うのが、情報システム部門における社内SEです。ここでいう事業会社は製造業にかかわらずあらゆる業種が対象です。
社内SEの業務範囲は多岐にわたりますが、主にサーバやネットワークを司るインフラ担当と、基幹システムなどの開発・運用・保守を行うアプリケーション担当の、大きく2つポジションに分かれます。
インフラ領域における最近のキーワードは「セキュリティ」と「クラウド化」です。近年リスクが増しているサイバー攻撃への対策の知見がある人や、クラウドでインフラを構築・運用した経験のある人はニーズが高いです。また、セキュアなリモートワーク環境構築に対応するポジションの求人も多く出ています。
アプリケーション領域のキーワードは、「グローバルのシステム統一化」と「内製化」です。十数年使い続けた基幹系・業務系システムを刷新するタイミングを迎える企業が多く、特にグローバル企業ではこれを機に海外拠点と日本とのシステム統一化を図る企業が出てきています。また、そうした動きにスピーディーに対応するため、これまで外注していたタスクを社内にエンジニアを擁して任せていく内製化の気運も高まっています。
インフラとアプリケーション、いずれの領域も求人数は豊富で、システム企画寄りから手を動かす開発者の求人まで幅広く出てきています。
SIerの求人
神奈川エリアのSIerは、大手から中堅SIerまで、一次請けかどうかにかかわらず、あらゆるポジションの求人が出てきています。特に多いのはプロジェクトマネジャー(PM)ですが、プログラマーの求人も少なくありません。
また、事業会社のデジタル投資が加速する中で、案件を獲得するプリセールスの求人も増えています。大手企業を中心に競合が激しい環境下において、プリセールスは案件獲得につながる提案力が問われます。そのため、これまでのプリセールスとしての経験・実績が採用では問われます。
神奈川エリアの30代後半〜50代のモデル年収
事業会社における製造DX関連のポジションは、デジタル系の事業開発・事業企画のしっかりとした経験がある人であれば年収1000万円~2000万円くらいまでの求人が多くあります。AIやクラウドに部分的に関わった程度であれば700万〜1200万円くらいが相場になります。
社内SEは、インフラ領域・アプリケーション領域を問わず、600万〜900万円くらいの水準がボリュームゾーンです。マネジャークラスになると1000万円を超えることもありますが、求人数は限定的です。
SIerも、PMの場合にはボリュームゾーンは600万〜900万円ですが、最近は1000万円を超える年収が提示されるケースも希少ながら出てきました。これまで年収は概ね年功序列的に決まっていましたが、飛び抜けて優秀な人材には評価に見合った年収を提示しようという気運が日本でも高まっていることが背景にあります。また、プリセールスは1000万円前後の年収で採用するケースが多いです。
製造DX、社内SE、SIerに共通して、要素を掛け合わせると年収が上がっていく傾向があります。社内SEでインフラもアプリも分かる人、PMもできてプリセールスもできる人、デジタルの技術に加えて英語もできる人、製造業に強い上に金融系のシステムの経験もある人など、掛け合わせのパターンはさまざまです。
神奈川エリアの30代後半〜50代人材に求められるもの
以前は事業会社にしてもSIerにしても、同業種・同職種の経験者が求められていました。しかし今は、デジタル系・IT系職種の経験が一定以上ある人には売り手市場となっており、異業種・異職種からの転職に壁はありません。
今はどの企業も、スキルが求める水準に届いていなくても、やりたいことを明確に持っている人のほうを優先的に採用する傾向があります。「自分はこういう経験があります。何か生かせるものはありますか」という姿勢では企業からすると見劣りする可能性があります。
異業種・異職種への転職も可能だからこそ、自分が転職先でやりたいことを明確化して転職活動に臨むことをお勧めします。
JAC横浜支店を利用するメリット
JAC横浜支店では、今のようにDXが叫ばれる前から、転職エージェント業界の中でも先駆けてデジタル専任チームを立ち上げました。そして、神奈川エリア全域の事業会社、SIerの採用部門の方と直接お会いし、ニーズをつぶさにヒアリングして来ました。そのような経緯から、現在は神奈川全域のデジタル系求人を多数、企業からお預かりしています。
転職をお考えの方には、転職を通じて何を成し遂げたいのか、転職先で何をしたいか、中長期的にどのようなキャリアを築いていきたいのかを、率直にコンサルタントに伝えていただきたいと思います。1社1社の企業の特色や経営課題も深く理解したコンサルタントが、豊富な求人の中からご希望に合った転職をご提案します。