管理職転職は難しい? 成功者の4つの傾向と意識すべき3つのポイント

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公開日:2022/10/31 / 最終更新日: 2024/11/07

現職で管理職ポジションに就いている方々は、どのようなタイミング・理由により転職に踏み切るのでしょう。そして、これまでの経験を生かして管理職ポジションへの転職に成功する人・苦戦する人の違いはどこにあるのか。
大手・グローバル・外資系企業の管理職転職を得意とするJAC Recruitment(以下、JAC)が、管理職から管理職への転職にあたり意識すべきポイントを、事例を交えご紹介します。
※本記事での「管理職」とは、人事評価を行う課長級以上のポジションとして定義します。

管理職の方が転職を考えるタイミング・理由とは


現在、管理職として活躍している方々が、どのようなタイミングや理由で、転職を考えているのでしょうか。JACでは、次のようなパターンが多く見られます。

●自分より上のポジションが詰まっており、現状より昇進できる見込みがない。または、現状以上の裁量権を持てない
●業界・会社の将来性に不安を感じている
●会社の方向性に納得できない
●自身の所属部門・専門領域が注力分野から外された/縮小へ向かう/M&Aで買収された
●管理職に就き、マネジメントだけ行うようになったが、もっと「現場」の業務にも触れていたい
●「役職定年」が近づいているので、次の道を検討したい
●家庭の事情がある(両親の介護のため地元に戻らなければならない/転勤を避けたい、など)

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中途採用市場での管理職のニーズと転職難易度


管理職への転職は容易とはいえませんが、JACには採用企業から管理職の求人が多く寄せられています。

では、なぜ外部から管理職を採用するのでしょう?

変化が激しい時代といわれる現代において、事業の多角化を図る企業が多く、新しい領域のノウハウの導入やDXへの取り組みなど、ビジネスモデルや組織の再構築、業務の変革を目指す動きが加速しています。
こうした取り組みの推進・マネジメントを担える方のニーズは高まっており、管理職ポジションの求人も多いです。

例えば、大手企業の新規事業責任者採用では、その領域の事業を展開する準大手~中堅・中小規模の企業から専門知識・コアスキルを持つ管理職が迎えられています。

他にも、中堅~中小ベンチャーの管理職求人は多数あり、大手企業出身者が迎えられる事例があります。

管理職の転職事情|難易度や成功のポイントとは

管理職が転職するメリットとデメリット


管理職における転職のメリット

管理職が転職をするメリットは次のとおりです。

・将来に対する不安解消につながる
・年収アップやキャリアアップの可能性が広がる
・有利に転職活動を進める場合がある
・新たな刺激を得られる

決して簡単とはいえない管理職の転職ですが、自身が望むキャリア像に近づける可能性があります。

管理職における転職のデメリット

管理職が転職をするデメリットは次のとおりです。

・これまで培ったスキルや実績が生かせない可能性もある
・多岐にわたったプレッシャーが生じる可能性がある

転職後すぐに成果を求められる管理職の転職は、プレッシャーとの戦いともいえます。ただ、成果を作り出すことができればその分、高い評価を得られるでしょう。転職をよりよい選択とするためにも、メリットとデメリットのいずれも正しく理解することが大切です。

管理職への転職を成功させている人の傾向

管理職への転職を成功させている人の傾向

では、どのような方々が、管理職ポジションへの転職を成功させているのでしょうか。ここでは、JACのサービスを活用して実際に転職に成功している方々の傾向から、企業が求める要素をまとめてお伝えします。

組織を底上げできる専門スキルを持っている

「管理」だけではなく、何らかの専門領域でのスキル・実績を持ち、自身でも実務に対応できる方が求められる傾向にあります。スペシャリティを生かし、組織・チームのレベルの底上げをしてくれる、あるいは自社にないノウハウを持ち込んでくれることが期待されます。

経営の視点を持って主体的に行動ができる

現在課長であれば「部長」の視点、部長であれば「役員」の視点など、一段視座が高い経営の視点を持って組織・事業全体を俯瞰できることが重要です。そのうえで、主体的・意欲的に行動を起こせるか、戦略を立てられるかが求められています。

既成概念を打ち破り、新しい風を吹き込める

近年、多くの大手企業が「変革」に取り組んでおり、「変革を推進できる」人材が歓迎されます。
プロパー社員は既成概念にとらわれ、価値観が画一化されることも。
このままでは成長が鈍化してしまう、イノベーションが起こりにくいという理由から「外部から新しい風を吹き込んでほしい」という企業ニーズも増えています。
例えば、社内で新規事業を立ち上げたものの、業界の専門性が乏しく思うような成果が得られない時、業界の専門知識や仕組みなどを自社に取り入れるため、異業種から管理職を採用することがあります。


ビジネスのスピード感やビジネス戦略の立て方など、他社での観点を取り入れたい企業意図があり、社外との連携の豊富さや、既存の発想にとらわれずにビジネスをドライブできることを期待されています。

社内の他部署・社外と連携できる

近年、新規事業やサービスの創出など新たな取り組みを進めるにあたり、社内の多様な部署と連携したり、他社とアライアンスを組んだりするケースが増えています。

そうした変化を背景に、自身の部門内のマネジメントだけにとどまらず、他部門、あるいは社外の人と連携・調整しながら新たなプロジェクトを推進してきた人が重宝されます。企業からは「多くの人を巻き込む力を持つ人材」へのニーズが高まっています。

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管理職経験があっても、管理職への転職に苦戦する方の傾向


管理職の経験を積んでいても、管理職ポジションへの転職が難しいケースも見られます。
次のような方は、転職で苦戦を強いられる、あるいは転職後に苦労をする可能性があります。

「管理のみ」で、実務に対応できない方

近年では、働き方の多様化・人材不足や、VUCAな時代で変化の激しいビジネス現場で、より素早い判断が必要になっています。そのため、昨今の管理職求人では、「管理だけでなく、実務も行える方」を求めるケースが多く見られます。
専門スキルを持つメンバーをとりまとめていただけでは、企業は魅力を感じません。専門分野でのコアスキルを持ち、現場で手を動かしつつ、組織全体を動かせる人が求められます。
現在、管理のみが中心になっている方は、意識的に実務も担うことをおすすめします。
組織構造上それができないのであれば、副業などで実務を手がけておく手もあるでしょう。

家族からの理解が得られていない方

ご家庭を持つ方も多い管理職世代の転職は、家族からの理解が欠かせません。転職先によっては年収が下がったり、働き方が変わるケースもあります。
そのため、転職先から内定をもらったとしても家族から反対されてしまう場合もあります。転職を検討する段階から家族と話し合い、理解を得た状態から動き出すことが重要です。

経営陣との考え方にギャップがある方

管理職としての重要な役割は、経営陣の方針を部下に伝え、実行に移すことです。しかし、経営陣の価値観や考え方とギャップがある場合、中長期的な業務遂行の障害になります。
たとえば、経営陣が従業員に求める方針が、多くの従業員に受け入れられないものであっても、管理職は部下に経緯を説明し、経営陣が舵を切る方向にベクトルを合わせなくてはなりません。もし、このような場面で、自身も経営陣の方針に納得できていない場合、強いストレスを感じるものです。
なるべくこのような事態に陥らないためにも、面接などの場面を利用し、社長や役員の人柄や考え方について理解を深めることが重要です。

JACのコンサルタントは、採用企業が抱える課題を熟知しているため、転職希望者の経験・スキルと採用企業の課題がマッチしているかアドバイスも可能です。未経験領域の転職を目指す方は、一度ご相談ください。

管理職から管理職への転職成功事例


管理職から管理職への転職成功事例

ここからは、JACのサービスを活用して、管理職から別企業の管理職への転職を実現した方の事例をご紹介します。

「組織立ち上げ」の経験が買われ、マネジャーとして採用

SaaS企業の立ち上げ期に、ディレクターとしてカスタマーサクセスの組織を築いた経験を持つAさん(40代前半)。「今後も立ち上げフェーズの企業で、経営に近い立場で組織作りがしたい」と、転職活動を開始。


カスタマーサクセス部門の立ち上げ期で事業拡大を考えている企業から、組織立ち上げの経験が評価され、マネジャーとして採用されました。

新規事業にドライブをかけたい企業に、異業種から部長職で採用

外資系広告代理店の部長職Bさん(50代前半)は、「広告事業にドライブをかけたい」と考えていた大手ネット企業に部長ポジションで採用されました。


Bさん自身は「デジタルの知見を身に付けたい」と考え、企業側は「広告×ナショナルクライアント×グローバル」の経験を求めており、両者のニーズがマッチしました。

新分野の開拓を目指す企業で、営業部長候補として採用

プラント機器メーカーの部長として複数部署を兼任していたDさん(50代前半)。さらにステップアップできる企業があればと情報を収集されていました。


新規事業の立ち上げを目指す重電メーカーが、その分野のマーケットに詳しいDさんを高く評価。Dさん自身は経験を生かした新規事業立ち上げに魅力を感じ、営業部長候補として採用されました。

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管理職への転職を成功させるために、意識しておくべきポイント


管理職への転職の成功率を高めるために、次のポイントを意識して選考対策を行うことをおすすめします。

企業のフェーズごとに求められるスキル・経験の違いを意識する

企業は、創業期~拡大期~安定期~変革期など、どのフェーズにあるかによって求めるスキル・経験が異なります。

たとえば、創業間もないスタートアップでは、「管理」のみでなく、一緒にビジネスを作っていく「プレイング」の要素が求められます。組織が混沌としているため、自身の専門分野に限らず幅広いミッションに対応できる柔軟性も欠かせません。

しかし、事業が軌道に乗って組織規模が拡大し、IPO直前になると、「メンバーの統括」「仕組み化」を担える管理職が求められるようになります。

さらに安定期~変革期になると、さらなる拡大に向けた新規事業への取り組みや、組織改革など、変化の波に多くの人を巻き込んでいける方が求められます。

このように、企業のフェーズによって求められるマネジメントが異なることを理解し、自身の強みを生かせる企業を選ぶことが大切です。

【2024年】管理部門長の採用ニーズ動向・IPOを目指す企業におけるCFO

「マネジメント」と「プレイング」のバランス、裁量範囲に注目する

一口に「マネジャー」といっても、期待される「マネジメント」と「プレイング」のバランスは企業によって大きく異なります。どちらの要素が重視されているのかを確認し、企業選びや選考対策を行いましょう。

また、「裁量・権限の範囲」も企業によってさまざま。入社後、「想定していたような裁量が持てない」と後悔するケースもありますので、選考段階で確認しておくことが大切です。

マネジメントスタイルの違いを意識する

近年、上下関係がないフラットな組織作り、「サーバント型」と呼ばれるマネジメント(メンバーが主体的に活動し、マネジャーは支援する)を行う企業が増えています。

特にスタートアップではこの傾向が顕著であり、大手企業で「トップダウン型」のマネジメントに慣れてきた方がそのままの感覚で転職すると、ギャップを感じる可能性があります。

企業のカルチャーによってマネジメントスタイルが異なりますので、自身が得意とするスタイルを生かせる企業を選ぶと良いでしょう。

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管理職への転職を成功させるために、JACを活用するメリット

JACは管理職ポジションの取り扱い件数・サポート実績が豊富で、課長級・部長級からエグゼクティブクラスまで、幅広い求人案件を手がけています。その情報の蓄積をベースに、転職希望者の方の強みがどの企業でなら生かせるか、あるいは志望企業に対して何をアピールすれば評価されるかなどをアドバイスできます。

JACのコンサルタントは、転職希望者の方と採用企業、双方と直接コミュニケーションをとっているため、企業が抱えている課題、求める人物像を理解しています。
経験・スキルだけでなく、ソフト面やカルチャーなどの観点からもご提案可能です。
転職希望者の、レジュメ上だけでは分からない強み・魅力を引き出し、企業に伝えるサポートも行っています。ぜひお気軽にご相談ください。

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この記事の筆者

株式会社JAC Recruitment

 編集部 


当サイトを運営する、JACの編集部です。 日々、採用企業とコミュニケーションを取っているJACのコンサルタントや、最新の転職市場を分析しているJACのアナリストなどにインタビューし、皆様がキャリアを描く際に、また転職の際に役立つ情報をお届けしています。